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空気男
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【この小説が収録されている参考書籍】
空気男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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雰囲気のある魅力的な題名だと思っていたが、「空気男」とは物忘れがひどいというだけの社会人になり切れない有閑青年のことで、乱歩作品の語り手としてごくごくよくあるタイプだった。残念……。 またせっかくの、そして一般作品としては最後の長めの物語で、冒頭で野間の口を借りて、この話も、書いていくうちに、つじつまの合わないことも出てくるだろうが、なんて書いてしまうのは乱歩らしくてステキなのだが、中盤までは、伊東のプラクティカル・ジョークの実演談が繰り返されてやや退屈。 中盤以降、野間と美耶子の関係を軸に話が展開して、「ジョークと犯罪は紙一重で、利欲を伴わない詐欺がジョークだ」と伊東が語るシーンが、オチへの布石になっているところは流石だと思ったが、全体的には、うーん、まあまあといったところ。 内容に関係ないが、野間が美耶子にビッグ・ボウ・ミステリの作者ザングウィルについて、「左がかった普通の小説家だよ」なんて紹介していた。 登場する労働運動家たちが悪い人じゃないというだけだがw | ||||
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『ペテン師と空気男』、『堀越捜査一課長殿』、『防空壕』、『妻に失恋した男』、『指』の5つの話が載っています。 中でも長編の『ペテン師と空気男』は空気男こと主人公の野間五郎は、物忘れが激しい空気のように頼りない男です。たまたま乗り合わせた列車で知り合ったいたずら好きの伊藤錬太郎とその仲間たちとジョーカークラブに入会します。プラクティカル・ジョーク(冗談のいたずら)の名手である伊藤が主体となってたまたま居合わせた一般の人に笑えないいたずらを次々と仕掛けていきます。そして伊藤の妻に恋心を抱いた野間でしたが、最後はやはり1枚も2枚も上の伊藤にしてやられます。 『堀越捜査一課長殿』:銀行強盗の犯人から死後に送られて来た告白状を読む堀越捜査一課長。 『防空壕』:たまたま空襲で避難した防空壕での一夜のロマン。 『妻に失恋した男』:妻に失恋したと想い悩む男の終末と執念の捜査をする刑事。 『指』:ピアニストの友人の腕を切断治療をした医師と切断された指の奇怪な動き。 私は、中でも『妻に失恋した男』が推理小説としては印象に残りました。 | ||||
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「ペテン師と空気男」「堀越捜査一課長殿」「防空壕」「妻に失恋した男」「指」の5編が収められている。 奇妙な味わいの作品が集められている。トリッキーな読み心地で、読後の印象も鮮やか。収録作のなかでは、やはり「ペテン師と空気男」が出色と思う。細かいトリックを積み重ねていくところに読み応えがあるし、おちも効いている。 あとは「妻に失恋した男」も、心温まる話で良かった。 | ||||
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