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(短編集)
変調二人羽織
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変調二人羽織の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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初期作品が読みたくなって購入。5編すべてが秀作。以下感想。ネタバレなし。 ・表題作:正統派。ドロドロ男女,薄幸男女が好きな人は少し退屈かも。 ・ある東京の扉:笑った。ひたすら笑った。適当すぎる設定に歌舞伎とピアノのうんちくが(笑) ・立花の印:このトリックは警察にバレそうな気もするけど,明治版がすごく良かった。 ・メビウスの環:お互いになぜ出ていかないのか不思議な夫婦。真相はどちらだったのか。 ・依子の日記:タイトルからしてもう期待値爆高。トリックよりも心情を重きを置いたのかな。 【永久保存版】の名に恥じない傑作短編集でした。 | ||||
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ミステリを読んで、文章の美しさに、物語の美しさに感動したのはこの作品が初めての経験だった。未読の方にはそれだけでも体験して欲しいが、ミステリとしての出来も申し分ないという凄いおまけつき。 | ||||
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見事なトリックと登場人物の描き方、いつもながら感服してしまう。 人を憎む、憎まれるとは、このようなものかと、つい信じてしまった。 時代の描き方が巧みだ。 | ||||
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「誤って薄墨でも滴り落ちるかのようにゆっくり夜へと滲み始めた空を、その鶴は、 寒風に揺れる一片の雪にも似て、白く、柔らかく、しかしあくまで潔癖なひと筋の 直線をひきながら、軈て何処へともなく飛び去ったのだと言うー」 解説(島崎博氏)にあるように「変調二人羽織」の冒頭はすばらしい。 個人的に鶴が好きなこともありグイグイひきこまれるように読みました。というより 読まされました。 「ミステリーはどれを読んでも犯人がすぐにわかってしまうので退屈だ」 あとがきによると氏のお父上が申されたとか。「父が読んでも犯人のわからない 小説を書いてみようか・・これがミステリへの事始・・」そのせいか 「ある東京の扉」はなぜかついていけなくて。途中でダウン。しばらくして いったん飛ばして読むことになりました。 「六花の印」「メビウスの環」「依子の日記」とあとは順調にそのまま読みました。 「依子の日記」が一番面白かった。最後のどんでん返し。騙されました。 連城三紀彦の本名は加藤甚吾。ペンネームを考えたほうがいいと提案した島崎氏も すごいなとおもったけど姉上がつけた連城三紀彦の名もイメージ通り。 職業作家としてやっていけると確信した島崎氏の眼力。 5作の短編読むと同時に経緯も興味深く読むことが出来ました。 早くの発送ありがとうございました。 | ||||
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いずれの作品も二重三重の仕掛けが施され、 読者をあっと言わせようとする著者の意気込みが伝わってくる。 意欲的な作品ばかりだが、その後の「戻り川心中」などに比べると、 展開に無理があるのでは?との感覚が拭えない。読んでいて胸に ストンと落ちる感覚が得られないというのか。 とはいえ、駄作は一つもない。 著者の誠実な創作活動の原点を感じとることができる。 | ||||
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連城氏の表題作が「幻影城」誌に掲載されたときは、びっくりした。 ある種、泡坂テイストの新人作家の登場であり、これで泡坂テイストの作品が2倍読める、と喜んだものだった。 そんな氏のトリッキーな初期短編集である。 トリッキーというのは、もちろん、作品にしかけられたさまざまな仕掛けのことである。 もともと、マニアックな読者をターゲットとして書かれたものだけに、そのひねり具合にはものすごいものがある。 デビュー作よりも、2作目3作目が特徴的だ。 しかし、段々と泡坂テイストではなくなっていくのも、また確かなのである。 独自のカラーを持っている著者であるが、デビュー直後から、それは際だっていた。 大変バラエティに富んだ、楽しい短編集である。 けっしてハイヴロウなミステリばかりではない。 その懐の深さもまた、れも連城テイストというものである。 一方で「戻り川心中」のような作品があって、そして「二人羽織」なのだ。 本書は、泡坂より少し硬質な文章と、独特のリズム感を持った、職人気質のミステリ作家の、珠玉の短編集である。 | ||||
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作者のデビュー短編集である。連城三紀彦氏と言うと"花"を連想させる叙情的作家と思われがちだが、本作では趣向を凝らした本格ミステリで読者に挑んでいる。それもその筈、作者自身の言に依ると、ミステリを書き始めたキッカケは、父君の「ミステリはどれを読んでも犯人がすぐにわかってしまうので退屈だ」という言葉に啓発された由。本作の収録作は以下の通り。「変調二人羽織」、「ある東京の扉」、「六花の印」、「メビウスの環」、「依子の日記」。 タイトル作は、ある落語家の怪死事件を、現役の刑事が引退した若い刑事に語って聞かせるという形で話が進む。読者は、その語りの中で青年と共に事件の真相に迫っていく訳だが、実はその語りそのものに仕掛けがあるという凝った作品。そして、最後のページで描かれる鶴の姿に真相は読者から遠のいてしまう...。 「ある東京の扉」は売れない作家が売り込みのため、編集者の前で自作の構想を語って聞かせるという話だが、最後に待っているオチが楽しい。 「六花の印」は現在の犯罪を描いて、その推理者が祖父の過去の犯罪を改めて胸に刻むと言う、その後の叙情性を予感させる作品。 「メビウスの環」は夫婦間の愛憎を描いて、真相を追って行くと、読んでいる方も"メビウスの環"に陥ってしまいそうな佳品。 「依子の日記」は日記形式を用いた、いわゆる叙述トリックものなのだが、これも情緒性に溢れ読む者に新鮮さを与える。 冒頭に述べたような経緯でミステリを書き始めた作者だが、本作に対する父君の評価を聞く間を天は与えなかったようである。しかし、"新しいミステリ"を書こうとする意欲が結実した見事な短編集だと思う。 | ||||
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