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氷菓



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【この小説が収録されている参考書籍】
氷菓 (角川スニーカー文庫)

氷菓の評価: 3.57/5点 レビュー 190件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.57pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全110件 101~110 6/6ページ
No.10:
(5pt)

上質の学園ミステリー

 「春期限定いちごタルト事件」などの作品で知られる米澤穂信さんのデビュー作です。
 氏が得意とする、高校を舞台にした人の死なないミステリものです。人が死なないだけに、より「謎解き」に力がいるジャンルですが、謎を謎として提示して連作の中で一つずつ解決していく話運びの巧みさ、高校の学園生活(文中で「薔薇色の」と形容詞が普通つくとされる生活)の描写、どちらをとっても一級品で素晴らしい一作です。氏のエッセンスが凝縮されています。これを読んで米澤さんの作品を気にいらなければこの後もダメだろうし、逆にこれを読んで「面白い」と思えたら米澤さんのどの作品を読んでも楽しめると思います。
 さて。舞台となるのは神山高校という地方都市にある学校。文化祭が有名なくらい色々な部活動が活発な高校です。主人公の同校新入生・折木奉太郎は、同校の卒業生である姉からのエアメールで、部員がいないと廃部になってしまう「古典部」という部活動に部を存続するため参加するよう指示され、他に部員がいないという前提で入部届けを出します。しかし、部室にいってみると先客がおり、彼女も古典部に入部したと言われます。千反田えると名乗る彼女は、名家のお嬢様らしく外見は清楚そのものながらつきあいだしてみると、その「知りたがり」の度合いは半端ないものでした。なし崩し的に、彼女と、奉太郎の親友の里志、漫画研究会とかけもちの伊原を加えて4人となった古典部。
 彼らは、千反田えるが古典部に入ることになった33年前の事件の謎を解く事になりますが、果たしてタイトルの「氷菓」の謎を解く事ができるのか?
あとは読んでのお楽しみですが、ミステリの謎解きもそうですが、読む人それぞれの青春時代を思い起こさせてくれる非常によくできた作品です。是非読んでみて欲しいです。最近の小説にしては非常に薄い200ページちょっとの物語です。是非読んでみて下さい。評価は5の5です。
氷菓 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:氷菓 (角川スニーカー文庫)より
4044271011
No.9:
(5pt)

アクティブな展開は良い

「日常の謎」+「安楽椅子探偵」が骨子ながら
舞台を共学高校に置き、
ライトノベルの装いを纏うことにより
アクティブな展開を造ることに成功しており
飽きさせずに読ませる技法は高く評価したい。
探偵やミステリーに拘泥することのない
普通の展開の小説も読んでみたい。
氷菓 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:氷菓 (角川スニーカー文庫)より
4044271011
No.8:
(4pt)

日常ミステリー、ちょっとだけ青春

『氷菓』です。第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞作。古典部シリーズの第1巻となります。
元スニーカー文庫だったのを、角川文庫に回したものですね。でもやっぱりライトノベル的なキャラクターと展開です。
ラノベ的だからこそ、文章の読みやすく、テンポも軽快、キャラクターも特性が明確に打ち出されていて魅力的です。
ミステリーとしては、序盤に二つの短編的エピソードで日常の小さな謎を解決した後、本書タイトルである氷菓と題された文集の謎に迫ります。それもあくまでも日常の範囲内で、小さいといえば小さい事件です。事件ともいえないですね。出来事です。
私個人的には、一番最後に○○をする人物が完全に読めてしまったので、途中で古典部メンバーが仮説を立てて議論するシーンは無駄な回り道に見えてしまったのですが……
青春要素、省エネをモットーとし積極的に動こうとしない主人公の変化と成長については……こちらもミステリー要素と同様、劇的に大きくはないです。
でもしっかりまとまっていて、全体としては面白いいい作品でした。
氷菓 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:氷菓 (角川スニーカー文庫)より
4044271011
No.7:
(4pt)

わたし、気になります。

古典部シリーズ第一弾です。キャラ紹介になる短篇ネタを挟みつつ、大筋は古典部の謎を探ります。読み終わった今も、古典部が何をする倶楽部なのかがよくわかりませんw米澤作品を三種類読みましたが、今のところ全部主人公が無気力(or省エネ)ですw今回の主人公の主義も「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に、だ」という台詞が繰り返し出てくるような、省エネキャラです。ある意味共感できますw一方でそんな自分を好んでいない部分もあり、主人公は揺れています。ちょっとやる気を出すだけで、普段を眠れる獅子と揶揄されるように、発想や目線が人と違い、不思議をすいすい解いていきます。やればできる子。ずるい…でも口調が好きですvこの無関心無感動だった主人公を、周囲の好奇心旺盛で行動的なキャラが動かしていきます。ヒロインの千反田える(ちたんだ)は「わたし、気になります」との決め台詞を言ったが最後、納得するまで引きません。そんな千反田さんに振り回される形で、物語は進んでいきます。一番凄いのは、主人公の姉ちゃんですがw追っていた事件の真相は苦いものでしたが、最後に世の中に無気力無関心だった主人公が姉に宛てた手紙が、後味をそう悪くはないものに変えています。楽しいばかりじゃない高校生活を、いいとこも悪いとこもありのまま書いてありましたv
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4044271011
No.6:
(4pt)

古典部

こちらは古典部シリーズ。単に時間の流れに物語を沿わせるのでないところに唸らされます。省エネを信条とする主人公はその公言とは裏腹に…という巻き込まれ型の体。英雄と称えるのは存外無責任なもの。通っていた学校にある伝説や俗称のいくつかにこういうがあるんです、多分。文集「氷菓」というタイトルの謎に関しては主人公がいっているように符丁が多少無理矢理なのですが「彼」が「氷菓」と決めたということが意味のあること。古典部の面々も切れ者ぞろい、会話の妙が楽しめます。
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4044271011
No.5:
(5pt)

うらやましい!

自分も高校生ですが、奉太郎君がうらやましいです。日常のなかにある何気ない事件。それを解決していく主人公に個性的な部活仲間。学園小説としては最高クラスのものだとおもいます。…いいなー 共学。
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4044271011
No.4:
(4pt)

あなたの青春は何色?

主人公は「高校生活は薔薇色だ」と断言する奉太郎少年。しかし、本人は無駄なことは一切しないという、いわゆる"省エネ"主義。そんな彼がひょんなことから古典部に入部し謎解きをするはめに・・・最初は主人公のあまりの無気力さというか無関心さに驚きました。しかし、他の古典部員の3人のキャラがなかなか強烈で痛快。そんな仲間に後押し(?)されて、奉太郎もだんだんと変わっていきます。情景描写が涼やかでなつかしい雰囲気を湛えており、読んでいてとてもさわやかな気持ちになりました。青年期の微妙で繊細な心理を丁寧に描いています。誰もが色とりどりに輝く青春を持っているんだと感じさせてくれる作品です。
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4044271011
No.3:
(5pt)

日常に潜む謎

青春とミステリーのバランスがとてもとれた作品だと思います。「省エネ」をモットーとし、無駄なことは一切やろうとしない主人公・折木奉太郎に、好奇心旺盛の少し高貴なお嬢様・千反田えるが日常にあるささいな謎を解かせます。その謎は、どこにでもありそうな、本当に些細な謎で、その分、少し現実離れした事件より共感がもてます。その日常の謎はとても上手く、無理やり推理させられる主人公は、きちんと論理的にその謎を解きます。また、それらの些細な謎が積み重なり、最後の大きな謎「氷菓」へとつながります。関連性もない日常の謎が、最後には伏線として利用される、それがなんとも気持ち良いです。本格の手法をきちんとわきまえたこの作品は、知名度さえ高ければ「このミス」「本ミス」ともに上位に入ったでしょう。ここまでミステリー面を述べていきましたが、もっとこの小説の前面に出てきているものは青春だと思います。とにかく、キャラクターの立たせ方が上手い。古典部の四人の個性が上手く描かれています。全員が、気持ちの良いくらいストーリーを輝かしています。黒でも白でも赤でも青でもない、灰色で「省エネ」の主人公、広く浅く膨大な知識量とユーモアを持った友人、その彼女はばっさりとした性格を持ち、そんな個性的な彼らを、さらに個性的で好奇心旺盛なお嬢様が謎に導く。楽しい青春時代を思い出しました。
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4044271011
No.2:
(5pt)

ある意味、正しい学園探偵もの

氷菓というタイトルに引かれて購入したこの本には、殺人事件がありません。高校生や小学生なのに、やたらと事件に出くわすということもありません。主人公たちは、ごく普通の(ちょっと規格外ですが・・・)高校生で、劇的な展開も、奇抜な推理も、派手な犯人探しもないです。ただ読んでいると思い出します。文科系のクラブ活動の雰囲気を・・・学生の頃かかえていた、純粋で青臭い、気恥ずかしくなるようなそんな気持ちのいい感覚を・・・。彼らが解決するのは、そんな気持ちのいい感覚の裏側で認識されることもなく忘れさられた哀しい事件です。灰色の脳細胞ならぬ「灰色」な主人公が「灰色」だからこそ気づいた事件の真相・・・・ある意味それは、殺人よりも愚劣で救いよう!!のない卑劣さそして、残酷さを私たちに示しているのかもしれません。あ、こんな風に書くと暗いと思われるかも知れませんが明るい青春ものですので、念のため。特にヒロインの好奇心爆発モードはかわいくて好きです(笑)お薦めです。
氷菓 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:氷菓 (角川スニーカー文庫)より
4044271011
No.1:
(4pt)

無題

この本には、最近流行りのミステリで見掛けるガジェットの類は、ほとんど存在しない。スタイリッシュな名探偵も、探偵マニアの高校生も、神算鬼謀の限りを尽くす天才的殺人者もいない。メタフィクション的要素もない。しかし、これは間違いなくミステリ、本格ミステリの要素、不合理状況を合理的に解決するという驚きを備えている。途中に入る謎は小さなものなので、その驚きもささやかではあるし、物語全体を通した謎は、すぐにも推察できるものだから、そういう点では、弱い部分がある。だが、この物語のもう一つの面。謎解きの過程と結果によって、主人公達が何かを学び、思い出し、再確認する様子は、青春小説として、良く出来たものだと言えるだろう。
氷菓 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:氷菓 (角川スニーカー文庫)より
4044271011

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