女魔術師
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種別
長編
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女魔術師の総合評価:
9.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
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急死した当主の息子アルベルトが入れ替りに加わったある奇術興業一座の興亡と、青年の成長を軸にしたサスペンス。
一座の中の美形姉妹ヒルダとグレタが同じ疑似密室状況の中でたて続けに変死する事件がメインプロットで、奇術一座という背景から不可能犯罪でも起きそうな興味を喚起するものの、そのようには話が進みません。この小説のミソは、素人のアルベルトが一座に加わり、次第に当主であった亡き父親を凌ぐ才能を見せ始めて一気に全国区へと躍り出る前半から、姉妹の変死を境にプログラムが減り一座の人気が衰えていく後半を、娯楽が乏しかった戦後のフランス世情を背景に巧みに描いていることです。
そして起死回生を狙った前人未到の新プログラムがアルベルトの心身に変調を起こし始め、それとともにひとりの奇術師としてしか見ていなかったアルベルトに対して遅すぎる母性愛を自覚し始める母親オデットの変化。
この運命劇に導かれ、濃密な悪夢をぜひ共有してみて戴きたい。
ボワロ&ナルスジャックの諸作の中ではほとんど話題にならない作品ですが、初期代表作の水準を保った秀作と思います。