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柔らかな頬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全103件 81~100 5/6ページ
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北海道の故郷をカスミは捨てた。東京に出たきり、親には何一つ連絡していない。「右の頬には真っ暗な海が発する大量の水の気配、左の頬からはこれも暗い原野の大いなる荒涼が感じられた。カスミはその両方から逃げなくてはならない、と必死に走った。」カスミは何から逃げたのだろうか。果たして逃げおおせたのだろうか。カスミのデザイナーになる夢は奇妙に歪められ、版下工場の経営者と結婚し、二児を設け、生活に追われる。やがて愛人の北海道の別荘で娘が行方不明になる。事件は解決しない。娘の捜索がカスミの全てになる。カスミは東京で何を得て、何を失ったのか。愛人との逢瀬で何を得ようとしたのか。娘の捜索の中で何か得るものはあるのだろうか。並行してあと二人の男の人生が描かれる。カスミの愛人だった石川がヒモになっていく人生と、ガンで余命いくばくも無い元刑事の内海の人生である。物語はミステリーというよりか、『人生の意味』というひとつの暗い森の中に分け入って行っているように思える。森の出口は当然示されてはいない。 | ||||
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まるで磁石にひきつけられるように没頭してしまいました。わずかの時間でも先を読みたくなり、あっという間に読み終わります。失踪した女の子の結末がそのエネルギーになっているのは確かですが、それ以上に主人公の内面へ向かって深く深くえぐっていくような展開に、実は失踪して探し続けていたのは自分自身だったということに気づきます。前半は石山、後半は内海と”脇役”は変わりますが、一貫してカスミの中へ向かうという軸はぶれません。実に凝縮された一級のミステリーだと思います。ラストは意見が分かれるところではありますが、終章の前でこの物語は終わっています。しかしあえて”付け加えられた”この最後はインパクトが強すぎて、評価が分かれるのでしょう。私は最後の一行がこれ程強烈な小説はそうそうないと思います。 | ||||
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カスミに大変共感できる内容だった。こんなにも自分と似てる女がいるのかと嬉しく思った。そして、私も「自由」に生きたい・愛したいと感じた。ただ、夢の部分が多くなったところから混乱しラストは結局誰なのか分からない点が、登場人物や物語とは離れて採点すると ★4つ。 | ||||
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誰しも自分の愛する娘が行方不明になったらどうなるだろう。それも家族の目を盗み愛人と愛し合いながら,一瞬でも子どもを捨ててもいいと思ったその翌朝に。行方不明の娘を捜すためだけの果てしない心の漂流の旅。何処まで行ってもたどり着けない暗く冷たい夜の海を漂う主人公。彼女を取り巻く人たちの,それぞれの心の内側から事件を見つめる構成は意外性があり新鮮だ。元刑事の存在がこの作品のキーポイントだと思う。彼もまた死という場所へ流れていく同じ漂流者だからだ。彼の最後の場面の切なさはこの作品全体の切なさを象徴しているように思える。最後の結末が必要かどうかは疑問だが,こいう終わり方もありかな。 | ||||
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この作品は、とにかく構成がうまい。お題を先に出しておいて、そして中盤まで手の内を見せずに引っ張る。その後は、じっくりと事件に関わる人たちの心の内奥を写し取りながら物語を進めていく。事件によって崩れる家庭を描き、その後は個々に焦点を絞って徹底的に描き上げる。まるで、主人公を本流とするとそれに関わる人々は支流のようで、次第に川幅はどんどんと広がりやがて最後は大海原へ出る。偶然かもしれないが、主人公に関わる最初の男の名は「石山」で、最後に関わる男の名は「内海」で、まさに山から海へ流れる川のようだ。上下巻に分かれる長編だが、力作なのでおすすめしたい。 | ||||
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天下一品の傑作。謎と愛のミステリー。どこでどう人生がひっくり返るか全く分からないことを実感させてくれる小説。子持ちでありながら、他人と愛人関係も継続させている女性が主人公。不倫相手との情事の最中にふと漏らしたある言葉がこの小説の鍵を握ります。その後、主人公の娘が突然失踪。懸命の捜索(刑事が出てきたり、テレビに出演したり)にも関わらず見つけることが出来ず、主人公は追い詰められます。そして結局・・・。私が一番気に入ったのはラストシーンです。どうなるんだどうなるんだと考えを巡らしながら読み進んだので、このラストにはくっ!!と思いましたが、それはそれで実に良い余韻を残してくれました。直木賞受賞作も最近は面白くないものが増え、権威もがた落ちだなあと思ってますが、この作品は正に取るべくして取ったという感じがします。 | ||||
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謎なまま最後まで行ってしまうのでずっと怖かった。娘は殺されたのか、まだ生きているのか・・・。 | ||||
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桐野作品はほとんど読んでいるが『柔らかな頬』はその中でもダントツである。この作品をジャンルで読もうとする読者にとってはミステリーとしての結末がないことが大きな意味を持つだろうが、子どもを失った主人公の孤独感・脆弱さ・荒涼さを桐野はこれでもか、というほど執拗に描きだす。不倫相手との姦通との引き換えとしての子どもの失踪という事件は、この事件に遭遇した主人公も含めた周囲の人間の人生をも奇妙で哀しいものへと変容させる。子どもを失うということは、現実に子どもが目の前からいなくなることを意味するのではない。子どもと過ごした自分自身の過去をも失うこと、全く異なる時間軸の中で新たな希望の道を模索することでもある。本当に愛する人に出会った主人公がその不倫の代償として失ったもの、あまりに残酷な結末に哀しさを覚える。 | ||||
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久々に本屋に立ち寄ってパっと目に付いた本でした。表紙なども凝っていていい感じです。子供が行方不明になった母親と末期ガン患者の元刑事の心の深いところにグっとくる作品でした。できれば 最後にスッキリしたかったかなぁー | ||||
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石山との不倫に夢中になり、子ども達を「捨てても構わない」とまで思ったカスミ。そんな中、石山との逢瀬を作るために企画した北海道への旅行中に、現実に長女が失踪してしまった。本作品で最も優れているのは、この複雑な状況下で、複合的な罪の意識に苛まれるカスミの描写。カスミ自身が二十年前に親を捨てて北海道の実家を家出しており、不倫のために訪れた北海道で長女を失うという設定も、何か因果応報のようで作品に深みを加えている。また、末期癌に犯されて死を目前とした元刑事内海との邂逅も面白い。カスミの女としての強さに、逞しさにグイグイと惹きこまれていく。ただ、終盤の謎解きは本当に必要だっただろうか。中盤までが、単なるミステリーにとどまらない深みがあっただけに、後半がややありきたりに感じた。特に、種明かし的な最終章は不要だったとすら思う。尤も、全体として優れた作品であることには変わりなく、一読の価値はある。 | ||||
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桐野作品はほとんど読んでいたつもりだったが、この作品だけは今回初めて読んだ。言わずと知れた直木賞受賞作だが、幼児失踪事件を単なる謎解きのミステリーという素材で切り取らず、周囲の人間心理を巧みに描いた野心作といえる。女探偵ミロシリーズにおいても、著者の登場人物に対する徹底した覚めたまなざし、これでもかと突き放す潔さにいつも心痺れる。ただ、近著『グロテスク』にもあてはまるが、あまりにも多くの事件関係者の心の内側に分け入った描写が多く、少々散漫で冗長なきらいがある。その点で評価は星一つマイナスとなった。だが、間違いなく著者の代表作であるとともに、私自身がもっとも好きな作品である。 | ||||
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~文庫版のダイナミックなデザインのカバーに目を惹かれ購入しました。果たしてこの柔らかな桃をこんな無惨な姿にしたのは誰なのか、想像力を駆り立てられます。ゆったりと、じっくりと主人公や周りの人々の内面を綴っていく物語。薄く薄く塗り重ねるかのような情念の表現。ここまでの枚数を割くほどのものなのかと苦痛に感じたりしましたが~~読み終えた今、その緻密さが結末をより印象深くしているのではないかと思えます。~ | ||||
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残酷な話だと思います。でも人間の本質を巧く描けてるのでは?実は私も主人公と同じ状況にありました。少し前までですが…子供を捨ててもいいと思った事もあります。結局はできなかったけれど。主人公が抱える閉塞感や孤独感、痛いほどわかりました。読んでいて辛かったけれど、最後は不思議と癒されました。おかげで少しだけ強くなれたような気がします。 | ||||
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文庫版の帯にはユニークな作りがある。表紙も、だが。普通は一冊タイトルも何も表示されるが本作は違う。まあ、単純に分かる仕組みなのだが、帯だけじゃないということに。 タイトルは「柔らかな頬」なのだがこれに込められた意味とはいったい何なんだろう、それを巡る旅じゃないのかと思う。 これは小説なのかと読み終えたとき思ったんだが。正直でポジティヴな意味で。内容は「OUT」のように凄惨でもなんでもないし、人間関係と言う面では「光源」に近い感じもするが、本作に至っては起承転結の幅が殆どない。途切れ途切れのストーリー。 前半は手が止まらないだろう。石山との関係。自分勝手なのは昔から。どうなってもいいと思った過去。全てを捨て去って繋がってきた現在。カスミにとって何を意味したんだろうか。そして別れは、最大の悲しみである娘を失ったことに関しては。 加害者という加害者でなく全てと言っていいくらい被害者だらけである。全ては失踪事件から繋がってくるわけだが、カスミが最大の被害者であることに変わりなく、カスミのせいでそれは広がる。隠せなかった不倫。寧ろ、それはカスミの意思だった。しかし、被害は自分だけじゃなかった。 本作に魅力的なキャラは誰もいないと思う。誰にも感情移入なんて出来るはずがない。元々そういうのが桐野夏生小説なんだろう。何にしても、マイナスな人間を書きつづって話を作るのが彼女の主体であるから、わざわざ意識しないのだ。キャラ作りは、重要。ストーリー立ても重要。彼女のオリジナリティの生きる世界で存分に浸かれる。下巻も是非買って欲しい。いいストーリーじゃないが、刻み込まれるストーリー。 | ||||
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まだ読んでない方、文庫化を期に是非どうぞ!!ラストに賛否両論だと聞きましたが、どちらにしても名作だと思います。本当にこんなミステリーもありなんだ!!という「目から鱗」感ばりばりです。特に各女性の内面に重厚感、リアリティがあると思います。普段言葉に出来ない「違和感」や「もやもやした感じ」とか女性特有の醒めた物の見方とか愚かしさとか・・・とてもうまく表現されていてすごく納得しながら読めました。しかも途中何度も「えーっ?」と思わず前のめりになるような仕掛けもあり・・・。とにかく買いです。充分に時間を確保してから読んで下さい。絶対途中で止められません。 | ||||
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空気というか風土を感じることができます。苫小牧に一度旅行に行ったことがあるせいかもしれませんが・・・。行き場のない思いをこのまま私も背負っていくのかと思いきや最後に選択肢を与えて頂いたので少し安心・・・いや なんだろう | ||||
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彷徨する魂の叫びが聞こえてきます。物語の舞台である北の暗い海辺の町に響く潮騒みたい。どこかに行こうともがいて、逃げて、果ての地で体を交わす。「あんたが死ぬならそれでもいいから、死ぬまでに寝たい」 | ||||
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不倫相手の男と会った翌朝、5歳の娘が行方不明となり、その娘を探しつづける主人公の物語。自分の娘が行方不明となり、しかも、それが自分が不倫相手である男と会って、そこで一瞬とはいえ子供を捨ててもいいと考えた翌朝という、精神的におかしくなっても仕方がない状況から、いかにして正常な精神を回復するのか。家出同然に家を飛び出しその後親とは音信不通となっている自分、ガンで死期が近づいている元刑事、昔の面影が全くなくなった不倫相手の男、そして、何年ぶりかに会ったにもかかわらず、娘である自分を心から受け入れない母親など、様々な人、それも苦しみながら生きている人たちとの出会いによって、自らの苦しい立場を乗り越えていく様が描かれている。結論の出ない問題を、自分自身でどの様に決着するか、これは、自らも苦しみ、また、身近で苦しんでいる人とのかかわりによってしか見出せない。しかし、その反面、結論が出ないと思われることも、自らがもがき苦しむことによって、自分なりの結論が出せることを学びました。 | ||||
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これは単なる幼女誘拐モノではない。孤独と戦いながらさまよい続ける魂の物語だ。ラストは賛否両論別れるところだろう。しかし、この衝撃の結末があってこそ、永遠に余韻の残る傑作となり得たのではないだろうか。優しい夫、両親、かわいい子供、愛人・・・それでも癒されない、絶望的な孤独。そうなのだ、所詮人間は一人で生まれ一人で死ぬ。そんな深淵をかいまみたオンナの姿に、泣けた。そして共感した。 | ||||
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主人公や脇役に対して、自分勝手だと腹が立ったり、気持ち分かるかも~と共感したりと、色々な気持ちにさせられる本だなぁと思いました。最後の後味が良くないのはちょっと嫌だなと感じましたが、もう一度おさらいするため読んでみる機会ができて良かったかな・・と今では思います。 | ||||
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