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壊れた世界で彼は
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壊れた世界で彼はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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まず最初に私は死んだレモンを読んでいます この作者の場合は死んだレモンを読んだか読んでないかでちょっと評価は変わると思います 細かい所は他の方が書いている通りかなと 大雑把に言うと死んだレモンの期待値で読むとうーん面白くなくはないが、、、 期待してたほどでも、、、、というのが私の感想です この著者はえぐい場面やきつい場面の表現をサラっと描くので 読む人の想像力や感受性によっても評価は変わるかもしれません よくいる字数稼ぎの作家のように関係ない人物や出来事のディティールを沢山埋め込んで 細かい描写がすごい!(ばかなの?)みたいな事はないので私は好感が持てますが ただ私も序盤はややかったるく感じました 山と坑道の描写も長いとは言わないけどもうちょっと削れるんじゃないかなという 気はします 岩の構造なんかも訳の問題かもしれないけど若干わかりにくいし 再読はしていないけど多分主要キャラの結末に至る理由はそれとなく提示されてる 部分もあったんだろうなあという感じはします ☆は3.6位ですかね 切り上げて4にしときますが 個人的には好きな作家なので他の翻訳が出たら読みたいと思います | ||||
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いい。すごくいい。 情感ある文体。 誰もが魅力があって。 とてもとてもよかったです。 | ||||
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だいたい途中まで読んだところで、話の顛末が見え始めます。たぶんこういうことだろうと予想した、ほぼ9割が結果として正解でした。意外性がないといえば、なかった。 それはいいのですが…… 物語の展開が冗長なのが、なんとも言えず。 訳文は読みやすいのに、とにかく展開と描写が冗長過ぎて、時間経過は切羽詰まっているはずなのに、どことなくゆったりもったりとした空気が拭いきれません。 主人公のラストも……正直なところ、個人的には好きではない。あれを結末に持ってくるなら、もう少し主人公の過去の描写を盛り込んでおくのが、昇華という意味ではより良かったようにも思う。もっさりしてるわりにはそういう部分が非常にあっさりしている。 最後まで可もなく不可もなく読み通したという意味で、星3かなぁと思いました。 | ||||
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すでに3点の優れたレビューがあり、本の紹介としてはこれで十分と思うので、私の感想を中心にちょっと書きたい。 まず、kindle 読書前の私の状況としては ①『死んだレモン』を読んでいない。つまり著者の本を読むのは初めて。 ②この本の前に、kindle で海外ミステリを読んだ時、なかなか苦労した。本書をkindle で読むのが不安だった。 で、読み始めると、②は杞憂に終わった。登場人物が多すぎず、人物像がきちんと設定、描写されていて、読者に混乱が生じにくい。また、タブレット二本で読んだので、分からなくなったとき、既読頁に戻るのも容易だった。 初めのほうで、ギャング団による民家襲撃、家族監禁、立て籠りという派手な事件が起き、警察突撃のあとは、生き残り犯による家族誘拐となり、サスペンス一杯で読ませる。 年の離れた相棒設定、恋人同士なのに何度もプロポーズを断られるマリアとの関係も面白い。 意外な真相も良くできているが、本書のハイライトは何といっても、全体の30%を費やして展開される坑道サスペンスである。この坑道サスペンスが長すぎるという批判は理解できる。確かに警官小説で坑道のシーンが30%も占めるのは、ちょっと異様かもしれない。 ただ、本書が坑道サスペンスを中心とするミステリーで、作者がこれに賭けたとすると、特に長すぎはしないように思う。 個人的には、私は子供の頃から、洞窟ミステリー、洞窟サスペンス、洞窟小説が好きで、いろいろ読んできたが、本書は坑道(つまり洞窟)サスペンスとしては、細部にこだわり、緻密に展開された力作であると思う。ラストがちょっと辛いが、そこまでは楽しく読んだ。 | ||||
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『死んだレモン』で衝撃的翻訳デビューを果たしたフィン・ベルは、作風もオリジナリティ豊か、発想も豊かだが、相当に毛色の変わった作家である。1978年アフリカ生まれ。ふうむ、若い! 法心理学者で受刑者のカウンセラー。ふうむ、やるな。ニュージーランドへ移住。思い切った人生転換。毛色の変わった作家だが、『死んだレモン』も電子書籍で自費出版したと言う。コロナの時代、作家になるのも新手の手法が出現しているとは驚愕の至り。それでもニュージーランド国内のミステリー文学賞を受賞しているのだ。強引だが個性的な作品が受けたのだろう。本業の知識経験ももちろん作品の材料になっているように思う。 それは本作でもまさにそう思う。ミステリーのようであり、秘境アドベンチャー小説のようでもあり、本格ミステリーみたいな意外性たっぷりな結末と言い、小説の作り方は上手だし、精神の世界に踏み込んでのキャラクター間の会話が何だか意味深い。とりわけ語り手の主人公ニックと先輩刑事トーブの間の語りは本書の前半の読みどころになっている。 舞台は金鉱採掘の時代を終えたトンネルだらけの南島の僻村。南と言っても反対側の半球であり、南極大陸に限りなく近い島。季節は初冬。雪だ。中国系移民家族所有の孤立した農場。犯罪者に人質となっている一家。包囲する無数の警官。そんなクライマックスみたいな状況で本書は開幕する。そして直後の爆発。ギャングたちの死体。行方をくらました一部のマフィア。その人質となった父親ジェイムズ・チェン。彼らを追う組織犯罪対策本部の我らがヒーローズ二人。 ニュージーランドが金山で賑わった歴史にも触れつつ、古い坑道を舞台にしたシーンがほとんどでありながら、不可解な事件の背景への推理も二転三転する。坑道の中で展開するアクションと推理劇。そして主人公ニックと救出される側の中国系開拓者の末裔ジェイムズの二人の葛藤劇。小説というよりも舞台劇みたいで、動きがあるようでなく、静かな独白の多い坑道内部での描写。その息苦しさを読者は味わわなくてはならない。 作中の大半を占める暗黒と寒さと迫りくる吹雪と追走劇。ギャングとの対決アクションや、部分崩壊をする古い坑道の恐怖などなど、気が休まる時間がほとんどないままに独白が展開する。この物語はどこに向かうのか、不安さえ感じるが、最後にはしっかり決着をつける。この決着について読者がどう感じるかは、それぞれだと思うが、ミステリーとしての意外性と、結末のどんでん返しなどは娯楽小説としてしっかり用意されているのでご安心を。 しかし、ミステリー内容はともかく、ラストに至る長々とした描写が、辛かった。インディー・ジョーンズが出てきそうなほど非現実的なアドベンチャー・ワールド。坑道内の描写は読みにくく、異次元に過ぎ、想像力が情景に上手く届かない。ラストの逆転劇と意外な主人公の決断とが、かろうじて本書の印象をアップさせているかな? それにしても『死んだレモン』と比較すると、ちと辛い。 | ||||
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内容紹介の「意外きわまる結末」に気を引かれて読んだ。 結論から言えば、確かに驚きのどんでん返し、驚きの結末には「こんなのあり?」と思えるほど。 終盤が驚きの展開だったし、真相解明のあらましにはとても共感をもつことができたので、最後の最後にこの評価に上がった(上がって★3)。 本書を読み始めたが、どうもはかどらない。 その理由は、まわりくどくて冗長、さほど意味をなさない会話ばかりで、いつまでたっても内容に進展がない、合間には風景や気象に関する長々とした記述(これに関しては、あとがきによるとニュージーランドのこの時期の気候を読者に印象づけたい意図があったとのこと)。 あまりにも退屈で序盤から流し読みになってしまった。もったいないから頑張って最後まで読んだが。 主人公のニックは34歳で刑事としては一人前のはずだが、パートナーが60歳ほどの超ベテランなので、教えを乞うばかりの新人のよう。「手のふるえ」は必要だったのかと思うが、ニックという人間を読み深めたときに意味を成すのかもしれないので、そこはおいておこう。 事件の真相については、ネタバレをしたくないので具体的内容は伏せるが、かなり説明不足。そんなに簡単にはいかないだろうと思う肝心な項目が2点はある。 『死んだレモン』でも低評価レビュー者が数名いたが、私もこの著者は合わないのだろうと感じた。 ストーリーの根幹自体は独特でいいと思うのだが。 | ||||
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<Who-Do-It>でありながら、世界の果ての<再生>の物語でもあった「死んだレモン」(2020/8月)以来になりますが、作者の新しい翻訳「壊れた世界で彼は "The Easter Make Believers"」(フィン・ベル 創元推理文庫)を読み終えました。 ニュージーランド南島の小さな町。ローレンス。季節は、イースター目前、三月下旬。或る夫婦とその娘二人の家庭宅にギャング5名が立てこもります。その家の中で爆発が起こり、機動隊が突入、狙撃犯が銃撃を加えますが、その後ギャング5名の死体が発見されます。そして、何者かがその家の夫を人質に取り、逃亡したと考えられ、大規模な捜索が開始されます。追うは、組織犯罪対策本部所属の刑事、ニックとトーブ。背後には、ドラッグ、銃、人身売買、抗争があるのか?いかにこの物語に決着がつくのか? 主役は、ニックですが、もう一人の主役は、ニュージーランド南島の気候、嵐、雪。ひとひらの雪は弱くてはかないがこの世界を変えてしまう。 その事件の進捗はなかなかに捗らず、中盤いささかダレ気味の部分もありますが、その思うように真相へと辿り着かないストーリー展開の中に小出しに伏線が仕掛けられていました。 終盤は、刑事、ニックとトーブの冒険小説のように進行し、ダイナミックで、大いなる<仕掛け>が炸裂します。しかしながら、その<仕掛け>はそうであって欲しい仕掛けであり、それ以上に(「死んだレモン」もまたそうであったように)、ミステリの枠を超えてカタルシスを伴う霊的な結末が待ち受けています。(そういう意味で、この邦題はあまりにも説明的だと思います。)その点、中盤のニックのモノローグの中に正しく生きようとする人間の困難と混乱と相剋を見ることができます。 この悪辣な世界の中、法も、政治も、目先の金に目がくらんで、行き当たりばったりの誘導を繰り返す世界の中、"イースター"を迎えて、この世の良きものが少しだけ顔を覗かせるラストはつれないほど美しい。 | ||||
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