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安楽病棟
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安楽病棟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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「安楽死」の対象となりうるのは何も植物状態患者や致死病の末期患者だけではありません。死には至らずとも慢性的で不可逆的な苦痛に苛まれる人や、全身麻痺状態に陥り途方もない精神的苦痛を味わわされる人の中にも安楽死を望む方はいますし、障害を持って生まれた新生児が安楽死に処されることもあります。 しかしもっとも厄介な問題は痴呆老人でしょう。 安楽死が主張されるのは「或る状態は人間が人間として生きるに値しない、生命それ自体に内在的な価値があるわけではない」という考え方が背景にあるからです。安楽死の是非を巡る論点は(1)「生きるに値しない状態」なるものが本当にあるのか(2)「生きるに値しない状態」があるとして、それにはどんなものが含まれるのかということになるでしょう。この作品は、個人的には後者を軸にしたものであると思われます。 或る状態が「生きるに値しない」のは、それが人間の本質、人間を人間たらしめているもの、が、永遠に損なわれてしまった状態であるからです。すなわち安楽死問題はそのまま「人間とは何か」という問いに結合することになります。では痴呆患者(合理性、判断力、自己認識能力などが失われた状態にある者)は人間性を欠いているのでしょうか。この作品はこうした事柄を考えるにあたって有益な視点を与えてくれます。 色々なところで「人生・生活の質」が問題となっている現在、こうした作品を読んで考えるための素養を養っておくことも必要かと思われます。ただし小説をあまり読みなれていない方には少々疲労するかもしれませんね。 | ||||
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冒頭でこの病棟に入った人々の人生がたんたんと語られる。その人々のその後の病棟生活が新人看護士の目で語られる。介護されている老人達はみなそれぞれに人生を生きてきた。しかし、痴呆という状況に陥った場合に、その人のこれまでの生き様は何の意味もないのか。この本を読むと、そうではないと思う。人としての尊厳をうしなわない生き方、老い方を考えさせられる。母と暮らしながら、母と向き合う自分の心根が気になる。考えるのがつらい問題だが、多面的に広がりを持って考えさせてくれる本だと思う。 | ||||
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最初から最後まで頭を悩まされる作品でした。安楽死は本当によいことなのでしょうか?家族は望んでいないのにそれを実行する医師は何を思いそれを実行するのでしょうか?安楽死について真剣に考えさせられる一作です。 | ||||
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とても考えさせられました。途中までミステリーであることを忘れ、「ドキュメンタリー?」と言ったかんじでしたが、最後はキッチリとミステリーでした。もし自分が不治の病だと知ったら、安楽死を希望するだろうか?たぶん、延命治療は拒否するとは思うが、積極的安楽死となるとどうだろう?自分の場合はまだいい。自分の愛する人が、不治の病に冒されたら?安楽死を希望したら?希望していた場合は、まだ延命治療を拒否できるかもしれない。でも、意思確認ができず、そんなこと話し合ったこともなかったら?昏睡状態で意識が戻る見込みも無く、でも心臓は動き、呼吸もしていて、触ると温かい。そんな時、あなたは愛する人の生命維持装置を外せますか? | ||||
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