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1973年のピンボール



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1973年のピンボールの評価: 3.82/5点 レビュー 135件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全135件 101~120 6/7ページ
No.35:
(4pt)

「きばり」がかなりほぐれたデビュー二作目

今から15年ほど前のこと。
「ノルウェイの森」に魅せられた私は、
この作家の長編小説をデビュー作から順に読み始めた。
デビュー作にして文学賞を受賞した「風の歌を聴け」の翌年に発表された
2作目の長編小説がこの「1973年のピンボール」だ。
「ノルウェイの森」の後で読んだデビュー作ではその「軽さ」に面食らったが、
「1973年の・・」では、その「ブッ飛び具合」に面食らったものだ。
登場人物はデビュー作を踏襲するものの、作品の質は全く違う。
ピンボールへの偏執、双子の姉妹との共同生活、配電盤の葬儀など、
一見何の脈略もない複数の話題が続いていく。
文体は相変わらず読みやすいものの、内容はシュールで難解だ。
それらは単に意味のない話の寄せ集めなのか?それとも深い意味があるのか?
答えは未だに見つかっていないが、
当時20代半ばの私の感性には、なぜか訴えるものがあった。
ただし、誰の感性にも訴えるかと言うと、それはありえない。
多くの人にはこのわけの判らない小説は、ゴミ同然かもしれないが、
残念ながらそれは読んでみないと判らない。
今現在冷静に振り返ってみると、
デビュー作に感じられた作者の「意地」や「きばり」が、
良い意味でほぐれてきているようにも思える。
デビュー作は、そこかしこに独特の表現を散りばめながら、
全体として「普通の青春小説」として成り立つようにも努めていた。
そのデビュー作が評価されて安心したのか、
二作目は「作家本来のやりたいこと」が、より強烈に表現されている。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.34:
(5pt)

この殺伐感

「風の歌を聴け」から三年たった所謂初期の三部作の第二作である。主人公「僕」の変化を楽しむことがこの小説の面白さであろう。ピンボールへの向かい方は何かとても象徴的なものだ。文章全体に漂う殺伐感はまさに主人公の心情風景なのであろう。
 村上春樹という作家の小説を読むと、この程度のことなら自分もかけるのではないかと錯覚を覚えてしまうが、これがなかなか手強くて、再読してみるとそこに書かれていることの深さを感じずにはいれない。日常を描くようでいて、まったくの物語をつくリ出しているところに気付いていきたい。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.33:
(4pt)

羊をめぐる冒険へ

シリーズ第二弾。
風の歌よりちょっとボリュームアップ。
羊をめぐる冒険から読んでしまったので、これからという方はぜひ
風の歌を聴けのあとに読んでいただきたい。
*作品紹介には三部作とあるが2007年現在は四部作。
1.風の歌を聴け2.1973年のピンボール3.羊をめぐる冒険4.ダンス.ダンス.ダンス
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.32:
(5pt)

Pinball, 1973

his is the English version of "Pinball,1973" originally written by Murakami Haruki.

It is well translated into flowing colloquial English, but still keeps the atmosphere of the original book.

The following extract is taken from his novel.

"Call us whatever you like."

The girls always took turns speaking.

It was like an FM stereo check, and

made my head even worse.

"For instance?" I asked.

"Left and Right," said one.

"Vertical and Horizontal," said the other.

"Up and Down."

"Front and Back."

"East and West."

"Entrance and Exit," I managed to get in, not

to be outdone. The two of them looked each otherl and laughed cotentedly.
1973年のピンボール 1973 PINBALL 【講談社英語文庫】Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール 1973 PINBALL 【講談社英語文庫】より
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No.31:
(3pt)

他の作品に比べると・・・

 村上氏の他の作品と比較してしまうとどうしても見劣りしてしまった。巧みな文章力は初期の作品と言えど健在だが、文章の構成や、登場人物の心理描写に甘さを感じた。
 しかし同じ初期の作品でも『風の歌を聴け』の方が断然楽しめたのはなぜだろうか。私は構成や心理描写の点で難があると感じたが、それは他の読者にとってはそうでないのかもしれない。読む人によっても違う捉え方ができるのも、村上氏の小説―私は特に他の作品においてそう思うが―の魅力なんだと思う。
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No.30:
(2pt)

構成が甘いが雰囲気を楽しめる

キャラクターや物事の描写には優れているが、
構成に脈絡がなく、思いつきでだらだら書いたという
印象が残る作品。
初期の作品はこういう感じだったのかと思った。
それでもなぜか「雰囲気」を感じ取ることができ、
読書そのものは楽しむことができた。
こうしたこと(雰囲気の提供)は、著者がバーを経営していたことと
無関係ではないと思う。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.29:
(4pt)

これは映画じゃないか?

村上春樹は映画のシナリオ作家になりたかったとどこかで話していました。そのように考えるとこの小説にあらわれるアメリカングラフテイー風な登場人物及び人物の行動パターン、そして与えられている小道具大道具の類のカラフルでサイケデリックな雰囲気がいかに工夫を得て、全体を構成しているかが読み取れます。これはもちろん出来損ないの「羊をめぐる」ではありますが、出来損ないの「ノルウェイの森」そして出来損ないの「ねじまき鳥」もあちらこちらに散見する村上先生の事、このような作品があったからとて全く驚くにあたりません。
しかしこうしたパッチワークのような視覚的イメージを連らねながら、自身の感傷や精神的悩みについても適度にほのめかしの利く村上春樹。初期の作品ではありますが、完成度はかなり高いのではないかと思います。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.28:
(4pt)

深緑な感じ

デビュー作「風の歌を聴け」の次に出され、「羊をめぐる冒険」への橋渡しでもある作品。どうしても地味な印象は否めないが、デビュー作よりも文章に厚みが出ているのが感じられた。情景描写、風景描写がより具体性を帯びていた。また、テーマ自体がどんどん深く暗いところへ向かっていくのを感じた。ピンボールや、双子の姉妹や、配電盤などが象徴するものを理解することによって、これが単なるノスタルジーに耽るだけの読み物ではないことが解かるであろう。「風の歌を聴け」がわりとさわやかなノスタルジーを表していたとしたら、この作品はどよーんとした濃い空気の塊をノスタルジーとして僕の魂に残していった。そしてそれこそ、目を背けてはいけないものなのだろう。
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No.27:
(3pt)

心の隙間

1973年。ちょうど親と同じくらいの年代の人の青春時代だ。仕事が軌道に乗り社会人としてうまくやっていっているように見える「僕」と、すべてから取り残されたかのような「鼠」の姿が交互に描かれていく。
そして乾ききった青春とでも呼びたくなるような、やるせない空虚さが漂っている。
犬か猫のように拾ってきた双子の女の子と暮らし、翻訳の仕事を忙しくこなしている日常があまりに感情がなさ過ぎる。それを埋め合わせるかのように、「僕」が熱心に探すのは過去を象徴しているかのようなピンボール台だ。
ピンボールと言われても、球を打ち出してゴールにいれていくゲームだったっけ?と思うデジタル世代の人間だけど、生産性が何もないのに熱中したゲームという意味ではよく理解できた。
冷蔵庫のような倉庫で3フリッパーのピンボールと再会する「僕」。置き忘れてきた心を探していたかのように思えた。
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No.26:
(4pt)

ピンボールがプレイしたくなる物語

「僕」と「鼠」呼ばれる人物を描いた3部作の中間に位置する物語と言われていますが、基本的には両2作(「風の歌を聞け」と「羊をめぐる冒険」)を読まなくてもストーリーは理解できるのではないかと思います。ただし、鼠と僕のエピソードをより深く知るならば、まずは「風の歌を聞け」を読むことをお勧めします。既に多くの方が書かれているとおり、この物語におけるクライマックスの数十台のピンボールが現れるシーンは、まるで実物を見ているかのように見事な描写で、とても深く印象に残るものがありました。他の春樹作品と比べると、やや難しい印象を受けましたが、その代わりに何度でも読み返せる、非常に味わい物語だと思います。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.25:
(5pt)

青春の虚無感

私が本作で強く惹かれた点は、青春の虚無感をずばりと言い当てている点です。
青春は、いつかは終わってしまいます。おそらくそれは、20代後半になるころには、どんな人間にも残されてはいないでしょう。
登場人物の1人である「鼠」の言葉を引用します。
“もちろん三十になろうが四十になろうが幾らだってビールは飲める。でも、と彼は思う、でもここで飲むビールだけは特別なんだ”
また主人公である「僕」は、大学時代にピンボールにハマるのですが、そこから何も得るもののないピンボールに多くの若い時間を費やす様も、とても虚無的だと感じました。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.24:
(4pt)

あの時代を生きたオヤジ世代向きの小説

 「風の歌を聴け」の続編ともいえるこの作品は、60年代後半から70年代という時代をともに過ごしてきた人たちにとっては、一つ一つのエピソードが共感できるものであったり、また、その独特の「雰囲気」といったものが気になったりするのだが、今読み返してみると、若い人たちには、時代背景がわからないと作品の理解はむずかしいかな、と思ってしまう。
 ともあれ、オヤジ世代には、ある意味の「ほろ苦さ」をともなった作品。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.23:
(4pt)

他の村上作品との相対評価で★4つ

なんだかよく分からない、、、というのが結論です。
個性的な登場人物や、空想的な場面設定、どれも村上春樹らしさがでています。ただ、最終的にどこに向かうのかが良く分からず、他の彼の作品との比較で★4つというところです。
「ピンボールをめぐる冒険」、「ピンボール・クロニクル」という題名でもいけそう。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.22:
(5pt)

天才的な処女作に続く第二作目

 圧倒的に冴えた文章で綴られた処女作に続く村上春樹の二作目.三部作の中間ということもあり「風の歌を聴け」と「羊をめぐる冒険」に挟まれ,なんとなく印象が薄いような気もする本作だが,文章の切れは衰えてはいない.あの大ベストセラー「ノルウェイの森」のヒロインが登場したり「ねじまき鳥クロニクル」で大きな意味を持つ井戸についても言及していたりと後の傑作作品郡で輝く宝石たちがひっそりと包まれている.軽い気持ちでさらっと読めるので,ぜひとも多くの人に読んでもらいたい.
1973年のピンボールAmazon書評・レビュー:1973年のピンボールより
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No.21:
(5pt)

風の歌を聴け

 で芥川賞やらずに、これでもやらなかった文壇。やっとけばいいのに。
 風の‾から続く三部作の第二章。影に徹する鼠。関係が絶妙すぎる。
 しかし、今読んでも何がなんだかわかりません。記号的すぎる双子、ピンボールマシンを探す僕、徐々に自分を失い始める鼠。それを絶妙な文体で書いて、もう読んでいるだけで心地いいのは何故だろう。
 これは次の羊を巡る冒険、さらにダンス・ダンス・ダンスまでひっぱられている主題なので、次も是非。
1973年のピンボールAmazon書評・レビュー:1973年のピンボールより
4061168622
No.20:
(4pt)

準傑作というべきか

日本文学なんて知らないよ、というクールな顔を装って現れた村上春樹だが、実のところ日本文学の「つまらない部分」には用がないということだったのだろう。この作品では、ピンボール台の捜索という一見荒唐無稽な物語を持ち前の軽やかな文体で描き、生きていく上での満たされなさや絆の崩壊といった深刻なテーマに取り組んでいる。ただ気になったのは「鼠」の登場する場面。出てくるたびに、やけにじめじめしていて、その苦悩ぶりはまるで昼ドラの登場人物のようだ(悩むのが悪いというわけではない)。著者の持ち味が殺されてしまっているように感じた。そのような意味で、この作品は前作と次作にわずかに劣ると思う。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.19:
(4pt)

いい作品

ピンボールがそんなに流行ったなんて知らんかった。この話を読んで、初めて知ったよ。このころから春樹は書き方変わっているね。
1973年のピンボールAmazon書評・レビュー:1973年のピンボールより
4061168622
No.18:
(3pt)

詩的雰囲気を味わうカフェみたいな作家

村上春樹という作家は多くの詩的情景をもっている。その詩的世界観を共有
できるかどうかで、好みは分かれる。頭2、3ページ立読み、独特な比喩に僕は
ピタッと来たので購読した。■短文と色とりどりの比喩を散りばめ、細かい
場面をつなげてくモザイクみたいな構成。読者にうったえてくるモノはやはり
希薄だが、とても気軽で安心して読める。
こんな感じの初期の春樹作品を読んでると。■父親のTVリモコンを思い出す。
今でゆうザッピング。気まぐれに次々とチャンネルを変える奴いるでしょ?
大人のクセに CM一本辛抱できねえのか、とイラついてた。もちろんウチの
親父と違い春樹アンテナは、高性能で読者ニーズに敏感だ。■フィーリング
さえ同調なら、没入しなくてもサラサラ読める。待合せ中でも、雑踏の中、
ウェイターがウザくてもね。さすが元ジャズ喫茶経営者、自然にもてなす
雰囲気作り・演出は秀逸だ。何度でも気軽にリピート可。なぜかって?
読み終えても直ぐに忘れちまうから。
同じ村上でも龍さんとは、やはり対極だな。ギラギラ感にひきこまれメリメリ
はまってく予感が冒頭からない。ホント苦もなく自分のテンションで読める。
春さんは遠く憧れる風景画だが、龍さんは緻密にリアルすぎる人物画だ。
PS●ええ僕はどっちも程よく読み漁るコウモリ野郎ですとも。ただ両者とも、
現在日本で最も無視するのが困難な作家と言えよう。
1973年のピンボールAmazon書評・レビュー:1973年のピンボールより
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No.17:
(5pt)

深い繋がり

 数年前に読んだきりそれから一回も再読しなかった「1973年のピンボール」でしたが、村上春樹デビュー25周年ということで今回新装丁で再発行され、書店で見かけると、どうしても読みたくなり、ついつい買ってしまいました。 デビュー作「風の歌を聴け」と三部作最後の「羊をめぐる冒険」にはさまれるこの作品。この作品のみでの評価はとても難しいことだと思います。これに続く「羊を~」を見据えた上での作品であることは間違いありませんから。 簡単に言えば「僕」と「鼠」のパセティックな二十代の話。でも、それだけじゃない。一番気になるのがジェイが鼠に言った言葉。 「ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲め」 「アフターダーク」でもこの言葉が出てきます。「ゆっくり歩け、たくさん水を飲め」と・・・。しかも、ジョン・アーヴィングのようなリフレイン的な手法まで使って、何回か出てきます。「1973年の~」と「アフターダーク」は密接な繋がりがあるんじゃないでしょうか? この言葉の意味は?最初に思い浮かんだのは「破壊と再生」「喪失と再構築」こんな感じでした。確かなことはまだ分かりません。まだまだ熟読する必要のある作品だと思いました。 それにしても村上春樹っていう作家はどの作品を読んでもスゴイ!と思わせてくれます。読むたびに違った感慨が浮かぶ。ものすごい才能だと思います。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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No.16:
(5pt)

多読で読みっぱなしだった僕。が、過去に三度再読した、という珍しい経験。

なぜだか解らない。が、僕はこの小説を三回か四回読んでいる。ただ単に、ゲーセンでピンボールをやることが多かったり、W村上世代だったから、ってので薄い本を選んでいるだけかもしれない。だが、この”ワタナベ”だったと思うが、主人公は僕の知る限り、殆どの主人公でおそらく著者の等身大をうまく投影させる。演劇科卒でジャズ、翻訳……。男として、日本では受け入れられない、が会社社会ではなく小説家。としては超一流だった。カレを何となくだが、嫌いではなかった。のが、再読の理由かもしれない。ただ、当初は珍しく、たまたまではなく最後に”捜し物が見つかる”というハッピーだがちょっと郷愁の残る、作品だ。個人的な(自分にしかない秘密めいた、理由亡きという意味で)ハードボイルド小説といえるのかもしれない。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
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