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異常【アノマリー】
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異常【アノマリー】の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全57件 21~40 2/3ページ
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【ネタばれなし感想】私個人は「SFである」とだけ知識を入れた上で読みましたが、正直書店とかでミステリカテゴリとかで売り出してるの、正解だと思います。SFだけどSFだと知らないまま読んだほうが絶対楽しい。 物語としては、様々な人種、立場、考え方の各人物が、ある一つのSF的事象に遭遇し……というような内容。事象は同一でも、それによってもたらされる影響は個人によってことなり、それらを各人物の視点で描くことで、SF作品の人間ドラマパートを複数人分凝縮したような群像劇になっています。 ところで、別に悪いことじゃないのですが、文字で描かれる作品なのに登場人物が美女とイケメンと元イケメンしかいないっぽいのが謎です。映画とかならわかるんですが。 | ||||
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ゴンクール賞は野間文芸賞みたいなもんだと思っていたが、最近は直木賞になっていたんだね。 | ||||
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嵐に遭って帰還した航空機と全く同じものが数ヶ月後にもう一機帰還し、全乗客が「複製者(ダブル)」となり、同じ人物が2人ずつ存在してしまう。そのうち11人が登場人物。 設定は興味を持て、宇宙は大規模なシミュレーションでは、という仮説もワクワクしますが、全体に今ひとつでした。 まず前半で事件前の11人の生活が描かれるのですが、これが長い。感情移入できる場面」興味を持てる展開が少なく、やっと読み進められるようになると次の人物に移ってしまう。 後半で「複製者」が現れてからはだいぶ面白くなるのですが、一人一人を掘り下げる前に次の人物に移ってしまい、消化不良な印象。 他の文学作品の引用やオマージュが散りばめられているようですが、分からない者にはノイズです。 ラストも「あとは想像にお任せします」という放り投げをして、言葉遊びのテクニックで逃げた印象があり、好みではありません。 書籍を手に取れるなら、前半と後半を少しずつ読んでみて、好みに合うかみてみるのが良いかと思います。 普段は林譲治、小川一水、グレッグ・イーガンなどを好んで読んでいます。 | ||||
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ゴンクール賞はフランスで最も権威があるとされる有名な賞だが、その受賞者たちの中で、翻訳されて日本でも知られているのはごく少数だ。 ゴンクール賞を受賞したこの『アノマリー』はいちはやく翻訳されたが、それは一般受けすると思われたからだろう。純文学かと思って読んでみたら、舞台のかなり部分がアメリカであることもあり、ハリウッドのパニック映画の原作になりそうなもので意外だった。 面白いことは面白いのだが、あまり出来がいいとは言えない。 旅客機が異常な状況に遭遇し、そこに乗り合わせたさまざまな乗員・乗客たちがたどる物語。 これはなんだか既視感がある。 たとえばスティーヴン・キングの『ランゴリアーズ』は飛行中の旅客機の乗員・乗客の大部分が、たまたま眠っていた少数の者たちを除いて、突然消え失せてしまう物語だ。キングと比較するとル・テリエの弱点が浮かび上がる。登場人物たちの造形がいかにも弱いのだ。感情移入できるようなキャラクターは皆無。物語のテンポも遅くて、まどろっこしい。ストーリーテリングの腕がキングよりはるかに劣っている。 文学的哲学的深みがあるかもと思わせるけれど、なんだか底が浅い。 ハリウッド映画になりそうでもあるが、結末がおそまつなので、脚本が作りにくいだろうなあ。 この種のテーマはキング以前にもあった。SF短篇の古典、フィリップ・K・ディックの「探検隊帰る」は「シミュレーション」あるいは「コピー」が中心の『アノマリー』の先駆とも言えるだろう。ディックにはほかに「にせもの」という短篇もある。いずれも1950年代の作品だが、simulacrumを扱ったものだ。語り口が冴えている。 | ||||
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とても面白く読みました。普段フランスのエンターテイメント小説は滅多に読みませんが、とても上手い設定の方法で描かれていて,この方法もありですね。文学としてのせめてもの終わり方です。これしかないですね。 | ||||
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確かにアイディア自体は面白いし引き込まれたんだけども、全く解決に向かわず群像劇ばっかりやってるから不安になってたら案の定だよ。 色んな話がある中の短編なら、まぁこんな話もあっていいかなとも思えるが、長編小説で結構な値段払って「真相は藪の中」みたいなオチ持ってこられても納得行かない。 キャラクターも今流行の問題を取り扱っただけって気がして全く感情移入できない。 | ||||
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キンドル版を購入。 面白かったです・・・ 本と関係しませんが、Amazonカードでの購入が適用されないので調べました。 一般購入のAmazonカード切り替えの他に 別途切り換え手続きが必要でした。・・・知らなかったです。( ノД`)… | ||||
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普段は日本の作家しか読まない私にとって、初の海外ミステリーとなった本書。 最初から最後まで、一気に読んでしまった。 1ページ毎に鳥肌が立つという経験は本当に初めてで、これぞ「文章でしか出来ない面白さ」を感じさせてくれた。 そう、映像では表現出来ない「読み進めると、ハマる感覚」の気持ちよさがたまらない。 素晴らしい作品。 | ||||
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あらすじも帯も何も見ずに読むことを推奨します。 | ||||
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まず帯の絶賛コピーが騒ぎすぎ。というか騒ぎ方が違う。そこまで驚くような仕掛けモノではないです。 前半の群青劇風なパートが言葉短めのおしゃれさで割とよく、“異常”事態が起きてもそれに対処せざるを得ない登場人物たちの心情や行動を丁寧に描いていることが魅力の核と感じた。よいSF作品はifの考察が深いものだと思うが、この作品もその類の良作だと思う。 作者は実験的な文章に取り組む団体(?)で活動しているそうだが、こういうお騒がせ系の作品はもっとどんどん発表して欲しい。 方舟みたいなミステリー的な大仕掛けを期待させたり、あろうことかその類のものだと釣ったりしている人やレビューが散見されるが、ぜんぜん的外れ。それでも“異常”事態が話の核となっていることは間違いないので、ネタバレレビューは即刻削除するべき。 | ||||
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最初の1/3はダラダラしていて非常に鬱陶しかったが、フランスで最高のなんとか賞を受賞してるというし、なんと言っても3,000円近く払ってるので我慢して読んでいくと中盤から急に緊迫してきて、おお、これはいったいどうなるのかと期待させられる。 ところがそれも一時で、まさかこのまま終わらないだろうと焦りながら先へ先へと飛ばし読みした末、結局何にもないタマネギのような小説だった。 こんなのに最高の賞を贈るフランスという国にガッカリする。 悪いことは言わない、買わない方が良いです。 | ||||
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序盤は物語の方向性がなく、少し辛抱が必要。名前も沢山覚えないといけない。中盤はようやく話がみえて楽しいが、終盤は結末以外にとくに驚く事がない。 | ||||
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文学の古典的なテーマである”分身”を扱ったというこの小説。 正月休み中に…と思っていたのだが、三十日に入る前に読んでしまった。 それだけ面白かったわけでもあるが、だからって 『ね、満足した?』 と訊かれたら、なんか背中を向けて毛布を被りたい気分にもなる。 CDや漫画では『ジャケ買い』なんてものもあるが、 この小説の表紙(っていうか、Kindle版なのでアートワークとでも言うか) と煽り文句を読むと、なんかとてつもなく新しい小説なのか?!と 否が応でも思ってしまう。二体の同じマネキンが砂漠に佇む不条理な写真は、 これまで誰も思い付かなかったすごい仕掛けの謎がついに現れたかのような 期待を抱かせる(出版社の作戦勝ちと言えば、それまでだが)。 …とどのつまり、こちらは 『SFと哲学と倫理と推理をごちゃ混ぜにした、スケールの大きなホラ話』 を期待していたわけだ。新年に相応しく。 期待値に反して、アホだと言われても『年末ジャンボ』を買ってしまう心理と同じだ。 だが結果として、とてもドメスティックで、サンプル的で、そして核心に触れる事のない あくまで人間対人間の話を読む事になってしまった。 『中年男の哀しみ』や『フランス人女性の奔放な倫理観』や『LGBTQへの根強い差別』 を再確認する作業を、またしても行う事になったわけだ。 8割ほど読んだ時点で、うすうす嫌な予感はしていたのだが、案の定、 肝心のシミュレーションに関しては、掘り下げられる事もなく 放置プレイで終わってしまった。 それはそれで良いのだが、お正月に映画館で グリンゴン星人とは戦わず、USSエンタープライズ号の中での恋愛関係のもつれやイザコザだけを描いた SF超大作『スタートレックVII』を見たら(たとえ面白くっても)ちょっと拗ねたくなるよね。 | ||||
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2021年3月。殺し屋、物書き、映像編集者、パイロット、女の子、弁護士、歌手、建築家。様々な群像劇から始まる本書。ハードボイルド、思索、恋愛、死病、虐待、人種、LGBTQs、老い。語られる夫々の人生、極彩色のテーマ。 で、異常事態のSF展開ですよ~ 2021年6月。現れる、3ヶ月前の自分。 if:自分が現れたら、どうする?ある意味古典的な主題を現代的テーマと絡めて、様々な立場の登場人物達の物語へと昇華する。とはいえシリアス度は低目。小ネタに溢れたユーモアが楽しい。 最後のアレ、あの人ならやりそうな~w。 帯のアオリは、ちょっと、ですが。一気読みの楽しい読書体験♪を約束します。 | ||||
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ある異常事態に巻き込まれた様々な境遇の人たち。 それを群像劇にすることで異常事態に立ち向かい乗り越えていく人とその人間関係の中で、人類が未だ体験したことのない無数の局面が生まれ、それがリアルに綴られている。その状況に対する反応を網羅的に描かれている点が、巧みな群像劇にした仕掛けの理由だろう。 もし、自分が同様の状況に陥ったら・・・群像劇で描かれる様々なシチュエーションから、自分に類似する境遇の部分を拾い上げ、色々と考えさせてくれる。宗教的、哲学的、SF的な思考を巡らしたくなる一冊。 | ||||
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友人が「ものすごく面白かったがスジは全く話せない」という言葉にホイホイと乗って購入。ひと月ばかり積読したが、手にとって読み始めると止まらなくなった。最初の数十ページからは想像できないストーリーだと言うことだけお伝えする。ストーリーを全く語らずにおススメしてくれた友人に感謝。 | ||||
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最高。なんだこれ?!ってびっくりするくらい面白かった。 『選べ。私たちが互いに滅ぼしあう前に。』 このカタルシスを感じる帯のコピーにどう繋がっていくのかとワクワクしながら読んだ。 群像劇を極限の事態という渦に集約させていく巧さ。世慣れてこなれたユーモア。 多分、同じ事象を小松左京のノリでオカルトSFっぽく描いても十分面白い話なのだろう。 それをあえてドライなユーモアありきという線でまとめてる辺りがとても好みである。 またスリムボーイやアドリアナのエピソードだけでジュディス・クランツに通ずる業界人的巧さも伺える。 THATTA ONLINEで津田文夫氏のレビューを見ていたため「42」が小ネタで出てくることはわかっていたのだが、「銀河ヒッチハイクガイド」へのオマージュといっていいくらいの扱いであった。SFファンは爆笑必至。 「この世は・・・かもしれない」と感じている人がこの作品を読むとメタの一部になるため二重に面白い。 | ||||
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読む人を選ぶ本ーーこれが本書への私の最大の褒め言葉です。私には読む資格がなかったのでしょう。読み始めたら止まらない、昔のかっぱえびせんのような本かと思って手に取りましたが、物語に引き込まれることは一度もなく、途中中断すること十数回、やっと読了しました。今年読んだ中でつまらなさ5本の指に入ります。フランスで110万部突破だそうで、社会学的関心からチェックする価値はあると思いますが、人物造型にしてもありきたりでステレオタイプそのままだし、重要な仕掛けについても、航空管制の基礎的な知識にたいして著者が敬意を払っておらず、すんなり受け入れるには抵抗がありました。フローベルからウェルベックに至るまでフランスには素晴らしい文学の伝統があるし、ピエール・ルイス等の言葉遊びの妙は翻訳では全く伝わらないそうですね。本書にも言葉遊びが多用されているとか。そのあたりを想像力で補って読み取り、さまざまな意味の広がりを味わえる読者には佳作なのかもしれません。 | ||||
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エルヴェル・ル・テリエ「異常」読了。とあるエールフランスの便に乗り合わせた人々の不思議な群像劇。数ヶ月後に現れるもう一人の自分に、それぞれの人々が翻弄される様は異様であるが、その中に人の営みの美しさが感じられ魅了された。 | ||||
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ある「異常」を境に描かれる多様な人々の群像劇です。 このように書くと構成はとてもシンプルですね。 けれど表紙を含めて本全体に張り巡らされた伏線にはもう唖然茫然です。 シンプルだけれども緻密。 ジャンルで言うと紛れもなくSFなのですが、SF的な舞台設定よりも個々の登場人物の個性と心情が前面に押し出され、設定を超える印象を残すのが本書の特色です。 多様な人々の多様な立場で驚く程多様な人間的側面が描き出されます。 それがまるでフランス映画のようにピリッと辛口の人生のエッセンスを感じさせる文章で。 実に多様な要素が盛り込まれているので、読者により心に刺さる部分は全然違うでしょう。 洒落ていて、豊かで、知的トリックに気持ちよくしてやられて、活き活きとした登場人物たちに共感しつつ残りのページが減っていくのを惜しむ気持ちになる小説です。 いや~面白かった。 | ||||
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