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鬼火の町



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【この小説が収録されている参考書籍】
鬼火の町 (光文社文庫)

鬼火の町の評価: 3.88/5点 レビュー 8件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.88pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

面白いけど、やや単調

光文社プレミアム文庫、初の時代劇だ。

夜釣りに出た客と船頭が水死体で発見された。二人とも泳ぎは達者だ。
岡っ引きの藤兵衛は川底から発見された銀の煙管を手掛かりに探索を開始する。
だが、担当の同心から不可解な中止命令が出た。裏には奥深い謎がありそうだが。

身分を笠に着て真実を潰そうとする敵に、意地と知略で食い下がる。痛快ではあるが、そのまんまの図式で、やや単調だ。謎は途中で判明するし、清張にしては捻りがない。
鉄壁と思われた身分制度の壁が意外な理由で崩れる。決着がある種の幸運によるところが、物足りない。江戸時代だから仕方ないかな。
ストーリーに勢いはあるが、人物が他の作品ほどは個性がない。
鬼火の町 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:鬼火の町 (光文社文庫)より
4334792871
No.1:
(3pt)

無実の人を救うために、十手さえ失う藤兵衛

松本清張といえば、社会派推理小説作家、それも大先生というイメージなのだが、松本清張にも弱点がある。
それは、3つある。
・謎解き部分がいきなり始まって、探偵役の人物がとうとうと語り始めるところが不自然。
・探偵役の人物の推理が、思い込み(しかも正解)により、執拗に裏付けを取ろうとするところ。
・警察官でも検察官でもない一般人が探偵役の場合にも、警察官や検察官と同じような捜査(取材?)をするところ。

こんなことを無名の作家がやったら、いっぺんで読む気をなくしてしまうのだが、松本清張の筆力では、ちっとも興ざめせず、最後までひきつけて読み続けさせるのだ。

それが時代小説になったら!
上記の「探偵役の人物の推理が、思い込み(しかも正解)により、執拗に裏付けを取ろうとするところ。」がごく自然な展開になるのだった。

駒形の藤兵衛は腕利きの岡っ引きだが、上司の同心川島に、担当を外される。
しかし、捜査を続けるために、お役ご免となってしまうのだが、それでも捜査を続ける。
従って、強引な捜査をする。

怪しいとにらんだ坊主を拉致する。監禁する。
事態が進展しないので、ちょっと締めて自白させる。

それで一気に解決するのだが、江戸時代のことなので、このくらい強引なことをやっていたのだろうと思える。
それに、藤兵衛は無実の人を救い、悪を暴くためにやっているのだから。
よかったよかったと最後に思って、本を閉じられるのだった。
鬼火の町 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:鬼火の町 (光文社文庫)より
4334792871

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