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裸者と裸者
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【この小説が収録されている参考書籍】
裸者と裸者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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久しぶりに読みたくなり、Kindle版を購入しました。 戦後70年というこのタイミングで、読む価値があると思います。 孤児の身から、世の悪を受け入れながら成長し、懊悩する主人公の一挙一動に吸い込まれるようです。 もっと評価されていい名作と思います。 ぜひ手に取ってみてください。 オススメです。 | ||||
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ラノベ調の表紙の絵が幾らか本編の内容を和らげていますけれど、苛烈な世界観を舞台に繰り広げられる 主人公たちの生々しい生き様を表現する筆致は中々読み応えがある。 設定自体は非現実的だと言い切ってしまえばそれまでだが、現に紛争・内戦地域の途上国の政情や生活環境を照らし合わせ、妙にディストピアな破滅的、退廃的な世界観は現実性がありながらも魅力的かと。 あながち将来の日本を舞台に設定にしても、現に相対的な平和と充足の生活を営めることを思うに、全く未知数、正反対な状況に生き問題に直面する登場人物達の背景を元に繰り広げれるストーリーは想像力を膨らませてくれます。 | ||||
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内戦下の社会とはどのようなものかを、日本を舞台として教えてくれる。 主要産業はドラッグと略奪。略奪から身を守るためには武装せざるを得ず、武装するための資金は他者を略奪することでしか得られない。まさに、「永久機関」ならぬ「永久戦争」。 イラクやシリアで今起きていることは、こういうことなのだろうか。 | ||||
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不道徳で不公平、そして不安定な「戦争」というシステム。 この「仕組み」を孤児の少年兵の成長を軸に学べる戦記もの。 日本に内乱が起きたらどうなるか… 現代の戦争のルールと、太古の昔から引き継ぐ人間の本性が交錯。 そこには残酷な現実と、美しい信頼関係が展開されていました。 舞台は茨城県常陸市周辺。 具体的な地名の描写に、地元に住む人、そこに土地勘のある人には、たまらない想像力のシャワーが降ってきます。 ドロ沼の内戦。 戦争が尽きない現実世界の「闇」と「システム」を理解する助けになりました。 | ||||
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上巻は「ビジネスとしての戦争」の内面を描写していました。 下巻では、その理不尽なシステムに人を巻き込むメカニズムを学べます。 戦争孤児であり、戦争弱者。 双子の少女マフィア「パンプキンガールズ」の蜂起を軸に、組織的観点から戦争の裏事情を描写。 人を戦いへと動かす根本原理は何か? それは「信仰心」です。 全知全能な文献「聖書」。 それは、かつての戦争、これからの戦争、そして理念なき戦争にすら活用されてきた歴史を持ちます。 権力者たちの格好の「ツール」とされてきた、「宗教と戦争」の皮肉な関係を指摘する1冊です。 | ||||
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戦争孤児のカイトが運命に翻弄されつつも成長していく物語として楽しめた。 カイトのひらがなを主とした独特のセリフ回しも心地よい。 あっという間に読み終えて、下巻をその勢いで読み始めたが 何か下巻は上巻ほど世界観に乗れなかったのは残念。 | ||||
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近未来の日本の内戦を生き抜く少年少女の物語。 上巻は少年兵が主人公でしたが、 下巻はゲリラ活動の双子少女の視線。 上巻は茨城あたりが主戦場、 下巻は多摩ニュータウンあたり。 町田に住んでるので 見知った地名が多くて馴染みやすかったです。 上巻同様、ご都合主義が過ぎる展開や、 言葉のロジック先行で 状況説明が足りない場面も目立ちましたが、 それでもグイグイと物語に引き込む筆力に脱帽。 上下巻で視点・主人公が変わるのですが、 共通してるのは絶望しきってない空気感でしょうか。 「イマドキの漫画っぽい」 と評すると否定的に聞こえるかもしれませんが、 読者のほとんどがその「イマドキの漫画」を 読んで血肉にしてる世代です。 しかしそんな世代でも納得できる、 武装集団の力のバランスの説明、 ゲームではないリアルな戦闘描写、 きっと楽しめると思います! | ||||
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少年画報社のYOUNGKINGアワーズYOUNGKING OURS (ヤングキングアワーズ) 2011年 01月号 [雑誌]での コミカライズ版「裸者と裸者」、 そちらから本書を知り買いました。 コミカラズ版と進行が違いますが、 読み比べると染み込んでくる描写が多いです。 ご都合主義な展開も多いですが、 ぐいぐいと引き込む筆力はさすがです。 内乱になった現代(近未来?)の日本、 跋扈する外国マフィア、 それでも歯を食いしばって生きていく、 小さい小さい日本人たち…… 戦争は賛美するものではありませんが、 そこで生き残ろうとする主人公たちの 生き様に力づけられる思いです。 少年たちの成長譚、 多くの人に読んで貰いたいですよね。 | ||||
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上巻、下巻で話が変わります。 上巻は、孤児の長男、海人の話。混乱の中を生き抜く強さを早い展開でスリリングに描く。 下巻は、海人がであった双子の話。スリリングさはあるものの、何か物足りないし、展開も爽快でない。 ということで、この続編にあたる「愚者と愚者」、「覇者と覇者」には手が伸びませんでした。 | ||||
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僕の頭では社会背景や軍の関係などからの展開があまり理解出来なかったけれど、淡々と進む時間の中で葛藤していく主人公達の成長などがとても良く描かれていて、胸が熱くなる場面が何度もありました。 こういう話が初めてだったけれど読みやすかったと思います。 読みやすさで言ったら下巻のほうがよみやすいかな。 面白かったです。 | ||||
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村上龍「五分後の世界」信者の私にとっては 久々に出会った傑作戦争小説です。 硬質な文体と冷徹な観察眼が 日本で起こる内戦という、一見リアリティがないように感じられる世界観を リアルに感じさせてくれます。 残念なのは表紙のイラストです。 単行本の初版ではストーリーに沿ったイラストだったのですが、 途中からライトノベルを意識したであろう、アニメのような絵が使われ始めました。 ライトノベルを差別しているわけではありませんが、 ラノベブームに便乗するかのように 表紙を安易にアニメ絵に変更した出版社に対しては 強い抵抗を感じます。 とはいえ、内容は素晴らしいです。 派手なアクションよりも「プライベートライアン」のような リアルな戦争を読みたいという方におすすめ。 | ||||
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上巻だけなら星5つ。リアリティ云々に関しては、小説内でのリアリティは十分に確保できており、とにかく読んでいて滅法面白い。戦争の怖さ、悲しさはそれほど伝わってこないが、この世界観においてはそれで成功していると思う。ただ、孤児である海人が力のある人物(外人部隊の大尉だとかマフィアの幹部だとか)と知り合い、やたらと助けられるのにはちょっと興醒め。もっと苦労させたほうが面白くなったのでは。だが抜群のリーダビリティが、そんな細かいことは帳消しにしてくれる。下巻の双子の物語に入ってからは、面白さが半減。なぜ海人の物語だけで行かなかったのか。そうすれば傑作だったのに。 | ||||
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上巻の前半はとにかく読み進めるのが辛い。 日本本土上で戦争が起こるのだ。 それはリアリティがあるとかそんな問題じゃなく、 着々と戦争ができる国造りに向かう日本の未来が重なってみえてしまうから。 (着々と、「公」に戦争が。) ただ、そんな悲惨な現実を物語上で受け入れた先からは、(しょうがないし) 登場人物たちの織り成す物語に引き込まれ、過酷な世界観も読めるほどに。 (ライトノベル系で言われる、いわゆる「キャラ萌え」という要素なのか。) いざ、そんな過酷な世界に突入したとき、自分自身がとらなければいけない、選択や立場は、というのがシュミレートできる。 大事な人や愛するものを守るため、果たして私は人殺しができるか。問うてしまう。 ただ、詳細で緻密な「戦略」(戦術や戦闘)描写は、難解でもあり、私にはたいくつだった。 興味の主体がキャラクターたちの会話や考え方(思想)に移ってしまったからなおさらで。 下巻などはそのほとんどを飛ばし読みしてしまった。けれど物語の流れを把握するのは困らなかった。戦略や戦術といった要素が好きならば面白く感じるのではと思うが。 | ||||
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疾風怒濤の佐々木海人くん編(上)より視点が変わり、こちらは月田桜子・椿子さんの双子姉妹編。時間の経過は(上)からほぼ連続していますが、映画「スワロウテイル」の円都を思わせるスラムが主な舞台となります。 姉妹は海人の援助を蹴って自分たちの道を進む(これは海人のスタンスが嫌いなんじゃなくて、大いなる遠慮だと思う)わけですが、これがポップでアナーキー。ガールズ・マフィアの結成です。「秩序の破壊」をうたいますが、そちらメインではなく、現代マフィアの原組織であったコーザ・ノストラの精神を思わせるテーゼにつながるように描かれています。 あっという間に誰も看過できない存在となる組織のボスとして(正確には結成直後に)思いがけず海人と再会し、自分たちの未来に関する思いを話したときに異を唱えた海人に対し、姉妹が投げつける「宝石箱」のたとえは秀逸!それでも、3人はお互いがコインの表裏ということを理解している(ふしがある)ため、完全に反目し合うというのではなく、時には信頼する友人として、時には共同作戦のパートナーとして前へ進みます。具体的に描かれているわけではないんですが、姉妹との共同作戦時に海人が見せる、「しょーがねーなぁ(彼としてはもっと胸の痛む深刻な問題なんだけど)」感がなんかいいです(笑)。しかも、作戦中に読んでる本がまたすげぇ! 北上次郎氏の解説にもあるように、悲惨な中に妙な明るさのある巻です。(上)より凝った設定ですが、こちらの巻のほうが、各登場人物の思いが出揃ってストレートに伝わってくることもあり、スピードが増しても軽やかに読めます。バイプレイヤーに回った海人の印象も薄すぎず、かといって主張しすぎずという立ち位置で絶妙でしたのでこの評価とします。 | ||||
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ハードカバーでの発売時に話題になったのは知っていたのですが、なぜか手が出ず、文庫化を機に手にしました。内戦状態となって有象無象の暴力が渦巻く日本で、幼い妹と弟を守り抜くために腕一本で生き抜く道を選んだ10代の少年、佐々木海人の物語(この巻ではそう)です。 リアリティその他の面で、ノれるかどうかはっきりと分かれる題材です。世界観をざくっととらえれば「コードギアス(の日本内戦状態)+北斗の拳(の荒涼感)+ガンダム00(主人公の少年兵的メンタリティのみ)」でしょうか。文学でいえば馳星周氏と花村萬月氏(特に「イグナシオ」っぽい)のギラリと熱く冷たく、ほんのり詩的なバイオレンスを感じました。 戦場や戦闘に巻き込まれる街が非常に正統派の的確な濃い描写で描かれる一方、主要な登場人物がみな、ある種の落ち着きを持って描かれています。海人が一度も正規の学校教育を受けることのないままにがむしゃらに生きてきたことを表すためか、彼の台詞は語彙が増えてもほとんどひらがな表記(しかも長くない)。ただの無学なキル・マシーンに見えるか見えないかのギリギリのラインですが、ふるまいや心の動きにある種の気高さを感じさせるキャラクター造形のため、バイオレントな場面でも熱くなりすぎません。ほかにも、預言者めいた台詞を吐く双子の月田姉妹、世話になる裏社会の顔役などの落ち着いた台詞回しがこの悲惨で熱い世界観をうまく冷ましているように思います。それに、海人が17歳(だと思う)にして生まれて初めて読む小説(読み書きの教材です)があまりにも素敵でやられた! 物語の運びが非常にハイスピードでパワフルな作品なので慌てて読みがちになる(ここが☆ひとつマイナス要素)のですが、そこをぐっとこらえて次巻以降も読みたい作品ですのでこの評価とします。3部作になるはずだったと聞いていますが、昨年の打海氏のご逝去で未完となりました。残念さ半分、下手な結末にならないのでよかったように思うこと半分の作品です。 | ||||
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(上)で、どちらがしゃべっているのか分からない、とても存在感の強い双子姉妹が主人公のお話です。 最初から最後まで、ノンストップの彼女たちの活躍が楽しめます。 わたしがレビューを書いている時点で、 (上)★★★★★ (下)★★★★1/2☆ 下巻の評価が若干落ちるのは、男性の読者が多いためかもしれません。 続編が楽しみですね。 | ||||
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わたしが打海文三さんの作品を読むのは「ハルビン・カフェ」に続いて、2作目になります。 世界観や、雰囲気は「ハルビン・カフェ」に近いものですが、 (1)少年少女を主人公にしている(感情移入しやすい) (2)成長物語を軸にしている(ストーリーが分かりやすい) 以上、2つの理由から、とても読みやすくなっています。 わたしは、4時間くらいで全部読めました。 双子の姉妹がとても好きになったんですが、途中からあまり出てこなくなって残念でした。 と思ったら、(下)は彼女たちが主人公なんですね! スゴク楽しみです。 | ||||
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この作品に荒唐無稽さは感じられません。何故ってこの小説の舞台をアフリカに変えてみれば理解できます。世界のどこかではこういった紛争は果てることなく続けられているからです。その舞台が日本にならないとは誰が言えましょう。読み進めば進むほど、その圧倒的世界観に打ちのめされました。 構成としても非常におもしろいつくり。<上巻>を孤児部隊を率いることとなる佐々木海人の目線の物語とし、<下巻>ではその海人に助けられた双子の姉妹の目線の話となり、同じ世界を共有しながら、上下巻でまったく違った世界が見れるのも面白いところ。 上巻の副題「孤児部隊の永久戦争」の永久という言葉の重みがずっしりと来るとても考えさせられる物語です。是非一読をお勧めします。 | ||||
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日本全土を内乱の戦火が襲い、暴力のみが秩序となり、群雄割拠する軍閥や悪党達が暴れまくる近未来の物語。 すさまじい戦乱の世界を描く上下2巻は、長編映画と言うより、むしろ連続大河ドラマのような読後感があります。 登場人物達は、ぶっ飛んだ人間ばかりで、平時の価値観や正義感は破壊され、ひたすら生死をかけて戦い続けるのです。 同じ登場人物で構成される上下巻ですが、それぞれで主人公役が異なり、違う目線で物語は進んで行きます。下巻は上巻の続編と考える方が良さそう。 シンプルに読み解くと「戦争」について考えさせられる物語ですが、筆者はもっと何かを訴えかけているのか?私の読解力を超越しています。 救いが無く、サイケデリックでさえある小説世界にぶちのめされてしまいました。とにかく一読をお奨めいたします。 | ||||
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下巻では主人公が変わります。が、やってることは上巻と同じに見えてしまいます。なおかつ時間軸は引き継いでいるので、幼年期からはじまる上巻からすると平板な印象を受けるのも否定しがたい事実。戦闘描写なども、一少年兵からスタートする上巻に比べ、淡白な気がするのです。長距離トラックの運転手ということで、色々な展開を勝手に想像しちゃっていたので、なおのこと勿体無く思います。フェミニズムに関心を寄せるという打海さん、この上下巻の書き分けはまた別の意図があったことは読み取れます。が、純粋エンターテイメントとしては、まあ、個人的に上巻よりも落ちるかなあ、と。それとも、これは僕が男だから? あと、ガウリなどおいしいキャラクターを使い切ってないし、シリーズ化するつもりなんじゃないでしょうか。そうなってくると、この下巻の位置づけもわかりやすくなるかもしれませんね。 | ||||
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