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方舟を燃やす



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【この小説が収録されている参考書籍】
方舟を燃やす

方舟を燃やすの評価: 4.00/5点 レビュー 31件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21~31 2/2ページ
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No.11:
(4pt)

平凡な人生の一瞬の輝きを捉える

男女2人の、1970年代から2020年代までの半世紀を、その時々の世相と重ね合わせて辿る長編である。

2人の人生は終盤に淡く交差するが、そこまでは各々の物語が交互に描かれる。
2人ともごく平凡な人間で、ドラマティックな出来事はほとんど起きない。にもかかわらず、400ページ超の長編を少しも飽きさせずに読ませる力量はさすがだ。

どこにでもある平凡な人生の中に、たった1度か2度だけあるような輝きの瞬間――それを鮮やかな一閃で捉える物語だと思った。

それはたとえば、主人公の1人・望月不三子の場合でいえば、301~302ページの場面だ。彼女が40年以上作り続けてきた、自己流マクロビオティックの手料理を、幼いときの子どもたち以外から初めて「おいしい」と言われる。そのとき彼女はあふれる涙を止めることができない。

《泣いているのはうれしいからではなく、驚いているからだった。だれにも褒められなかったことを、なぜ四十年以上も続けられたのか、という純粋な驚きのせいだった》

――ここまでに積み重ねられた地味な場面が一気にはじけて花開くような、感動的なくだりである。

「ノストラダムスの大予言」、コックリさん等の1970年代オカルトブームから、コロナ禍のワクチンを巡る騒動やネットのフェイクニュースに至るまで――。過去半世紀の日本の世相が、「信じる」という串で刺し貫かれて描かれていく。

つまり、「信じる」ことの意味を問う小説なのだが、それを安直に宗教のみに集約しないところが、角田光代らしい。
オウム真理教(という具体名は出てこないが)に入信するサブキャラは登場するものの、これは「宗教小説」ではないのだ。

私は主人公の1人――1967年生まれの柳原飛馬とほぼ同世代だから、彼の目を通して自らの半世紀を回顧するようで、たまらなく面白かった。

もう1人の主人公・望月不三子は、1950年代初頭生まれ。
2人のいずれかと同世代なら面白く読めるだろうが、年若い読者にはわかりにくい点が多いと思う。出来事の詳細な説明はあえて省かれているし……。
その意味で、かなり「読む世代を選ぶ」小説である。
方舟を燃やすAmazon書評・レビュー:方舟を燃やすより
410434608X
No.10:
(2pt)

早い配達でしたが

そのまま紙のレターパックに入っていましたが、角折れてました。
高いので残念です。
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No.9:
(5pt)

二人の主人公の半世紀を生きる

角田さんの小説を読みたくなって、本書のページ数を確認せずにKindleで読み始めました。始めは淡々と進むストーリーラインを、やや退屈に感じていましたが、読み進めるにしたがって、半世紀を経て、全ての伏線が整合していくすごさに圧倒されました。

自分とほぼ同世代の飛馬は、戦時のように時代に翻弄されるわけではなく、でも時代というお盆の上にのせられて、それぞれの家庭環境や学校、友達に規定されながら、自分の人生を悩みながらも選びとってきました。不三子さんもまた、家族第一の40年とその後の人生がとてもリアルで、二人の子どもが成人した今、共感し、涙することが多かったです。

明確なハッピーエンドとか物事に白黒つけるわけではなく、だけど人間についてのうっすらとした希望を感じさせてくれる本書は、本当は何度も読まないと、的はずれな「感想」を書いてしまいそう。そんなことも⭐5つのレビューがまだ少ない理由かもと邪推して、拙いですが、個人的な感想をシェアさせて頂きます。
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No.8:
(2pt)

昭和までさかのぼって視点を交差させて

昭和までさかのぼって視点を交差させて(最後の方あんまり交差してないし)、こんなにイライラするはなしをしなくても...とは思います
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No.7:
(4pt)

これが現実に近いのかと思った

TVドラマ、特にサスペンスの見過ぎで、自殺者本人にしかわからない納得のいく理由を提示されるのが当たり前、親は子どもたちとうまくいかない理由を探り当て、自分にも非があることに気付き、悔い改めお互いに歩み寄る……
最近そういう推理小説の犯人が判る的なすっきり割り切れる結末が当たり前になっていた。ところがこの小説は割り切ることのできないストーリーで、すっきりはしないが、最後まで読んで良かったと感じることが出来た。現実はこんなふうに真相なんてわからないままに時間の流れとともに突き進んでいくのだろう、と災害や、テロが予測不可能だと書かれていたように、予想通りではない、お約束のような顛末ではないこの小説に惹かれて読了した。
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No.6:
(5pt)

ちゃんと発売日に届きました!

予約本だったので発売日に届く予定でした。
遅れず発売日に届きました。
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No.5:
(3pt)

概ね楽しく読みました

記憶の奥に潜んでた要らん事を次から次へと連鎖的に思い出してしまって参った
小学生の頃に「口裂け女が出てるから学校からの帰りは気を付けて」と母親から大真面目に注意を受けたとか
高校生の頃に「1999年って何歳?〇〇歳?んじゃいいや~だってもうその位生きればおばさんじゃん」と通勤通学バスの中で大声で喋ってたとか

「誰かの役にたつ」を第一義にする感覚が己に薄いからかどうにもその辺りの心情にピンと来ない
好きな事やしなきゃならない事をやった結果として役に立ったら嬉しいな程度なら分かるんだが

概ね楽しく読みました
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No.4:
(5pt)

心が震える大作

ついこのあいだに起きたコロナ騒動をここまで俯瞰して書ける角田さんは、すごい。申し分なく五つ星。
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No.3:
(4pt)

人は信じたいことを信じるだけ

地震や戦争や疫病や...世の中が混沌とし未来が明るく見えないから、誰もが漠然と不安を感じる今日この頃。騙されて不利益を被るのは嫌だけれど、これが真実と思えれば安心だ。そういう心理を客観的に読むことができた。
私の感じる不安や安心は、私の個人的な感じ方というだけで、間違っているわけじゃない。そうでしかあり得ない。否定されたり肯定されたりするようなものじゃない。それで良いのだ。
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No.2:
(4pt)

アナタは何を信じていますか?

アナタは何を信じていますか?

信じる事の強さと壊さ
みんなそれぞれ信じるものがある
宗教だったり信念だったりSNSだったり
人によってどれも本当でどれも嘘になる

昭和、平成、令和を生きた人達ならあの出来事全て覚えてるだろう
そんな歴史的系列に沿いながら進む2人のお話にとても引き込まれた
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No.1:
(5pt)

表紙も素敵!

角田光代さんの本は好きでなるべく読むのですが、今回の装丁は目を引いて、即購入しました!
津田周平さんという方だそうです。
内容は今読み進めていますが、かなり手応えのある量で、頑張ります。
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