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ラストドリーム
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ラストドリームの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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主人公の主観的な誠実さが皮相的なために感情移入しがたい。 だから読み方の難しい小説であるが、執筆意図を気にすることなく虚心坦懐に 読むのがいいと思う。そうすると何が描かれているか。 家柄、性格、能力、結婚など、一般的にはそこそこの成功を収めたように 見える男が、(主観的には)率直に人生を振り返るというのが主な内容である。 しかしそこで明らかになるのは、男というものがいかに弱く、 自分勝手で、無神経を極めているかということである。 しかもそうした点への自覚は、妻を失ったことを契機に 自分のうつろな人生に気付いた後もなお、最後まで希薄である。 つまりこの作品は、著者の意図がどうあれ、徹頭徹尾、 男として生きることの「罪」を暴き出しているのだ。 こうした男はいかにも昭和的であるようにも見えるが、 しかし平成が終わろうとしている現在でも根強いのだ(我が身を省みつつ)。 なお、エビ養殖産業の様子や食品への放射線照射といった、 著者にしてはやや珍しい社会性のあるトピックスは興味深かった。 | ||||
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主人公は妻に先立たれた「長渕琢巳」。 高度成長・バブル・失われた10年と企業だけではなく、国自体の環境の変化に翻弄されてきたサラリーマンの悲哀と男女の機微が描かれています。 場面ごとの情景描写が素晴らしく、失われたものへの郷愁、人生のはかなさが読者の胸に見事なまでに迫ってきます。 私は場面ごとの郷愁の匂いまで嗅ぎ取ってしまいました。 男だったら誰もがみる見果てぬ夢、主人公「長渕琢巳」がみたラストドリームは叶ったのでしょうか? 今年読んだ本の中で一押しになるかもしれません。 | ||||
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唐突に物語が始まる。悪夢にうなされ、目覚める主人公。場所は青函トンネルを走る列車の中。あてどない主人公を拾った初老の老人との出会いがきっかけで次々と明らかになる主人公の過去と生い立ち。過去と現在をさまよいながらストーリーは展開する。 サラリーマンとしての男、夫としての男の姿を情感豊かな筆致で描く。妻との出会い、別れ。繊細な情景描写。"シミタツ節"は健在である。 秋の夜長にぴったりの1冊か。 | ||||
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家庭を顧みず、海外の食品階差での海老養殖に熱中する中年男。妻にガンで先立たれた悲しみをだんだん思い出したのか妻の故郷へと向かっていく・・・・主人公は何を求めていたのか?失ったものか?日本の失ったものと重なりあう気持ちがする。 | ||||
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著者の4年ぶりとなる長編の本書は、妻をがんで失った衝撃で記憶を失ってしまった男の物語。妻に対する罪悪感、幸福にしてやれなかった後悔と悲哀。そして、ビジネスマンとして出世の頂点を極めた男の回想と悔恨を描いています。じっくりとした作品ではあり、ある意味志水辰夫らしい作品ではありますが、様々な要素が盛り込まれすぎていて、まとまりを感じなかった点は残念です。それでも久々の志水辰夫の長編として物語は堪能できました。 | ||||
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