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異常【アノマリー】
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異常【アノマリー】の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全57件 41~57 3/3ページ
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新品買ってこれはないですよ。帯も大事にしたいタイプなので返品したいくらい。これはひどい。検品で気づいたはずですよね? | ||||
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うまく説明できませんが、この小説は例えばUFOがSFだと言うのと同じくらいSFとは言い難い代物です。登場人物たちを翻弄するのに都合よく誂えられた背景のビックリ装置をSFと言っているだけのようです。いずれにせよその人知を超えた状況に捕らえられた登場人物たちの行き着く先は、結局のところそんなSF的状況があろうとなかろうと関係ないのだということが次第に明らかになってきます。そこはさすがフランス人と言いますか。さらに第三部まで読み進めて行くうちに、運命とは言わないまでも何か大きな物に飲み込まれ、巻き込まれていくさまを謎めいたやり方で60年も前(翻訳は43年前)に表現したピンチョンの「V.」を思い出しました。比較するのもお門違いですがピンチョン、また読みたくなりました。 | ||||
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Twitterで本の感想を参考にしてる方が絶賛してたので読んでみましたが私には普通でした。面白いと思ったとこもありますが全体的には絶賛する程面白くはなかったです。単行本で買ってたらガッカリしたと思う。丁度セールで電子版を購入出来たので。 | ||||
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話題作ではあったものの、内容はわからないまま読み始めました。結果、ネタバレを踏まずに読む事が最適解だったようです。バラバラな人々の群像劇。共通点はひとつだけ……。そして、そこから後の展開がまさに思考実験的な哲学SFともいうべき展開。あまり多くの事前情報を入れずに読む事をお勧めします。 | ||||
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群像劇多め。色々な人々の色々な人生の顛末について楽しく読めた。とても興味深いSFエッセンスは勿論あるんですがそれについて割かれるページ数は少なめです。2/3群像劇、1/3SF。 | ||||
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オススメ419。"今朝、晴れ渡った空のおかげで、私は自分自身までをも見通している。そして私はみなと変わらない。私はみずからの生に終止符を打つのではなく、不滅に命を与えるのだ"2020年発表の本書はダブルをテーマ、ウリポらしい企みに溢れたSFミステリ、ゴンクール賞受賞作。 個人的にはSF好きの書店員さんにすすめられて手にとってみました。 さて、そんな本書は一見するとSF?とは思えない、殺し屋の話から始まり、自殺してしまう売れない作家、歳の離れた恋人のいるシングルマザーの映像編集者、末期癌の元機長、家庭に問題を抱えたカエル好きの少女、やり手の黒人弁護士、ナイジェリアのゲイのポップシンガー、といった【多様でありつつも、代表的な人物たち】の日常エピソードが紹介された後、一様に、最後に【FBIの訪問を受ける】のですが。それには彼らが乗り合わせた『エールフランス006便』が関係していて。。 と【そこから先】は未読な方の為に内容を伏せるとして。 正直、サービス精神溢れたごった煮が楽しかった中国SF『三体』や、極限状態での"前向きな"宇宙生活を描いたアメリカSF『プロジェクト・ヘイル・メアリー』とかと比較すると、良い意味でSFらしくなく【派手な設定やガジェットが出てくることはない】のだけれど。これはこれで『大人の心理小説』として、とても楽しく読ませていただきました。 また著者が、あの『文体練習』のレーモン・クノーが数学者と設立した文学グループ『ウリポ』の四代目会長というわけで、本書にも【一つの言葉に複数の意味を持たせたり】言葉遊び【過去の有名文学作品の引用】そして、テキスト自体も【多彩なジャンルや形態】が使われていたりと『実験的な企み』が随所に使われていて。(原書と比較したわけではないのですが)訳者の苦心が必然的に伝わってきました。(よい仕事ぶりに敬意を) SF好きはもちろん、普段SFを手にとらない方にもオススメ。また巧みな実験小説を探す方にもオススメ。 | ||||
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私には面白くありませんでした。理由はSFだと誤解して読んだら、SFではなく文学作品で、なおかつ、ストーリーがありきたりで非常に陳腐だと思ったからです。 ある旅客機にある出来事が起こり、その旅客機に乗っていた人たちの出来事の前と後が描かれています。その一瞬の出来事以外にはSF的なことは起こりません。前半は複数の乗客たちのそれぞれ別々の人生(日常)、後半は出来事の後の同じ乗客たちの人生(がどう変わったかという)の話です。 SF的な一瞬の出来事の理由がわかることもないし、そこはストーリーの主要な点でもないので、理由についての仮説が簡単に述べられるだけで、それが起きた理由は何もわかりません。またその仮説自体もSFでは手垢のついたものであり新鮮味もありません。つまり、SFと考えると、楽しめる要素が何もないです。 それでは文学作品としてはどうかと考えると、各乗客の人生はいかにもお話のために作ったような話で、みんな悩みを抱えているけれども、それは恋愛、仕事、病気、家庭など、本人たちにとっては深刻な悩みだけれども文学作品の登場人物としてはあまりにありきたりすぎるものばかりです。そのため、それぞれの人生の描写はスノッブで薄っぺらく、フランス文学のまがいものを読んでいるようで、非常につまらなく感じられます。最後の訳者の解説を読んで、なるほど実験小説や言葉遊びが得意な作家だとわかり、この作品も実験的な作品という意味で評価が高いのだろうと思いました。 私はSF作品を期待して読んだので、陳腐なメロドラマみたいな話の連続にがっかりしましたが、文学作品だと思って読めば面白いのかもしれません。 | ||||
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人間、世界、宇宙、存在、そもそも自分は誰なのか、いろいろな事を考えさせられました。 | ||||
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これまでの購入傾向からか「あなたへのお勧め」としてAmazonのWEBページに突如表示された本作。 『異常(アノマリー)』というタイトルのシンプルさと、黒いマネキン2体が寄り添う奇妙なブックカバーデザインに気持ちが揺さぶられ、ほとんど前知識なしのジャケット買いのような勢いでポチっと購入した本書。 Amazonさんに見抜かれていますね。 確かに本作は、私好みの作品でした。 フランスで最も権威のある文学賞であるゴンクール賞(2010年には『地図と領土』のウエルベックが受賞しています。そちらもレビューしています)を受賞したとか、SF的要素がある、といった程度しか情報を持たず読みだした本書ですが、文体は読みやすく、読者を惹きつけるストーリー展開もうまく、土日の二日でぐいぐいと読み終えました。 殺し屋を主人公とするハードボイルド調に始まる第1章、その後章が変わるたびに小説家、映像編集者、ガン患者、7歳の少女、弁護士、ミュージシャン、建築家、女優、科学者と視点が変わっていく群像劇の様相ですが、これら登場人物たちが、ある日の同じ旅客機に乗り合わせていたことが判明し、まさかの展開を見せるに至り、面白さが数段シフトアップします。 これまで読んできた文学作品においても、SF的要素を内包する作品には、常にワクワクさせられました。 例えば村上龍の『5分後の世界』『コインロッカーベイビーズ』、村上春樹の『1Q84』『海辺のカフカ』『羊をめぐる冒険』といった多くの作品、東山彰良の『ブラックライダー』、小川哲の『ゲームの王国』、小田雅久仁の『残月記』、小松左京の『日本沈没』などなど、いずれも超がつくほどの傑作で、こういった作品を好んで購入し、レビューしてきたがため、本作がAmazonのお勧めとして表示されたのかもしれません。 上記の傑作作品がいずれでも好みのものがあるのなら、本作も十分楽しめるのではないかと思われます。 本書の登場人物らと同じ状況になったら、自分ならどう受け止めるだろう? 誰もが考えるのではないでしょうか。 その誰もが考えるいくつかのパターンが、幾人かの登場人物らの行動として描かれているように感じます。自分は、彼らのうちのどの登場人物に近い感情を持つのか。 本作の登場人物のうち、小説家兼翻訳家であるヴィクトル・ミゼルなる人物は、本作の中で『異常』という作品を書き上げるのですが、本作の冒頭にその『異常』からの文章がエピグラフとして引用されるなど、どこかメタな雰囲気も楽しめます。 その意味深な『異常』から少し引用します。 「真の悲観論者は、悲観論者となるにはすでに手遅れであることを知っている」 「存在は本質の先を行く。しかも大きく水をあけて」 「希望は私たちを幸福のドア口で待たせる。しかし望んでいたものを手に入れれば不幸の控室に入ることになる」 ヴィクトル・ミゼルは物語後半でこう語ります。 「これまでになく選択しが増え、かつてなく自由になった気がしています」 さて、皆さんはどう感じるでしょうか。 | ||||
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SFを期待して読むと、アイデアも展開もオチも並かそれ以下です。 フランスの文学の雰囲気を感じることはできるのかもしれないし、いろんな人間ドラマを覗いて回る趣味があれば、人の内と外のギャップとか多少楽しめるかも。 | ||||
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独特のユーモア、皮肉、そして感動という言葉だけでは表現しきれない深い余韻。現実にはあり得ないことのはずだが、自分の身に起こったら、自分はどんな自分を発見するのだろう、他人にどんな自分を見せるのだろうと考え込んでしまう。奇想天外なストーリーでありながら圧倒的なリアリティを持って迫ってくるのは、一人一人の人物像が非常に丁寧に書き込まれているからだろう。まだまだこんなにすごい小説があたらしく書かれているのだと嬉しくなる。翻訳の文章も素晴らしい。この本を日本に紹介してくださった全ての人に感謝。 | ||||
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巧妙なプロットの近未来SFサスペンス。パリ発NY行きのエールフランス006便が猛烈な乱気流に突入、損傷を受けたまま辛うじて脱出後、乱気流空間を挟む異次元空間の境界で突如、航空機を含めて乗客私たち自身の分身、この小説では重複者”ダブル”が出現する。なぜ出現したかについては宇宙空間の構造についてのワーム・ホール、ヒモ理論、さらに人類がもつ超高速量子コンピュータの数億兆倍もの超超高速コンピュータを手にした異星人が操作する3Dバイオプリンターで原子レベルで重複者が瞬時にプリントされたのかと解明は混迷する。だがそれはさておいて、重複者のどちらがリアルでどちらがヴァーチャルか、容姿、性格、生活スタイル、記憶や思考など全く共通する重複者、いえしかし、どうやって外見はともかく時間・記憶・思考を共有すの?などはSFだから度外視して、どちらが元で、元の存在は果たして真と言えるか、その判別もさておき、重複者の双方、父母や兄弟や恋人、伴侶、子どもとの関係において、どんな当惑、矛盾、葛藤、人間的に、宗教や哲学、倫理的共感、理解を得られるかが最大のテーマ。それぞれ人は絶対無二の存在という命題が揺すぶられる。しかし、母は重複者のどちらか一人を産んだのであり、恋人や伴侶は重複者のどちらか一人を愛し、重複者のどちらかの母から子どもが産まれたのである。それを判別の根拠に重複者の存在の一人を肯定し、他方の存在を否定できるか? それともお互いの存在を肯定し、以降のそれぞれの人生の再出発を祝福できるか? 超リアルな仮想現実を間近に体験する「異常」の読者一人一人が近未来の課題を考察するしかない。 | ||||
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哲学的で深淵なテーマを扱っている本作は、思考実験そのものと言っても過言ではない。 本作で描かれる異常事態に、もし自分自身が巻き込まれてしまったら、と誰もが考えさせられる。 そうした哲学的問題提起を核としつつ、高水準なエンタメ要素でラッピングされた本作は、テッド・チャンの作品を彷彿させる。 荒唐無稽で突拍子もないはずの出来事なのに、リアルだと感じてしまうのはなぜか。 それは見事なまでに人間の本質を剝き出しにしているからだ。 想像を遥かに凌駕する出来事に遭遇した時、私たちがそれにどう向き合うのかは千差万別であり、向き合い方次第でその人の本質が明らかになる。 自身の正当化や保身を最優先とし現実から目を逸らす者、宗教に縋り付く者、そして無力さに打ちひしがれる者。 人の数だけ解釈は存在し、何が正解で不正解なのかは誰も知り得ない。 いや、そもそも解釈に正解や不正解など存在しないのかもしれない。 それでも私たちは直面した現実に対し解釈をせずにはいられないのだ。 現実を現実としてありのまま受け入れることができればどれほど楽になれるだろう。 解釈の相違が諍いの原因となり、人を不安に陥れる。 しかし同時に、それぞれがそれぞれの解釈を持っているからこそ決断が下せるのではないか。 どれほどの暗闇であろうとも、解釈次第では一筋の光が差し込んでくるのだということを本作は提示する。 本作で描かれる数多くの登場人物たち同様、私たちもまた様々な出来事に対峙し、それぞれの解釈に身を委ね決断を下していく他ないのだ。 | ||||
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SFとミステリの融合ならジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの「輝くもの天より墜ち」もかなり面白いです。古いですが。題名で引くかもしれませんが読めば面白さ分かります。 引っ掛かる単語がこの本の中の色んな所に散りばめられていました。マイケル・フランクス。タニザキ。スタン・ゲッツ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト。テスカトリポカ、ストーンズ、ビートルズ、「イパネマの娘」エイミー・ワインハウスver. でもこの本の面白さはこれらの単語とは関係ないです。 アメリカ大統領の描写は時代背景を考えた方が楽しめます。読み終わる直前に気付きました。架空の人ではありません。 表紙もいいと思います。題名も気になります。 この本に出てくるエド・シーランの「so tired of being me」をGoogleで検索すると「homeless」という曲が出てきます。 | ||||
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多様な登場人物に異常な事態が起こるわけですが、SF小説ながらも人間の悲哀や病理、希望、絶望などなど深い洞察を持って描かれており、ユーモアが散りばめられた文体も相まって一気にワクワク感じながら読める作品でした。 SF作品は内容が難しそう、、と敬遠される方でも、この作品はジャンルの重厚さは一切損なわずに、エンタメ性たっぷりに描かれていますので、往年の海外SF作品と比較しても相当読みやすいはずです。 まだ年始めですが、わたしの中では今年トップになりそうな程、秀逸な小説だと思えました。 悩まれてる方には是非オススメします。 | ||||
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SFとしても、サスペンスとしても、いまいち。各エピソードも退屈で全く先が気にならない。オチを冒頭に持ってきた方が「いったいなぜ?」と興味をそそられると思う。それで面白くなる訳でもないが… | ||||
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我が国の作家の最新作を読んでいましたが、少し気になり、本作を先に読んでみることにしました。結果、「異常【アノマリー】」(エルヴェ・ル・テリエ 早川書房)を一気に読み終えました。スピレーン風の書き出し、パニック小説のような展開、米国のアクチュアルなドラマ・シリーズのような筋書き、サイエンス・フィクションのようでいて実はそうではない「総合小説」とでも呼ぶべき現代性と知性を持った【アノマリー】な現代小説と言っていいでしょう。波に乗っていた頃の「村上龍」の混合体のようなものも感じて、でもそれは私だけの感想ですから、過去の文学体験によっては、幾通りもの「鏡」が仕掛けられている気がします。 殺し屋、売れない作家、シングルマザーの映像編集者、カエルを飼う少女とその家族、手練の黒人弁護士、そしてナイジェリアのポップスターのある期間の人生が切り取られ、彼らはパリからニューヨークへ向かう飛行機に同乗し、とてつもない「乱気流」に巻き込まれることによって或る「異常【アノマリー】」な状況に放り込まれます。ここまでで物語の約三分の一が費やされますが、残念ながら、残り三分の二を語ることができません(笑)。私はスリラーのレビュアーですが、スリラーではないからと言って、先に作家の大きな仕掛けをDiscloseすることはできません。 優れた物語がすべて愛の物語だとするならば、私は、「もうそばにはいない女性を日々恋しがることのほうが、そばで眠りながら・・・」(p.140)で語られる文章に感銘を受け、「心を惹かれることの本質は、距離を詰めようとつねに欲することだ。」(p.208)に妙に納得し、何を言っているのか不明かもしれませんが(笑)、少しパセティックだと思いながらもジョアンナ・ジューンがしたためた三通の手紙に心を動かされたと告白しておきたいと思います。 すべては「鏡」がなければ、気づくこともなかったのに。しかしながら、絶えず人生の意味を探しつづけることから免れたければ、人を愛することしかできないことになるのだと思います。 2022年はまだ始まったばかりですが、希な傑作です。 翻訳者、加藤かおりさんへ。とても素敵な翻訳でした。ありがとうございました。 | ||||
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