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女たちのジハード
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女たちのジハードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 21~40 2/3ページ
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ジハードって聖戦という意味。jehadまたはjihadと綴る。「イスラム教の信仰行為の一つ。異端者との戦い。敵と戦い死んだ者は神の下に行けるとされる。(by alc英辞郎)」篠田節子の小説にしては読後感がよい。 20代から30代の女性の、自分探しが積極的でよい。 いくつかの失敗を重ねながらも、 その人の一番本質的なところを仕事と結びつけていく。 著者の人生の自信が感じられる。直木賞受賞作。 | ||||
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恋愛や生死を題材にした小説や映画で泣いたことは多い。 だが、仕事を題材にした小説で泣いたのは初めてだ。 自分が20代後半という人生設計に悩む年齢だからということもあるかもしれない。 これといったやりたいことも見つからず、ただ目の前の仕事をこなすことに日々を費やす。 それで一生を終えるのもいいかもしれないが、本当に自分がやりたいことを見つけたいと思っている。 今の自分は感動の積み重ねでできている。 人との体験に感動して趣味を持ち、人の姿に感動して自分の仕事を選び、人の感性に感動して人を好きになる。 そしてこの本では、夢を描くための感動が語られる。 | ||||
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確かに面白い(笑) 中堅損保会社に勤めるOL達の生態学。そこには当然異性としての種々な男どもの生態も描かれている。 生老病死の普遍の中で、人生をどう生きるのかという自己への問いかけは誰でも一度や二度経験するだろう。 東京と言う都市、アメリカ、アジアの田舎、山梨の田舎(自分の故郷も出てきて嬉しい)というある種時間軸が異なる文脈の中で展開する喜怒哀楽。 かなり厚い文庫本ですが、飽きさせずにあっと言う間に読んでしまう、その位熱中させる一冊でありました。 ある意味において、男性必読でもあるかもしれませんね。 | ||||
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最初に申し上げておきますが、面白かったです。先日、同じ著者の『仮想儀礼』を読んだのですが、やはりこちらの方がイライラしないで読めました。 ところで……本書の各章は94年から96年にかけて『小説すばる』誌に連作形式で発表され、97年1月に単行本刊行、だそうです。時代設定も、ほぼ同時期と思われます。で、気になったことがひとつ。 最終章「三十四歳のせみしぐれ」のクライマックスで、視点人物の康子が田舎道で電話ボックスを探す場面があります(p487)。ケータイを持っていないんですね。 ちょっとネットで調べたら、端末買い取り制度が始まった94年を境にケータイ加入数は急上昇し、95年度末で1000万人、00年度末で6000万人に達したそうです。95年7月にPHSのサービス開始、96年秋に重量100gを切るデジタルムーバが発売されています。 この小説にはECCやNOVAも登場しますし(p384)、「VERYな暮らし」(p273)なんて表現も用いられていて、かなり同時代の風俗を意識している様子がうかがわれます。いや、それどころか同時代の風俗の中での5人の女性たちの生き方を描くことが主眼の小説だと言うべきでしょう。だとすると、ケータイの見落としは、ちょっとイタイかもしれません。 ま、それでも面白い、よくできた作品だと思いますけど。 | ||||
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保険会社に勤める20〜30代の知合いの OL5人の揺れる心を描いている。 男性の私が読んでも、 読みやすい印象を受けた。 5人それぞれの葛藤する苦しい心を 詳しく深く描いていて、 その決意が固まったところ以降は、 あまり触れないのが特徴。 そこに焦点をしぼっているように感じた。 ただ、他の4人の物語の中で、 ところどころ登場させるところが上手い。 同じ会社にいても男性が見る景色とは だいぶ違うことに気づかされる。 男性には、程度の差,良し悪しは別にしても 出世というものがつきまとう。 でも、女性の場合は、会社というものが 男社会であることを見切っている。 出世という視点はなく、 常に近い将来の自分を見据えて、 現在を考えている。 少なくともこの物語に登場した女性達は。 その違いを強く感じた。 | ||||
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それぞれの女性達が、自分にあった生き方を見つけていくさまに感動しました。私も三十代に戻って人生をやり直したくなりました。著者にはぜひ続編を期待します。 | ||||
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生命保険会社に勤務する立場も年齢も異なる5人OLが、仕事の生きる中で自分らしさを見つけだしていく。ストーリーも、会社組織で上手くいっていない、恋の悩みなどとありふれた物語ではなく、やくざと喧嘩をしたりとスリリングであり、またポジティブに皆生きようとしている。不況のご時世。元気をもらう1冊でした。 | ||||
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ぜんぜん知らずになんとなく手に取った本 それがよかったのかどうかはさておき、すばさしかった。 引き込まれた それぞれのキャラクターがよかった 共感しまくった(男だけど) おすすめは?と聞かれたら迷わずこれを進める(まあ超有名な作品なんだろうけど) で、これがあまりに良過ぎて他の篠田節子の作品が読めない | ||||
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篠田節子さんの小説を初めて読んだのですが、これほど面白かったとは! それぞれの章ごとに登場する女性がそれぞれ個性的で、それぞれの恋愛感も多彩で、楽しみながら読み進んでいたら、最後の最後にこんなにハッピーな結末が待っていたとは! 今度は他の作品も読んでみようと思いました。 | ||||
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題名に惹かれて、この本をとったものの、結局女は感情で動き 結末には感情で終わらせるのか、という疑問の残った作品でもある。 多彩な面で女性の人生模様が描かれていて、すぐ読んでしまえるといった 類の長編。 特に同年代の女性にはステレオタイプな女性達ばかり出てくるため、 読んで自分と見比べてみるのも面白いのではないだろうか。 自分の気になった登場人物は、沙織というのだが、これも現代女性に よくありそうな、英語に関心・就職希望のある女性。 数人の女たち、どれかが女性読者にとっては共感をえられるものに なっているつくりのようだ。 | ||||
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いい意味で女性作家にしか書けない小説。男性作家が男性5人の人生をオムニバス形式で書けますか?あんまり見たことないよなぁ。最初、保険会社のOLとして登場する彼女たちは人生を見つめ直し新たな選択をしてそれぞれの場所へ旅立っていきます。ある者は結婚し、ある者は海を越え・・・その悩める過程は誇張された部分はあるけども笑えたりハラハラしたり共感できたり。男任せのなしくずし人生を歩むダメダメちゃんな紀子と反対に自分で人生切り開きすぎてすごろくのように移り変わりの激しい紗織が印象深いです。 ただの仲良しではなく会社を離れてしまったら何をしているのかわからなくなる、という5人の関係もリアルだと思う。通常のOL小説に比べれば十分スケールでかいけど、やっぱし女性にオススメ。 | ||||
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損保会社に勤めるOLのそれぞれを描いた小説で、1話ごとに主人公が変わる構成。1話目を読んだ段階では、それぞれの単なる恋愛物?とテレビのドラマっぽい内容でこのボリュームはきついかも…と感じたのですが、なになに、とんでもない。 30を過ぎた康子がマンション購入のためにやくざと渡り合うあたりから、これはOLの目を通して社会を見つめる、社会派小説だと気づきました。 中盤以降に現れる、トマトを育てる松浦と康子との物語は圧巻で、農業の難しさ、田舎の生活の長所短所、ビジネスとしての農業、そこで生きようとする康子の痛快なまでの行動力、ページをめくる手ももどかしく、一気に読みました。 相当な調査と、計算の上に書かれた小説で読み応え充分でした。 | ||||
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いやあ面白かった。 ここに出てくる4人のOLは、全員千差万別である。 甘ったれでまわりを心配させずにはいられないタイプだったり、 美人で気立ても良いがちょっと計算高かったり、 向上心は強いがそれが裏目に出るタイプだったり。 一人一人の考え方や行動を丁寧に追っていて、それぞれが面白い。 でも、4人の中で誰が一番際立っているかというと、 一番の年長者である斉藤康子ですね。 特に美人ではなくて、いつも地味だとか面白味がないだとか言われてしまう。 とてもしっかりしているのだが、たまに自分に擦り寄ってくる男がいると、 好みでなくても断ることの出来ない弱さも持つ。それがいじらしい。 そういう弱さを、普段全然見せない(見せることが出来ない)所も、 又いじらしいのである。 | ||||
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男女平等とは言うけれど、世の中まだまだ完全にそうはならない。 長年OLをやっていれば、風当たりも強くなる。この作品に登場する 5人の女性たちは、それぞれの幸せを求めて奔走する。どうすれば 自分が幸せになれるのか?試行錯誤?紆余曲折?邪魔者扱いされても 決してめげず、己の道を突き進む。作者は軽快なタッチで彼女たちの 奮闘ぶりを描いている。まるで雑草のごとく、踏まれれば踏まれる ほど彼女たちは強くなる。その姿は戦士そのものだ。さて、戦いの のち彼女たちが勝ち取ったものは・・・?それぞれ全く違うけれど、 どれもキラキラと輝いていた。読後もすっきり♪読み応えのある、 楽しい作品だった。 | ||||
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性善説ここに極まれり!という物語ですね。 ニュースを見れば「心の闇」がどーしたこーしたと騒がしいけど いやいや人生ってそう悪くないよ、 と篠田さんに微笑まれてるような気持ちになります。 特に女の人は励まされると思いますが、 かと言って偽善的でもないところがさすがです。 こういう小説に出会うと、大げさじゃなく世界が輝いて見えますね。 この時代に、女として生まれてきたことに感謝さえ感じます。 篠田さんに感謝、感謝。 | ||||
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合コン場面から始まる展開に、バブル期の名残あるトレンディドラマ系かしら?とうんざり期待薄弱でしたが、とんでもない、最後までぐいぐい読んでしまいました。 女として男に依存して生きるも、仕事を極めるも自立するも、よくあるトレンディドラマにように単純なステレオタイプでは描かれておらず、どの道たいていは多くを失って希少な一つを得る、という素晴らしくも過酷な現実を5人の女性のエピソードを進行させながら、魅力的に描き出している作品だと思います。 それぞれが個性的ではありますがキャラクターが自己完結しておらず、苦悩と混迷の中で多かれ少なかれ決断をしながら少しずつ変化していくところに現実味があります。 「変わっていく」ところに勇気付けられる作品だと思います。 | ||||
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同じ会社に勤めている5人の女たち。 強い女もいれば、弱い女もいる。 自力で道を切り開く女もいれば、他力本願な女もいる。 それぞれが、それぞれの考えで、それぞれの道を生きていく。 この本は、5人の異なるタイプの女たちの生き方について、描かれています。 5人を描き切るには短すぎて、少し足りないところもありますが、 ふだん理解できないと思っているタイプの人を少し理解できたり、 自分の道を考えるきっかけや参考になる本です。 また、この本もどちらかというと女性向けの本ですが、 男性が読んでも女心を知る手助けになると思います。 | ||||
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将来を意識し始めた5人のOL達。現実との心の葛藤がおもしろく描かれていました。結婚を選び失敗する者、仕事を選びその厳しさに悩む者。人生は様々だなと思いました。 | ||||
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OL経験のない私ですが、主人が会社員なので、しかも女性の多い会社なので、心配というか、一般的な会社の中のことが知りたくて、たまたま手にした本でしたが、そこには、OLの生体がまざまざと載っていました。篠田先生はきっとOL経験がおありなのですね。生まれ変わったら絶対普通のOLになってみたいと思ってしまう本です。 | ||||
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正直、『ジハード』=『聖戦』という言葉を安易に使っている本があまりにも多いので、これも「男社会に立ち向かう女たちの戦い」みたいなものかと敬遠していたが、読んでみると全然違った。ここに描かれるのは、結婚適齢期の五人の女性たち。それぞれが、理想的な結婚を思い描いたり、自分を活かす仕事をしようとしていたりと、女性らしい様々な生き様を、女性らしい感じ方を中心に描いた痛快な長編ドラマである。このような作品で長編にするとストーリーがダラダラになってしまいがちだが、ここは20~30代に直面する人生の葛藤が、五人のキャラクター(その中でも三人がメイン)の個性に沿って描かれるので、そんなこと感じさせない。たとえば、結婚願望の強いリサはあの手この手を使って男を落とそうと繰り返しているのに、独立願望の強い沙織は男なんか気にもせず自分のやりたいことを探し続け、お局様で居続ける康子は自分に何か誇りが欲しいと思って自分の城(マンション)を手に入れるために躍起になる、といった感じだ。ここには「女の正しい生き方」というものが説教くさく書かれているわけではなく、「女が女であるが故に悩む生き方」が描かれている。それが長編の中に順序立てて、しかも絡み合いながら進められているのは驚くほかない。そこに登場する脇役の男たちも、厳しすぎる男や、自身のない男、女心がわからない男や、セクハラな男というだけの「悪い男」というシンプルなキャラクターではなく、「男だから」こういうことになってしまう人間達として登場する。主人公たちはそんな「男」たちとの関わり合い方に「女」として苦労させられるのだが、単に「男との戦い」というものに帰結しないで、その中でもよりよい関係を作ろうとする彼女たちの人間的成長は、読む人にとって希望を感じさせる心地良い物になっていく。それが、何度も読み返したくさせるのだろう。普段、ニュースで知る「ジハード」を見ている我々日本人は「これのどこがジハード?」と思うかもしれない。しかし、そもそも『ジハード』というのは、「心の悪を取り除く苦闘」を意味するらしく、それをするのが「内へのジハード」。それよりも下位に位置される、外圧への反抗としての「外へのジハード」…こちらのジハードがいつしか西洋文化への『聖戦』へと変わっていったのが、本当らしい。『ゴサインタン』など、宗教色のある作品を書く著者だからこそ、本当の意味での心の中の『ジハード』というのが、日本人の生活の中にもあることをこの作品で描こうとしたのではなかろうか?この作品に宗教色は一切ないのだが、『ジハード』の本当の意味を体現した小説としても評価できると私は思う。宗教的な気持ちは一切持たないでももちろん十分楽しい。というか、全体的にコミカルで、誰にでもすぐ読める。とくに、異性の気持ちがわからずに、怒りばかりたまっている男女にこそ読んで欲しい。世の中はやはり「男」と「女」で成り立っており、その中で生きるしかないのだから。 | ||||
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