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(短編集)
アリア系銀河鉄道
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アリア系銀河鉄道の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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奇抜な歴史と本格を融合した大作志向の本格ミステリーで注目されていた柄刀氏が、一転して軽いタッチのSF志向のミステリーに挑戦した作品。 設定は非日常であるが、トリックやプロットはまぎれもなく本格志向である。 やや力の入り過ぎて空回りぎみの感もあったそれまでの作品と比べて、短編ということもあり、読みやすいが、ロジックは凝りまくりという氏のトリックメイカーとしての良いところがうまく活かされた作品集となっている。 二階堂黎人氏らによる各収録作品の解説もある。 | ||||
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宇佐美博士、という老人が、とつぜん巻きこまれる、白昼夢のようなヘンテコな事象のなかで、その「ヘンテコ世界のルール設定の範囲内」で起きる事件を、「分解するように」推理することで、そのヘンテコな事象を脱出して日常に帰ってくる、というスタイルの、ヘンテコな短編連作集です。 (だから、「三月宇佐美のお茶会」というサブタイトルになっています。) 私はこの本を読んですっかりこの作者のとりこになりましたが、ミステリーとしては、そんなに高く評価されていない作品なのかもしれません。「読者が推理に参加する」ことは不可能で、「作者が構築したヘンテコな発想を読ませてもらう」というかんじの本です。 (また、この本のことだけではないのですが、この人の作品には、大きく「当たり」と「はずれ」があるのじゃないか、という気もします。) この本は、スタンダードな様式の「ミステリー」ではないので、個人の好みによって、好き嫌いがはっきりわかれる本だという気がします。 ただ、この本には、「つかとうはじめ」という作家の、「個性」がどんなものか、自分に相性のいい作家かどうか、傾向のわかる、エッセンスがつまっているような気がします。 | ||||
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三月宇佐見のお茶の会シリーズ第一作品集であります。 超時空遭遇体質の宇佐見博士が、時には銀河鉄道で、時には2億年前の世界で、この世のものでない超現象を論理を駆使して解明します。ファンタスティックな味わいながら、それぞれの物語はロジックとテクニックの限りを尽くして構築された逸品揃い。 表題作のトリックは一歩間違えるとバカミスですが、幻想的な設定が巧くカバーしております。 「ノアの隣」はボリューム的には中編ですが、長編で一冊作らないのが惜しい! もっと早くに読まなかったことが残念に思える作品集でした。 | ||||
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第二短篇集「ゴーレムの檻―三月宇佐見のお茶の会 (光文社文庫)」のあまりの面白さに手に取った第一短篇集。 時空を超えた異世界に入ることの出来る、特異な体質を持つ宇佐見博士が探偵役の連作ですが、第二短篇集ほど明確ではないものの、学問的な分野であるモチーフと本格ミステリが融合されているのが、特徴です。 以下、1.はモチーフ、2.は提示される謎です。 【言語と密室のコンポジション】 1.字義が文字どおり現出する原理主義 2.密室殺人 【ノアの隣】 1.考古学、地理学(有史以前の古代世界) 2.巨大建造物の移動と言う不可能犯罪 【探偵の匣】 1.精神医学 2.毒殺と殴打事件 【アリア系銀河鉄道】 1.天文学 2.毒殺と脱獄事件 【アリスのドア】 上記分類は出来ないが、上記作品のいずれかと密接な関連を持ち、パズラーとしての密度の濃い作品。 2.の謎が解き明かされる中で、1.のモチーフがうまく事件と融合していくところが、第二短篇集同様、本書の素晴らしい点です。 いわゆるトリックとしての面白さという点で、評価できるのは、【ノアの隣】と【アリア系銀河鉄道】ですが、ほかの作品も、トリック云々ということを超えた趣向の斬新さがあり、かなり高レベルの作品集になっていると思います。 上記の掲載順の4作品のそれぞれについて、独自の巻末解説があるところは、著者がいかに期待されているか推察されます。 | ||||
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2000年に講談社のベルスとして出たものの文庫化。 5編の短編が収められている。連作短編風。 宇佐見博士を主人公とした「三月宇佐見のお茶の会」シリーズの第1作で、なんとも奇妙な幻想とロジックの世界が舞台となっている。西澤保彦っぽい世界だが、あんなに硬質でなく、もっと柔らかで残酷なファンタジーといったところ。 正直、ミステリとして評価できるのかは判断がつけがたい。 | ||||
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◆「ノアの隣」 白い大理石の建物の中にあった方舟が、まったく動く余裕が ないのにも関わらず、屋内で逆方向に向きが変わっていた謎。 「時間」を利用した物理トリック。 トリック自体も、時空を超越したスケールの大きいものですが 結末における推理は進化論や聖書の新解釈にまで及びます。 ◆「探偵の匣」 妻が撲殺され、自身も飲まされた毒により、余命幾ばくもなくなった吉武博士。 残された僅かな時間で、彼の内なる「彼たち」が事件について推理し始める……。 多重人格がテーマとなる本作は、作品構造自体も多重化されています。 解離性同一性障害という安易に濫用されがちなモチーフに堅実な 犯人特定のロジックを融合させることで、説得力を与えています。 | ||||
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幻想世界と言っても、剣と魔法の世界とか、宇宙戦争の繰り広げられる空間ではない。どこか児童文学的な、哲学的で、でも理系的な世界。そこにやたら迷い込む宇佐美博士が、穏やかに、明晰な推理を見せる。ミステリーといっても、起きる事件が非現実的だったり、スケールが大きすぎたりするので、解決前に真相を当てようと意気込むのはあまりオススメできない。あくまで頭の体操を兼ねた読み物と考えた方がよろしいかと。好みの分かれる作品と思うので星4つ。 | ||||
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ちょっとした拍子に他の世界に紛れ込んでしまう癖のある宇佐見博士。彼はそれぞれの、この世界とは違う世界のそれぞれの物理法則の中で起きた事件の謎を解いていきます。 なんだか、児童書のぽっぺん先生シリーズに似ているなと思ってしまいました。 推理はどこまでも明晰なのですが、宇佐見博士の人柄かどこかほのぼのとしています。 | ||||
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