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無理



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【この小説が収録されている参考書籍】
無理
無理 上 (文春文庫)
無理 下 (文春文庫)

無理の評価: 7.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

無理の感想

これは暇つぶしに持って来いのお手軽本ですね。
町村合併で新たに生まれた「ゆめの市」という架空の市を舞台にして書かれた群像劇です。
イメージ的には、街の郊外にイオンのショッピングセンターが唯一あるような中規模の街でしょうか。
「ゆめの」ではあるが、全く「夢の」見えない街、という設定です。
真面目に読むと日本の地方都市が抱える様々な問題、「貧困」・「福祉」・「介護」・「就労」・「公共事業」・「高齢化」・「過疎」等をえぐる社会派小説の一面も垣間見えます。
でも、この本はそんなに真面目に読む必要は全くありませんね。
サクッと読んで、笑い飛ばして良いのでは無いでしょうか。
5人の登場人物にはそれぞれ味があります。彼らの行動・思考・発言が、我々そのものの見本のようであり、まさに鏡のような存在。滑稽であり、憎めない。
著者の少し毒を含んだ皮肉が、妙にとても愉快。思わず笑ってしまいます。
そんな感じで読めば、楽しくあっという間に読み終えます。

この5人の登場人物は、最後にどこかで収束するのかなと考えながら読み進めていましたが、確かに最後はあの形で収束しました。
本当にぐちゃぐちゃで、題名通り「もう無理!」というEndです。
ただ当方としては、ちょっと「無理やり」収束という感もあるので、敢えてそれぞれ単独で結末を迎えても良かったのでという気もします。
「夢の」見えない街だからこそ、一人ぐらいは明るい希望の夢が見えても良かったかもしれません。
アマゾン評価4点の下という所でしょうか。

マッチマッチ
L6YVSIUN
No.2:
(7pt)

無理の感想

作者のエゴを表現する巧みさが出ている。
結末はもう一歩先までほしかったなぁ。

kmak
0RVCT7SX
No.1:
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

堕ちていく様がまざまざと

「最悪」「邪魔」に続き、登場人物の徐々に堕ちていく様が、これまでにも増して色濃く描かれた作品です。それぞれ接点のなさそうな5人を襲う苦難が、読み進めるごとにエスカレートして、その後どうなるんだ?とページをめくるスピードを速めてくれます。
5人が経験するどれもが実際に起こりうる、すでに似たような事が起きているであろうと思われる妙にリアリティのあるもので、それが恐ろしくもあり、面白くもあるのですが、中でも特に女子高生を監禁するゲームオタクの引きこもり男は非常に怖いと思いました。女性の監禁事件を起こしたヤツは実際にいるし、彼がおかれている状況、周囲への態度は現実の世界ではシャレにならないほど恐ろしいものです。
結末は期待したほどではなかったので、少々拍子抜けでしたが、それでも前2作と比較して遜色ないデキだと思います。

本好き!
ZQI5NTBU

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