■スポンサードリンク
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全175件 101~120 6/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レビューはブクログに書きました。 http://booklog.jp/users/kickarm/archives/4152089849 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2009年の翻訳ミステリ界で話題を一手にさらった作品の第1部である。遅ればせながら読んだ。 本書は登場人物が多く、名前も読みづらいが、うまく書き分けられていてそんなに苦労はしない。主要人物はミカエルとリスベットであるが、このドラゴン・タトゥーの女、リスベットの登場により俄然話が面白くなる。彼女は映像記憶能力が抜群で、情報システムにも篤く一流のハッカーでもある。 孤島で少女が失踪するが、「そして誰もいなくなった」(クリスティ)のイメージの孤島ではなく、島と本土間には橋が架かっており、そこで車とタンクローリーが衝突し大事故になる。パトカーや救急車によって半ば封鎖された状況の中で島内にいた少女が失踪するので、大きな密室トリックの謎になる。 何と云ってもメインのミカエルとリスベットが魅力的に描かれ、謎を一歩一歩解いていく経過が、とりわけ少女が写っている一枚の写真から、その後ろに写っているアベックを探し出していく辺りがスリリングで唸らせる。 舞台がスウェーデンなので、その風俗と風土も一風変わって新鮮だ。 ストーリーは少女失踪事件から連続殺人事件に発展するのだが、一方ミカエルを嵌めた大物実業家への復讐譚も挿入され、読みどころがたっぷりなのも嬉しい。しかもこの大物実業家のリアルタイムの描写がないのもユニークだ。 さて枝葉末節を一言。本書の魅力的なシチュエーションの一部が英国ミステリ「血と肉を分けた者」(ジョン・ハーヴェイ)と似ているのだが、どっちが先に書いたのだろう | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミカエル、もう少し理性があってもいいんじゃないの? リスベットも、こんな男好きになるのやめなさい! と言いたい! まあ、そんなことはおかまいなしに没頭して読みました。 面白い! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初は登場人物が多すぎて混乱しそうだったがそれぞれの性格、生い立ち、何よりもヴァンゲル家の歴史を手抜きなく組み上げていて、重厚な背景の上で一個づつピースを組み上げていく、緩みのないストーリー展開。おいしいミステリーで堪能できました。読まなければいけないとは思わないけど、読めば満足できます。ひとつ注文として主人公だと思われるミカエルの女性との付き合い方と幼稚に思える時もある正義感にはちょっと呆れてしまうところもありますが、ミステリーの本筋とは関係ないからいいのかな。あとリスベットの凄腕と生活力のギャップがわざとらしく感じられるところも。でも早く2部を手に取りたくてうずうずしているのは事実です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
随分前からずっと気になっていた一冊です。英語版を人からもらって、序章をふむふむと読み、次のページをめくったら全然べつのグループの登場人物がでてきて、しかも彼らすらも冒頭の家系図に登場しない。。。これは相当人間関係が厄介そうだぞと思ったので、早々に白旗を振り、日本語版を購入しました。一気に読みました。 日本語版には、英語版よりも詳しい家系図が載っており、その上、その他の登場人物をまとめたしおりがおまけになっていて、すごく助かりました。あと、地図もついています。 長いこと、タイトルと表紙からてっきりアジアンだと思っていたのですが、友人からスウェーデンが舞台だと聞きました。結婚しているのに夫公認の愛人がいて円満にやっているなどの独特なさばけた男女関係(ホモセクシャルも含む)には最初面食らうけど、まあ面白かったよと言われて読み始めました。結末は幾分平凡な感じがしましたが、40年近くも調べ尽くされたような事件を一枚の写真から手がかりを得て解明していくプロセスは文句なしに面白かったです。なによりも、ドラゴンタトゥーのリスベットというキャラクターが魅力的で、くせになりそうです。 すでに続編を2部3部ともに入手しました。虐待レイプシーンがでてくるので、それでも構わないという人にはおすすめします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
随分前からずっと気になっていた一冊です。英語版を人からもらって、序章をふむふむと読み、次のページをめくったら全然べつのグループの登場人物がでてきて、しかも彼らすらも冒頭の家系図に登場しない。。。これは相当人間関係が厄介そうだぞと思ったので、早々に白旗を振り、日本語版を購入しました。一気に読みました。 日本語版には、英語版よりも詳しい家系図が載っており、その上、その他の登場人物をまとめたしおりがおまけになっていて、すごく助かりました。あと、地図もついています。 長いこと、タイトルと表紙からてっきりアジアンだと思っていたのですが、友人からスウェーデンが舞台だと聞きました。結婚しているのに夫公認の愛人がいて円満にやっているなどの独特なさばけた男女関係(ホモセクシャルも含む)には最初面食らうけど、まあ面白かったよと言われて読み始めました。結末は幾分平凡な感じがしましたが、40年近くも調べ尽くされたような事件を一枚の写真から手がかりを得て解明していくプロセスは文句なしに面白かったです。なによりも、ドラゴンタトゥーのリスベットというキャラクターが魅力的で、くせになりそうです。 すでに続編を2部3部ともに入手しました。虐待レイプシーンがでてくるので、それでも構わないという人にはおすすめします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前半の盛り上がりを受けるには、やや期待はずれな展開でしたが、十分に楽しめました。おもしろかったです。ミレニアム2も読もうという気になりますよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
翻訳本のミステリーは当たり外れがありますが、これはとても読みやすかったです。肝心のストーリーですが、・登場人物が多い割りに細部まで書き込まれている人物が少ない・作者のフェミニズム思想が全編を通して無駄に強く出すぎていることから、中盤あたりで結末までの展開が読めました。主人公の男性が途中でサラ・パレツキーを読んでいるシーンがあります。私はパレツキーのVIシリーズの大ファンですが、根底にある姿勢は似通っているものの、ミレニアムの作者が表現するフェミニズムや人物描写が薄っぺらく、正直鼻につきました。物語終盤で、さまざまな問題はスーパーウーマンたちが全てサラっと片付けてしまうところなど、いかにも娯楽映画向きのストーリーです。主人公の女性は、アメリカのドラマでたとえるなら、ALIASのシドニー(スパイ)とマーシャル(天才プログラマー)を足して2で割ったような凄腕で、風体はNCISのアビー(ゴシック科学者)を連想させ、ついでに壮絶な過去を背負わせたという感じです。昨今ありがちなスーパーキャラクターをまとめて一人に設定してしまったので、非現実的過ぎて、これをミステリーの登場人物と呼ぶのは到底無理だと思います。私は重厚なミステリーだと勘違いして読み始めたので拍子抜けしましたが、娯楽としては十分楽しめる小説でした。読み返したいとは思いませんが、ハリウッド版で映画化されたら観たいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夢中になって読んだ。 ミステリーあり、サスペンスあり、社会性にも富んでいる。 しかも、ひとつの社会的な問題に焦点を当てるというよりも、スウェーデンという国全体を扱っている。 スウェーデンという馴染みのない国について、もっと知りたくなった。 ミステリー小説というよりも、サスペンス性が素晴らしい。 謎を追う興奮がとんでもない。すごくのめり込んだ。 次々に展開していくドラマ性もばっちり。 所々で、思わず声を上げそうになるほどの驚きがあった。 掘り下げていくごとに明らかになる社会悪。 裏では、様々な問題がうごめいている。 ストーリーとも相まって、そのメッセージ性はこれ以上ないほど強烈でした。 最後はやや駆け足な展開で、ミステリーとしてはちょっと拍子抜けだが、 勧善懲悪なストーリーは読んでいて気持ちがいい。 次作も楽しみです。 【以下ネタバレを含む】 ハリエット失踪時の孤島の作り方。 聖書に基づく殺人。これは、「なぜ見立て殺人をするのか」に対する完璧な回答ではないか。 下巻P247「引き継いた」という単独犯でも共犯でもない、新しい犯罪の形。 すごくアイディアに富んだ作家さんだな、と感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夢中になって読んだ。 ミステリーあり、サスペンスあり、社会性にも富んでいる。 しかも、ひとつの社会的な問題に焦点を当てるというよりも、スウェーデンという国全体を扱っている。 スウェーデンという馴染みのない国について、もっと知りたくなった。 ミステリー小説というよりも、サスペンス性が素晴らしい。 謎を追う興奮がとんでもない。すごくのめり込んだ。 次々に展開していくドラマ性もばっちり。 所々で、思わず声を上げそうになるほどの驚きがあった。 掘り下げていくごとに明らかになる社会悪。 裏では、様々な問題がうごめいている。 ストーリーとも相まって、そのメッセージ性はこれ以上ないほど強烈でした。 最後はやや駆け足な展開で、ミステリーとしてはちょっと拍子抜けだが、 勧善懲悪なストーリーは読んでいて気持ちがいい。 次作も楽しみです。 【以下ネタバレを含む】 ハリエット失踪時の孤島の作り方。 聖書に基づく殺人。これは、「なぜ見立て殺人をするのか」に対する完璧な回答ではないか。 下巻P247「引き継いた」という単独犯でも共犯でもない、新しい犯罪の形。 すごくアイディアに富んだ作家さんだな、と感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とっても面白いから読んでみて!と外国人の友達に薦められました。 外国では相当の人気らしいですね。 登場人物の多さに最初は混乱しますが、慣れます! 物語の構成、進め方はさすがだと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とっても面白いから読んでみて!と外国人の友達に薦められました。 外国では相当の人気らしいですね。 登場人物の多さに最初は混乱しますが、慣れます! 物語の構成、進め方はさすがだと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
話題性で興味を持ち、読んでみました。アクション要素の多い話かと思っていましたが、読んでいくとそうでもない。タイトルにあるドラゴン・タトゥーの女ことリスベットも最初は登場機会が少なく、メインはミレニアムの発行責任者であるミカエルを中心に進んでいく。 ミカエルは裁判で負け、ミレニアムを去ることになるのだが、そこにヴァンゲル・グループの前会長ヘンリックが接近してくる。彼は特ダネを交換条件に40年前に失踪したハリエットの事件の調査を依頼する。事件を調べるために一族の住む島に移ったミカエルは、一族の人間の栄光と闇を見ていく。地道な調査でゆっくり物語は進んでいき、下巻に入って、リスベットとミカエルが手を組むと調査は一気に真実に向かっていく。 銃をバンバン発砲するようなアクションではなく、ジャーナリストとして地道な捜査で進んでいく。スウェーデンの情勢や犯罪も描かれていて、社会派ドラマのような作品。 最初はゆっくりだが、下巻に入るとスピードアップして読む手が止まらなくなる。個人的にラストは少々不満が残るが、これはこれで最善策なのかもしれない。続編も読んでみたいと思っています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
話題性で興味を持ち、読んでみました。アクション要素の多い話かと思っていましたが、読んでいくとそうでもない。タイトルにあるドラゴン・タトゥーの女ことリスベットも最初は登場機会が少なく、メインはミレニアムの発行責任者であるミカエルを中心に進んでいく。 ミカエルは裁判で負け、ミレニアムを去ることになるのだが、そこにヴァンゲル・グループの前会長ヘンリックが接近してくる。彼は特ダネを交換条件に40年前に失踪したハリエットの事件の調査を依頼する。事件を調べるために一族の住む島に移ったミカエルは、一族の人間の栄光と闇を見ていく。地道な調査でゆっくり物語は進んでいき、下巻に入って、リスベットとミカエルが手を組むと調査は一気に真実に向かっていく。 銃をバンバン発砲するようなアクションではなく、ジャーナリストとして地道な捜査で進んでいく。スウェーデンの情勢や犯罪も描かれていて、社会派ドラマのような作品。 最初はゆっくりだが、下巻に入るとスピードアップして読む手が止まらなくなる。個人的にラストは少々不満が残るが、これはこれで最善策なのかもしれない。続編も読んでみたいと思っています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
その女性は、予期せぬ形で何気なく登場する。無口で取っつきがたく、短髪で痩せこけたハードロックのミュージシャンと1週間中乱痴気騒ぎを続けたような風体と評される彼女が、今作のタイトルロール。 09年の翻訳ミステリー界を席巻した感がある今シリーズ。あれよあれよと言う間に3部作計6冊が刊行、年末の各種ベストテンでもトップに位置付けされる事が多く、年が明けて、その映画化作品までが登場。 単行本でも、文庫本でも、新書版でもないその形状と質感が、かって超訳と名付けられたS・シェルダンの一連の読み物を思い出させ、触手が伸びなかったのだが、遅まきながら、「ドラゴン・タトゥーの女」とサブタイトルが付いた今作を読み始めた。 で、取りあえず第1部の前編を読み終えて感じた事は、こちらの予想と些か違う展開であったと言う事だ。 予想外だったのは、ユニークなキャラの女性主人公が、一向に本筋に絡んでこない事、そして、どちらかと言えば、スパイアクション風な情報小説との期待に反して、古典的なミステリーであった事。 それでも、読み通せたのは、社会悪を暴こうとして敗地にまみれたもうひとりの主人公であるジャーナリストの気概と反骨ぶりに感情移入出来たのと、彼がスウェーデンの片田舎の小島で起こった40年前の不可解で忌まわしい事件の真実究明に、疑心暗鬼になりながらも次第に奔走する姿に、かって読み明かした探偵小説の趣を感じたからだ。 正直、絶賛の嵐の世評ほどの傑作かな、とは思うが、スウェーデンが舞台のクライムノベルと言うと、マルティン・ペッグシリーズしか思い浮かばない者からすると、今シリーズが、果たしてそれを超える事が出来るのか、購入済みの後編へと読み進めたい。今後の展開への期待を込めて、★4つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
その女性は、予期せぬ形で何気なく登場する。無口で取っつきがたく、短髪で痩せこけたハードロックのミュージシャンと1週間中乱痴気騒ぎを続けたような風体と評される彼女が、今作のタイトルロール。 09年の翻訳ミステリー界を席巻した感がある今シリーズ。あれよあれよと言う間に3部作計6冊が刊行、年末の各種ベストテンでもトップに位置付けされる事が多く、年が明けて、その映画化作品までが登場。 単行本でも、文庫本でも、新書版でもないその形状と質感が、かって超訳と名付けられたS・シェルダンの一連の読み物を思い出させ、触手が伸びなかったのだが、遅まきながら、「ドラゴン・タトゥーの女」とサブタイトルが付いた今作を読み始めた。 で、取りあえず第1部の前編を読み終えて感じた事は、こちらの予想と些か違う展開であったと言う事だ。 予想外だったのは、ユニークなキャラの女性主人公が、一向に本筋に絡んでこない事、そして、どちらかと言えば、スパイアクション風な情報小説との期待に反して、古典的なミステリーであった事。 それでも、読み通せたのは、社会悪を暴こうとして敗地にまみれたもうひとりの主人公であるジャーナリストの気概と反骨ぶりに感情移入出来たのと、彼がスウェーデンの片田舎の小島で起こった40年前の不可解で忌まわしい事件の真実究明に、疑心暗鬼になりながらも次第に奔走する姿に、かって読み明かした探偵小説の趣を感じたからだ。 正直、絶賛の嵐の世評ほどの傑作かな、とは思うが、スウェーデンが舞台のクライムノベルと言うと、マルティン・ペッグシリーズしか思い浮かばない者からすると、今シリーズが、果たしてそれを超える事が出来るのか、購入済みの後編へと読み進めたい。今後の展開への期待を込めて、★4つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世界的なベストセラーになっている本書、 大抵の方は読んで「面白い」と感じるはずですので、 ここでは複合的な要素を持つ本書のうち、 特徴的な何点かについて、記すこととします。 【魅力的な探偵役の登場】 本書の探偵役は2人。 1人はミカエル・ブルムクヴィストという 雑誌「ミレニアム」主宰のジャーナリストで、 彼は40年前の失踪事件を依頼され、調査を開始しますが、 ユニークなのは途中から調査に加わることになる、 「ドラゴン・タトゥーの女」、リスベット・サランデル。 彼女は「映像記憶能力」を持ち、 高等教育を受けていないにも関わらず 天才的な手腕を有する若きハッカー。 精神的に問題があるとして 後見人を付けられている彼女の人物造形が 本書の魅力の一つとなっています。 【実業家一族の悲劇】 本書の主軸となる40年前の失踪事件が起きるのが、 スウェーデンの大実業家、ヴァンゲル一族の住む孤島「へーデビー島」。 作品の冒頭には、この一族の家系図が記されており、 一族の歴史が大きく事件に関わってきます。 事件は、ヴァンゲル一族のある悲劇を描いていきます。 【各部の冒頭の記述が大きなカギ】 4部から構成される本書は、各部の冒頭に、 スウェーデン国内の女性に対する犯罪行為の統計が記されています。 この記述は、作品全体を覆うある事柄に大きく関わっており、 リスベット・サランデルもある性的暴行に関わることになります。 【大規模な不可能犯罪】 40年前の失踪事件は、一族の1人、 ハリエットのヘーデビー島からの消失。 自動車事故で本土との交通が隔絶された状態で起きた事件は、 一種の不可能犯罪の様相。 冒頭にも島の見取り図があり大層思わせぶりですが、 こちらは余り期待しない方がよいかもしれません。 もっともトリックを主体とした小説ではないので、 作品の評価を大きく左右するわけではないと思いますが・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世界的なベストセラーになっている本書、 大抵の方は読んで「面白い」と感じるはずですので、 ここでは複合的な要素を持つ本書のうち、 特徴的な何点かについて、記すこととします。 【魅力的な探偵役の登場】 本書の探偵役は2人。 1人はミカエル・ブルムクヴィストという 雑誌「ミレニアム」主宰のジャーナリストで、 彼は40年前の失踪事件を依頼され、調査を開始しますが、 ユニークなのは途中から調査に加わることになる、 「ドラゴン・タトゥーの女」、リスベット・サランデル。 彼女は「映像記憶能力」を持ち、 高等教育を受けていないにも関わらず 天才的な手腕を有する若きハッカー。 精神的に問題があるとして 後見人を付けられている彼女の人物造形が 本書の魅力の一つとなっています。 【実業家一族の悲劇】 本書の主軸となる40年前の失踪事件が起きるのが、 スウェーデンの大実業家、ヴァンゲル一族の住む孤島「へーデビー島」。 作品の冒頭には、この一族の家系図が記されており、 一族の歴史が大きく事件に関わってきます。 事件は、ヴァンゲル一族のある悲劇を描いていきます。 【各部の冒頭の記述が大きなカギ】 4部から構成される本書は、各部の冒頭に、 スウェーデン国内の女性に対する犯罪行為の統計が記されています。 この記述は、作品全体を覆うある事柄に大きく関わっており、 リスベット・サランデルもある性的暴行に関わることになります。 【大規模な不可能犯罪】 40年前の失踪事件は、一族の1人、 ハリエットのヘーデビー島からの消失。 自動車事故で本土との交通が隔絶された状態で起きた事件は、 一種の不可能犯罪の様相。 冒頭にも島の見取り図があり大層思わせぶりですが、 こちらは余り期待しない方がよいかもしれません。 もっともトリックを主体とした小説ではないので、 作品の評価を大きく左右するわけではないと思いますが・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
書店で表紙カバーを見た瞬間、手に取らずにはいられなかった。はじめはゴシック・ホラーか猟奇殺人ミステリーを想像していたが、チープな内容だったら損だと思いその時は買わなかった。この冬映画公開を機に、昨年来評判の高かった本シリーズを購入し一気に読んだ。 他の人も述べているように、読みやすさに加え映像化を前提としたような場面展開に、終始ワクワクさせられながら読むことが出来た。 意外な人物が危機に陥った「ミレミアム」とミカエルの援助を申し出、性的虐待を受けたリスベットが弁護士に復讐を果たす。男女の主人公がそれぞれ交錯する寸前で終わる第1巻は、物語の導入として人物の紹介や非常に重要な説明が書かれているので、結末の先読みを楽しむなら(多数の登場人物が書かれたしおりも活用できるが)メモをとりながら読み進めることをおすすめする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリとしての面白さは皆さんが指摘されている通り。 私が好きなのは、二人の主人公のキャラクター造形です。叶うのならこういう人物でありたい、という人好きのするミカエルと、あからさまに社会不適格な人格的欠落を持つリスベット。誰もが、この二人の性格をある程度の部分、心に抱えているのではないでしょうか。お国がスウェーデンでも日本でもそれは変わらないのではないかと思います。 処女作ならではの荒削りな部分もありますし、人権というものに対する作者の主張が強いが故に、その思想に関しては客観性を欠く印象もあるのですが、エンタテイメントとしては100%満足です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!