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チョコレートコスモス
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チョコレートコスモスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全82件 61~80 4/5ページ
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『麦の海に沈む果実』も先がどんどん気になって、やめられない止まらない!!という感じだったけど、この本もそうでした。 次々とページをめくらせる構成、ドラマのような展開は、さすが恩田陸さん、という感じ。 キャラのイメージがすごく具体的に現れていて、読んでいるとどんどんと人物の容姿、行動、性格が確立されていきます。 後半のオーディション部分はテンポが良くて、ドキドキです。 今まで読んだ恩田陸さんの本の中では、私にとっては今のところNO.1!! | ||||
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久々に、寝食を忘れて読み耽った一冊。 とにかく、怖い。 といっても、ホラーでもないし、猟奇的な事件が起きるわけでもない。 それなのに、最初の一行から、何か起きそうな予感、──何か恐ろしいことが起きそうな、不穏な空気に満ち満ちていて、なぜだか、とても怖いのだ。 読んでいて、ものすごく緊張を強いられる。 それで、ついつい一気に読んでしまった。 読み終えて感じたのは、結局、人間という存在自体が、どこまで究めようとしても究めることのできない、最大の謎なのではないか、ということ。 つまり、この恩田陸という作家は、「生きるとは、人間という最大の謎を解こうとし続けること」という哲学に基づいて作品を書いているのではないだろうか……などと思ってしまった。 個人的には、作品中にちらちらと出てくるちょっとした要素、たとえば、「まるで『11人いる!』だな」といったせりふや、“演劇の盛んなW大”や、下北沢の○○劇場を思わせる劇場など、懐かしさや親近感の湧くアイテムがちりばめられているところも楽しめた。 特に演劇の世界が好きな人は、一読の価値あり! | ||||
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風変わりなオーディションや、実在の戯曲を作品に織り込むあたりはガラスの仮面のオマージュだねと謗られても仕方ないかもしれませんが、本家が迷走している今このときに、新釈・ガラスの仮面を読めて嬉しかったです。ガラスの仮面に似たものは、今までもかつてもこれからも出てきそうにないだけに。実在の戯曲を使っているところがまたいいです。 途中途中の演劇の異質さの描写はいつもの恩田節全開。ホラーチックっていうか異質ででも実際に有り得そうで、非常に楽しそうでした。実際見たいですね。 ただ、描写が面白いだけに中身そのもの、キャラクターの背景がいかにも凡庸で面白味がないのは気になるところです。「え、それだけ…?」みたいな。描写が異質であればあるだけ、キャラクターにも見合うだけのものを求めたいのです。キャラクタを平凡な感じに設定することで虚構っぽさを払拭しようとしたのでしょうが、やはり肩透かしなように思いました。でも恩田陸に期待しているのはそういうところでは全然無いし、終盤の女優同士の戦いの心理戦などは読み始めたときにはまったく期待してなかっただけに嬉しい誤算でした。ただ最後には雑魚扱いだったアイドルなどはもうちょっと頑張って欲しかったです。 ☆ひとつ減じているのは、ここまでがプロローグで、ここから先が本編です的なものを感じたからですというか、え、本当にここで終わりなんですか。残念です。 | ||||
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恩田陸はすごい。改めて思った。この作品を読んでみようと思ったのはあるテレビ番組を見たから。書評のコーナーで小説版『ガラスの仮面』と言っていたのを聞いたからだ。『ガラスの仮面』のファンなら気になるのは当然というもの。さっそく読んでみると、『ガラスの仮面』のキャラに重なる人が小説にも出てくる。さくさく読み進み、あっという間に読了していました。オーディションの部分はドキドキハラハラ。唯一気になったのはタイトル。後から無理に絞り出してつけたのでは?と思えたのは残念。 | ||||
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演劇とか成功とか芸の向こうにあるもの、とかそんな世界が好きな人にはうってつけ!こんな風によくストーリーを組み立てられるなあと感心。人生とは何か?生きるとは何か?なんて重いテーマを読みたい人には、少し違ったジャンルです。 | ||||
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毎度のことながら、この作家は読者を引きつけて一気に読ませるのが上手だなあと思います。 ただし、飛鳥の超人的な演技や、東響子との異世界へ嵌まり込むような白熱した演技の応酬など、どこか常野物語に出て来そうな非日常的な超能力の世界を思わせます。その点で、少々引っ掛かる方がおられるかもしれません。 読者は皆同じ感想を持つと思いますが、続編があるのでしょうね。そうでないと、何となく収まりがつかない。乞うご期待、というところでしょうか。 | ||||
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読者は観客。 まるで目の前で演劇をみているかのような臨場感。 二人の若き天才女優が演劇に賭ける情熱に魅せられました。 「ガラスの仮面」を彷彿とさせ、少女漫画的みたい!! 若き大女優・東響子の人間性は鮮やかに描かれている反面、 新人女優の佐々木飛鳥の感情があまり描かれてません。 本文中にも似たような記述があるのですが、 飛鳥は本当に“演劇ロボット”です。 その人物描写の甘さに小説としてはマイナスをつけてしまいそうになるけど、 案外これは恩田先生の作為的なものなのかも。 だって読み終わってすぐに「今すぐ続きを読みたい!」と思わずにいられないから。 この本まるごと一冊を使って、これから起きるであろう真の戦いへの 長い長い予告を見せられたような・・・。 続編の構想がある上で書いているとしか思えないんですよね。 恩田先生、飛鳥の内面はそこで描くんでしょう? 絶対に続編書いてくださいね。期待してます。 | ||||
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恩田版ガラスの仮面、らしいですが、たしかにガラスの仮面のオマージュ的作品です。作品中にでてくる戯曲もおもしろいものが多く。あいかわらず、一気に読んでしまいました。 対立する個性的な女優達、くせのある演出家や制作陣。わくわくするような内容でした。ただ、予告編のようなかんじで終わってしまったので、少し残念でした。その先が読みたい!といった感じのラストでした。 | ||||
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ミステリーでもなく、パラレルワールドで繰り広げられるSF的なものでもなく、学園生活をベースにしたお話でもない。演劇という非常に限られた世界を書いた、恩田陸さんの本では珍しいジャンルだと思います。なのでミステリー的な要素を少しでも期待して買ってしまうと、予想外な作品ということでガッカリしてしまうかもしれません。でも、読んでいる本のジャンルが偏っていて『新しいジャンルにチャレンジしてみたい!!』と考えている人には、非常にお勧めな本だと思います。この本でも恩田陸さんの独特な表現力が溢れており、演劇にまったく興味がない私も話にすっかり引き込まれてしまいました。 ひとつ不思議な点は、大事な登場人物である飛鳥という少女のキャラクターが、最後までうまく掴めなかった点です。私の想像力が足りなかったのかも知れませんが、読み終わった後に『飛鳥のもう少し人間的な面が書かれていればもっと感情移入できたのに』と思ったので星4つにしました。 | ||||
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私も高校時代演劇をかじった一人ですが、 芝居経験者、演劇好きにはぜひ読んで欲しい本です。 ドキドキしながら、一ページ一ページを読みました。 テンポも良く、どこへ連れて行かれるのか、予想もできませんでした。 登場人物達に、嫉妬するほど面白いと思います。 | ||||
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オマージュ的な作品で、演劇への情熱と主人公の生き方全て納得し、不思議少女から変貌していく。ガラスの仮面のように演劇に情熱を燃やしている人には気持ちがわかると思うし、演劇をやったことのない人にも平易な文章で引き込まれていく。結末はどうなるのとページが進むいい作品。絶対にお勧めします。 | ||||
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小説の醍醐味をこれ以上ないほどに見せ付けてくれる。久しぶりにはまり込んで何度も読み返しています。 演劇の世界に遠い私でも虚構に過ぎないと感じる部分はあります。それでも読者をひきつけてやまない恩田さんの素晴らしさ。 筆力という言葉を敢えて控えます。そのような言葉を超えた情熱がそこにあるからです。響子や飛鳥がかもし出す世界に浸れたら文字通り至福の瞬間と感じました。 | ||||
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いや〜参りました。正直な感想です。 頁が進むにつれて、どんどん物語りに引き込まれて行きます。目の前で展開する臨場感と言ったら感激ものです。 演劇の世界とは全く縁の無い私でさえ感じるのですから少しでも演劇世界を知っている方なら尚更の事と思います。まさに恩田さんの勝利と言った感じの作品です。是非御一読下さい。 | ||||
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恩田陸の作品は正直あまり好きではなかった。 今まで読んだ作品(2作品程度だが)があまりよくなかったのか、どこかつかめなくて、読後感がスッキリしなくて、結局なにがなんだかわからず終わってしまう。そんなイメージだった。 この作品に飛びついてしまった理由はただ一つ「演劇」が関係していたから。 演劇が好きな私は、あるべく関係のある作品を読むようにしている。 なんという、おもしろさだろうか! 一人一人の女優たちのイメージが頭に浮かび、リアル。 でも最高の演技、奇跡のような演技が、全くの夢の世界のよう。 たくさん出てくる、演技バトルにも目が離せなかった。 ワクワクしてしょうがない!そして読んでいる自分も演じたくなる! 同じくスポ根演劇ドラマ、作者自身もベースにしていると公言する「ガラスの仮面」の骨太で大きな世界を、今の時代(携帯電話があったり、アイドルが賢かったり)で魅せてくれる素敵な作品だ。 | ||||
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キム・ギドク監督の映画「うつせみ」の主人公が、独房の中で、空手の型から入り、自己の存在感を消す訓練をする。そして、ユーモア溢れる、見事なラスト・シーンであった。空手道とは、存在感を消すのに役立つのだろうか? 空手経験のあるヒロイン飛鳥は、自らの存在感を消すことによって、逆説的に存在感あるオーラを放つ。響子の言葉を借りれば、「全く違う演技のベクトル」で以って。プロデューサーの言葉を借りれば、「そこに『彼女』はいない。あの子には『自分』がない」 オーディションのテンションの高さは、読む側には堪らない快感である。終わらないでほしいと思いつつ、一気に最終ページへ。 演劇の分からない、映画の好きな人間としては、つい映画化は可能か?と考えてしまう。 「開いた窓」の二人三役の劇を、「欲望という名の電車」のブランチの「影」を演じられる女優がいるであろうか?絶対にいないであろうし、映像化は不可能であろう。アメリカ映画なら、CGを駆使してやってのけるかもしれない。しかし、人間が演じてこその世界だ。 舞台では、機械のような自意識のない存在、存在感を消した女優。しかし、読者には魅力溢れる、愛すべき人間飛鳥が間違いなく存在する。絶大的存在感を持って。 プロデューサーは予言する。「早晩彼女は大きな壁に当たるだろう」と。そんな壁に当たる飛鳥を、即ち、この続編を読んでみたい気になったのは私だけでしょうか? 蛇足:恩田陸・マイ・フェイヴァリット5 1. チョコレートコスモス 2. 光の帝国――常野物語 3. 黒と茶の幻想 4. 不安な童話 5. 球形の季節 (番外:「恐怖の報酬」日記イギリス・アイルランド) | ||||
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何と言う小説なのだろう。これほどまでにその本の中にのめりこまされてしまったのは、いつ以来だろうか。 「チョコレートコスモス」を作者は、「背景に溶け込んでしまい、花だということも見過ごしてしまいそうだ。まさに、茶褐色のコスモス。可憐な名前である。」と描写している。そして、「コスモス」と言う言葉に「女だけの血でできた宇宙」と表している。それは、飛鳥であり、響子を指しているのだろう。彼女らが、生き生きと動き回る「舞台」と言う「小宇宙」に読者を否応なく引き込んでゆく。 この本の中に、大きなイベントが三ヶ所ある。一つは響子が試される「金色の林檎」、二つ目は「二人の登場人物で、三人の芝居」、三つ目は「二人のブランチ」である。この三ヶ所の部分は、不可能を可能にする方法にどう回答してくれるのかと、推理小説を読むようなわくわく感がある。ラストは想定される結末ではあるが、それまでの高揚感からやっと開放されたような感じである。素晴らしい作品だった。 | ||||
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立ち読みの本を思わず買うほど面白かったです。演劇に引き込まれ、見に行きたくなります。ただ、現在、シェイクスピアの作品は『夏の夜の夢』と訳されています。mid summerは当時の暦で「真夏」ではないので、直したらよいのでは? | ||||
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どう書いても、彼女はいつもそのパターンが多い。 演劇・舞台・役者・・・時々、仮面。 ありとあらゆる、彼女【恩田陸】の中で出てくる趣。 何かの化身のように、恩田陸は【演じる】という行為を物語の中に登場させている。静かに、ゆったりとそれでいて濃密な物語を仕立て上げている。 例えば【六番目の小夜子】サヨコになりたくて、サヨコをみんなが求めている。【麦の海に沈む果実】女優になりたい【憂理】登場する【ロミオとロミオは永遠に】SF小説の中に、無理矢理役者を登場させたりする・・・。他にも【蛇行する川のほとり】では、仮面が出てきたり。 彼女の全てが、何らかの舞台の物語のように蠢く「チョコレートコスモス」は集大成のように思えました。 | ||||
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読み終わった後も心臓がドキドキしていて、しばらくはおさまら なかった。すごいものを読んでしまった。すごい本に出会って しまった。その興奮はずっと続いた。 舞台の上で繰り広げられるオーデション。その凄まじい迫力。 「本を読んでいるのではない。自分もそのオーデションを実際に 見ているのだ!」と思わせるほどの見事な描写。登場人物の 一挙一動、そしてその表情がありありと目に浮かぶ。ゴクリと 唾を飲み込む音さえ、生々しく聞こえてきそうな気がした。読み ながらその光景を頭で描いていくという経験は何度もある。しかし、 この作品はそういうレベルではない。文字が、文章が、これほど までに読み手を作中に引っ張っていけるなんて!読んでいるうちに、 気がついたら物語の中に引きずり込まれ、自分も登場人物の一人と して芝居を見ていた。そういう感じだった。佐々木飛鳥の持つ秘め られた能力。それがどんなふうに発揮されるのか?内容自体もとても 惹きつけられるものだった。「チョコレートコスモス」このたまらなく 魅力的なもの!この作品を読んだ人はすべてがすべて、この先に あるものを知りたくなるに違いない。最高評価は五つ星だが、あと 2、3個星をつけたいと思ったほどよかった。オススメです! | ||||
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最近の恩田さんの作品は「今回は果たしてうまく読めるだろうか」と読む前に何かと身構えてしまうのだが、これは一気に読めた。 週刊誌に連載されていただけあり、話はわかりやすい。最後のオーディションの場面に向けてストーリー展開が加速され、登場人物たちの動きも心理もうまく集約されていく。最後の舞台演劇における陶酔=向こう側の世界への誘いは、今までの恩田作品の真骨頂を発揮している。 恩田版「○○の仮面」と、何かと先行している内容が似たような漫画や映画と比較されがちだが、文章によるイマジネーションは人間にとってやはり大切だと痛感する文学作品だった。ぜひ読まれたし。 | ||||
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