■スポンサードリンク
蒼天の鳥
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
蒼天の鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時は1924年。舞台は鳥取県である。田中古代子(こよこ)は作家だ。今日は娘の千鳥(ちどり)と映画を見に来た。タイトルは「探偵奇譚ジゴマ」である。怪盗ジゴマが活躍する映画である。その上映中、映画館が火事になり、観客は逃げ出す。古代子と千鳥も逃げようとしたが、そこで信じられないものを見る。フィクションのはずのジゴマが、なんと実際に映画館に現れたのだ。ジゴマは持っていた短刀で観客の男を刺した。そして古代子たちにも向かってきたが、2人は抵抗して何とか逃げのびた。 追ってくる者もなく、あれは幻だったのかもしれないと古代子が思っていた時、再び短刀を持ったジゴマが古代子たちの前に現れたが、古代子の内縁の夫、涌島がジゴマたちを撃退した。ついでに書いておくと、涌島は共産主義者である。 同業の尾崎翠(みどり)にこのことを話すと、信じてくれた。そして、自分たちでジゴマたちの正体を探ろうと提案された。古代子と千鳥、そして翠の3人は新聞社に行き、映画館で殺された男が右の肩にAを○で囲んだ入れ墨をしていたことを知る。 千鳥は、自分を訓導してくれている加村という先生が同じ入れ墨をしていたと言う。 涌島によれば、そのマークは過激なアナキスト団体のマークらしい。日本にいるのは「夜盗会くずれ」と呼ばれるグループだという。正式には「露亜党」という。 フーダニットの小説であり、一筋縄ではいかないところはさすがに乱歩賞受賞作である。そしてこの作品には女性解放の強いメッセージが込められている。 ミステリーとしては、それほど群を抜いているというわけでもない。 完全なフィクションと思っていたが、調べてみると、田中古代子、千鳥、尾崎翠は実在の人物であった。実在の人物を使ったことで、作品全体にリアリティーが加わっているといえる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何を読もうか⁈迷っていた時に、友人に薦められ、又、2023年の江戸川乱歩賞受賞作品ということで、興味を持ち読みました。Kindleで読んだのですがAmazonのポイント還元が良く、ラッキーでした。 脚本家の方が書かれた小説なので、安心して読めました。筆運びも良く、すぐに 作品世界に入り込めました。友人によると、最後に???があるのですが、わたしはなんとなく分かり、さほど驚きませんでしたが、終始楽しく読めました。特に好きだったのは、小さな探偵千鳥ちゃんです。最後の実世界の紹介の方が驚きました。残念ながらわたしは知らない方でしたが、その分自由に読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
謎解き要素は殆どありませんし、展開もある程度読み進めると解けてしまいます。 それでも大正期の国内での共産活動や女性躍進などに興味がある方でしたら楽しめる小説だと思います。 中弛みもなく終始テンポ良く読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容としては、犯人捜しのミステリ。 警察が情報漏洩しすぎ。(コナンでも時々つっこみたくなる) 時々、不明な単語(黒鶏をミノルカと読む)、難しい漢字、鳥取弁が説明もなく出てくることは覚悟して読んでください。 難しい漢字を見るたびにPC、スマホで調べて、調べるついでについついほかのことをしてしまい、 最初の100ページを読むのに時間がかかりました。 これはダメだと思って、難しい漢字は無視して読み、残り200ページを1日で読みました。 これ必要なの?という点あり。(241ページ目など) 内容とは直接関係ないけど、舞台となる浜村温泉に、遠い昔に1泊したことあり、懐かしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
地元が舞台ということで、興味を持ち注文、小さい頃の鳥取を思い出しながら、一気に読みました。地元の名称も出てくる度にワクワクしながら読みました。賞の受賞をきっかけに出会えて良かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
田中古代子という実在の夭折作家と幼くして亡くなった娘(実在)とを主人公に据えて、当時の「新しい女」の生きにくさや葛藤をからませながら、やや荒唐無稽な活劇を実際の出来事であったかのように収束させる手腕(特に「終局」)は、さすがにプロの脚本家の仕事だと感心しました。しかし、ミステリー小説としてはさほど高い評価にはならないのではないかと思います。 作者は「名探偵コナン」などの脚本家として既に活躍されている方のようですから、多分、いずれ単発ドラマになるのでしょう。ひょっとすると「コナン」の一作にでもなるのでしょうか。なにしろ「「活動写真」の上映中にその主人公「怪盗ジゴマ」が実際に現れて殺人事件を引き起こす。さてその正体は誰でしょう」という謎がメインですから、「コナン」にぴったりです。ミステリ小説としての核の部分は、アニメや漫画の原作程度のレベルということです。 私はこの本を寝床で読みましたが、毎晩少しずつ読み進めても「これ誰だっけ」と前に戻って確認することが少なく、大正時代末期の鳥取を舞台に当時の社会情勢や文化がうまく書かれているので、眠気まじりの目で読んでも頭に入りやすく、「枕上の読書」にふさわしい作品だと思いました。逆に言えば、「寝る間も惜しんで読みふけってしまう」という、優れたミステリ小説特有の強烈な謎やサスペンスがあるわけではなく、それが欠点でもあります。 「枕頭の書」としての評価が星四つ、ミステリ小説としての評価が星二つで、平均して星三つです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
鳥取県出身の脚本家三上幸四郎氏による本年度の乱歩賞受賞作。 1924年(大正13年)の鳥取を舞台に、記者出身の女性作家田中古代子、その娘千鳥、古代子の内縁の夫で社会主義者涌島という実在の人物達が、連続殺人事件の探偵役をつとめる時代ミステリーである。 田中古代子は鳥取ではよく知られた作家のようだが、その先輩格の尾崎翠のように、大復活して、作品が岩波.ちくま.河出の3文庫に収録されているほどの全国的ビッグネームではない。恥ずかしながら、私は、この本を読むまで全く知らなかった。 本書には、その尾崎翠も古代子の友人として登場するが、探偵役ではない。 ストーリーはもちろん完全なフィクションである。 私的感想 ○100年の鳥取を舞台に、「新しい女」の主張を描くことを志す新進女性作家を主人公にしたのは大変興味深い。 ○しかし、起きる事件も、事件に関わる展開も、主人公の探偵ぶりもかなり活劇調、戦前大衆文藝調で、波瀾万丈である。 ○この「新しい女」のフェミニズム主張と、活劇調波瀾万丈展開という結び付きにくいものを巧みに結び付けている点がお見事と思う。面白かった。 ○しかし、この活劇調の展開をくだらない(すみません)、つまらないと感じる読者がおられることも理解できなくもない。 私的結論 ○個人的感想として、本書で一番素晴らしいのは「終局」と思う。これを読んで、すっかり感動してしまった。傑作である。 ○結局、本書の最大の伏線は、偏✕✕と気✕✕✕であった。 蛇足 ○日本海新聞の去年の動画には「田中古代子映画」クランクイン前の出演者の下見の光景が載っている。「幻影〜浜村天使殺人事件〜」という60分のサスペンス映画で、今年3月に完成公開されたようである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
田中古代子、尾崎翠が出てくるというので、どのようなかたちで出てくるのかと、たのしみにしていたのですが、面白くなかったので、がっかりです。私は60代の爺さんですが、文章が読みにくいと直ぐに感じてしまい、物語に入り込めませんでした。選考委員の中におひとり私と同じように感じていられる小説家の方が居られて、全く同意見であり、人によりけりで、この様な文体といいますか、気にならない方にとっては、なんでもないことでしょうが、私は読みにくいと感じました。この作品を読む前に、内山純さんという、若手の作品を読んでいましたが、若いのにも関わらず、文章が平明で、複雑なところが、明確に書かれているという作品を読んでいた為、余計、文章が気になりました。爺さんの戯言です。作品自体は立派なものであることには変わりはございませんでした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!