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切り裂きジャック・百年の孤独



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切り裂きジャック・百年の孤独の評価: 3.96/5点 レビュー 23件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 1~20 1/2ページ
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No.23:
(1pt)

ファンの方であれば楽しくするすると読めたのでしょうか?

小説を読みなれていない時期に読んだのですが、色々考えてしまった所が多く、荒削りな作品という印象です。途中までの警察の動きや伏線の貼り方などは大変面白かったんですが、探偵が出てきて以降はネタから文体から本気でつまらなくなってしまい、心の逆バイブルとして未だに沸々とした何かを抱えさせられています。
また、途中で度々出てくる幻想描写が、出した意味すら特に無かったのもマイナス要素でした。この人物はここから何をやらかすのだろう?という期待感が全部無駄ッ!だった時の気の落ち込みようといったら、尋常なものではなかったです。

この作品には存在する意味のある人物がほとんどおらず、未解決事件を取り扱った代物で、このタイトルで、探偵が終盤に現れるというなら、むしろ徹頭徹尾視点を犯人に置いても良かったのではないでしょうか。
狂気と焦燥の中、警察の捜査や自身の人生の行く先と目の前の生活に追われながら、目的を達する事無く、誰にもその内心を打ち明けられず、遂には全てを詳らかにする残酷な死神めいた存在から正気という地獄に揺り戻される。
そんな話でも良かったのではないか、などと素人目線で延々と考えさせられてしまう一冊です。
切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)より
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No.22:
(4pt)

ケレン味たっぷりに、2つの謎を解決してくれるあの人

評価の高い作品を一気読み。喉を切り裂き、内臓をひきずりだす描写にたえながら読み進んでいった。島田荘司先生の推理は、きれいな推理だが、いかんせん後味がよくない。ケレン味たっぷりに登場するあの人の存在が、救いだといえる。エンディングは、シャーロック・ホームズの登場するあの作品の感動を超えられなかった。
切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)より
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No.21:
(5pt)

切り裂きジャックの犯行動機を推測する小説としては最も面白い

本作中では発行元の都合により明言されていないけど島田荘司氏の代表的な超人探偵のMさんが登場する話。
 かなり突拍子のないものではあるが、犯人の動機としては今まで切り裂きジャックを扱ってきた作品の中では最も納得できる話だと思う。それを作中当時に発生した事件とリンクさせているのが実にうまいと思う。
 一方で遺留品などの物的証拠を鑑みるとエラリー・クィーンの作品の方が蓋然性は高く思える。
 現代ではDNA情報によりかなり犯人が絞り込まれているがそれでもなお犯人は特定できてはいない。
今後犯人が特定できたとしても、ひとつの読み物として十分に完成されているし、こういう考え方もあるよという動機の提示が面白いので是非一読をおススメする。
 ちなみに切り裂きジャックが犯行を重ねていた時期は夏目漱石が英国に留学していた時期であり、またシャーロック・ホームズが活躍していたとされる時代でもある。著者は漱石とホームズの邂逅を描いた作品も著しているので是非そちらの作品もおススメする。両作を読むとより当時の英国の雰囲気を味わえることだろう。
切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)より
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No.20:
(5pt)

これは真相なんじゃないですか?

ジャック・ザ・リッパーの犯行が100年の間をあけて繰り返される恐怖。
でも、被害者が娼婦だったり、わざわざ腹部を切り裂いてあったりした理由が、
この作品ですっきり落ち着きました。
現代の切り裂きジャックを解明するミスタクリーンは御手洗でしょう。
あ、言わずもがなだったか。
切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)より
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No.19:
(4pt)

切り裂きジャックの犯行の詳細

ベルリンを舞台に展開する連続殺人事件捜査のテンポの良さもさることながら、ロンドンの切り裂きジャックの犯行の詳細をはじめて知ることができ、とてもびっくり。
切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)より
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No.18:
(4pt)

面白いことには面白かったけれど・・・.

作中で露骨に「これは伏線だな」と感じる記述があったけれど,そうじゃなかった箇所は残念だった.犯人はそれなりに意外な人物でした.
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No.17:
(4pt)

島田氏80年代の異色作

島田氏の88年に発表された長編ミステリー。
この80年代に出た作品としては御手洗ものでも吉敷ものでもないノンシリーズの作品で、100年前のロンドンの切り裂きジャック事件の事実と当時の西ベルリンでの事件が交差して展開するという異色作である。
史実である切り裂きジャック事件に島田氏が独自の解釈で解決を提示し、それがそのまま今の事件に準えていくというなかなかの意欲作になっている。
ボリュームも適度であり、何より、最後でおそらく御手洗らしき人物がちょこっと出てくるという嬉しいサービスもある。
切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)より
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No.16:
(4pt)

100年を経た二つの切り裂きジャック事件

島田荘司さん『切り裂きジャック・百年の孤独』は、タイトルどおり切り裂きジャックをモチーフにしたミステリである。1988年 週刊文春ミステリーランキング 国内部門第10位にランクインしている。この年は、まさに切り裂きジャック事件の100年後にあたる。

舞台は1988年のベルリン。立て続けに女性が惨殺される事件が発生する。被害者の5人は、いずれも娼婦であり、腹部を切り裂かれ、内蔵を引きずり出されて死亡していた。警察当局は、この猟奇的な事件と、1888年に起きた切り裂ジャック事件との類似性に注目し始める。決定的なのは、殺人現場の『ユダヤ人は、みだりに非難を受ける筋合いはない』という落書き。この落書きは、切り裂きジャック事件の現場に残されたとものと同じ文言であった。 ・・・

本作品では、現在に発生した連続殺人事件と、切り裂きジャック事件を一気に解決してしまうという奇想天外なミステリである。探偵の役は、真紅のコートを着た日本語の堪能な紳士、「切り裂きジャック研究会」名誉顧問のクリーン・ミステリ(!)。

本作品は、1988年ベルリンの事件と、1888年ロンドンの切り裂くジャック事件が交互に描かれて、ストーリーが展開する。被害者たちの関係、殺害された方法、犯人の遺留品、そして犯行声明。二つの事件の類似性が、浮き彫りになっていく。切り裂きジャック事件そのものに詳しくなくとも、興味を損なうことはない。読み進めるうちに、切り裂くジャック事件そのものの理解が深まるようになっている。この展開の仕方と随所に埋め込まれた仕掛けに、用心していてもついついミスリードされてしまうのである(これナシってのもあるけれど)。

100年の時代を経て、二つの事件にどのような関連があるのだろうか?予想外の犯人、そして犯行の動機にびっくり仰天であるが(伏線が、きっちり、しっかりと張られているので、お見逃しなきように)、事件の関連性に納得できるかで好き嫌いは分かれそうだ。犯人を暴くシーンは、作品のどこかクラシックな雰囲気とはマッチしてはいるけれど、ケレン味ありだ。これも、評価の難しいところかもしれないなぁ。
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No.15:
(5pt)

傑作でありもっと評価されても良い作品である

著者の初期の作品で、まだ著者がいろいろと作風を模索している時期のものだけに、まさかラストで・・・という驚きがあった。
これは嬉しい。
リアルタイムで著者の作品を読んでいた当時、まさかという予感はあったのだが、それでも・・・

詳しくは、未読のひとのために省略する。
ジャックの謎に著者が挑戦した作品という意味では、一つの解釈を示した意義はあると思う。
そして、過去の事件をなぞるような現代の事件の意義は、その趣向にあるわけだから。
切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)より
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No.14:
(4pt)

なるほど!面白かったです!

この解釈は面白かった!様々な伏線を時に上手く、時にあっけなく回収し、
そしてちゃんと収拾はついていますので安心して読めます。
久しぶりに「面白い!」と思えた推理小説でした。

はじめの伏線の描写がダラダラとした感じがしてあまりページが進まなかった
のですが、読み進めるうちにそのダラダラ部分も後々非常に大切な要素
となって行きます。

「島田荘司」という日本人作者が書いたものではない!と途中錯覚して
しまうほど海外テイストに満ちた感じもし、軽妙に物語は進み、
意外性もあって非常に良かったです。

お勧めです。
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No.13:
(4pt)

なるほど!面白かったです!

この解釈は面白かった!様々な伏線を時に上手く、時にあっけなく回収し、
そしてちゃんと収拾はついていますので安心して読めます。
久しぶりに「面白い!」と思えた推理小説でした。
はじめの伏線の描写がダラダラとした感じがしてあまりページが進まなかった
のですが、読み進めるうちにそのダラダラ部分も後々非常に大切な要素
となって行きます。
「島田荘司」という日本人作者が書いたものではない!と途中錯覚して
しまうほど海外テイストに満ちた感じもし、軽妙に物語は進み、
意外性もあって非常に良かったです。
お勧めです。
切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)より
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No.12:
(3pt)

面白いのだが……

1888年の切り裂きジャック事件、及び1988年に起こったベルリンでの売春婦連続殺人事件(こちらはフィクション)が交互に展開していく。発想は大変面白く、展開も速いのでスラスラ読めます。切り裂きジャックが“何故、腹部を切り裂いたのか?”を解明する辺りの説明は感心してしまいます。しかし、意味深なタイトルですが、読み終わってみてもあまりシックリと来ません。また、1888年と1988年の事件の因果関係も大したことがなくて何となく拍子抜けです。
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No.11:
(3pt)

面白いのだが……

1888年の切り裂きジャック事件、及び1988年に起こったベルリンでの売春婦連続殺人事件(こちらはフィクション)が交互に展開していく。

発想は大変面白く、展開も速いのでスラスラ読めます。
切り裂きジャックが“何故、腹部を切り裂いたのか?”を解明する辺りの説明は感心してしまいます。

しかし、意味深なタイトルですが、読み終わってみてもあまりシックリと来ません。
また、1888年と1988年の事件の因果関係も大したことがなくて何となく拍子抜けです。
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No.10:
(4pt)

ちょっとあっさり終わっちゃった観はあるけど

話としては独創的で面白いと感じたが、結末が余りにもあっさりとしていたので多少物足りない感じもした。
切り裂きジャック=猟奇殺人者、ではなく、そのひとつひとつの行動にきちんと意味があったと捉えている点は非常に面白かった。
切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:切リ裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)より
4087497372
No.9:
(4pt)

こんな結末もあり?

1988年、西ベルリンで起きた謎の連続殺人。五人の娼婦たちは腹部を裂かれ、内臓を引き出されて惨殺された。世界犯罪史上最大の謎「切り裂きジャック事件」と100年後の西ベルリンでの
事件がパラレルに展開。同時に2つの事件を御手洗?が解き明かす。
なぜ、腹部が裂かれ、なぜ内蔵が引き出されなければならなかったのか?ひとつの明確な解が
ここにあります。おもわず、ウーンとうなってしまいました。賛否はあるんでしょうが、
こんな結末も十分ありだと思います。
切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)より
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No.8:
(4pt)

力技満開

久しぶりの島田荘司。相変わらずの力技大技で、プリンセステンコーのマジックを彷彿とさせる。
有名な切り裂きジャックの犯人当てを島田的に処理するとこうなるって話なんだけど、その着想自体がおもしろい。
百年後に切り裂きジャックとまったく同じような犯罪が起こり、現代の犯罪を解決するのに百年前の犯罪を一緒に解決してしまう。強引だ。
強引な設定なため、無理なこと(百年前とまったく同じ落書きや犯人が捕まるときに百年前のファッションで現れるなど)頻発なのだが、それもまた「けったいな味付け」の中に紛れてしまって気にならない、と言うまさに力技。
しかも、謎解き係のクリーン・ミステリと名乗る真紅のフロックコートを着たサンタクロースもどきの人物は、どうやら御手洗らしい。ま、ファン向けの隠しネタってことなんだろうが、別に、突拍子もないことをいきなり言い出す明るい変人キャラばかり産出していると言われても納得するのだった。
しかし、言われてみれば、「腹裂いたのは、腹の中のものを探すため」って、当然と言えばあまりに当然な話で、百年前のロンドンでその動機を探らなかったとしたら、そっちの方が不思議な気もする。
あまり史実に興味はないので、実録切り裂きジャックを読む機会はないと思うけど、実際もシャーロック・ホームズ的捜査だったとすれば気づかなかった可能性もあるかな。
島田荘司はこれくらいの長さの方がいいな。
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4167480042
No.7:
(3pt)

うーん、もう少しかな。

 切り裂きジャックという謎の人物が引き起こした事件は、1888年でした。ヴィクトリア女王治世末期。英国が未曾有の発展を遂げ、国家としての歪みが一つの頂点に達していたと言われた時代。
 切り裂きジャック(Jack the Ripper)と呼ばれ、少なくとも5人、推定によっては20人の女を残酷な方法で殺したとされる犯人は、男なのか女なのか、一人なのか複数なのか、何もかもわかっていません。わずかなそれらしい手がかり、それらしい手紙、それらしい容疑者はいますが、犯人を突き止める事はできませんでした。謎の猟奇連続殺人事件です。
 100年後のベルリン。ベルリンの壁の崩壊は1年後ですが、西ベルリンの町は荒廃しています。1888年のロンドンのように。
 ここで、100年前の悪夢を思い出させる猟奇事件が再び発生します。同じように腹部を切り開かれ、内蔵を引き出され、死体となって発見されました。だれが、なせ、何のために?
 この事件を、100年前とスラッシュバックさせながら追っていく展開はスリリングですね。
 そして明かされる意外な犯人像。なぜ犯人はあの犯行をせざるを得なかったのか。
 こういう解釈もありか、という筋立てです。現実的と思えないところもありますけどね。なるほど、こういうのもありか。
 仁賀克雄氏の「ロンドンの恐怖」に触発されて書かれたというこの本は、はたして1888年の香りを今に伝えられてのでしょうか。
 ちょっと疑問は残りますけどね。
 この本の最初の発刊は1988年、まさに100年後です。
切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)より
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No.6:
(3pt)

完全に解き明かしたかは疑問

 犯罪史上もっとも有名な事件、「切り裂きジャック」を完全に解き明かした、不朽の名作と銘打っているが、期待は裏切られたというのが正直な感想である。作者の解釈は特に優れているわけではなく、自分の解釈へと読者を導く伏線がそれぞれの犯行の中で張られていないので、説得力に欠ける結果となっている。また、犯行の舞台と時代の背景はそれなりに描かれているのだが、肝心の登場人物が書き込まれていないことも、意外性のインパクトを弱くしている。人物を書き込まないなら、ドキュメンタリー風という手法もあったろう。元々同様な事件が同時進行するこの構成に問題があり、もしこの構成にするならば、ベルリンでの事件では読者を逆手にとってまったく異なる犯人像を提示して、読者をあっといわせて欲しかった。
切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)より
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No.5:
(4pt)

妖しげで魅力的なムード

1888年に起きた、かの有名な猟奇的連続殺人事件、切り裂きジャック事件をモチーフにした作品。
切り裂きジャックの正体をオリジナルの視点で解き明かす一方、1988年にドイツでこれに類似した事件が起きるという設定。
まず、1888年という時代の霧のたちこめたロンドンという舞台がとても魅力的。
リアルでありながら幻想的で妖しげな雰囲気を文体から感じることができ、わくわくして読んだ。
貧困層の生活を克明に描き出しているのだが、読むものにその生活の悲惨さ、すえたような匂いが漂ってくるようだった。
二つの時代の、娼婦という同じ職業に焦点をあてて、底辺に生きる者の時代を超えた共通項に、何とも言えない気持ちにさせられる。
ストーリーは、1888年の事件への解決にやや強引な部分を感じた。
特に切り裂きジャックの残したチョークで書かれたある落書きに対する解釈は、ちょっとご都合主義的ではないかと思う。
動機や、犯人の狂気についてもっとページをさいてじっくり掘り下げてほしかった。
島田さんの描く狂気といえば、個人的には「アトポス」で描かれる女吸血鬼の印象が強烈だが、
あのくらい狂気に陥るまでの描写を丁寧にされていれば、もっと説得力があったろうと思う。
しかし、事件を解決する謎の人物とやらが、我らが名探偵の変装であると思わせる部分など、
シャーロックホームズを彷彿とさせて作者の遊び心を感じる。
本格ミステリというよりも、霧のロンドン、妖しげな猟期殺人、謎の老人という設定、
ホームズや怪盗ルパンをドキドキしながら読んでいたころを思い出させるような、物語的な世界観を存分に楽しめる一冊だと思う。
が、もちろん扱っているのは血にまみれた殺人事件な訳で、決して子どもにおすすめできるミステリではないのだが。
切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)より
4167480042
No.4:
(5pt)

強烈な印象!

昔、何年前だったか忘れたが、この作品を読みました。

理由は「ジャック・ザ・リッパー」に興味があったから。

犯罪史上でも有名な理由が不明な大量連続殺人。

読後、呆然としてしまった。そうか・・・そういう解釈もありか?!

さすが島田先生。多分世界でも初めての解釈だろう。

もちろん、これは小説の世界だが、実際に世界中に「切り裂きジャック」を

研究している人間は沢山いる。リッパロロジストというらしいが。

日本の第一人者は仁賀克雄氏。仁賀氏の「ロンドンの恐怖」という作品に、

島田先生が解説を書かれており、この本がもとになって、

この「切り裂きジャック・百年の孤独」が書かれたと書いてあった。

ちなみに最後の犠牲者メアリー・ケリーの写真が残っている。

これは正直見られない方が良いと思うくらい、残虐な殺害の仕方である。

しばらく食欲がなくなった。しかし、その殺人の仕方からこの本の斬新な

解釈が見えるとも思える。

とにかく面白い!
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