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磔の地



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【この小説が収録されている参考書籍】
磔の地

磔の地の評価: 4.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

久しぶりの翻訳が嬉しいロビショー物のCWA受賞作

デイブ・ロビショー刑事の元に拘置中の容疑者が虐待されているという相談がきて・・・というお話。

久ぶりに、ロビショーが活躍する長篇を読みましたが、以前に読んだのが90年代くらいだったと思うので、20~30年ぶりに読んだかも。そういう事で、この主人公の属性の設定などはあんまり覚えておりませんでしたが、もうちょっと自己主張が強い感じだった様なとか、色々考えながら読みました。

色々な事件や事象が錯綜するので、全体を把握する事ができたかどうかは判りませんが、数値化すると7割くらいかもと白状しておきます。それでも、ロビショー・シリーズを久々に読めて良かったです。南部の自然の描写も味わい深くて、いい感じでした。ただ、過去の作品の書評などで、自然の描写があまりうまくないと書いていた方もいたので、評価が判れるかもしれませんが、私は納得しました。文章も品格があり(翻訳ですが)、読んでいて読み応えがありました。

巻末のリストを見ると、結構色々未訳があるらしいので、これと先に翻訳された「破れざる旗の下に」がきっかけになり、また紹介されてくれると嬉しいです。

上記の「破れざる~」の感想で、既読の物を読み返したくなったとか書いておりましたが、忙しくてまだ読んでいません。すいません。でも、またシリーズ順に読みたくなりました。

久しぶりの翻訳が嬉しいロビショー物のCWA受賞作。是非ご一読を。
磔の地Amazon書評・レビュー:磔の地より
4102409815
No.1:
(4pt)

まるで南部を舞台にしたロバート・アルトマンの群像劇映画を見るかの如く

ジェイムズ・リー・バークによる「破れざる旗の下に」を読んだのは、2024/11月。汚濁に塗れた”Bayou”の最中にあっても光り輝くものと私は書きました。
 今回、1998年作の本書が訳出されました。「刑事デイヴ・ロビショー・シリーズ」の一作ですが、ロビショーは特に何も解決を図ることなく一人の<触媒>として物語の中に存在しています。人はもう一人の人をコントロールできない。それはアルコールを始め薬物、ギャンブル、性、その他依存症者たちのもう一つのテーマではなかったのだろうか?いずれにしても、彼は何もできない。
 過去の磔の死体の存在。殺害されていたのは社会運動家、ジャック・フリン。しかし、事件は未解決のまま現在まで続いていました。彼の娘であり、写真家でもあるミーガンと映画業界で成功を収めた弟のシスコ。ルイジアナの彼(か)の地では、映画撮影が行われ、そのロケ地、旧家テルボンヌ一族の敷地に於いて、その地主、娘、映画監督たちが集まり、その長い南部の<差別>の歴史が開帳され、まるで南部を舞台にしたロバート・アルトマンの群像劇映画を見るかの如く(「ナッシュビル」のことではありません(笑))、物語が展開されていきます。読者は、そのサスペンスを拒否した<文学性>をどう受け入れるのかが問われています。
 また、ロビショー同様、ここには<依存症者>たちが多く登場していますが、とは言え、回復を望みながらいつまでも自我を削ることができない<依存症者>たちの往く末は決して清潔で明るい場所へ辿り着くことがないことをこの物語は包含しています。
 いずれにせよ、「あとで迎えに行くから。そうしたら"サンセット・リミテッド"に乗ってハリウッドに行くのよ」(73%あたり)と言ってのけるロビショーの母親の一言が全ての始まりだったのかもしれません。
磔の地Amazon書評・レビュー:磔の地より
4102409815

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