■スポンサードリンク
四神金赤館銀青館不可能殺人
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
四神金赤館銀青館不可能殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
毎年、講談社ノベルスから恒例行事として出されている氏のバカミス作品の本作が講談社ノベルスからの1作目となる。 全てはここから始まった。 ○○での事件だと思っていたら実は○○だった!文中テキストにヒントが隠されていた!の定番のフォーマットが既に見てとれる。 ただ、まだこの先このパターンのシリーズを続けていく構想は当時はなかったのか、これ以後の凝った作品を読んでいると、本作はネタが割れやすいのが難点とも言える。少なくとも殺人事件の進行のネタと館の正体はかなり分かりやすく、私も途中で分かってしまった。 が、それでも細かいところでのギミックもあるしで、最初の模索期の作品としてはそれなりに完成度も高い。 これ以後の作品を読んでいるとやや物足りないが・・・・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「バカミス」という言葉がいつ頃から使われたのか、分からないけれど、そんなに昔のことではないでしょう。 ミステリのトリックはもう出尽くした──と言われて久しく、誰も思いつかないトリックを生み出そうとすれば、確かに意外だが、同時に失笑も禁じえないものになってしまう…そんな状況から生まれた上手い言葉だと思えます。 著者の作品は、初めて読みましたが、様々なレビューやブログから察するに、特に本作品は、「バカミスの極地」と呼べる作品のようなものと言えるようで、思わず読んでしまいました。 「袋小路と笑わば笑え。これも新本格だ」 ──という言葉が、表紙の裏側部分に掲げられていますが、「バカミス」かどうかはともかく、「意外だけど、笑ってしまう人もいるトリック」が使われていることを、当初から宣言しているところが、ある意味、「フェア」な作品です。 題名から推測できるとおり、意匠を凝らした「館」で密室殺人などの不可能犯罪が次々と起こるという展開で、作りは、「新本格」と宣言しているとおり、従来からの本格ミステリの物語展開を踏襲しています。 そこに、仕掛けられたトリックとは──。 背表紙で紹介しているような「驚天動地」というほどではないものの、「本格もの」で勝負しようというミステリ作家なら、思いついたとしても、使わないトリックであることは間違いありません。 しかし、それなりに、伏線も張られているし、「最後の一行」に趣向を凝らしているところも、好印象。 この著者は、多くの作品を書いているようなのですが、このレベルの作品なら、他の著作も読んでみたいという気にさせる出来栄えでした。 「バカミス」に、どこか憎めない魅力を感じている方ならば、楽しめる作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
金赤館と銀青館、二つの館で起こる惨劇を同時並行で描いたミステリです。その中で、金赤館から、湾を隔てて遠く離れた銀青館に、被害者の死体が有り得ない飛行をします。 まさに第一級の不可能現象が起こるわけですが、カバー裏のあらすじ紹介には、それらしいことは何も書いてありません。おかげで本当にビックリさせられましたが、このセールス・ポイントを謳わないとは講談社ノベルスの編集者は何を考えているのでしょうか。 大がかりなトリック、綿密すぎるほどの伏線、凝りに凝った趣向の数々、盛りだくさんの内容で大いに楽しむことが出来ました。 これまでの倉阪ミステリは、事件の真相とは無関係なところに、大変な労力を注いで超絶技巧を施したものが多く、例えて言えば、「具だけが美味しくて麺とスープが不味いラーメン」みたいな作品ばかりでした。しかし、本篇では数々の趣向が中心的な謎と有機的に絡み合っており、無意味で不毛な努力ばかり重ねてきた作者が初めて真っ当な仕事をしたという感じです。 世間ではまったく話題にならなかったようですが、これは倉阪ミステリの到達点を示した、紛れもない傑作です。「何だこの馬鹿馬鹿しいトリックは。ふざけるな!」と怒りだす人もいるかも知れませんが、トリックとは、程度の差こそあれ、そういうものではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ななな、なんだこれー! 「黒鳥館白鳥館」と並べて読みたいと思っていたので、ようやく読めて大満足。 どちらも凄いぞ倉阪鬼一郎! 不可能過ぎる犯罪、 用意周到な探偵役、 大胆過ぎる伏線、 抱腹絶倒かはたまた感涙放心か。 内容に付いてちっともコメント出来ないのも「黒鳥館白鳥館」と同じ。 いや、本作の方が「館モノ」としてインパクトが大きいか。 とにかくビックリしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
メイントリックは、二つ。 ひとつは、「館」の謎に仕掛けられた叙述トリックで、真相自体は脱力必至の代物。 読後に思い返すと、随所に露骨な伏線が張られていたことに気づくのですが、初読 の際には、それらを伏線とは気づかせない、絶妙な配置がなされているのです(まあ、 わざわざ労力をかけて作品を書くのに、いくらなんでもそれはないだろうという「常識」 が邪魔をするのですがw) また、途中からシナリオ形式の文章がたびたび差し込まれ、それによって真相を 暗示すると同時に、ぬけぬけと読者を騙すミスリードを行っているのも秀逸です。 そして、もうひとつのトリックは、テキストに仕掛けられたもので、こちらも着想自体は じつに安直なのですが、いざ作品化しようとすると、尋常でない労力がかかる代物。 しかも、大方の読者からは、「だから何?」と言われかねないという、なんとも 報われない結果が容易に予想できます(失礼ながら作者はドMなのでしょうw) 「プロローグ」を再読した際に現前する爆笑必至の光景もさることながら、真相を たった×字であらわした最後の一行によるフィニッシング・ストロークは痛快無比。 普通の方には決しておススメしませんが、バカミス耐性に自信のある方は、是非 ご一読を。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
もうどうしようも無いです。本当笑える。 作者はトリックを考えて「これ使いたーい!」と思って書いたんでしょうね。 最初に書いてある内容から中盤でトリックの内容が想像つきます。 ひっかけてるつもりだろうけど、ミスリードされる人なんていないと思う。 しかもそのトリックがこの本最大のトリック(というか他には無い)ので 結構キツイです。 魅力があるというか惹きつけられる登場人物もなく 意外性を狙った犯人なんだろうけど、なーんの感情移入もできない人が 犯人でーす!と出てきます。トリックが主の本なんで。 だからビックリもしなけりゃ「あ、そう」って印象しかない。 この本が類を見ないという点は作者が文中で言い訳をしてること。 「○○なので、このような事件があってもおかしくないのである」とか 書いちゃってる(笑)小説なんだし、書かなくても良いと思うんだよね。 それか作中人物に言わせればいいじゃん。 ナレーションで言い訳て(笑)ありえなーい。 20年以上もコンスタントに小説読んでるけど、こんな本初めて。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本格とは言い難いが、やっぱり本格ですかね。嵐の山荘系で、まだこのパターンがあったのかという点では著者に敬意。 でも、読後感はバカミス。著者も「笑いたければ笑え…」てありましたが、イマイチ笑えず…。 本格としてもバカミスとしても中途半端な読後感。 でも、ネタや伏線を考慮し全体的に及第点をあげれなくもないです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
嵐の中で確執のある両家でほぼ同じ頃に起こる殺人事件や、 降って来る死体の謎、密室トリックを居合わせたミステリ作家や ミステリ愛好家達が推理する推理小説として読んでいて、 最後に館の仕掛けが判った時、「こんなのあり?」と思ってしまった。 読み直してみると、館の謎を解く鍵的な描写は確かにあったから、 内容紹介に「驚天動地のトリック」とあった作者の仕掛けたトリックに まんまと騙されてしまい、真相が見えなかったのだが、 なんだか釈然としない気分の残るミステリ作品であった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!