■スポンサードリンク


分裂蜂起



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
分裂蜂起

分裂蜂起の評価: 3.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

<警官の血>と<軍人の血>による静かな友情が心の琴線に触れる

佐々木譲を読むのは、2025/9月の「佐伯警部の推理 北海道警察」以来になります。
 そして、「抵抗都市」(2019/12月)、「偽造同盟」(2021/12月)に続く "IF小説(オルタネート・ヒストリー)"シリーズ、最終作。
 日露戦争に<負けた>日本。ロシア帝国の属国となった日本。東京の街中でキリル文字が踊っています。改変された<首都・東京>のストリート。
 市ヶ谷橋の対岸で洋装の男の水死体が発見されます。その<Who-Done-It>と<Why-Done-It>を追って、主人公、警視庁捜査係の新堂裕作は捜査を開始します。
 前半は、"IF小説"の中の虚構という背景の下、私立探偵小説のように捜査が進行し、後半は、新堂裕作による<アンダーカバー>(潜入捜査)が物語の中核を成しています。
 尽きるところ私は、「偽造同盟」のレビューの中、「勝ち負けだけを言ってしまえば、所詮<敗戦国>としてのその後を生き続けている我が国の行方は、ロシアと米国という帝国の違いはあれどもそれほどこの物語の齎す感慨と大差ないものとも言えるような気がします。決して独立した国家としての体をなしていないこの<日本>という国を憂いながら」と書きましたが、本作についてもまた同じような感慨を持つことになりました。その後「関東大震災」があって、第二次世界大戦の敗戦国となったこの国の未来は、本シリーズのような大胆な<虚構>を割り当てたとしても、辿り着く先はそれほど変わらなかったと言えるのかもしれません。
 一作目、二作目、そして本作へと至る労作としてのシリーズの価値は認めながらも、徐々にそのボルテージが落ちて行ったことが否めない理由は、その辺りにあるような気がします。その点、佐々木譲は歴史を改変しきれなかった。
 しかし、<警官の血>を持つ新堂裕作とロシア陸軍の<軍人の血>を持つコルネーエフの静かな友情は、何故か私の心の琴線に触れます。それは常に戦場の最前線で生きる男たちへの祈りに裏打ちされているからでしょう。
 ◻︎「分裂蜂起 抵抗都市」(佐々木譲 集英社) 2025/12/31。
分裂蜂起Amazon書評・レビュー:分裂蜂起より
4087700348

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!