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(短編集)
螢坂
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螢坂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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心温まる香菜里屋のマスターの料理と明快な謎の解き明かしが絶妙で、私自身が客の一人となって店の客の一人になれました。 | ||||
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香菜里屋シリーズは、ミステリーのトリックそのものはツッコミどころはいろいろありますが、ビールバーの雰囲気がすばらしいです。 最後まで飽きずに読ませます。 その中でもベストはこの一冊だと思います。 | ||||
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この短編集「蛍阪」は<香菜里屋>シリーズの最高傑作である。 ここで登場する数々の極上の料理は読むだけで幸せをもたらす。 そして、人間を知り尽くしたマスター工藤の上品な謎解きはその時点での日本社会に於ける深甚な知恵であると云っていい。 北森鴻とはその時代を表現出来た優れた体現者であった。 そのことに満腔の賛意を表する。 | ||||
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シリーズものらしいけど、これしか読んでません。 十分の読み応えを感じました。あえて他を読もうとも思いません。 これだけで完結しているし、内容もよかったので。 読みながら、謎解きの部分で何度もゾクッとしてしまいます。 せつない想いってのは、どこか寂しくて、その寂しさの穴に気が付いたときに 人は孤独を感じるのかもしれません。 恋ってのはホラーなんですね。 | ||||
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人目につかないところにある小料理居酒屋が舞台です。 訪れるお客は初来店の人であれ、常連さんであれ、店主の出してくる 料理に魅了され、心がほぐされてゆきます。 そうして店主と打ち解けて話しているうちに、自分が抱えていた問題や 悩みまで解決されてしまう。実在するならば行きたいなぁと思いました。 お客が想っていることをすべて察知することが できるのに、あくまで控えめに客を導く能力がある店主は魅力的で なにより出てくる料理(メニューはありません)一品一品が本当に美味しそう。 食は、人を癒せる一番簡単な手段かもしれない、そう思いました。 どんなに疲れていたり、心が折れそうだったりする時も、 美味しいごはんさえあれば、救われる。立ち上がるエネルギーとなる。 そんなことも実感した一冊でした。 | ||||
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人生の浮き沈みというのは、ほんとうに人それぞれだな、と香菜里屋シリーズを読むといつもそう思います。不思議な魅力を持つマスター工藤も、過去にはいろいろあったのでしょう。だからこそ、客の持ち込む”謎”がいとも簡単に解けてしまうのかもしれません。 今回の作品は、全体を通して”待つ”というキーワードがぴったりくると思います。待つのは人ばかりでなく、自分の夢だったり幻の焼酎だったり。待ち続けた答えをようやく見つけた時、人はようやく安堵できるのですね。答えが見つかることは、必ずしも問題が解決するということではないけれど、それでも謎を抱えたままでいるより心は解放されるし、楽になれる。 その手助けをするのが、マスターの工藤。客の話を聞いただけであれこれ推察し、誰も予想のつかなかった答えにたどり着く。この人はいったい何者なんだ!?と最初はいぶかしがる客も、いつしか古くからのなじみ客のような気持ちになり、いつまでもスツールに腰掛けている自分に違和感を感じなくなる不思議なビアバー、香菜里屋。度数の違う4種類のビールに、マスターおまかせの料理。どんなものを出されてもはずれがないという料理の描写がこれまた素晴らしく、もしかしたら自分でもできるかも、なんて幻想を抱きつつ、推理以外の部分でも楽しめる、1度で2度美味しい小説なんです。 どうやらマスターも誰かを待っているらしい、ということがほのめかされているが(『雪待人』)、それがこの先どう展開していくのか、次作に期待しています。 | ||||
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「香菜里屋シリーズ」の3作目だが、この作品もしっとりとした味わいがある。 一番印象深かったのは、5番目の「孤拳」だった。逝ってしまった大切な人との 思い出を胸に抱きながら、幻の焼酎「孤拳」を捜す真澄。やがて知る大切な人 「修兄ィ」の心に隠された真実の思い。そして「孤拳」に込められた願い・・・。 読んでいてとても切なかった。ほかの作品も、人それぞれの心のひだに隠された 思いがとてもよく表現されていたと思う。相変わらず香菜里屋の料理も魅力的 だった。気になるのは、香菜里屋のマスターの工藤の秘密だ。「香菜里屋」の 店の名前の由来は?工藤の思いとは?4作目を読むのが楽しみだ♪ | ||||
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マスターもまた、誰かを待ち続けながらビアバーを営業している。ひたすら待ち続けているのかもしれない。 だから、訪れる客にさりげなく、最高のもてなしを続けているのかもしれない。 架空の物語が、俄然真実味を増すのは、その料理と会話の妙だろう。 | ||||
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2004年に出た単行本の文庫化。 香菜里屋シリーズの第3作。5つの短編が収められている。 安心して楽しめる一冊。謎・トリックとしては面白味に欠けるが、独特の緊迫感で読者を掴んでしまう。今回はわりとハッピーエンドのものが多かったが、話そのものは陰惨で冷たい。突き放されるような結末のがふさわしいようにも思うのだが・・。 相変わらずマスターの料理は美味しそうだ。 | ||||
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三軒茶屋の奥まったところにあるビヤ・バー「香菜里屋」。 アルコール度数の違うビール四種と 読むだけで涎が出そうな創作料理が大きな魅力。 そこのマスター工藤が安楽椅子探偵となって 「日常の謎」を解いていく連作短編シリーズ第三弾。 動機のベースにあくまで日本人的情念を置きながら スタイリッシュにひとひねりした謎解きは見事。 また創作料理の描写もますます充実。 なにより工藤をはじめ、登場人物たちの人間としての陰影が 謎解きに華を添える上品な一面を持ち合わせている。 | ||||
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極上に美味しい料理と、心からくつろげる雰囲気。そして、魅力的なマスターが揃っている理想の店。 東京は東急田園都市線の三軒茶屋駅にあるという「香菜里屋」、そこがその理想的な店です。細い路地にぼんやりとうかぶ白い等身大の大提灯にうかぶ店名でそれとわかるこのビアバーは、オーナーの工藤が作る天才的な創作料理と四種の度数の違うビールが売りの店なのですが、それだけでなく不思議な謎を奇麗に解きほぐしてくれる店なのです。 少し不思議なこと、お客の胸の底にひっかかった何か、自分が巻き込まれた不思議な出来事の真相。それらが、アームチェアディティクティブの極みのような工藤の推理力によってきれいに解かれます。ふとした言葉、行動を工藤は決して見逃しません。決してハッピーエンドだけの結末とは限りませんが、謎の解決とともに一つの決着と心の平安がもたらされます。 短編連作集ですが、どの作品にも味わいと余韻があってとてもおすすめです。 本書は、『花の下にて春死なむ』『桜宵』に続く、シリーズ第3作目になるのですが、巻を増すごとに作品に奥行きが出て来ていて、ますますシリーズは面白くなっています。そして嬉しいことてに、巻末の解説で、次巻では店の主人の工藤の過去が語られるようでそれも楽しみです。 | ||||
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ミステリーというよりも、ミステリーチックな普通の小説、という感じです。どちらにせよ、北森鴻が非常に巧い小説家、ということは間違いありません。殺人犯人探しでも、いわゆる日常の謎でもない、まさしく北森ミステリーとしかいいようのない世界であると言えます。香菜里屋店主・工藤の料理の紹介が実にいやらしくなく、高級料理には縁がない私のような庶民にも実に美味しそうなのは、さすが元料理人、と感嘆します。単に料理名を並べるだけでなく、本当に美味しそうな料理を描ける作家って少ないんだよな…。香菜里屋に通う登場人物たちのように、我々も世界に浸りたくなってしまいます。 | ||||
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北森鴻は料理を書かせたらホントにうまい!出てくるものはどれも美味しそうだ。料理本なんかも書けるんじゃないかな?ミステリーとしても充分おもしろい。おすすめです。 | ||||
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東急田園都市線の三軒茶屋駅を降りて、商店街を歩く。脇道にそれ、路地を曲がりながら進むと、そこに白い提灯が見える。焼き杉造りのドアを開けると、そこが本書の舞台、「香菜里屋」という名のビアバーである。 店の主人、工藤哲也が供するビールと酒の肴に舌鼓を打ちながら、訪れた客は、身近で起きた奇妙な出来事を物語る。胸の奥にぽっと灯をともすような、そんな店の雰囲気に誘われるようにして。 そして事件の真相は、ワインレッドのエプロンを着て、穏やかな物言いをする店主によって解き明かされることになる。 『花の下にて春死なむ』『桜宵』に続く、シリーズ3番目の作品集。 謎解きの妙としてはだんだんと薄味になってきているが、心を柔らかく揉みほぐしてくれる作品の味わいは相変わらずいい。 旨そうな料理の描写も格別。流石、池波正太郎を大好きな作家として挙げる作者だけのことはある。「螢坂」「猫に恩返し」「雪待人」「双貌」「孤拳」の収録作品のなかでも、シャーロック・ホームズものの某短編を思わせる「双貌」と、しんと身に沁みてくるあたたかさを感じた「孤拳」が気に入った。 こんな店が近所にあったらいいなあ。きっと常連客になっちゃうだろうなあ。 ほろほろとそんなことを思いながら、秋の一夜、ビールを飲むのであった。 | ||||
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