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異邦の騎士
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異邦の騎士の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 61~80 4/5ページ
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一時的記憶障害に陥って窮地に立った石岡が偶然に御手洗と邂逅すると言う、二人の出会いのエピソードを描いた作品。石岡ファンには嬉しい企画だろう。 ミステリ的ポイントは、石岡の記憶障害の原因解明と、石岡の覚醒時から石岡に寄り添い、同棲までする様になった良子と言う女の素性だろう。素直に読めば、良子は石岡の記憶障害に係わっている様に見える。そんな事は夢にも思わず、良子との生活を心から楽しむ石岡。石岡は御手洗同様、自分以外の世界を「異邦」と感じている。石岡は良子が提示する石岡の免許書にある住所を訪ねるが、その場所には妻千賀子と幼子の思い出があった。そして、自殺した妻が残した無残な日記とそれに続く自身の日記に依って石岡の記憶が甦る...。 ここまでが導入部だが、既に全体の2/3を過ぎている。日記や甦ったと感じる石岡の記憶は偽であろうから、ここからどのような論理の飛躍があるか見ものである。日記は兎も角、記憶の改竄と言うものは可能なのだろうか ? 結末を読んで、記憶の改竄の部分は相変わらず強引だなぁ、と感じた。この程度の仕掛けで人間が記憶の錯誤を起こすものだろうか ? また、犯人側も人間の記憶の錯誤と言う全く信頼性を欠くものに望みを託し、このような仕掛けを施すとは余りに現実味に欠ける。徒労に終る可能性が強く、それなら自分達で直接手を下した方が手っ取り早い。ミステリ的にはお粗末で、石岡と御手洗の出会い、そして石岡と良子の愛の物語として読むしかあるまい。 | ||||
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島田さんが生み出した大人気キャラクター、 探偵・御手洗潔と助手・石岡和己の出会いとなった事件を描いています。 プロットは、最終的な目的のわりにはちょっと大掛かりすぎると思うのですが、 ストーリーテリングが上手いので、物語に引きこまれてしまいます。 ミステリーとしてよりも、ちょっと変わった恋愛物?として読むと面白いかも。 主人公の石岡くんと良子ちゃんの純愛に切なくなりました。 | ||||
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目を覚ました「俺」は、堅いベンチから起き上がる。路上駐車した車を 思い出し、持って行かれるより先に退かせようと探したが、そんなもの はどこにも見あたらない。その不安はそのうち、さらなる膨張をみせる。 そもそも「俺」は、自分がだれで何をしているのか、その記憶そのもの を失っていたのだから…。 本作「異邦の騎士」のキーワードはずばり、「記憶」である。 『斜め屋敷の犯罪』にて、ダイナミックな空間トリックを披露した著者で あるが、本作は主に「時間」という軸を駆使している。「記憶を亡くした 主人公」がアイデンティティを取り戻すために冒険するというのは、もし かすると人類史上もっとも古い物語形式の一つなのかもしれないが、こ の主人公「俺」が懸命にたぐるその記憶の糸の先には、ある明晰な頭 脳の持ち主が仕掛けた、恐るべき犯罪のシナリオが仕掛けられていた のだ。 また島田荘司の25作目を飾る本作は、「御手洗シリーズ」ファンなら垂涎 の内容なのかもしれない。この小説では、あの天衣無縫なキャラクターが 魅力的な星占い師御手洗にとって紛れもなく「ワトスン」にあたる石岡との 出会いも描かれている。時系列に並べばおそらくシリーズの最初に来るだ ろうから、いわば「御手洗潔ゼロ」という位置づけになるだろう。 なお、あとがきはこの講談社の文庫版とあともう一つ、最初の91年版のそ れも収録されていて、いわば作者も複数の時代の複数の「私」が別々のあ とがきを書いているのだ。この点、他の別の小説を読んだ後ならどうも思わ ないだろうが、この作品のトリックの全貌を知ったあとに読むと、また違った 趣があるあとがきだった。 ところで、本作における「今」は、実は昭和五三年当時と、新しいようでいて 時代設定は結構古い。何しろ「十月十二日、王選手はホームランを打って いない」というセリフが飛び出してくるのだ。そのほかにも「知恵遅れ」など、 まだ土着性の残り香のあったであろう昭和の雰囲気が全編を漂っている。 | ||||
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エンタテイメント的な要素が強い感じがするのは、前半、中盤、後半で 作品の雰囲気がまるで変わるからなのでしょうか? 前半はちょっと中島らも風のコミカルな感じです。主人公と良子の恋物語、 そして変態占い師との日々が軽妙な描写で書かれていきます。 それが中盤の失われた記憶を探す旅の段になり、とても残酷で 我慢の出来ない理不尽なストーリ展開となり、身もだえする程でした。 それが後半あっけなく昇華され、読む側も安堵するんですが しかしあまりにもあっけないというかご都合主義的な感じで ちょっと肩すかしを喰らう感じですね。謎解きの裏付け説明も くどくどくどくど、しかもこじつけがましい、しかもその謎を解明する 探偵役が変態占い師で、、無理やりな説明って感じがしてしまいました。 悪魔的な頭脳を持つ良子の兄に関してもあまり感情移入できませんでしたね。。。 少し残念! | ||||
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読後感が素晴らしく泣けました。友を救うために御手洗潔が大活躍する。都会に生きる孤独…「ねじ曲げられた世界の修復」と言う共通テーマでハインラインの世界的名作「夏への扉」に近い感動を味わえます。勿論、島田さんらしいトリックも、です。デビュー作ですが、発行順に読まれる事をお薦めします。 | ||||
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御手洗シリーズを何作か読んでおいて本当に良かったです。 読んでおかないと、最後の一番の驚きは無きに等しくなってしまうのでは。 改訂版しか読んでいないのですが、初期の物の方がこの小説全体に漂う ノスタルジックなムードが色濃く現れているのだろうと推測します。 大胆な発想ではありますが、ミステリーのトリックとしては綱渡り的であるように感じます。 登場人物の心理としても納得のいかない点が多々見られます。 ミステリーとしてよりも、この小説に漂う青く切ない雰囲気、主人公の心理状況から伝わってくる 島田氏の青春時代の苦しみを美しい文章で味わうというスタンスで読みました。 横浜の町並み、馬車道などを知っているとイメージが容易になり 小説の中の世界に浸れるのではないでしょうか。 「この作品を書いた頃のような日常的な不安、怯え、そしてやるせなさは永久に失った。 だから、もうこのような作品は二度と書けないだろう」 島田氏自身が後書きに書いていらっしゃるように、この作品は他の作品とは異なる 雰囲気があります。島田氏の作品の中で一番の支持を得ているのも納得です。 | ||||
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原因不明の完全な記憶喪失で狼狽する主人公の青年は、目の前に突如表れた少女と恋仲になり同棲生活を始める。彼女との新天地での細やかな幸福に、次第に打ち解けて希望を見いだしていく男。しかし、次第に失われた過去への恐怖で彼は煩悶し、遂にノートに封印されていた己の禁断の過去を知ってしまうに至る。 著者はミステリではないと語っているが、額面通りに受けとるべきか否か躊躇してしまう。というのは、本作がれっきとしたミステリの体裁であり、かつミステリと呼ぶにはあまりに著者の辻褄合わせに過ぎる事の運びに落胆して、である。 主人公の前に次々と都合よく現れる味方達、わざわざ敵の術中に嵌まるような事を繰り返す魯鈍な主人公、そして、明かされる陰謀の偶然の産物としか言い様のない全容。何から何までが不自然過ぎて、文章を追い、新たな展開に遭遇するたび、気落ちするの繰り返しだ。 指摘すべきはやはりセンスの問題ではないか。厳密には、センスの良さを活かせないセンスの悪さ、とすべきか。安アパートやジャズ喫茶など、風景描写は快調だ。颯爽と騎士のように現れ石岡を救う御手洗潔も粋なことこの上ない。だが、高い頭脳を持つという犯人が、わざわざあんな凝った仕掛けを仕組まなければいけなかった必要性が皆目わからない。大体がたったの三人であんな大芝居をうつのは不可能というものだろう。 石岡と御手洗の出逢いを描いた青春小説としてみれば上出来だろうが、ミステリとしては甚だ弱い。興味深いシチュエーションとミステリ史に名を残すであろう名探偵が拙速なストーリーテリングで無駄死にを余儀なくされたのは、何とも惜しい限りだ。 | ||||
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このお話はかなり衝撃的でまず記憶喪失の男の視点でいきなり始まって何が何やらわからぬ ままに強引にめまぐるしく展開していき、そのまま完結しようとするから「おい、ちょっと 待て何か違うぞ...」と思ってた矢先にドーン!!!!ですね。。 トリック以前にストーリー自体が今一つ構築されきっておらず色々批評があるのは確かなん だが、この「異邦の騎士」のどこに魅かれるのかと考えると人物のなまなましい描写ですよ ね(御手洗潔とゆう常人とは逆に一周廻る過程で最高に人間臭い男を合わせて、、)。 骨組みは脆いが、もう何だろう有り余るほどのふくよかな肉付けが最高なんです。 そして何よりすばらしいこのタイトルは、、、この作品は色々な諸事情があってタイトル付け も随分苦心惨憺したらしいのですが、バイクにまたがる御手洗の件といい、リターン・トゥ・ フォーエヴァーの浪漫の騎士の件といい、様々な思惑の中異邦の地で巻き起こった事件の先に あった泥臭い騎士道精神といい、まるで最初からそこにあったようなナイスネーミングだ。 ミステリーとして読むには多少難がある作品ではあるが、とはいえ大ドンデン返しは純粋に 衝撃的だし何より純粋に友情や愛や人間について考えさせられたり得るものが多いですよ! | ||||
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いえ、作品のことじゃありませんよ。最悪なのは、自分が最初に読んだ御手洗シリーズがこれだったということです。初読では、単に男と女の感動的な物語という印象でしたが、なるほど、「感動的」という意味はこういうことでしたか。と、後になって納得…。ホント、記憶喪失にでもなって、御手洗シリーズと「正しい順序」でもう一度出会いたいです。 | ||||
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昔、御手洗シリーズを読みあさった時期に一度読んだのですが、長旅もあり久しぶりに手に取りました。 トリック云々の前に、ストーリーが面白い。 多少強引な部分もありますが、元町、関内あたりが好きな自分としては、情景まで想像できてよかったです。 でも、やっぱ悲しい話はあとに残るなぁ。。 | ||||
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この作品、推理小説としていろいろ突っ込みたいところや、展開的にええ?って思ったところはあります。 けれども、そんなことより(ある意味失礼な意見ですが)、作品全体に通ずるうらさびれた昭和の雰囲気といいますか、路地裏の臭いがとっても胸に迫ります。 これが発刊当初からあったものなのか、多少時が流れたから感じられるものなのかは、 昨今今作を読んだ自分にはなんとも判断が難しいところではありますが、作品全体の雰囲気がとっても大好きです。 | ||||
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この作品は島田氏の実質的第一作であります。 主人公の荒々しさと若さは、まるで氏のそれがそのまま文章に叩きつけられているようです。 ミステリー要素もさることながら、あふれ出す青春小説的魅力が 島田氏の作品のなかでも特に人気がある要因かと思われます。 余談ですが、作中で触れられているアルバム「The Incredible Jazz Guitar」は全くのジャズ素人の私でも気軽に聞ける、お勧めの作品です。 | ||||
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確かに評判にあるようにストーリーは面白く、しかも一気に読みました。 しかし!いくら荒唐無稽な展開が許される推理小説とはいっても、さすがに強引過ぎるというか無理があるという感は否めません。 さらに言わせていただければ、良子の人物像があまりにもティピカル(ミニスカートをはいていてちょっと生活が乱れているように見えるけれど、実は心の中は純粋で清純、生い立ちに不幸の影……)なので、女性の私としては「やれやれ」という感じもしました。 ただ、御手洗潔は非常に魅力的に描かれていて、ちょっと「グッ」ときてしまいました。 | ||||
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面白い。 数年前に読んで、結末に驚かされました。 で・・また読み返してました。 御手洗の不可解な行動も最後になって理解できます。 島田作品の中でベスト5内に入る作品です。(わたしの中で) | ||||
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昨年末入院してたときに、職場の上司からもらったいくつか の島田本の中の一冊。 売店で唯一売ってたローマ人の物語にも飽きてきた頃で、 ストーリー展開の早さも手伝い、一気に読めた。 ジャンルは推理小説?なんでしょうが、恋愛小説的要素も 強くあり、その後の御手洗シリーズとは一線を画してる気がします。 出会いの不自然さも、突然の死別を一層悲しいものにしていて、 非常にせつない。 2週間の入院中に5冊ほど島田本を読み正直はまったが、本書はその きっかけとなる本だった。 同じようなシチュエーションの人が読むことは稀かもしれないが 小説が苦手の人でも◎の作品と思います。 | ||||
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ミステリーと、ある男の恋愛記、そして仁義と男魂ってやつですか。 まあ話はおもろいし、真相もけっこうビックリしましたけど どうにもはじめの 記憶喪失の男と良子が同棲する過程がよろしくない いったいなんだろう?このシチュエーションは 良子は、かなり可愛い娘らしいのだが、そんあ子が 私と一緒に住もうよp!あんたにほれたよ! とか、そんあきわめて現実性が薄いです。あまりにぶっ飛んでる 出会いがアホみたいなので、その後の同姓劇もぜんぶアホみたいに感じた あとこの男と上司の会話では、。またまたおなじみ日本人論が炸裂します しまだの小説では毎度毎度!ですよ あと都市論とか女性論 さいきんでは冤罪だの死刑とか もういいよ飽きたから | ||||
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ミステリーと、ある男の恋愛記、そして仁義と男魂ってやつですか。 まあ話はおもろいし、真相もけっこうビックリしましたけど どうにもはじめの 記憶喪失の男と良子が同棲する過程がよろしくない いったいなんだろう?このシチュエーションは 良子は、かなり可愛い娘らしいのだが、そんあ子が 私と一緒に住もうよp!あんたにほれたよ! とか、そんあきわめて現実性が薄いです。あまりにぶっ飛んでる 出会いがアホみたいなので、その後の同姓劇もぜんぶアホみたいに感じた あとこの男と上司の会話では、。またまたおなじみ日本人論が炸裂します しまだの小説では毎度毎度!ですよ あと都市論とか女性論 さいきんでは冤罪だの死刑とか もういいよ飽きたから | ||||
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「新本格」登場が叫ばれて久しい昨今、 その新人達のはるか先陣を切るように颯爽と文壇に登場した『占星術殺人事件』以後、 なんとデビュー以後24作もおいて発表になった幻のデビュー作『習作T』。 これは著者が初めて手がけた作品でありながら、 どうしても文章表現の稚拙さだけは直さざるを得なかったものの それ以外の物語の展開等には一切手を加えていないまま世に出た作品である。 若さ故の粗削りな部分もあったり、 昭和の香りの残る横浜・関内の街並みの風景描写などは 読むこちら側も歳を取ったことを確実に感じさせるものではあるが、 数多あるミステリというジャンルの自らの読書体験の中で これほどの傑作に当たった記憶はない。 何度読み返してみても、傲然たる衝撃と途方もない寂寞とした悲しみが、 読む手を震わせ、涙が止めどなく溢れる感動を呼び起こしてくる。 20代の御手洗潔−それは、著者の、そして我々の青春そのものにほかならない... | ||||
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目が醒めてみるとベンチの上だった。 記憶を失った「俺」が出会う衝撃の過去。真実はどこにあるのか。 かなり古い時期に書かれた作品なので、雰囲気が非常に昔風で、もの悲しい雰囲気です。元住吉の街が舞台ですが今とは様子がずいぶんと違いますね。昭和のノスタルジーを感じさせます。 なんとなく、うら寂れた雰囲気の中で描かれる愛の姿。恋人の不可解な行動。不条理に踏みにじられる小さな幸福。主人公が向き合う「過去」の重さに圧倒されてしまいました。 正直、トリックというかお話の核心部分はちょっと無理があるかな?という感じはしますが、隠された秘密が明らかになったときには、思わず今までの部分を読み返してしまいました。島田さんらしく、しっかり伏線も張ってありますし、文章も非常にしっかりした、骨太の作品だと思います。 「占星術・・・」のような本格ものというよりも、著者が20代を過ごした時代背景の中で、つらく切ない恋が描かれた作品。著者があとがきで書いていますが、「良子の思い出」というタイトルの方がぴったりとくるような気がします。 | ||||
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将来のことなんてよく分からない不安いっぱいの大学生のころ、なん度も読み返して勇気を与えてもらいました。作中で御手洗が愛聴しているチック・コリアの『浪漫の騎士』もぜひ。 | ||||
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