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石の中の蜘蛛
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石の中の蜘蛛の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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| いろいろなところで(例えばSTUDIO VOICEの2000年代小説100冊には同じ作家の『ぬ』が掲載)紹介されているホープらしいので読んでみたのだが、つまらない。 楽器修理職人立花は、引っ越した日に交通事故に遭い、そのあとから異常に聴覚が鋭くなる。常人では聞き取れない音や、部屋に残された音(「残り香」ならず「残り音」だね)を感じ取れるようになり、あちこちをたたいて残音を確かめると、どうも前に住んでいたのが細身のきれいな女らしいことが分かる。その女は不動産屋の話によると失踪してしまったらしいのだが、立花はその女の行方を探り始める、という話。 まあ、21世紀に古いテーマの「人探しハードボイルド」を書こうと思うとこれくらいの斬新な設定が必要なのかもしれないが、斬新ならよいというものでもない。こんな妄想だけで前の住人の女を一所懸命追跡しようとするのがうさんくさい。また、「残音」を感じ取るやり方は、スプーンであたりをたたいて残響に耳を済ませる、っていう設定なのだが、これも何とかならないものか。せめてスプーンじゃなくて楽器関係の道具にするとかね、もうちょっとイカシタ小道具があったと思うな。 あと、比喩表現が手抜きとしか思えない。 <エアコンは腰を痛めた老婆のように仕事場で空気を吐き出すたびに溜息をついている。> <なにかが立花の頭の中でささくれだっていた。喉に刺さった小骨のように、気になって仕方のないなにかが脳裏にある。> <白い下着の胸と腰は硬そうな印象。特に胸はゴムボールみたいにまん丸。> こんなクリシェを小説で読みたいだろうか。今時分、ノンフィクションでももう少しかっこいいレトリックに出会える。 | ||||
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