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てのひらの闇



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【この小説が収録されている参考書籍】
てのひらの闇
てのひらの闇 (文春文庫)

てのひらの闇の評価: 4.25/5点 レビュー 44件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 1~20 1/2ページ
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No.36:
(5pt)

20年後の決着をつける1人の男の果敢さ

それぞれ登場人物のキャラが独特で面白い。どう展開していくのかが楽しみで一気に読んでしまえた。予想天外な結末にも意外性ありでとっても、楽しめた!お勧めのの一冊で間違いなしです。
てのひらの闇Amazon書評・レビュー:てのひらの闇より
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No.35:
(5pt)
※削除申請(1件)

ねじ伏せるような強引な魔力はどこにもないのに、このひとの作品はすべて読んでみたくなった。

ハードボイルドっていうのは、“はた迷惑”なものなのだ。それはナミちゃんの言う通りなのだ。本人は酔っているつもりはなく、むしろ酔わないための予防措置としてハードボイルドを気取っているつもりなのに、少なくとも、そんな男を真摯に見守る女性(たち)にとっては所詮“はた迷惑”でしかない。しかし、それは当人には気づきようもない。囚われた彼女を見守る別の同性からしか観察できないシロモノなのだ。あゝややこしい。でも、それがハードボイルドの流儀であり手続きでもあるのだろう。
それに何より、ハードボイルドはズルい。なぜなら、普段はリストラクションというか、他人を巻きこまないために自分以外のリスクは極力排除するという省エネ政策を推進しているが、実は人一倍寂しがり屋で情が深いもんだから、人の情けには異常に敏感。だから、有能なくせに異常なくらいに脆い面がある。いわゆるアキレス腱があからさまなのだ。そこがでも魅力でもあって、作者は、その急所めがけてドラマトゥルギーを編んでいくものだからあざとい展開になりがちだ。それをグッと我慢すれば読み通せるのかもしれないが、残念ながら当方はそんなものにつき合っている余裕はない。なにしろ高齢者なのだ。
しかし、この小説には―いや、藤原伊織という作家の作品には、そういう心配は一切ない。彼は、ハードボイルドのズルさを十二分に踏まえたうえで―小出しにはするが、出し惜しみすることであざとさは感じさせないように計算している、としか思えない。そうでなければ、こんなに破天荒で意想外な展開を黙って読んでいるわけにはいかないはずだ。たいがいにしろ!とでも言って途中で放り投げてもいいくらいの非現実的な話をこれほど精密に有無を言わせない筆致で淡々と描き切ることは不可能だろう。
それは、テクニカルな面だけに言えることではない。<ゴキブリを諭すような口調だった>だの、<ゴキブリみたいな気分>だの、<刺身にバターを塗るような組み合わせ>だの、<人を苛立たせる優雅さ>だの、<私ができることといえば、やくざの組長と真夜中にドライブすることくらいだ>だの、いちいち笑っていたらきりがないほどの警句を出し惜しみしない。また、法事用のスーツに真珠のネックレスをまとわせることは、<音譜記号ひとつで、短調が長調に転じるよう>という表現もなかなか乙なものだ。が、これらはテクニックというよりも作者の軽快な諧謔癖に映る。このクセが癖になるのだ。文体の体臭といってもいい。オールディーズの曲を聴いているうちに、<沼の底につもった泥が、そっとかき混ぜられる><静かに眠っていた土と有機物。その粒子が水中を舞うように、過ぎた時間が漂いはじめる>なんて苦いポエジーも出てくる。吉行淳之介いうところの“詩とは脂汗のようなもの”そのままの表現だ。
それにしても、作者が登場させる人物たちの魅力は尋常じゃない。主人公・堀江雅之はもちろんのこと、彼の入社を世話した会長の石崎博久をはじめ、部長ながら同志のような柿島隆志、それに堀江の一番の部下で、これも同志と言える大原真理とジャーナリストの旦那。堀江の過去に関わる坂崎大吾や、その敵であるはずの勝沼英樹でさえ彫りの深い描き込みに唸らされる。そして、ひょんなことから懇意になるバーの姉弟ナミちゃんとマイクも外せないキャラクターだ。彼らは、いずれも作者の分身ではなかろうか、という想いにかられるほど生きてこの物語に生息している生身の人間のようだ。
タイトルの由来は、主人公の<手の甲に残る火傷の痕>のこと。これが、かれを巻きこむすべてのトリガーになっているのだ。主人公の置かれた立場が退職寸前であり、終始重度の風邪の熱に浮かされて朦朧としているという設定も絶妙だ。美点を洗いだせば切りがないが、これだけ波乱に富んだ物語の幕切れが、これほど爽やかなのもこの作品の大きな特長と言っていいだろう。
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No.34:
(5pt)

新刊同様の綺麗な文庫本が注文から5日で届きました。

書店の棚から取り出したような、新刊同様の文庫本が届きました!
大変有難うございました。これからじっくり読書です!!
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No.33:
(5pt)

なかなか、手に入りづらい文庫。しかも、凄い綺麗でした!

藤原伊織氏の本がなかなか、入手困難で、やっと、見つけた本。凄い綺麗で、ビックリでした。やはり、紙の本、良いですね!
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No.32:
(5pt)

愛着がある主人公だったんだろうな

短編集で使い切ったはずの主人公を、わざわざ同じ名前で焼き直して長編に仕立て上げ、かつ続編が遺作になったことを考えると、本作は作者の思い入れが特に強かったのかなと思います。組長の息子がサラリーマンでめちゃくちゃ強いという漫画的な設定を、武器の調達方法などのディテールを丁寧に描いてリアリティーを損なわずに書ききっています。ちなみに続編の方はなくてもよかったかなという出来でした。。
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No.31:
(5pt)

もっと書いてほしかった。

テロリストのパラソルを初版本で読み、うまい作家が出たなと思いました。その後ひまわりの祝祭も初版本を買いましたが、いまいちで、その後読んでおりませんでした。今回たまたま読んでみましたが、すごく面白かったです。この頃、良い作家が早くなくなるので、かなしいですね。
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No.30:
(5pt)

ハードボイルド小説に出てきそうな、いかにもキャラクター総出演

並みの作家なら、ご都合主義の三流小説になりかねないストーリーと道具立てを使って、面白く読める小説を書いてくれました。
主人公はやくざの息子で剣道の達人。仕事は出来るが部長と折り合いが悪くリストラされる立場。役員に出世した親友は会社の機密情報を教えてくれる。美人で優秀な部下も主人公を慕って何かと世話を焼いてくれる。バーでの揉め事をきっかけに経営者姉弟と仲良くなれば、バイクをかっ飛ばすお姉さんも、マイク・タイソンみないな腕をした経済通の弟くんも進んで主人公を助けてくれる。子供のころ世話になったやくざは、今は昔かたぎの親分さんなどなど。出てこないのは、主人公を追いかける刑事(でも、本当は優秀で最後に助けてくれて友達になる)くらいです。
いかにもハードボイルドにこんなキャラクターが出てくるだろ、こんなキャラクターを読者は好きだろ、といわんばかりの役者を揃えて、嫌味にならず、エンターテイメントとして成立される作者の力量には、いつものことながら、頭が下がります。
あまりのうまさに、読んでいる最中は面白いけど、読み終わると作者の手の上で踊らされたような気になるのも、この作家の他の作品と共通です。とはいえ、面白いミステリを探している人、特に退屈な時間のお供になる本を探している人に、文句無くお勧めできると思います。
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No.29:
(5pt)

実に面白い

この本を読むのは2回目だが、実に面白い。全編を通して、論理の破綻もなく、必要最小限の表現で、ミステリー小説として優れている。
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No.28:
(5pt)

名作

個人的には一番好きな作品でした。他の作品と比べて物語展開が早いです。
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No.27:
(5pt)

とても面白かった

新刊が途切れたら読もう、読もうと思っててやっと読了。同作家の「テロリストのパラソル」(江戸川乱歩賞)はこう評価に関わらず、途中挫折してしまったが、こちらは、面白く読了。堀江もかっこ良かったし。ミステリーであり、サスペンスであり、ハードボイルドでありつつ、ヒューマンドラマ。電通で二足のわらじを履きながら作家活動をしてきた人らしい。本作。どんどん引き込まれ、長編なので、後3分の1位のところで、多少中だるみが来たが、ラストは良い感じで終了。坂崎との関係、大原との関係、柿島との関係。着地もすっきり。
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No.26:
(4pt)

やくざの親分の子供で剣道の達人の話

酔っ払いサラリーマンが道に寝ていて会社に遅れる…みたいなシーンから始まるのだが、今までにないストーリーなので引き込まれてしまい、一気に読んでしまいました。

なんとか飲料の宣伝広告の部署の主人公。40過ぎてバツイチ。一人暮らしだか、映像に関するセンスは凄いものがあり、いろいろなヒットCMを作ってきていた。しかし会社が不景気でリストラをはじめ、いの一番に声がかかり、すぐにOKしてしまう。

そんな時に会社の会長から「この自分が撮ったビデオをうちの会社のコマーヘシャルに使えないか…」という変な依頼。そのビデオはマンションから落ちる子供を下で受け止めて命が助かる実際に起きたシーンなのだが…。

しかしそのビデオは実写ではなくCGだと気付いた主人公が会長にそのことを告げると、会長がその夜自殺。会社も大変なことになる。そもそも主人公は20年前のあるトラブルの対応が素晴らしく会長が当時現場監督時代に拾われた恩もあり、自殺の原因をなんとか見つけ出そうと動き出す。

そもそもこの主人公はある広域暴力団の組長の息子。剣道の達人であり、棒を持たせればヤクザが何人いても打ちのめしてしまうくらい。そんな主人公の周りのいろいろな人が関わり、最後にしっかり原因がわかって行くまでの経過が、とても面白く新鮮でした。

そのトラブルというのが、飲料会社が単独で提供しているテレビ番組でゲストの女優がその会社の名前をライバルが石屋の名前と間違ってコマーシャルしてしまうという失態。やまやが一社提供している番組で、「やっぱり明太子はふくやが一番ですよ」と言ってしまったようなこと。これをどう収めたか…を見るだけでも面白いです(笑)
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No.25:
(5pt)

こういうハードボイルドな世界も

登場人物が魅力的。端役として登場する人物も、その人物なりの美学を示す見せ場があり、平凡なサラリーマン人生でもそのくらいの矜持を持ちたいなーと感じる。
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No.24:
(4pt)

面白かった

この作者のものはおよそ外れがない。早くに亡くなったので本当に惜しい人だった。
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No.23:
(5pt)

良かった

藤原 伊織さんの作品は10年以上前に「テロリストのパラソル」を読み、今でも心に強く残っている。それ以外の作品は何も読んでいないが、藤原さんの作品はずっと気になっていた。今回読んだのが2作目だが、やはりとても良かった。ちなみに、「てのひらの闇Ⅱ」も続けて読ませて頂いた。こちらも星5個です。
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No.22:
(5pt)

イッキ読み推奨

普段は歴史小説や時代小説しか読まないのだが、たまには違ったジャンルの小説も読んでみようと思い本屋をブラブラしていると、ポップでオススメされているこの本をみつけた。他の方も書かれているが、出てくるキャラクターがみなカッコいい。そして続きが気になって気になってしゃあない。面白かった。
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No.21:
(4pt)

企業サスペンス

大企業の会長の自殺をめぐって主人公、その会社の社員だが、過去にせまっていくストリーは、複雑な人間関係に絡めて、興味深く読めた、中盤少しなかだるみしたがなかなかおもしろかった、むしろ直木賞作品よりもこちらのほうが私は面白く読めた。
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No.20:
(5pt)

もう読めないと思うととても残念です。

よけいな回り道がなく、的確な言葉づかい
藤原作品はどれも好きです。
もう読めないと思うととても残念です。寂しいです。
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No.19:
(4pt)

印象に残る作品

作品で提示される謎が特別なわけでもないし
特別な世界を描いているわけでもないけど印象に残ります。
振り返ると読みやすかったと思います。
ただ経済やら政治関係が、どうにも分かりにくかったです。
会長の自殺の本当の動機については渋い、と思いましたが。
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No.18:
(5pt)

藤原 伊織さんにハズレはないです

殆どの作品において男性の感性が色濃いから、ハードボイルドって言われるのは仕方ないけど
男の繊細さ っていうか

まぁ 男ですいません!!って潔い感じが好き。
お亡くなりになったのは凄く残念です。

もう、作品が世に出ないのですから。
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No.17:
(4pt)

堀江雅之という主人公がかっこよすぎる。

東京のとある駅で手にした本です。
ミステリー小説だと思って気になり
そのタイトル、表紙も気に入って、お弁当とお茶と一緒にレジに向かってました。
結果は買って正解でした。
男女の粋な会話と男気のある主人公の行動がカッコいいです。
その場で流れている音楽について曲名の説明が時折でてきますが、
知らないながらそれがなんであれ雰囲気は伝わります。
堀江を取り巻く人物もよい距離感で描かれています。
ストーリーもしっかりしていて話しにこんな裏があったのかと読者を飽きさせずに引き込みます。
サラリーマンが共感できる立場ですが、極道とう血が入っていることで
表面上はサラリーマンで、実はスゴイ人という主人公。
ただし現役でもなくその道とは疎遠にしている孤独感もいいですね。
堀江がかっこよすぎます。
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