病院坂の首縊りの家
評判
病院坂の首縊りの家の評価:
3.76/5点 レビュー 34件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21〜22 2/2ページ
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病院坂の首縊りの家の評価:
3.76/5点 レビュー 34件。 B ランク
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明治の時代に、軍医から転身し病院を設立し隆盛に導いた「法眼鉄馬」、彼と同郷で政商としてのし上がった「五十嵐猛蔵」。この二人から始まる両家の歴史には縁戚関係をこえた暗い関係がある。この物語は、本妻の子、妾腹の子、養子が絡み合う複雑な人間関係の両家を巡って展開される連続殺人事件である。著者の十八番、ドロドロの設定である。
昭和28年に始まったこの事件は、20年を経過した48年に最終的な解決を見るのだが、著者がそこまで事件の解決を延ばした理由が二つあるように思える。一つは、事件の解決方法などが時代に合わなくなった金田一耕助に対する花道。著者はあえて事件の解決を20年後にすることで、ラストシーンをより印象的にしようとしたのではないか。もう一つは、長年金田一耕助と多くの事件を共にしてきた「等々力警部」に対する花道である。既に退職して私立探偵事務所を経営している等々力元警部は、刑事になった息子が“組織捜査”という言葉を繰り返すのを寂しがり往時を懐かしむ。
しかし、この事件は、もはや現役ではなく時代に取り残された感がある二人の“個人の力”によって解決され終幕となる。二人の引退をこれ以上印象的にする設定はないだろう。
著者はこの後「悪霊島」で岡山の磯川警部のドラマも書き上げる。この二つの作品が書かれた背景は色々あるのかもしれない、例えば映画化ありきだとか…。著者は金田一耕助と同じくらい両警部に愛着があったはずである。書いてよかった作品であるに違いない。著者の推理小説を殆ど読んできた私にとって愛着のある作品である。
ただ、初めてこのシリーズを手に取る人は「獄門島」や「悪魔が来りて笛を吹く」から読んだほうがいいかもしれない。推理小説としての出来はこちらの方がいいと思う。