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ロンドン・アイの謎
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ロンドン・アイの謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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本の帯の絶賛コメント、紹介文のコメント。多大な期待を抱きすぎて購入。読んでみるとトリックも直ぐに分かるし、途中の展開もドキドキしないし、まあこんなものかな?という感じ。 | ||||
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日本のティーン向けの小説・コミック・アニメ等が海外に紹介され、メディアに取り上げられる際、必ず出てくる批判に「幼少期に見せるにはあまりに暴力的である」とか「子供に人間の負の部分を見せるべきではない」というものがある。日本のジュブナイル作品の多くは人間につきまとう暴力や暗い側面は好むと好まざるに関わらず存在するものとして描き、ただしどう否定されるべきかを読む子供たち自身に考えさせるように語りかけていたと思う。 もちろん中には行き過ぎなものもあるだろうが、小説で言うと乱歩の「少年探偵団」シリーズ、眉村卓や筒井康隆などのジュブナイルSFなどを思い出してみても、犯罪やいじめ、全体主義の恐怖などを描きながらも子供たちが明るい方向・未来に歩いていけるよう作られていた。 この小説は海外のメディアでは絶賛されているようだ。いかにもなことだと思う。 主人公のアスペルガー症候群らしき「普通とは違う」少年の周りには、家族の不和や兄弟間の確執などの要素はあるのだが、そこに現れる人間からは深刻な方向にいきそうなマイナスの感情は注意深く取り除かれ、例えばちょっとイジワルな発言をすることはあっても悪意まで進むことがない。 「まだ子供だから」「この子は普通とはちょっと違うから」と誤解することはあっても、全員が漂白されたように善意の人々ばかりなのだ。また主人公自身を考えても「自分は周りの人々とは考え方が全く違う」と常に感じるのは子供にとって大変な重荷のはずで、ひどく落ち込んだりマイナスの感情をつのらせることもあるはずなのに、平然と受け止めているのは不自然と感じる。 (筆者の小学生の頃、なにかの理由で「普通とは違う子」はクラスに1人2人必ずいた。周りは気を使っているのに、逆にそのことでその子が抑えていた感情を爆発させるような場面も幾度も経験している) ジュブナイルとしてはそういう作りもあるだろう、とは思う。 しかし、そのためにミステリ的な興趣が損なわれてしまっている。いとこが大観覧車ロンドン・アイのカプセルから消えてしまったという物語の中心となる謎が、「この小説の作りで殺人や誘拐などのダークな方向に行くはずがない」と思って考えれば読者が子供でも簡単に底が割れてしまう。 なんとも優等生的と言うか、「大人が考える」よい子のための本なのだ。 「子供自身がおこづかいで買ったり、図書館で借りてドキドキしながら読む本」ではないと感じる。 | ||||
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