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未踏の蒼穹
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未踏の蒼穹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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『揺籃の星』と『黎明の星』を読んだ時、あとがきに、これは当初三部作になる予定だった、とあったので、第三部は書かれないままだったのかと思っていました。でもこれは『揺籃』と『黎明』とは別の物語ではあるものの、I・ヴェリコフスキーの宇宙論に基づいた話という意味では、第三部と言ってよいのかも知れませんね。 が、別の見方をすれば、これはヴェリコフスキーの『衝突する宇宙』に想を得た〈ホーガンの宇宙論〉に基づく新たな物語のようにも思えます。 同時にこれは地球人への警告の書である、とも読めます。 2000年代半ばの時点で彼は、現在(2020年代)の国際情勢と、疫病騒動とを、恐ろしい程の慧眼で予告してくれています! 宇宙論よりそちらの方への意識が勝ち過ぎたせいか、幾分、物語としての面白さが足りないと言いましょうか、ホーガンのいつもの遊び心も、その冴えを少々欠いている気もしますが、それだけ緊急性を感じていたということでしょうか。 それでもこの結末のホーガンらしさには、思わず「うん、うん」と頷いてしまいますし、つくづく「惜しい方を…」と感ぜずにはいられません。 ホーガンは亡くなってしまいましたが、だからといってこの理論と構想、そうして警告は、これっきりになってよいものとは思えません。 誰かこれを受け継いで、より完成されたものを目指して書いてもらえないかと、切に願います。(愚かな地球人が本当に自ら地球を滅ぼしてしまう前に!) | ||||
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今から45年前に『星を継ぐもの』でファン(盲目的に愛してしまいました)になってしまいました。巨人シリーズをはじめ大学卒業前後までの10年間弱で当時の彼の書いたものはすべて読んだと記憶しております。それから30年以上経過し今も書いているらしいことを知り、未読のものがかなりたくさんあることをうれしく思い、まず手を付けたのがこれ。ものすごい感動とか大どんでん返しがあればうれしいけれど、それは置いておくとして、とても安定して楽しませてくれます。 ああ、いいなぁ。また、全部読みに挑戦しようか、昔読んだ本から再読しようか悩んでいます。 | ||||
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絶滅した地球人類を隣の星の金星人が発掘調査するお話です 面白いのは、金星人が地球人より優れている事を、手前勝手な理屈で説明して精神勝利するところです。 | ||||
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本書はハードSF作家と呼ばれているホーガンの晩年の小説で、現在日本で出版されている中では最も後期に発表された長編である。 帯には『星を継ぐもの』の興奮再び!と書かれている。 1977年の最初の長編『星を継ぐもの』は、月面で発見された遺体の謎から太陽系文明の壮大な歴史を甦らせた大傑作だった。 本書は、その30年後、2007年に発表された同じテーマ、太陽系文明の歴史を探る物語である。 前作との大きな違いは2点。1点目は主人公が金星人であること。2点目は物理法則の違い。宇宙の基本法則は重力ではなく電気力だというのである。 2点目が現代科学から見てトンデモない理論だというのは明らかだが、1点目は微妙なところである。時代設定を数千年先と考えればテラフォーミングされた金星に移住した地球人かもしれないし、それ以上の未来と考えれば自然環境が変わった金星に異星人が住み着いたという可能性も考えられる。 しかし、第一の仮説は物語の最初に否定される。地球人が滅亡した頃にはまだ金星の環境は酷く地球人が移住できる状態ではなかったと言うのである。 では金星人とは何者なのか?どこからやってきたのか?それが本作の一番のテーマ。『星を継ぐもの』の反対設定である。 主人公を金星人にするための設定原理としてトンデモ科学を採用したと考えると、これはこれでなかなかのハードSF。 疑問に思ったのは地球人が滅亡した時期が最後まで明らかにされないこと。年代測定も行われない。はるか昔のことのように書かれているが、地球に残されている遺跡の状態や文書の解読状況などを考えると、せいぜい2,3千年前のように思える。 しかし、登場人物は金星人の筈なのに地球の環境に妙に適応している。怪しさがプンプン匂ってくる。 ところで、デビュー作の『星を継ぐもの』は謎の解明、仮説と検証だけでグイグイ押して長編一冊を書ききっていたが、本書は恋話あり、サスペンスあり、社会学的な説教ありと、ベテラン作家となったホーガンの集大成のようにサブテーマが盛り込まれている。 ただ、本書では、クライマックスの感動的物語を語るために途中の経過が一部ご都合主義的な展開になってしまっている。 トンデモ科学で押し通すのならそれはそれでよいのだけれど、ご都合主義になるとハードSF作家の名が泣く。歳を取って論理的、科学的整合性よりもテーマやストーリーを優先するようになったのだろうか? 金星人社会の改革派として〈進歩派〉というグループが登場し、最初は思想対立の問題として描かれる。中盤ではその思想が地球人と金星人の性格の違いに関連付けられて巧みに語られるが、結果は竜頭蛇尾だった。サスペンスを盛り上げるつもりだったのかもしれないが、結局は嫌な話で終わってしまった。蛇足としか思えない。 プロヴィデンスもパンドラの箱ではないか? ザアムたちを襲った脅威は消え去ったのではない筈。 なお、『星を継ぐもの』では、ホーガンは地球人に全幅の信頼を置いていたが、本書では地球人(金星人の言うテラ人)の欠点が繰り返して指摘されており、それゆえに主役を金星人に置き換えたようだ。 『星を継ぐもの』はホーガンの独創が現代科学の常識を力技で押し切ったような物語だったが、30年後に書かれた本書はホーガンの理想が現代科学を無視して書かせた物語だと思う。ただ、その物語で語られる人類(前書では地球人だったが、本書では金星人)に対する想いは両者に共通するところがあり、ホーガンらしさに満ちている。 その意味で本書は、確かにもうひとつの『星を継ぐもの』であり、『星を継いだ者』たちの物語なのだろう。 | ||||
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久しぶりの JPホーガン。 訳者?のあとがきに、「とんでも科学」と明言されちゃっています。 それが一番不愉快な部分と言えるでしょう、 重力の発生原理は、現在明白になっているのでしょうか? としたら・・ その原理で人工重力場を作ることもできるはず。 初期作から、ホーガンの作品は読んでいますが、 ある意味原点回帰なのでしょうか? 現在の科学が、宇宙の事象すべてを説明できていないと信じる方には、楽しい作品だと思います。 すでに作者が他界してしまった今、文庫本ですが、初版を入手できて喜んでおります。 | ||||
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ジェームズ・P・ホーガンは、「星を継ぐもの」が傑作すぎて、それに比べると、どうしても厳し目の評価になってしまうかと思います。 でも、「未踏の蒼穹」もSFとしては十分に楽しいですよ! なんとなく物語の落ち着くところは見えるのですが、その過程で、「金星人たちは知らないけど、地球人である私は知っている」ということがちょこちょこ出てきてクスっとしました。 いろいろな設定・いろいろな空想科学に触れることがSFの楽しさの一つですので、SF好きの方は読んでおいて損は無いと思います。 ただ、値段がちょっと高いのがよろしくないですね… | ||||
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