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禁じられた楽園



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【この小説が収録されている参考書籍】
禁じられた楽園
禁じられた楽園 (徳間文庫)

禁じられた楽園の評価: 3.28/5点 レビュー 29件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.28pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 21~29 2/2ページ
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No.9:
(3pt)

やっぱり最後が・・・。

なんというか不気味さと不安が入り交じり、おどろおどろしくて気持ちの悪いお話でした。オカルトチックでサイコ風味なホラー。
怖いけれどスピード感があり、追いかけられる様にページをめくっていってしまいました。巧みな描写で、頭に映像が浮かび、気分はまるでパニックムービーを見ている様。なかなかグロい描写も多くて、それがまた怖かったです。
でも最後に、それまで作り上げていた、精神世界と現実の狭間の様な怖さが、一気に崩された様な気がする。
ラストはファンタジーになっても、現実的なお話になっても駄目だったとは思うけど、イメージで終わらせた曖昧な幕引きは無難な感じがして、濁された様な嫌な気分。後味の悪い終わり方が、物語を台無しにしてしまった様で残念でした。
禁じられた楽園 (徳間文庫)Amazon書評・レビュー:禁じられた楽園 (徳間文庫)より
4198925690
No.8:
(3pt)

ラストが…

心理描写が絶妙で、
烏山響一の気味の悪さ、でも惹きつけられてしまう魅力、
そして気の強いヒロイン等、キャラの描き方など素晴らしい。
ぐいぐいと話に引っ張られ、ビクビクしながらも夢中でページをめくってしまう。
ただ終わり方が、悪いほうの恩田陸が出てしまっている気がする。
ラストを曖昧にして、読者に続きを感じてもらう、想像してもらいたいというのが作者の願望なんだろうが、
これでは後味が悪すぎて、終盤まで面白かったのに一気に興ざめしてしまう。
というより、あまりに曖昧模糊とした描写に、作者が途中でまとめきれずに放り投げてしまったかのようにも思えてしまう。
好きな作者なだけに、この終わり方は非常に残念だ。
禁じられた楽園 (徳間文庫)Amazon書評・レビュー:禁じられた楽園 (徳間文庫)より
4198925690
No.7:
(4pt)

不安な美術館

幻想ホラー、と書評には書かれている。
恩田陸でホラーといえば「不安な童話」や「月の裏側」などが挙げられるが、短編をのぞけば、本作ほどホラーらしいホラーは初めてかもしれない。
とはいえ、お化けや幽霊といった類の話ではなく、一言で言ってしまえば、バカでかいお化け屋敷のお話。
お化け屋敷、「野外美術館」に招待された主人公たちが目にするのは、やはり幽霊などではなく、自身の深層心理や、過去の傷をえぐる「ヴィジュアル」を喚起する造形、インスタレーションの数々。
巧すぎる。映像化してくれと言わんばかりの美しく、恐ろしく、そして幻想的なイメージを喚起させる圧倒的な筆力。さすが、恩田陸。
作品を通して、どこか落ち着かない雰囲気を持たせているのも巧い。ただ、ホラーだからだけでなく、主人公たちの「距離感」が一定離れていて、どこにもシンクロ出来ない。彼らの不安が伝わってくるようで。
「人間のいなお風景が好きなんだ。人間など構わない、人間のつけいる隙のない、殺伐とした風景ならなおさらね」 本文389ページより
禁じられた楽園Amazon書評・レビュー:禁じられた楽園より
4198618461
No.6:
(3pt)

恐怖のプライベート美術館

想像力を掻き立てられて、疲れるほどにイマジネーションを刺激されます。
「美しい顔立ちで頭脳明晰。ミステリアスな魅力を持つ人物」というのは恩田陸のお得意の設定で、
今回も烏山響一なる人物が物語に恐怖と負のエネルギーを送ります。
ただし残念なことに舞台も人物も魅力があるのにうまく生かされてない。
熊野という場所の持つ神秘性、
プライベート美術館の圧倒性的な発想力・・・
なのになのに!幕切れがあまりにも安易なのにはガッカリ。
もう少しひねりがほしかったです。
禁じられた楽園Amazon書評・レビュー:禁じられた楽園より
4198618461
No.5:
(2pt)

途中までは面白かったのに・・

恩田陸の作品を読むのはこれが初めてだが、読みやすい文章、スピード感と緊密さを兼ね備えた構成、随所に差し挟まれる鋭い洞察などに引き込まれて、ぐいぐい読み進んだ。それだけに、ラスト数十ページのあまりと言えばあまりに少女小説的で安易な解決には、正直、唖然としてしまった。これほどの手練の語り手でありながら、なぜクライマックスだけが出来の悪いファンタジー小説のようになってしまったのか。エンターテインメントとしてのこの作品は、ある種の「お約束」に完全に則って書かれていて、その枠内では心地よくホラーを楽しむことができるようになっている。烏山響一というまず現実にはあり得ないキャラの設定や、いまどきの若い女性である律子が、「まあ、~~だこと」などと妙にクラシカルな言葉遣いをすることからも(ついでに言えば、大学生の捷が「~~かしらん」と不思議がる場面もそうだ)、そのことは透けて見える。別に「お約束」の存在自体が悪いというわけではないし、物語に構成を与えるためには不可欠のものだとも言えるが、作者自身がそれに最後まで快く従ってしまった結果が、あの平板な最後の数十ページにつながってしまったのではないか。少なくとも、結末が全く別のものであれば、それなりに満足できる作品に仕上がっていたはずだと思うと、残念でならない。最後に、熊野を舞台にしているということで手に取ったこの作品だが、実際には、ヤタガラス(熊野本宮の祭神)が重要な小道具として出てくるぐらいのもので、ほとんど現実の熊野とは無関係に成り立っており、そのことも弱点の一つになっているような気がする。
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No.4:
(4pt)

怖いのは自分の心

人は心の中に、他人に知られたくない部分を持っている。決して思い出したくない過去を持っている。自分の心の闇が白日のもとにさらされたとしたら?読んでいて何とも言えない恐ろしさがこみ上げる。本当の恐怖は人の心の中に潜んでいる。一番怖いのは自分の心の中に閉じ込めた、自分の中の醜い部分ではないだろうか。幻想か真実か?恩田陸の描く世界は特異で不思議。理解し難い。だが、この作品は私好みだった。読みながら、自分の心の中にはいったい何がうごめいているのかを、考えずにはいられなかった。
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No.3:
(4pt)

恐怖と映像的スピード感に圧倒されます。

作品の舞台となっている熊野が世界遺産に登録された直後ということもあり、また、作中の季節も今現在と同じ夏ということもあり、私はとてもタイムリーな読み方をして、得したような気がしています。いつもにまして、恩田さんの作品の特徴である“映像的”な展開が、ぐいぐい引っ張ってくれます。夜中までかかって一人で読んだので、その怖さたるや、想像しないでおこう、しないでおこうと思っても、脳裏をよぎり、どっぷりと浸かってしまいました。悪の権化のような烏山響一が、いったいどういうふうに化けるのか、このまま突っ走るのか、結末を知りたくて、一気に読み進みました。律子と捷が、響一に招かれて行った、熊野の山奥にある“野外美術館”での出来事は、佳境に入ってくると、所々太字の台詞やら地の文やらが混ざりだして、それがこちらの想像力を、嫌でも掻き立てるのです。それも、事象だけでなく、人の心に染みついた誰にも見せたくない“陰”の部分を抉るように、そこが、ささくれ立つように、配されているのです。二人がいくつもの野外美術館を、巡らざるをえないように仕組んだ響一の企み。恐怖と、夏の山中の蒸し暑さと、出口のない不安感・・・等々が、一挙に押しよせてきて手に汗握る迫力でした。ただ、最後はこう持って行かなければ、収集がつかないとも思いますし、悪や暗黒のエネルギーに凌駕されてしまっては、それはそれで、“こんなんでいいのか?”と、私なら思ってしまうのでしょうが、案外あっさりと、決着がついてしまうのが、ちょっぴり残念でした。しかし、それを除いても、この迫力で、事細かに描かれた悪意の増幅し続ける世界は、ちょっと見物だと思います。人間のその部分だけを描ききる手腕は、さすが恩田さんだと思わせられました。
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4198618461
No.2:
(5pt)

書出しの巧妙さ

この著者の書出しは本当にうまい。謎が謎を呼び、一見関係ない様々な人物が異様な体験を通じて一点に集約してゆく。特異な人物烏山響一が常にその禍禍しい渦の中心にいる。多くの登場人物は不吉な影に怯えつつ、まさかという思いと強い個性に惹かれて破滅に追いやられてゆく。はたして救いはあるのか?最後の最後までどのような形で幕が引かれるのか予断を許さない物語だ。恩田さんの従来の作品に共通する部分と新たなものとが綯い交ぜになった作品だが、真に楽しめる作品でもある。
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No.1:
(4pt)

悪意の迷宮

 天才と呼ぶにふさわしい青年に、建築をモチーフにした個人的な(というにはあまりにも手の込んだ)インスタレーションに招待された二人の男女。行方不明になった敏腕営業マンを追う婚約者の女性と、彼の友人。死者が見えるゲーム。神が光臨したという伝説のある旧家。実際に中に入り込める絵…。噂と悪意と恐怖の物語で、途中まで、本当に終盤間際までは引き込まれて、すごくわくわくしました。 インスタレーションと呼ばれる奇怪な建築の迷宮は本当に不気味ですし、物語をぐいぐいと引っ張る奇怪で少し怖い謎は魅力的です。 『球形の季節』『劫尽童女』『ロミオとロミオは永遠に』『ねじの回転』といった小説群に連なる物語だと思います。この系統の作品は、自分にはオチの解釈が難しかったり、「えっ、こんな終わり方しちゃうの?」とあっけにとられたりするのが常で苦手なのですが、この作品はそんな部分を差し引いても読むに値する面白さがあると思います。解けない謎が残ることも多い恩田作品ですが、この作品の謎は殆ど全部最後には解決します。ただちょっとかなり強引な気がしたので☆ひとつマイナスさせていただきました。
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