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技師は数字を愛しすぎた



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技師は数字を愛しすぎたの評価: 3.88/5点 レビュー 8件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.88pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(5pt)

古典だ!

読み始め後、犯人はすぐに検討がつくが、読み進むにつれて読者の確信が揺らぐように展開されているのが絶妙だ。
技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)より
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No.5:
(4pt)

前の方の意見に賛成です

私もボアロー単独作の「殺人者なき六つの殺人」との関連に気づきました。若干シチュエーションは変えているものの、プロットはまるきり同一ですね。本作のほうが後発だけあって、背景設定を綿密にしてフンタジーっぽくなるのを抑制できているように感じます。
 一昨年でしたか、同じ訳者さんの新訳版が出たので、それも買いました。
技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)より
B000JAQ9E2
No.4:
(5pt)

いいね!!

いいね!!と致しましたが本当に欲しい物は、未入手!!
★評価は5。
技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)より
B000JAQ9E2
No.3:
(4pt)

ステレオタイプなミステリー観を裏切る

ボワロ&ナルスジャック著、大久保和郎訳『技師は数字を愛しすぎた』(創元推理文庫)はフランスの推理小説である。パリ郊外の原子力関連施設で技師が殺害され、核燃料チューブがなくなった。この核燃料チューブは爆発と放射能汚染でパリ市の多くの部分を壊滅できるものである。ところが、犯行現場に人が出入りした形跡がない。密室ミステリーである。

第二次世界大戦の記憶も残っている1958年に出版された書籍であるが、福島第一原発事故を抱える現代日本で読めば緊迫感は一層高まる。福島第一原発事故は原子力発電の安全神話を壊滅させた。確かに原子炉が相対的に頑丈にできていることは認めてもいい。しかし、どれほど格納容器が頑丈であろうとも、外部からの電源供給がなくなれば危機的状況に陥ることが福島原発事故で判明した(林田力「福島第一原発事故で世界中に脱原発の動き」PJニュース2011年3月23日)。

いくら格納容器を頑丈にしても安全は確保できない。現在の福島原発事故でも原子炉よりも核燃料プール倒壊の危険性が注目されている。その意味で巨大な施設を破壊するというような壮大なスケールではなく、人が抱えて持ち運べるような核燃料チューブで恐怖を描く視点は興味深い。

また、『技師は数字を愛しすぎた』が放射能汚染の危険性を抽象的に描いている点も興味深い。目に見えず、臭いもない放射能の害は想像しにくい。『技師は数字を愛しすぎた』でも深刻な事態になる可能性がある状況でも、現実感の乏しい漠然とした不安になっている。福島事故後に放射能汚染に敏感になった「放射脳」と揶揄される連中にとっては『技師は数字を愛しすぎた』の登場人物の言動は鈍感に見えるだろう。

しかし、福島第一原発事故後の日本でも放射能の害をめぐって情報が錯綜した。不安ばかりが一人歩きした面もある。意図的に危険性を煽るデマゴーグに乗せられたとの反省もある。その意味で『技師は数字を愛しすぎた』で描かれた漠然とした不気味さや不安感が正味のところとなるだろう。

肝心の密室殺人であるが、ステレオタイプなミステリー観ではルール違反と受ける向きもあるかもしれない。犯行時には誰も部屋に入らず、誰も部屋から出なかった。不可能殺人であり、捜査は行き詰まる。そこで発想を転換する。誰も部屋に入らずに誰も部屋を出ない状態での殺人が不可能であるならば、その前提を疑ってみる。この発想は新鮮である。(林田力)
技師は数字を愛しすぎた【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:技師は数字を愛しすぎた【新版】 (創元推理文庫)より
4488141072
No.2:
(5pt)

不可能犯罪物の佳作

なんといってもこのタイトルの格好よさ。あまたある創元推理文庫の屈指の名邦題。
内容もそれに負けず劣らず不可能犯罪興味の横溢した佳作。
一般にこのコンビはサスペンス物の巨匠とされているが、『呪い』の強烈な不可能犯罪的趣向などカー顔負けである。
このコンビの美点は常に強烈な謎の発端を用意するところだが、本作も魅力的な密室状況の設定が素晴らしく、ミスディレクションの手際の良さ、スリリングな展開も秀逸。
トリックの新味や論理性の巧緻さではクィーンやカーに譲るが、フランス流本格ミステリとしては最上級。
技師は数字を愛しすぎた【新版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:技師は数字を愛しすぎた【新版】 (創元推理文庫)より
4488141072
No.1:
(4pt)

ボアローの持ち味が出た作品

意味深な題名である。ボアロー&ナルスジャックのコンビはナルスジャックの味が強く出ると、オカルティズム溢れた悪夢譚になるのだが、一方ボアローの味が強く出ると論理性を前面に押し出した本格物になる。本作は後者である。ボアローはコンビを組む前、「殺人者なき六つの殺人」という密室の教科書のような作品を発表しているが、本作はそれを洗練させた趣きがある。
技師は"核燃料チューブ"に関する研究をしている。これは風呂敷を広げ過ぎだが、こうした大げさな背景を持ち出す事で動機を不明にする効果をもたらしている。そして、本書の見せ場は3回起こる密室事件である。驚く程の斬新なトリックがある訳ではないが、ストーリー展開の中にうまく溶け込んでいる。上で"洗練された"と述べた所以である。
「呪い」がナルスジャックの味が出た代表作とすれば、本作はボアローの合理性が出た代表作。
技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:技師は数字を愛しすぎた (1960年) (創元推理文庫)より
B000JAQ9E2

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