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切り裂きジャック・百年の孤独
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切り裂きジャック・百年の孤独の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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作中で露骨に「これは伏線だな」と感じる記述があったけれど,そうじゃなかった箇所は残念だった.犯人はそれなりに意外な人物でした. | ||||
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島田氏の88年に発表された長編ミステリー。 この80年代に出た作品としては御手洗ものでも吉敷ものでもないノンシリーズの作品で、100年前のロンドンの切り裂きジャック事件の事実と当時の西ベルリンでの事件が交差して展開するという異色作である。 史実である切り裂きジャック事件に島田氏が独自の解釈で解決を提示し、それがそのまま今の事件に準えていくというなかなかの意欲作になっている。 ボリュームも適度であり、何より、最後でおそらく御手洗らしき人物がちょこっと出てくるという嬉しいサービスもある。 | ||||
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島田荘司さん『切り裂きジャック・百年の孤独』は、タイトルどおり切り裂きジャックをモチーフにしたミステリである。1988年 週刊文春ミステリーランキング 国内部門第10位にランクインしている。この年は、まさに切り裂きジャック事件の100年後にあたる。 舞台は1988年のベルリン。立て続けに女性が惨殺される事件が発生する。被害者の5人は、いずれも娼婦であり、腹部を切り裂かれ、内蔵を引きずり出されて死亡していた。警察当局は、この猟奇的な事件と、1888年に起きた切り裂ジャック事件との類似性に注目し始める。決定的なのは、殺人現場の『ユダヤ人は、みだりに非難を受ける筋合いはない』という落書き。この落書きは、切り裂きジャック事件の現場に残されたとものと同じ文言であった。 ・・・ 本作品では、現在に発生した連続殺人事件と、切り裂きジャック事件を一気に解決してしまうという奇想天外なミステリである。探偵の役は、真紅のコートを着た日本語の堪能な紳士、「切り裂きジャック研究会」名誉顧問のクリーン・ミステリ(!)。 本作品は、1988年ベルリンの事件と、1888年ロンドンの切り裂くジャック事件が交互に描かれて、ストーリーが展開する。被害者たちの関係、殺害された方法、犯人の遺留品、そして犯行声明。二つの事件の類似性が、浮き彫りになっていく。切り裂きジャック事件そのものに詳しくなくとも、興味を損なうことはない。読み進めるうちに、切り裂くジャック事件そのものの理解が深まるようになっている。この展開の仕方と随所に埋め込まれた仕掛けに、用心していてもついついミスリードされてしまうのである(これナシってのもあるけれど)。 100年の時代を経て、二つの事件にどのような関連があるのだろうか?予想外の犯人、そして犯行の動機にびっくり仰天であるが(伏線が、きっちり、しっかりと張られているので、お見逃しなきように)、事件の関連性に納得できるかで好き嫌いは分かれそうだ。犯人を暴くシーンは、作品のどこかクラシックな雰囲気とはマッチしてはいるけれど、ケレン味ありだ。これも、評価の難しいところかもしれないなぁ。 | ||||
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著者の初期の作品で、まだ著者がいろいろと作風を模索している時期のものだけに、まさかラストで・・・という驚きがあった。 これは嬉しい。 リアルタイムで著者の作品を読んでいた当時、まさかという予感はあったのだが、それでも・・・ 詳しくは、未読のひとのために省略する。 ジャックの謎に著者が挑戦した作品という意味では、一つの解釈を示した意義はあると思う。 そして、過去の事件をなぞるような現代の事件の意義は、その趣向にあるわけだから。 | ||||
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この解釈は面白かった!様々な伏線を時に上手く、時にあっけなく回収し、 そしてちゃんと収拾はついていますので安心して読めます。 久しぶりに「面白い!」と思えた推理小説でした。 はじめの伏線の描写がダラダラとした感じがしてあまりページが進まなかった のですが、読み進めるうちにそのダラダラ部分も後々非常に大切な要素 となって行きます。 「島田荘司」という日本人作者が書いたものではない!と途中錯覚して しまうほど海外テイストに満ちた感じもし、軽妙に物語は進み、 意外性もあって非常に良かったです。 お勧めです。 | ||||
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この解釈は面白かった!様々な伏線を時に上手く、時にあっけなく回収し、 そしてちゃんと収拾はついていますので安心して読めます。 久しぶりに「面白い!」と思えた推理小説でした。 はじめの伏線の描写がダラダラとした感じがしてあまりページが進まなかった のですが、読み進めるうちにそのダラダラ部分も後々非常に大切な要素 となって行きます。 「島田荘司」という日本人作者が書いたものではない!と途中錯覚して しまうほど海外テイストに満ちた感じもし、軽妙に物語は進み、 意外性もあって非常に良かったです。 お勧めです。 | ||||
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1888年の切り裂きジャック事件、及び1988年に起こったベルリンでの売春婦連続殺人事件(こちらはフィクション)が交互に展開していく。 発想は大変面白く、展開も速いのでスラスラ読めます。 切り裂きジャックが“何故、腹部を切り裂いたのか?”を解明する辺りの説明は感心してしまいます。 しかし、意味深なタイトルですが、読み終わってみてもあまりシックリと来ません。 また、1888年と1988年の事件の因果関係も大したことがなくて何となく拍子抜けです。 | ||||
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話としては独創的で面白いと感じたが、結末が余りにもあっさりとしていたので多少物足りない感じもした。 切り裂きジャック=猟奇殺人者、ではなく、そのひとつひとつの行動にきちんと意味があったと捉えている点は非常に面白かった。 | ||||
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1988年、西ベルリンで起きた謎の連続殺人。五人の娼婦たちは腹部を裂かれ、内臓を引き出されて惨殺された。世界犯罪史上最大の謎「切り裂きジャック事件」と100年後の西ベルリンでの 事件がパラレルに展開。同時に2つの事件を御手洗?が解き明かす。 なぜ、腹部が裂かれ、なぜ内蔵が引き出されなければならなかったのか?ひとつの明確な解が ここにあります。おもわず、ウーンとうなってしまいました。賛否はあるんでしょうが、 こんな結末も十分ありだと思います。 | ||||
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久しぶりの島田荘司。相変わらずの力技大技で、プリンセステンコーのマジックを彷彿とさせる。 有名な切り裂きジャックの犯人当てを島田的に処理するとこうなるって話なんだけど、その着想自体がおもしろい。 百年後に切り裂きジャックとまったく同じような犯罪が起こり、現代の犯罪を解決するのに百年前の犯罪を一緒に解決してしまう。強引だ。 強引な設定なため、無理なこと(百年前とまったく同じ落書きや犯人が捕まるときに百年前のファッションで現れるなど)頻発なのだが、それもまた「けったいな味付け」の中に紛れてしまって気にならない、と言うまさに力技。 しかも、謎解き係のクリーン・ミステリと名乗る真紅のフロックコートを着たサンタクロースもどきの人物は、どうやら御手洗らしい。ま、ファン向けの隠しネタってことなんだろうが、別に、突拍子もないことをいきなり言い出す明るい変人キャラばかり産出していると言われても納得するのだった。 しかし、言われてみれば、「腹裂いたのは、腹の中のものを探すため」って、当然と言えばあまりに当然な話で、百年前のロンドンでその動機を探らなかったとしたら、そっちの方が不思議な気もする。 あまり史実に興味はないので、実録切り裂きジャックを読む機会はないと思うけど、実際もシャーロック・ホームズ的捜査だったとすれば気づかなかった可能性もあるかな。 島田荘司はこれくらいの長さの方がいいな。 | ||||
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切り裂きジャックという謎の人物が引き起こした事件は、1888年でした。ヴィクトリア女王治世末期。英国が未曾有の発展を遂げ、国家としての歪みが一つの頂点に達していたと言われた時代。 切り裂きジャック(Jack the Ripper)と呼ばれ、少なくとも5人、推定によっては20人の女を残酷な方法で殺したとされる犯人は、男なのか女なのか、一人なのか複数なのか、何もかもわかっていません。わずかなそれらしい手がかり、それらしい手紙、それらしい容疑者はいますが、犯人を突き止める事はできませんでした。謎の猟奇連続殺人事件です。 100年後のベルリン。ベルリンの壁の崩壊は1年後ですが、西ベルリンの町は荒廃しています。1888年のロンドンのように。 ここで、100年前の悪夢を思い出させる猟奇事件が再び発生します。同じように腹部を切り開かれ、内蔵を引き出され、死体となって発見されました。だれが、なせ、何のために? この事件を、100年前とスラッシュバックさせながら追っていく展開はスリリングですね。 そして明かされる意外な犯人像。なぜ犯人はあの犯行をせざるを得なかったのか。 こういう解釈もありか、という筋立てです。現実的と思えないところもありますけどね。なるほど、こういうのもありか。 仁賀克雄氏の「ロンドンの恐怖」に触発されて書かれたというこの本は、はたして1888年の香りを今に伝えられてのでしょうか。 ちょっと疑問は残りますけどね。 この本の最初の発刊は1988年、まさに100年後です。 | ||||
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犯罪史上もっとも有名な事件、「切り裂きジャック」を完全に解き明かした、不朽の名作と銘打っているが、期待は裏切られたというのが正直な感想である。作者の解釈は特に優れているわけではなく、自分の解釈へと読者を導く伏線がそれぞれの犯行の中で張られていないので、説得力に欠ける結果となっている。また、犯行の舞台と時代の背景はそれなりに描かれているのだが、肝心の登場人物が書き込まれていないことも、意外性のインパクトを弱くしている。人物を書き込まないなら、ドキュメンタリー風という手法もあったろう。元々同様な事件が同時進行するこの構成に問題があり、もしこの構成にするならば、ベルリンでの事件では読者を逆手にとってまったく異なる犯人像を提示して、読者をあっといわせて欲しかった。 | ||||
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1888年に起きた、かの有名な猟奇的連続殺人事件、切り裂きジャック事件をモチーフにした作品。 切り裂きジャックの正体をオリジナルの視点で解き明かす一方、1988年にドイツでこれに類似した事件が起きるという設定。 まず、1888年という時代の霧のたちこめたロンドンという舞台がとても魅力的。 リアルでありながら幻想的で妖しげな雰囲気を文体から感じることができ、わくわくして読んだ。 貧困層の生活を克明に描き出しているのだが、読むものにその生活の悲惨さ、すえたような匂いが漂ってくるようだった。 二つの時代の、娼婦という同じ職業に焦点をあてて、底辺に生きる者の時代を超えた共通項に、何とも言えない気持ちにさせられる。 ストーリーは、1888年の事件への解決にやや強引な部分を感じた。 特に切り裂きジャックの残したチョークで書かれたある落書きに対する解釈は、ちょっとご都合主義的ではないかと思う。 動機や、犯人の狂気についてもっとページをさいてじっくり掘り下げてほしかった。 島田さんの描く狂気といえば、個人的には「アトポス」で描かれる女吸血鬼の印象が強烈だが、 あのくらい狂気に陥るまでの描写を丁寧にされていれば、もっと説得力があったろうと思う。 しかし、事件を解決する謎の人物とやらが、我らが名探偵の変装であると思わせる部分など、 シャーロックホームズを彷彿とさせて作者の遊び心を感じる。 本格ミステリというよりも、霧のロンドン、妖しげな猟期殺人、謎の老人という設定、 ホームズや怪盗ルパンをドキドキしながら読んでいたころを思い出させるような、物語的な世界観を存分に楽しめる一冊だと思う。 が、もちろん扱っているのは血にまみれた殺人事件な訳で、決して子どもにおすすめできるミステリではないのだが。 | ||||
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昔、何年前だったか忘れたが、この作品を読みました。 理由は「ジャック・ザ・リッパー」に興味があったから。 犯罪史上でも有名な理由が不明な大量連続殺人。 読後、呆然としてしまった。そうか・・・そういう解釈もありか?! さすが島田先生。多分世界でも初めての解釈だろう。 もちろん、これは小説の世界だが、実際に世界中に「切り裂きジャック」を 研究している人間は沢山いる。リッパロロジストというらしいが。 日本の第一人者は仁賀克雄氏。仁賀氏の「ロンドンの恐怖」という作品に、 島田先生が解説を書かれており、この本がもとになって、 この「切り裂きジャック・百年の孤独」が書かれたと書いてあった。 ちなみに最後の犠牲者メアリー・ケリーの写真が残っている。 これは正直見られない方が良いと思うくらい、残虐な殺害の仕方である。 しばらく食欲がなくなった。しかし、その殺人の仕方からこの本の斬新な 解釈が見えるとも思える。 とにかく面白い! | ||||
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1988年の作。百年を経てロンドンとベルリンを往来するストーリーにかの有名なガブリエル・ガルシア・マルケスの1982年ノーベル賞受賞作『百年の孤独』をかけた題名の妙にまず感心。ということは、あの『眩暈』はその1年前の1981年オーストリアのノーベル賞作家エリアス・カネッティの受賞作『眩暈』からきているのかな、と思ったりした。本作はミタライ・シリーズではないが、まるでミタライの外人版みたいな主人公が途中から登場してきて、一挙に100年を経た2つの切り裂きジャックの謎を鮮やかに解いて見せる。まさに切り口はミタライそのもの。彼の名をクリーン・ミステリというが、名前まで『キヨシ』であったりして面白い(●^o^●)。島田氏の作品は随所にこういったファン心理をくすぐる工夫が施されていて感心してしまう。ミタライ・シリーズではないけれどミタライ・ファンはみんな唸ってしまうほどの出来栄え。ミタライ・シリーズを読破している諸兄も『これって傑作じゃない。』って読後言うことだろう。(●^o^●) | ||||
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1988年のベルリンでおこる殺人事件は、1888年のロンドンでおこった切り裂きジャックの事件とそっくりだった・・・まず切り裂きジャックの事件をよく知らなかったのですが、これを読んで切り裂きジャックの本を読みたくなりましたこんな事件が本当におこったなんて、しかも解決されていないなんて!事件そのものも興味ありますが、当時のロンドンの様子も大変興味あります。貧民街、霧、ガス灯、真っ暗闇の裏小路、馬車、そして娼婦・・・今から100年ほどしかたっていない、そう昔ではない時代の、現代に近い部分と、現代とは全然違う部分がまざった独特の雰囲気・・・そういうのっておもしろいなあと思いました。で、この本なのですが、一気に読ませてくれました。とてもわかりやすく、解明された謎も意外性があり大変おもしろかったただ、ところどころこんな場面意味ナインじゃないってところもありました。100年前の事件に関してはいいんです。でも、現代の事件は・・・ちょっとそんな偶然、無理矢理すぎじゃない?って感じです。クリーン・ミステリなる人物のイタズラもいきすぎてて冷めちゃうし、最後の「説明がつかない不可解な行動」も、冷めちゃいます。すごくおもしろかっただけに、そういう余計な演出がちょっと残念でした | ||||
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切り裂きジャックを扱ったミステリーはいくつか読んだ事がありますが、その中でも衝撃度は一番でした。あまり書いてしまうとネタバレになってしまうので多くは書けませんが、世紀の未解決事件・切り裂きジャック事件に、ある一つの解決がなされています。目からウロコというか、島田荘司という作家の発想力に感心してしまいました。 御手洗潔シリーズがお好きな方も読んでみて損はないと思いますよ。…いや、むしろぜひ読んだ方がいいですよ、かな?(笑) | ||||
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