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不死蝶
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不死蝶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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本書は表題作である「不死蝶」と「人面瘡」の2篇を収録した横溝正史の推理小説。いずれの作品も名探偵・金田一耕助が活躍する。“あたしは妹を二度殺しました”という台詞が印象的な「人面瘡」は、すでに短編集「人面瘡」の方で感想を書いたので、ここでは「不死蝶」について述べることにしたい。 ●不死蝶 「不死蝶」は昭和28年6月から11月まで雑誌「平凡」に連載され、昭和33年に加筆・長編化して単行本が刊行された。なお、本作品の舞台となる信州の射水は架空の地名で、富山県射水市とは無関係である。実家が富山県にあるので、この点は少々残念であった。 湖畔の町・射水で両大関といわれるのが矢部家と玉造家。先祖代々にわたる仇敵の間柄だけに、矢部慎一郎と玉造朋子のロミオとジュリエットのような関係も悲劇的な結末をむかえたのだが、朋子を捕まえようとした矢部英二が鐘乳洞で殺されるという事件が発生してしまう。23年前の夏に起きたこの出来事が、すべての始まりだった。 矢部杢衛からの依頼で金田一が射水の町を訪れたころ、ブラジルでコーヒー王の養女となり、莫大な財産を手にしたことで新シンデレラ姫と新聞に書き立てられている鮎川マリも玉造家に逗留していた。表向きは静養のためということだったが、真の目的は矢部英二殺害の容疑者とされている玉造朋子の無実を明かすことにあった。 本当に玉造朋子は底なし井戸へとびこんで亡くなったのか。鮎川君江と玉造朋子は同一人物なのか。井戸のそばに残された書置きはいったいどういう意味なのか。いくつかの思惑が交差するなか、鐘乳洞の中でふたたび殺人が起きてしまう。しかも、鍾乳石を使った刺殺といい、女性が井戸に飛び込んだらしいことといい、事件の様相は23年前とまったく同じだった……。 鍾乳洞での殺人というと、金田一がかつて手がけた事件である「八つ墓村」が思い起こされるが、本作品での洞窟探検もスリリングで面白い。蝙蝠の窟、とどかぬ窟、底なしの井戸、逃げ水の淵など、広大な鐘乳洞の中を金田一たちが奥に進めば進むほど、想像を超えた地底世界が広がっていくので読んでいて楽しかった。 若かりしころ、はげしい恋におちた玉造乙奈と矢部杢衛のエピソードも印象的だ。杢衛は矢部家の相続権を放棄してでも乙奈の良人たらんことをのぞんだが、とつぜん乙奈が他から婿をむかえてしまい、怒った杢衛は玉造家を激しく憎むようになってしまう。生涯憎みあってきたふたりが、鍾乳洞の奥深くでようやく長い苦しみから開放され、愛する杢衛のそばで乙奈が泣く場面には深く心打たれた。 <登場人物> 矢部杢衛 … 玉造家と敵対する矢部家の当主。金田一の依頼人。 矢部慎一郎 … 杢衛の長男。学究肌の性格で父や妻と対立。 矢部峯子 … 慎一郎の妻。愛嬌にとぼしい見識ぶった女。 矢部都 … 慎一郎のひとり娘。美人だが淋しそうなかげがある。 矢部英二 … 杢衛の次男。23年前、鍾乳洞のなかで殺された。 宮田文蔵 … 峯子の兄。矢部家の番頭格。口数少なく如才ない。 古林徹三 … 満州から引揚げてきた矢部家の親戚。頬に疵痕。 玉造朋子 … 矢部英二殺害の容疑者。底なし井戸へとびこむ。 玉造乙奈 … 年老いても誇り高い玉造家の当主。朋子の母。 玉造由紀子 … 乙奈の孫。近眼らしくロイド眼鏡をかけている。 玉造康雄 … 由紀子の兄。気むずかしい。矢部都とは恋人同士。 田代幸彦 … 康雄の親友。ブラジルに招聘されたテニスの選手。 アルフォンゾ・ゴンザレス … ブラジルのコーヒー王。資産家。 鮎川マリ … ゴンザレスの養女。日系二世。玉造家に逗留中。 鮎川君江 … マリの母。ゴンザレスに長年重用され信頼を得る。 河野朝子 … マリの家庭教師。東京にある女子大の元教師。 カンポ … 君江とマリの用心棒。ブラジルうまれの若者。 お作 … 臨時に手伝いをたのんだ土地の女。 ニコラ … 教会の神父。教会の裏には鍾乳洞の入口がある。 パウル … 23年前教会にいた神父。玉造朋子を可愛がっていた。 白川雪絵 … 岡林の町にある料理屋「みよしの」のマダム。 立花老人 … 射水の町長。 神崎署長 … 射水の町の警察署長。鍾乳洞の捜索を指示。 江藤警部補 … 鍾乳洞の捜索において金田一のいる部隊を指揮。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 | ||||
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近頃、イロイロ思うところあって "蝶"にまつわる、或いはその言葉を冠した題名の本を 追っかけてます。 で、横溝正史サクヒンからは『蝶々殺人事件』と本書。 "「蝶が死んでも、翌年美しくよみがえるように、 いつか帰ってきます」。23年前、謎の言葉を残し姿を消した一人の女性。" 40数年前、手にした角川文庫目録の解説が蘇ってきた。 けど、上の分だけ読んでナニヤラネオンゆれてる夜の街のオハナシか? と、誤解したまま還暦を迎えてました。 一読、どちらかといえば金田一耕助の推理は控えめ。 殺人事件が起こるホームコメディ(!?)といった感じでした。 | ||||
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〈金田一耕助〉シリーズ第4弾。『不死蝶』には表題作の「不死蝶」と「人面瘡」が収載されている。 「人面瘡」については〈金田一耕助ファイル〉シリーズ6に同名書籍があり、そこに収載されている作品と同じものである。そちらには「人面瘡」のほか4作品が収載されており、計5作品を読むことができる。「人面瘡」を楽しみたい方には〈金田一耕助ファイル〉シリーズの方がお勧めである。 さて「不死蝶」である。「八つ墓村」を想起させる洞窟ミステリー、そして予想さえできなかったトリック。まさに横溝先生の真骨頂を味あわせていただいた。巻末の解説には、“「八つ墓村」は昭和二十四年から二十六年にかけ掲載され、本編は昭和二十八年六月から十一月にかけて連載された”とある。かの「八つ墓村」の2年後に、同じく洞窟を舞台とした作品が「不死蝶」である。もしも「不死蝶」の発表が「八つ墓村」より先であったら、横溝先生の代表作として「不死蝶」の方が「八つ墓村」より上に挙げられるのではないか。そう思わせてくれるハイレベルな作品だった。 横溝ファンとしては、相当な満足感をもって読了できた。この余韻を味わいたいので、シリーズ第5弾は既に購入してあるが、読むのはもう少し先にしようと思っている。 | ||||
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真珠郎、蔵の中・鬼火に続く、まさかの復刊情報。 舞台が信州ということもあってか、長野県内の書店限定販売という触れ込みを信じ、実家が長野の知人に頼み込んで2冊を購入。 受け取った時はめちゃ感動したが、現在は都内大手の書店に普通に置いてある・・・なんでやねん? まぁ、由利先生シリーズの復刊(ドラマでは吉川晃司さんが好演)など、リバイバルは大歓迎ですが。 | ||||
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引き込まれていく感じがありました。 まぁ、面白かったです。 | ||||
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「真珠郎」「蔵の中・鬼火」に続き、さりげなく復刻版が発売されていてビックリ!!何故か不死蝶だけど、、、しかしながら、一言で言うと素晴らしい。 こちらの復刻版も前述の2作同様、旧版のカバーをプリンターコピーして単に表紙にしたのではなく、原画から作り直していて、デザインも少しだけ変えて旧版と差別化を図っています。とても丁寧な復刻版となっていて好感が持てます。 現在、金田一シリーズ等の作品は漢字一文字のカバーデザインが主流となっているみたいですが自分には食指が動かず、杉本一文が表紙絵の古本ばかり買っています。本屋での主張も杉本一文の表紙絵は他を圧倒して半端なく(笑)、また、並べて置いた時についついコレクションしたくもなります。絶版になっている作品も多いのでこのまま杉本一文の表紙絵バージョンで復刻していってくれると嬉しいなぁ~ あと、角川はもっとこの復刻について宣伝してもいいのでは?せっかっくいい仕事してるのに勿体ない! | ||||
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『不死蝶』…ロミオとジュリエットを連想させる、対立する二つの名家の娘と息子の悲恋にからんで起こった殺人事件。犯人と思われた娘は、鍾乳洞のなかにある底なしの井戸に身を投げて自殺したと推測されたが、死体は発見されず、井戸のそばには「蝶が死んでも、翌年美しくよみがえるように、いつか帰ってきます」という謎めいた書き置きが残されていた。そして二十三年後―。書き置きとともに消えた娘とそっくりの女が、海外から帰国し村を訪れた時、ふたたび血塗られた惨劇が巻き起こる…。 対立する旧家に鍾乳洞という、橫溝らしい舞台が設定されていて楽しめるのだが、事件そのものは、手堅くまとまってはいるが、特にユニークなトリックやアイデアはみられず、小粒な印象をぬぐえない。美女に鍾乳洞に謎の書き置きといったガジェットを揃えたのだから、そこにタイトルの『不死蝶』につながる村の伝説のようなものが語られ、それにまつわる見立て殺人の趣向にでもなっていれば、ロマンあふれる華麗な作品になったのではと、勝手に残念がってしまった…。 『人面瘡』…同作を表題にした短編集があり、同じ角川文庫でカブる格好になっている。夢遊病に人面瘡と、神秘的な装飾をまとった殺人事件の謎がとかれてゆくにつれ、ひとりの女性の悲劇的な半生がうかびあがってくるという、抒情的な琴線を揺さぶってくる味わいがあり、筆者は、こちらの作品のほうが完成度が高いと思う。 そんなわけで、『不死蝶』☆三つ、『人面瘡』☆五つ、トータル☆四つの評価とした。 | ||||
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good | ||||
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不死蝶は、電子リーダーでなくては読めない作品。伏線も背景もしっかりしている。若干無理がある部分はあるけれど‥。人面瘡は、金田一耕助の推理というところでは、物足りない。すべて、当事者の自白だけなので。 とはいえ、横溝正史の文章力はすばらしい。読み始めると止まらなくなってしまう。さすが! | ||||
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「八つ墓村」の鍾乳洞は探索や逃走がメインでした。 こちらは探索よりも追跡がメインです。 事件は鍾乳洞で起こっているという活劇の舞台としての鍾乳洞です。 八つ墓村は村全体を巻き込む大掛かりな物語になっていますが、こちらは基本的にスケールが小さいものです。 こじんまりまとまっていますが、破綻がなく手堅いミステリーに仕上がっています。 この作品の進化形に「迷路荘の惨劇」があるような気がしますので、金田一の鍾乳洞三部作をぜひ読んでみてください。 静養するために岡山に出向くたびに、磯川警部と同行しては事件に巻き込まれてしまう。 なんでこんなに金田一は磯川警部と仲が良いのか。 | ||||
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金田一耕助が登場する作品です。 射水の2つの裕福な家庭を中心にし、そのそばにある 鍾乳洞で奇怪な殺人事件が続発します。 今回は有名な「犬神家の一族」とは違い、 トリックもかなり複雑ですし、 重要なキーマンの生い立ち等もさらに複雑になっているので 犯人をはじめから推測するのは難しいです。 それと、金田一節もあまりないので、少々物足りないかもしれません。 | ||||
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金田一耕助が登場する作品です。 射水の2つの裕福な家庭を中心にし、そのそばにある 鍾乳洞で奇怪な殺人事件が続発します。 今回は有名な「犬神家の一族」とは違い、 トリックもかなり複雑ですし、 重要なキーマンの生い立ち等もさらに複雑になっているので 犯人をはじめから推測するのは難しいです。 それと、金田一節もあまりないので、少々物足りないかもしれません。 | ||||
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