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壊れた世界で彼は
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壊れた世界で彼はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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だいたい途中まで読んだところで、話の顛末が見え始めます。たぶんこういうことだろうと予想した、ほぼ9割が結果として正解でした。意外性がないといえば、なかった。 それはいいのですが…… 物語の展開が冗長なのが、なんとも言えず。 訳文は読みやすいのに、とにかく展開と描写が冗長過ぎて、時間経過は切羽詰まっているはずなのに、どことなくゆったりもったりとした空気が拭いきれません。 主人公のラストも……正直なところ、個人的には好きではない。あれを結末に持ってくるなら、もう少し主人公の過去の描写を盛り込んでおくのが、昇華という意味ではより良かったようにも思う。もっさりしてるわりにはそういう部分が非常にあっさりしている。 最後まで可もなく不可もなく読み通したという意味で、星3かなぁと思いました。 | ||||
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『死んだレモン』で衝撃的翻訳デビューを果たしたフィン・ベルは、作風もオリジナリティ豊か、発想も豊かだが、相当に毛色の変わった作家である。1978年アフリカ生まれ。ふうむ、若い! 法心理学者で受刑者のカウンセラー。ふうむ、やるな。ニュージーランドへ移住。思い切った人生転換。毛色の変わった作家だが、『死んだレモン』も電子書籍で自費出版したと言う。コロナの時代、作家になるのも新手の手法が出現しているとは驚愕の至り。それでもニュージーランド国内のミステリー文学賞を受賞しているのだ。強引だが個性的な作品が受けたのだろう。本業の知識経験ももちろん作品の材料になっているように思う。 それは本作でもまさにそう思う。ミステリーのようであり、秘境アドベンチャー小説のようでもあり、本格ミステリーみたいな意外性たっぷりな結末と言い、小説の作り方は上手だし、精神の世界に踏み込んでのキャラクター間の会話が何だか意味深い。とりわけ語り手の主人公ニックと先輩刑事トーブの間の語りは本書の前半の読みどころになっている。 舞台は金鉱採掘の時代を終えたトンネルだらけの南島の僻村。南と言っても反対側の半球であり、南極大陸に限りなく近い島。季節は初冬。雪だ。中国系移民家族所有の孤立した農場。犯罪者に人質となっている一家。包囲する無数の警官。そんなクライマックスみたいな状況で本書は開幕する。そして直後の爆発。ギャングたちの死体。行方をくらました一部のマフィア。その人質となった父親ジェイムズ・チェン。彼らを追う組織犯罪対策本部の我らがヒーローズ二人。 ニュージーランドが金山で賑わった歴史にも触れつつ、古い坑道を舞台にしたシーンがほとんどでありながら、不可解な事件の背景への推理も二転三転する。坑道の中で展開するアクションと推理劇。そして主人公ニックと救出される側の中国系開拓者の末裔ジェイムズの二人の葛藤劇。小説というよりも舞台劇みたいで、動きがあるようでなく、静かな独白の多い坑道内部での描写。その息苦しさを読者は味わわなくてはならない。 作中の大半を占める暗黒と寒さと迫りくる吹雪と追走劇。ギャングとの対決アクションや、部分崩壊をする古い坑道の恐怖などなど、気が休まる時間がほとんどないままに独白が展開する。この物語はどこに向かうのか、不安さえ感じるが、最後にはしっかり決着をつける。この決着について読者がどう感じるかは、それぞれだと思うが、ミステリーとしての意外性と、結末のどんでん返しなどは娯楽小説としてしっかり用意されているのでご安心を。 しかし、ミステリー内容はともかく、ラストに至る長々とした描写が、辛かった。インディー・ジョーンズが出てきそうなほど非現実的なアドベンチャー・ワールド。坑道内の描写は読みにくく、異次元に過ぎ、想像力が情景に上手く届かない。ラストの逆転劇と意外な主人公の決断とが、かろうじて本書の印象をアップさせているかな? それにしても『死んだレモン』と比較すると、ちと辛い。 | ||||
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内容紹介の「意外きわまる結末」に気を引かれて読んだ。 結論から言えば、確かに驚きのどんでん返し、驚きの結末には「こんなのあり?」と思えるほど。 終盤が驚きの展開だったし、真相解明のあらましにはとても共感をもつことができたので、最後の最後にこの評価に上がった(上がって★3)。 本書を読み始めたが、どうもはかどらない。 その理由は、まわりくどくて冗長、さほど意味をなさない会話ばかりで、いつまでたっても内容に進展がない、合間には風景や気象に関する長々とした記述(これに関しては、あとがきによるとニュージーランドのこの時期の気候を読者に印象づけたい意図があったとのこと)。 あまりにも退屈で序盤から流し読みになってしまった。もったいないから頑張って最後まで読んだが。 主人公のニックは34歳で刑事としては一人前のはずだが、パートナーが60歳ほどの超ベテランなので、教えを乞うばかりの新人のよう。「手のふるえ」は必要だったのかと思うが、ニックという人間を読み深めたときに意味を成すのかもしれないので、そこはおいておこう。 事件の真相については、ネタバレをしたくないので具体的内容は伏せるが、かなり説明不足。そんなに簡単にはいかないだろうと思う肝心な項目が2点はある。 『死んだレモン』でも低評価レビュー者が数名いたが、私もこの著者は合わないのだろうと感じた。 ストーリーの根幹自体は独特でいいと思うのだが。 | ||||
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