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無理
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無理の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全118件 101~118 6/6ページ
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東北の地方都市で暮らす登場人物たちの暮らしを通して、現代の地方都市の現状と問題点を浮き彫りにする作品。どの登場人物もふとしたことからどんどん不幸になっていく。さらに最後には・・・人の不幸を見て読者が「自分のほうがまだまし」と思えるようにすることが狙い?大作だが読みやすくあっという間に読めた。安易なハッピーエンドではない。処方箋は自分で見つけようということか。 | ||||
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住む地方都市の住民として、他人事のように思えない内容であり、その描写に 身震いした。作中の人物たちのように、自分の地域を軽蔑したり、自分はそこから抜け出て 「お前たちとは違うんだ」と心のどこかで根拠のないプライドを持っていたり、 でも結局は、社会の下層として、その軽蔑する地域で日々を過ごしている、いや過ごさざるを得ない毎日。 なんだか、ゆめの市が自分の住んでいる市町村ような気がした。 シャッター商店街、パチンコとラブホ、外国人の増加、売春など 地方の現実を、まざまざと見せつけられた。 地方にはインテリを満足させるインフラがないという言葉が妙に頷けた 弱者同士の罵りあいほどつらいものはない | ||||
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「邪魔」「最悪」に似た作品だ。5人の主人公が出てくるが、世の中の底辺に居る人達の普段の生活が書かれている。平成21年の不況に生きている負け組の人の生き様が良く書けている。彼らはとんでもない事件に巻き込まれていく。話しがどんどん膨らんでいき、最後は殺人事件まで起きてしまう。ミステリーなのか、ドタバタのコメディなのかわからないが、読んでいて面白い。 実際私の隣りには暴走族上がりのヤンキーの奥さんや旦那が住んでいる。私にはとても理解できない人達だが、この小説を読むと何となく彼らをよく理解できる。生活保護を申請する人とそれを受付け、拒絶する人も出てくる。私はどちらの立場に立って読んでも理解できた。話しは面白くて、大きく膨らんでいくけど、結末にはどうにも無理がある。著者自身も書いていて、あまりに膨らみすぎてしまって、最後に結末を書くのは「無理」と思ってこの題名を付けたんじゃないかと思ってしまった。 | ||||
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最近嵌っている奥田 英朗さんの最新刊 図書館で90人待ち、新聞の書評も好評だったので、かなりの期待を抱いて読みました。 500ページを越すハードカバー。文体はいつもながら読みやすく飽きる事はありませんでした。 ただ今回あまりにも登場人物が多いのと場面の切り替えが多いので中々頭の中を整理する事が出来ず、 読んでは戻りを何度か繰り返しました。 期待を抱きすぎていたので読後感はまあまあでした。 ラストの偶然はあまりにも偶然すぎる感が拭えませんでした。 | ||||
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淡々と500ページ。 さすがの筆力で最後まで読ませてくれますが、読後は物足りなさが残りました。 期待が大きすぎたかなぁ。 奥田氏の著作は全て読んでいますが、残念ですが平均点以下の評価です。 「奥田ワールド」未体験の方は、是非「邪魔」と「インザプール」からどうぞ。 | ||||
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片田舎・ゆめの市に住む、接点のなさそうな5人を主人公にした ドタバタ劇。著者得意のスタイルで、満を持しての登場です。 前半は、5人の生活を丁寧に描いていきます。地方都市のやるせ ない閉塞感と無力感が心底息苦しい。『オリンピックの身代金』 でも感じましたが、著者の描写力ってどんどんすごくなっている と実感します。 半分を過ぎた辺りから、物語は動き始めます。主人公5人みんな、 どんどん悪い方向へ。そして、5人の人生が交錯しつつ、クライマ ックスへ向けてドンドン加速して行き…って思ったんですが、最 後はちょっと失速した感も。ここまで話を広げてしまうと、さす がに“爽快な物語”として終わるのは無理かな。 ブ厚い本を一気(止まらず2日で完読です)に読ませるストーリー テラーとしての手腕は相変わらず。地方都市の疲弊という社会的 な問題提起もあり。でも、物語としては、ちょっとすっきりしな い結末で、残尿感の残る物語です。 | ||||
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メディアで大々的に宣伝され初版7万部という触れ込みで、 早速読んでみたが、評判の割にはストーリーの展開が鈍く、 読んでいる最中にしばしば欠伸が出るほど退屈に感じた。 町村合併で出来たゆめの市に、全く異なる5人の主人公が 登場し、それぞれの物語が並列的に進んで行く展開。 奥田作品はどれも読みやすいことは間違いない。それぞれ の5人は他の4人と、どこかで必ず接点があるパターンも よくある著者の得意技、他の小説でも読んだ記憶がある。 ただ、ラストの交通事故シーンで5人が全て巻き込まれる のはご都合主義といっても、やっぱりハイライトで流石と 思いました。奥田作品ならではの最大のエンターテーメント に仕上がっていて楽しめました。 でも、全体的にストーリーの遅さが災いして、物語にスピ ード感がいま一つなく、もたついた感じがして星3つ。 | ||||
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どこにでもいそうな、でも、どうしようもないヤツらが どん詰まりな日常に抵抗した結果、さらにどん詰まりな状況に堕ちていく。 これぞ、奥田ワールドのダークサイドゾーンだと思います。 閉塞感とか、堕ちていくどん詰まりな、救いようのない感じ これがこのダークサイドゾーンの「味」なのかなぁと勝手に思っています。 これは好き嫌いが別れるところのような気がします。 ダークサイドを描いていますが、ピカレスクロマンではなく 黒川さんの作品みたいな、ドギツイ個性が暴れまわるわけでもなく。 世間的に好感度が低ーい感じの人間たちが蠢く感じとでも申しましょうか。 癖のある味付けの好きなミステリーファンにはオススメします。 | ||||
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この作品のラストを満足と思うか物足りないと思うかで分かれてるみたいだけど、間違いなく素晴らしいラスト! この群像劇を通して「ゆめの」という街を構築した作品である。最後の最後に交差する人物達。最小限のエンターテイメントで締めくくったであろう狙いは感服するだけです。 | ||||
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昨今の社会状況を散りばめながら、それぞれの立場における物語を進めながら、最後に登場人物が出会うって手法にちょっとうんざり。 邪魔、最悪、のほうが面白かった。いろんな意味で無理って思いました。 奥田さん、がんばれ! | ||||
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平凡な地方都市の、小説としては平凡すぎるショートストーリーが同時進行していく。どこかで交わることもなく、淡々と進んでいく。たいした話でもないのに最後まで読ませる筆力は認める。地方都市の閉塞感も、脚色が過ぎるにしても感じられる(生活保護なんて不正受給者だらけかと勘違いする人がでてくるかもしれない)。でも、ここには『最悪』にあった読者がイライラさせられるような感情移入できる要素もないし、『ららぴぽ』の意外性もない。伊良部シリーズのユーモアもウィットもない。結末は、とってつけたようなものにしか思えない。相互に独立した話を無理矢理終わらせたって感じ。結局、閉塞感はそのままだし。奥田作品にしては凡庸に思う。 | ||||
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東北の中規模都市に住んでいるものにとってこの小説の世界観はとてつもなくリアルです。 安易なショッピングモール誘致によって叩き潰された社会生活や大都市とのとてつもない経済格差、いまだに公共事業だよりの土建屋にそれに群がる議員&後援者達、パチンコと買春以外の真っ当な娯楽を考えようともしない一部の市民たちに安易に生活保護に群がる若年者たち。 全て紛れもない現実です。 私たちの住む町でも若者は大都市での就職を遮二無二目指しています。 しかし、一定の学力や経済力がないとそれも難しいのが現状です。県内に留まった若者たちは緩やかな絶望に苦しめられています。 貧困も絶望も地方では簡単に連鎖します。 その絶望の現状をリアルに切り取っているのがこの本です。 終わり方にはいささかのあっけなさが残るものの娯楽小説としての水準はかなり高いです。 | ||||
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奥田英朗が『オリンピックの身代金』をステップボードにして、「このミステリーがすごい!」にもランクインした『最悪』『邪魔』の社会派シリアス路線に帰ってきた。 本書は’06年から’09年にかけて『別冊文藝春秋』に長期連載された長編である。 舞台は東北の3つの町が合併してできた人口12万の地方都市「ゆめの市」。これといった産業はなく雇用は低迷、地元商店街はシャッターを下ろし、唯一のショッピングセンターへ行くのにも公共交通機関は赤字で本数を減らされている。住む人は何の希望も見出せないでいる。季節は冬で、異常気象ゆえ例年になくどんよりとした寒さがこたえる雪模様の天候だ。 ストーリーはこんな暗いシチュエーションで、メインの登場人物5人に降りかかる日常のさまざまな問題が次々と、あくまでも客観的に描かれてゆく。またその「突き放した」描き方は終末にいたるも何の結末も見ずに終わるまで変わらない。 特徴的なのは少なくとも5人のうちふたりは地方公務員と市会議員という、われわれ庶民から見れば恵まれた境遇の者たちすら日々問題を抱え、気が休まる暇もなく鬱屈した生活を送ることを余儀なくされている現実である。この物語は、この社会で暮らす5人の「出口のない・解決策のない」群像劇だが、サブテーマとして、自治体あげての生活保護打ち切り政策、ゲームに興じ親に暴力をふるうひきこもりニート、主婦売春、ブラジル人労働者の問題などにも触れられており、これまた行き詰まった現在の日本と暗澹たる未来を象徴するものばかりである。 『最悪』から10年、『邪魔』から8年経ってもなんら変わることのない日本の社会のこのやるせなさはどうだ。 | ||||
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インザプールとか、伊良部シリーズしか読んだことがなかったので、読み始めて期待値と作品のギャップに思わず「暗!」と口に出してしまいました。 どこまでも救われない主人公たち。 残念ながらというべきなのか、それぞれ描ききれていない人物像にものすごく儚さを感じました。 作者が意図してこういう作品を書いたのでしょうけど、明らかに力不足でしたね。 でも、チャレンジしようという気迫は後半に進むにつれビンビン感じられてきました。 シリーズものでマンネリ化することなく、新しい境地にどんどん切り込んでいこうとする奥田英郎の姿勢は現代の作家には希少でかっこいい。 まだ読んでいないほかの作品も読んでみたいと思います。 (断片が繰り返される映像的な作品は最近の流行なのでしょうか?吉田修一なんかはそういう作品をとてもうまく描きますね。それに比べて…、奥田英郎は下手!!がんばれっ☆) | ||||
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帯に「最悪から10年、邪魔から8年」とありました。もうそんなにたつんですね。 この路線の奥田作品を待ちわびていたファンはきっと多かったと思います。そして、その期待は裏切られませんでした。もったいないと思いつつ、2日で一気に読み終えてしまいました。ありきたりですが、読み始めたら止まりません。 東北にある、うらぶれた地方都市に住む5人が主人公になります。この5人が直接出会うことなく物語は進んでいきますが、それぞれのエピソードがとにかく面白い。格差社会、シャッター通り商店街、新興宗教、引きこもり、家庭内暴力など今の社会が抱える問題がいくつも描かれますが、一つとして不要なものは無く全てが渾然一体となってこの小説を形作っています。特に舞台となる「ゆめの市」の閉塞感を表す描写が秀逸。私も同様にあまり「イケてない」都市在住のため、何やら読んでいて身につまされる様な感じもありました。 ついに5人の運命が交錯するラストは小説的高揚感がダイナミックに発揮されて素晴らしい。個人的には申し分の無い締め方だと思いました。 奥田先生、こういった作品もまたお願いします。できれば2〜3年の内に・・・。 | ||||
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これほどまでに今の日本の状況を描写しているその手腕はさすがです。その上で、作者が主観的な価値観を一切投影していないところが凄いと思いました。例えば『サウスバウンド』では、やっぱりこういう生き方はいいよね、ということであったり、『オリンピックの身代金』では、あの頃は良くも悪くもエネルギーが充満していた、という、仄かなものですがどこか憧れが混じった主張が感じられました。 ところがこの作品では、あえて絶望と希望の狭間を行ったり来たりするわけでもなく、また淡々とした日常描写に終始することもなく、所得格差の対比をことさらに際立たせるでもなく、ただ描写に徹していて、しかも奥田英朗ならではのスピード感はあるという、まさに目の放せない物語の面白さに満ちています。 とりわけ、初期の『最悪』『邪魔』などは、我慢に我慢を重ねてついにキレる、といったような、登場人物の心理のブレを、物語の推進力にしているところがあり、そこが時に人物が駒のように動かされているご都合主義的な感じも否めませんでした。その辺りをユーモアで乗り切っているのがこれまでの奥田調だったのですが、この作品ではそうしたユーモアも必要ないほど、徹底したドライな人物描写力が際立っています。 桐野夏生『メタボラ』のように、人物が作者の手を離れて自立して歩き出すといったような、文学的な凄みはありませんが、物語にオチをつけて何らかのスッキリ感を味わいたいのなら重松清などを読めばいいわけで、作品ごとに力量をつけてきたこの作者の今後はますます楽しみなものとなりました。 | ||||
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遅まきながらこの著者の本を初めて読みました。本を知ったきっかけは日経の日曜書評欄で絶賛されていたから。内容は期待を違えず、個人的に2009年ナンバー1です。日本のとある「夢も希望も無い」地方都市に住む何の接点もない登場人物たちの唯一の共通点は「夢も希望も無い」こと。万引き捕捉監視員・市役所の生活保護担当・インチキ漏電遮断機の訪問販売員といった「見るからに」大変そうな3人はともかく、羽ぶりが良さそうな市議会議員と大学受験を目指す高校生という一見希望がありそうな2人も物語が進むにつれてますますドツボにはまっていく。。。全体に暗く、かつドヨーンとした話なんですが、5人の登場人物の同時平行の不幸ストーリーの展開があまりにもテンポよくドツボっていくので500ページ全く息が抜けません。驚愕のラストまで寝るのも惜しんで1日半で読んでしまいました。買って絶対損なし。一度読み出すと止まらないですよ。 | ||||
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舞台に読者を否応無しに引きずり込む力は凄いのですが・・・ 「書ききれていない」感じがした。 「それで終わり?」「起承転結の最後が無い」みたいな読後感だった。 「最悪」「邪魔」ともに、各々の運命の意図が絡み合った顛末もかかれていたと思うのですが、ひどく拍子抜けする終わり方に感じられて。残念の一言。 | ||||
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