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裸者と裸者
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【この小説が収録されている参考書籍】
裸者と裸者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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日本で内乱が勃発、米軍介入後に諸勢力は分裂し、地方軍閥化します。 就学前に孤児となった主人公は攫われてしまい、少年兵として反乱軍に組み込まれます。 訓練過程でもたつけば即射殺される環境を生き抜き、戦闘の混乱にまぎれて逃亡に成功し、 後に政府軍に徴兵されたときに孤児部隊で経験と能力を発揮していきます。 当初は弟妹を養う為に給料を必要とし、生き残る為に部隊を強化する必要に迫られて、 小隊長として独自行動を起こして、地方マフィアや敵軍物資の確保・転売に成功。 得た資金で更に強化を繰り返し、賄賂で上官の黙認を得ていく内に、孤児部隊を掌握していきます。 上巻で描かれるのは、主に主人公の出世物語となっています。 内乱下の混沌とした悪のはびこる地方都市で、 軍閥下がどんなものであるかという世界を見せつけられます。 主人公の出世物語に目を奪われてしまいますが、 描かれているのは人間であり、それ以上でもそれ以外でもないかと思います。 文庫という事とカバー絵で錯覚してしまうかもしれませんが、 これはライトノベルではなく、架空戦記物とかいった類の娯楽でもありません。 おそらく現在の日本からでは遠い内戦下の国の様子を、 この日本に置き換えて、読者に突きつけるものなのです。 | ||||
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上巻の主人公が地位を得て動きが制約される事になったので、 下巻では主役が交代して、双子の姉妹が物語の中心となります。 舞台は東京西部の人口密集地。スラムと化した市街地で、 武装マフィアの抗争と人種差別者のテロが横行しています。 上巻主人公も武装勢力の一因として首都東京のパワーバランスの一翼を担いつつ、 混沌と化した無法地帯そのものが描かれていきます。 そこは、賄賂と麻薬と性産業が経済の源であり、権力を動かします。 金と武器を手にした者が武装集団を作り、他者を支配し搾取し、権力抗争を余儀なくされます。 品性や自己顕彰は何ら意味を持たず、刹那の快楽に異議を唱えるものはいません。 平和時には吐き気をもたらすような日常が、平坦に起伏無く充ち満ちています。 この下巻では、これが元はハードカバーであると言う事を思い知らされました。 ライトノベルの戦記エンターテイメント的な出世物語ではありません。 登場人物達は利益で繋がり、あっけなく死に、姦淫に抵抗を持ちません。 特に双子姉妹はその傾向が顕著で、刹那の衝動が行動の原理、 諦観により完結しきった瑞々しい思考で状況を判断し、 その場の事態を打開する事が目的であり、手段でもあります。 一応大局的には内戦終結という目標もありますが、 淡々延々と続く抗争と殺戮に気が滅入りました。 上巻のレビューでも書きましたが、これは架空戦記物とかいった類の娯楽ではありません。 おそらく現在の日本からでは遠い内戦下の国の様子を、 この日本に置き換えて、読者に突きつけるものなのです。 そんなわけで、上巻では主人公の出世物語とかで薄まっていた、 この内戦下の日本の、救いがたい不快な現状をまざまざと見せつけられます。 他に首都圏での戦闘もありますが、関東地方の地理や地形に興味がないものですから、 まったく現実味のない文字列としか受け取れませんでした。 もし下巻を地理上でも楽しもうとされるのならば、 少なくとも関東圏の地理がよく判っていないと、難しい事にご注意ください。 | ||||
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