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インターセックス
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インターセックスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
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本書の冒頭では産婦人科医が過失致死で逮捕された福島事件を模した場面が語られる。岸川医師は弁護人として、医師の技術、対応が問題なかったこと、いかに検事らが言い立てていることが机上の空論であるかを述べる.彼の意思にはぶれがなく、法をおかさなければ理想の医師像だろう。今回はインターセックス(半陰陽、両性具有)の問題に言及している.医師はその力でどちらかの性に押し込めようとする。あくまでそれが善だと思っている。私もそう思っていた.しかし、これは余計なお世話だったのか?医師のバターナリズム、ナチュラリズムが必ずしも正しくないという考えに感慨を覚えた.エンブリオの解決編は必要ないように思う。岸川の遺書によるエンディングは彼を善意の人として終わらせたかったのだろうが.結局自分の作った病院を残すために秋野を丸め込み、自分の息子を次次期院長にしたいというエゴ丸出しでかっこわるい。興ざめだった。 | ||||
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社会的少数者である‘半陰陽’の患者の治療の現況について、性差医療と関連して描いている社会派医学ミステリーです。手術で強引にどちらかの性別に‘適合’させるのではなく、‘生まれたままの’性を受容して生きていくことが大切という作者のメッセージは、ほかの稀な先天性疾患の患者に対しての偏見を打ち破るうえで大切なものと思います。 | ||||
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社会的少数者である‘半陰陽’の患者の治療の現況について、性差医療と関連して描いている社会派医学ミステリーです。手術で強引にどちらかの性別に‘適合’させるのではなく、‘生まれたままの’性を受容して生きていくことが大切という作者のメッセージは、ほかの稀な先天性疾患の患者に対しての偏見を打ち破るうえで大切なものと思います。 | ||||
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私は インターセックスでは ありませんが 一気に読ませてしまう オススメの本です 一読あれ… | ||||
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私はインターセックスではありませんが一気に読ませてしまうオススメの本です一読あれ… | ||||
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読んでからエンブリオの続編であることに気がつきました.だから,エンブリオを読んでいない人は内容についていくのが大変かもしれません.いきなり過去の殺人事件の話をされても知らなければ「?」でしょう.絶対にエンブリオから読んだ方がいいです. 内容はタイトル通り「インターセックス」.このテーマは結構よく小説やマンガに登場しているので知っている人も多いかもしれません.そういえば,「リング」の貞子もそうだったような.... しかし,これまでの小説などではインターセックスの人が異常な性格だったり異端者として扱ったりしていて作者に対して不愉快になることが多かったのですが,これは違います.作者が医師ということで,とても詳しく書かれていますが説明自体はできるだけ分かりやすくしようとされています.自助グループで患者(といっていいかは分かりませんが)が自分のことについてプレゼンしていく描写は実に丁寧です.それぞれの内面についてもしっかり触れられています.「インターセックス=病気」ではなく,そのまま受け入れる大切さが伝わってきます.1つだけ残念なことは,自助グループが女性ばかりで男性として生きている人が一人もいなかったことです.インターセックスの中にもいろいろな分類があるってことを強調するなら,男性も登場させた方がよかったのではないでしょうか. 本作は,インターセックスと5年前の事件の謎とが平行して描かれていきますが,2つの間に関連性があまりないので無理して組み合わせてしまった印象は否定できません.まあ,どちらも内容は濃いですし,文章もしっかりしているのでそれほど気にはなりませんでしたが.エンブリオの解決編でもあり,岸川院長が最終的にどういった行動にでるかも気になるところでした.こういう終わり方は納得できない人もいるかもしれませんが,私はなかなか良かったと思います.エンブリオでは「悪い男」のイメージの岸川院長も本当は人間味があって孤独で寂しい人だったのかもしれないと思い直しました.他の登場人物の設定もそれぞれ丁寧で魅力的です. | ||||
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読んでからエンブリオの続編であることに気がつきました.だから,エンブリオを読んでいない人は内容についていくのが大変かもしれません.いきなり過去の殺人事件の話をされても知らなければ「?」でしょう.絶対にエンブリオから読んだ方がいいです. 内容はタイトル通り「インターセックス」.このテーマは結構よく小説やマンガに登場しているので知っている人も多いかもしれません.そういえば,「リング」の貞子もそうだったような.... しかし,これまでの小説などではインターセックスの人が異常な性格だったり異端者として扱ったりしていて作者に対して不愉快になることが多かったのですが,これは違います.作者が医師ということで,とても詳しく書かれていますが説明自体はできるだけ分かりやすくしようとされています.自助グループで患者(といっていいかは分かりませんが)が自分のことについてプレゼンしていく描写は実に丁寧です.それぞれの内面についてもしっかり触れられています.「インターセックス=病気」ではなく,そのまま受け入れる大切さが伝わってきます.1つだけ残念なことは,自助グループが女性ばかりで男性として生きている人が一人もいなかったことです.インターセックスの中にもいろいろな分類があるってことを強調するなら,男性も登場させた方がよかったのではないでしょうか. 本作は,インターセックスと5年前の事件の謎とが平行して描かれていきますが,2つの間に関連性があまりないので無理して組み合わせてしまった印象は否定できません.まあ,どちらも内容は濃いですし,文章もしっかりしているのでそれほど気にはなりませんでしたが.エンブリオの解決編でもあり,岸川院長が最終的にどういった行動にでるかも気になるところでした.こういう終わり方は納得できない人もいるかもしれませんが,私はなかなか良かったと思います.エンブリオでは「悪い男」のイメージの岸川院長も本当は人間味があって孤独で寂しい人だったのかもしれないと思い直しました.他の登場人物の設定もそれぞれ丁寧で魅力的です. | ||||
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衝撃的なことが書かれいて驚き、初めて知ったことが沢山でした。 初めは興味本位で読み進めていたところもありますが、いつの間にか引き込まれていきました。 デリケートで深くて重たい話題でしたが、嫌な印象は全くありません。 こういう人達がいて、こういう医療があることを皆に知ってほしいと思った。 インターセックスの人達の体や心の状況がよく分かる本です。 またストーリーの展開がテンポよく興味をそそる作りになっていたのは、作家の力だと思う。 「世の中何が良いか悪いか、答えは一つではない。」 「人間も様々な人がいて、みんな自分らしく生きていけばいい。」 この本を読んで私が感じたことです! インターセックスという世の中の少数派の人達の物語から、物事の見方を教えていただきました。 | ||||
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僕は10年程前から性同一性障害の問題に少し首を突っ込んでいるのですが、多くの人の勇気ある行動や発言によって、最近はこの問題に対して徐々に社会の理解が得られるようになってきていることを嬉しく感じています。 生物界における性のあり方はなかなか多様で、いつも単純に雌雄に分類できるものではなく、人間とて例外ではありません。さらに人間にはセックスとしての性以外に、ジェンダーとしての性もあるわけですから、その多様性を無視することはむしろ不自然です。 それにも関わらず「男−女」の二分法で全てを説明、解釈しようとして、そこから外れる人たちを異常だとすることは、「普通」という独善の下で行われる偏狭で残酷な差別なんだろうと思います。 本書が扱っているのはインターセックス(生まれつき男でも女でもない)の人たちで、これまでの医学が治療という名の下にこうした人たちを手術やホルモン治療によって無理やり「男−女」の図式に組み込もうとしてきたことが孕む問題を正面から追及しています。 ここで提起されている「人を男や女として評価するのではなく、人間として評価する」というのは素晴らしい考え方であり、僕は感銘を受けました。先端医療の倫理的問題を追及した著者の前作『エンブリオ』と併せて、是非読んでいただきたい小説の一つです。 | ||||
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衝撃的なことが書かれいて驚き、初めて知ったことが沢山でした。 初めは興味本位で読み進めていたところもありますが、いつの間にか引き込まれていきました。 デリケートで深くて重たい話題でしたが、嫌な印象は全くありません。 こういう人達がいて、こういう医療があることを皆に知ってほしいと思った。 インターセックスの人達の体や心の状況がよく分かる本です。 またストーリーの展開がテンポよく興味をそそる作りになっていたのは、作家の力だと思う。 「世の中何が良いか悪いか、答えは一つではない。」 「人間も様々な人がいて、みんな自分らしく生きていけばいい。」 この本を読んで私が感じたことです! インターセックスという世の中の少数派の人達の物語から、物事の見方を教えていただきました。 | ||||
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僕は10年程前から性同一性障害の問題に少し首を突っ込んでいるのですが、多くの人の勇気ある行動や発言によって、最近はこの問題に対して徐々に社会の理解が得られるようになってきていることを嬉しく感じています。 生物界における性のあり方はなかなか多様で、いつも単純に雌雄に分類できるものではなく、人間とて例外ではありません。さらに人間にはセックスとしての性以外に、ジェンダーとしての性もあるわけですから、その多様性を無視することはむしろ不自然です。 それにも関わらず「男−女」の二分法で全てを説明、解釈しようとして、そこから外れる人たちを異常だとすることは、「普通」という独善の下で行われる偏狭で残酷な差別なんだろうと思います。 本書が扱っているのはインターセックス(生まれつき男でも女でもない)の人たちで、これまでの医学が治療という名の下にこうした人たちを手術やホルモン治療によって無理やり「男−女」の図式に組み込もうとしてきたことが孕む問題を正面から追及しています。 ここで提起されている「人を男や女として評価するのではなく、人間として評価する」というのは素晴らしい考え方であり、僕は感銘を受けました。先端医療の倫理的問題を追及した著者の前作『エンブリオ』と併せて、是非読んでいただきたい小説の一つです。 | ||||
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こちらのレビューでエンブリオの続編ということを知りそちらを先に読んで正解でした。 時間を置かず続けて読んだので小説の迫力が倍増して非常におもしろく また物語根底にある医師の倫理というテーマの重さはその分拡散され読みやすかった。 単品で読まれるとラストが若干駆け足で説明的に感じるかもしれません。 エンブリオでみせた「神の手を持つ医師」岸川の強烈で魅力的な個性は 5年の歳月とともに一見かげを潜め、ますます発展したサンビーチ病院とともに円熟した紳士ぶりを見せますが 友人の突然死に疑問を抱いた主人公の若き産婦人科医、翔子の出現によって事態は序々に緊迫感を増してゆきます。 岸川の冷徹な牙がいつ剥かれるのか....始終はらはらした思いで読み進みました。 彼女に手を貸す鉄道マニアの病理部の医師が冷静でありながら とても人間味あふれる人物に描かれていて物語に膨らみを添えています。 | ||||
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こちらのレビューでエンブリオの続編ということを知りそちらを先に読んで正解でした。 時間を置かず続けて読んだので小説の迫力が倍増して非常におもしろく また物語根底にある医師の倫理というテーマの重さはその分拡散され読みやすかった。 単品で読まれるとラストが若干駆け足で説明的に感じるかもしれません。 エンブリオでみせた「神の手を持つ医師」岸川の強烈で魅力的な個性は 5年の歳月とともに一見かげを潜め、ますます発展したサンビーチ病院とともに円熟した紳士ぶりを見せますが 友人の突然死に疑問を抱いた主人公の若き産婦人科医、翔子の出現によって事態は序々に緊迫感を増してゆきます。 岸川の冷徹な牙がいつ剥かれるのか....始終はらはらした思いで読み進みました。 彼女に手を貸す鉄道マニアの病理部の医師が冷静でありながら とても人間味あふれる人物に描かれていて物語に膨らみを添えています。 | ||||
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いきなり福島県の某病院でおこった癒着胎盤手術で患者死亡→担当医が逮捕という事件を想起させる裁判シーンからはじまっているので、結構長編にもかかわらず一気に読んでしまいました。もっとも、このエピソードは「モンスター」岸川と秋野翔子の二人の主人公同士を結びつけるためのお膳立てに過ぎませんが・・・。 白い容器には白い中身、黒い容器には黒い中身・・これが普通のジェンダーであるならば、GIDの人々は中身(心)が白いのに容器が黒かったりして(あるいはその逆)生まれついた人々。だから中身は自分の容器も同じ色にして欲しいと強く願うのです。しかし本書のテーマである「インターセックス」の人々は容器も中身もまだらであったり灰色であったりする人々であって、GIDとは全く違うという翔子の説明が言い得て妙でした。自身も半陰陽である漫画家・新井祥氏の著書でもインターセックスとGIDの違いを繰り返し説明を必要とするほど、やはりこの状態に対する認識はまだまだなのでしょう。 男女がわからない状態で生まれた子どもを不憫に思うのは、親や医師のもつ無自覚なパターナリズムであり、ノーマライゼーションしたいという希望も親としての素朴な願いであるだけにかえって患児を傷つけている例も多いようです。同じ病気でも内臓疾患など、放置した場合死に至るようであれば当然、パターナリズムもノーマライゼーションも是とされるのでしょうが、インターセックスの患児に繰り返される入院や手術、しかもかりに形成外科的には十分な外見が得られたとしても、生殖能力まで獲得できるとは限らない治療は、いわばうわべだけを飾るようなものに過ぎないのではないか?。むしろ患児自身の自尊心や自己愛の形成に欠損や陰りが発生するということこそが重要な問題だとする翔子の(おそらく著者そのものの)想いは熱く十二分に伝わります。 そう、性別が灰色であろうが、まだらであろうが、三毛だろうが・・ありのままの自分を自分として受け入れることからすべてがはじまるのです。 ああ、そういえばこの小説一応、ミステリーでしたが、それはむしろ読者を飽きさせないためのサービスと割り切った方が良いのでしょう。 | ||||
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帯には何も書かれていませんが、6年前の問題作「エンブリオ」の続編です。単体で読むとちょっと消化不良ぎみになります。 前作の被害者の一人、小島加世の友人の女医がサンビーチ病院に赴任することになり、再び運命の歯車が回り始めるという展開。前作は産婦人科医の岸川よりの視点で記されていましたが、今回の視点は女医よりになり、また彼女の専門がインターセックスであることから、産科医療をより広い視点で見る作品になりました。一応前作でそのままだったミステリー的な部分は、やっと終結を迎えます、この作者らしく、豪華な病院の描写や海外でのディナーの描写の方が詳細で、謎解き部分はややあわててまとめた印象も。前作にあったピカレスクロマン的な魅力は半減しています。 | ||||
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帯には何も書かれていませんが、6年前の問題作「エンブリオ」の続編です。単体で読むとちょっと消化不良ぎみになります。 前作の被害者の一人、小島加世の友人の女医がサンビーチ病院に赴任することになり、再び運命の歯車が回り始めるという展開。前作は産婦人科医の岸川よりの視点で記されていましたが、今回の視点は女医よりになり、また彼女の専門がインターセックスであることから、産科医療をより広い視点で見る作品になりました。一応前作でそのままだったミステリー的な部分は、やっと終結を迎えます、この作者らしく、豪華な病院の描写や海外でのディナーの描写の方が詳細で、謎解き部分はややあわててまとめた印象も。前作にあったピカレスクロマン的な魅力は半減しています。 | ||||
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サンビーチ病院に憧れます 後日談を知りたくなるような終わり方だった「エンブリオ」の続編で、今作品の主人公は秋野という女性医師です。「エンブリオ」を読んでからこちらを読むと、サンビーチ病院のことや関わっている人物の過去について知ることができるのでさらに楽しめるかと思います。サンビーチ病院周辺はさらに施設が充実し、相変わらず素晴らしい景観の中で、海の幸やステーキなど美味しい食べ物がたくさん登場し、そういった情景を浮かべながら読んでいると、こんな病院があったら自分もここにかかりたい・・・と思ってしまいます。私は帚木氏の情景描写が好きです。学会がらみのフランクフルトの場面では、行った事がないのに素敵な風景や料理のイメージがわいてきて、しばし優雅な気分に浸ることができました。 インターセックスについては、2作品のマンガを読んだことがあったので多少の知識がありましたが、この本を読んでさらに詳しく知ることができました。とてもわかりやすかったです。秋野が考える性のとらえ方は著者そのものの考え方であり、世界的にもそのような認識が広まっているのだろうと感じました。医学的な解説はとても参考になりましたし、たくさんの当事者の告白によって、幼少期より医者や両親に強制的に治療されていってしまうことの悲しみが伝わってきました。 この本によって今までよりも世の中にインターセックスの存在を知る人が増え、当事者たちへの理解も少しずつ深まっていくのではないでしょうか。性差医療というのははじめて知りましたが、とても興味深い内容でした。 サスペンスとしても面白く、とにかく先が知りたくて知りたくて徹夜をして一気に読みあげてしまいました。長身で女性をエスコートすることも上手で、頭脳明晰で外国語も流暢な岸川院長。自分の理想のためには手段を選ばないような怖い一面を持ち合わせてはいますが、私は「エンブリオ」以来、知らず知らずのうちに岸川院長のファンになっていたようです。読み終わって悲しい余韻が残りました。またサンビーチ病院を舞台にした続編や岸川の出生に関する物語などが読みたいです。 | ||||
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サンビーチ病院に憧れます 後日談を知りたくなるような終わり方だった「エンブリオ」の続編で、今作品の主人公は秋野という女性医師です。「エンブリオ」を読んでからこちらを読むと、サンビーチ病院のことや関わっている人物の過去について知ることができるのでさらに楽しめるかと思います。サンビーチ病院周辺はさらに施設が充実し、相変わらず素晴らしい景観の中で、海の幸やステーキなど美味しい食べ物がたくさん登場し、そういった情景を浮かべながら読んでいると、こんな病院があったら自分もここにかかりたい・・・と思ってしまいます。私は帚木氏の情景描写が好きです。学会がらみのフランクフルトの場面では、行った事がないのに素敵な風景や料理のイメージがわいてきて、しばし優雅な気分に浸ることができました。 インターセックスについては、2作品のマンガを読んだことがあったので多少の知識がありましたが、この本を読んでさらに詳しく知ることができました。とてもわかりやすかったです。秋野が考える性のとらえ方は著者そのものの考え方であり、世界的にもそのような認識が広まっているのだろうと感じました。医学的な解説はとても参考になりましたし、たくさんの当事者の告白によって、幼少期より医者や両親に強制的に治療されていってしまうことの悲しみが伝わってきました。 この本によって今までよりも世の中にインターセックスの存在を知る人が増え、当事者たちへの理解も少しずつ深まっていくのではないでしょうか。性差医療というのははじめて知りましたが、とても興味深い内容でした。サスペンスとしても面白く、とにかく先が知りたくて知りたくて徹夜をして一気に読みあげてしまいました。長身で女性をエスコートすることも上手で、頭脳明晰で外国語も流暢な岸川院長。自分の理想のためには手段を選ばないような怖い一面を持ち合わせてはいますが、私は「エンブリオ」以来、知らず知らずのうちに岸川院長のファンになっていたようです。読み終わって悲しい余韻が残りました。またサンビーチ病院を舞台にした続編や岸川の出生に関する物語などが読みたいです。 | ||||
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何をもって男性、女性の区別をすべきなのか、またする必要はあるのかを問うた話題作である。 インターセックスがテーマであるが読み進めるにつれ、医師の要件とは何か、マイノリティは悪いことなのか、について考えさせられた。 冒頭は昨今多くなってきている医療過誤裁判のシーン。今ホットな医療過誤裁判を彷彿とさせる。物語の性質上専門的にならざるをえないが、著者は医師だけあって、無駄なくそして分かりやすく説明がなされているので非常に読みやすい。医療現場などの記述も非常にリアリティがあった。 インターセックスの次自助グループのメンバーの告白シーンは秀逸。胸を打つ。もうこれだけでこの本を買ってよかったと思った。 主人公の性差医療の専門医師が若いのに非常に達観しているというか、立派すぎるのが気になったが、徐々にその理由がわかる仕掛けも心憎い。 難をあげるとすれば、サスペンスの要素かな。 ラストは少々拍子抜けというか・・・。もう少し秘密がかくされているのかと思ったが、それは欲張りすぎかもしれない。 | ||||
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何をもって男性、女性の区別をすべきなのか、またする必要はあるのかを問うた話題作である。 インターセックスがテーマであるが読み進めるにつれ、医師の要件とは何か、マイノリティは悪いことなのか、について考えさせられた。 冒頭は昨今多くなってきている医療過誤裁判のシーン。今ホットな医療過誤裁判を彷彿とさせる。物語の性質上専門的にならざるをえないが、著者は医師だけあって、無駄なくそして分かりやすく説明がなされているので非常に読みやすい。医療現場などの記述も非常にリアリティがあった。 インターセックスの次自助グループのメンバーの告白シーンは秀逸。胸を打つ。もうこれだけでこの本を買ってよかったと思った。 主人公の性差医療の専門医師が若いのに非常に達観しているというか、立派すぎるのが気になったが、徐々にその理由がわかる仕掛けも心憎い。 難をあげるとすれば、サスペンスの要素かな。 ラストは少々拍子抜けというか・・・。もう少し秘密がかくされているのかと思ったが、それは欲張りすぎかもしれない。 | ||||
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