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砂に埋もれる犬
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砂に埋もれる犬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 41~45 3/3ページ
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①下層社会の現実をリアルに描く。性と金と暴力。いつ犯罪が起きてもおかしくない。コロナ禍は犯罪を助長させる。 ②誰もが抱く社会への不満と憤り。京王線の乗客を刃物で刺し、車両に火を着けた若者もそんな人の一人であったろう。 ③金がないのは、収入が足りないだけではない。身の丈に合った生活が出来ない人が多いのではないか。 暮らしの激変に対応出来ず、借金を重ね、返済出来ない人は多い。 ④政府は特別定額給付金として国民一人に10万円支給したが、貯金した人が多かったのは、生活に不安を抱える人が多いことを物語る。乱費は借金地獄への契機である。 貧困問題を照射した著者の力量に頭が下がる。 前作の国家による思想統制に続き、今回は貧困問題の告発である。ますます社会批判・政治批判の舌鋒は鋭さを増す。 傑作長編としてお勧めだ。 | ||||
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これは凄かった。すべてが執拗にどこまでも地獄につながっていく。 皆が皆全員、違う方向に歪んでいる。噛み合わない。 善人らしく見える人も、悪人らしく見える人もいる。皆がそれぞれの正義と正当性のもとに言動している。 まさに地獄。 ラストに光明を取り付けようとしているが、これは作者の意図ではないだろう。おそらく編集部の意向だか連載の都合とかなんとか下らない理由がある。なぜなら、この小説は地獄を書いているのだから。ずっと、地獄を書き綴っていたのだから。そこだけリアリティーが著しく欠如している。 文庫化時に改稿を望む。 | ||||
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久々の500pはあろうかの長編。 相変わらず心の悪意や機微をかかせたら存命作家では日本一の桐野氏。 まぁ、優真の人の心の様子を読み取る力はわからないでもないけど、本来他の13才ってもっと無邪気では。。。 それは良しとして、物語の運びも読んでいてハラハラして、ホント痺れます。 残り25p程のところで用事で出てしまって、その間に内容反芻したのですが、どうしたら終われるのか考えてもあまりにページ数少なくて想像出来ない。 緑の毒のようなあっけなくスピーディーに終わるのかとも思ったが、そこまでの流れがそうではない。 本に戻ると、気づいたら終わっていました。 いやいやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。 まだ終わらないでもいいでしょう。 あと100pくらいは必要じゃ。。。 結果として優真の心は解放の糸口を掴んだ訳ですから結果は見えたわけですが、他の問題なんかも放置で終わってしまい「もっと読ませてよ!!」ってのが率直な感想です。 連載だったので、契約の都合なんかもあったのかと思います。 大好きな作家さんなだけに、もっと読みたかった。 面白かっただけに。 | ||||
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(※若干のネタバレ含みます) すべての登場人物が魅力的でした。もちろん、良い意味でも悪い意味でも、ですが。(個人的にはスズキが良い味を出していたと思います)。 醜悪な生き様の連鎖に垣間見える、火花のような瞬間は美しいです。 前半、本を叩き付けたくなる程の筆力でした。終盤にかけて、残りのページ数で終わってほしくない、もっと長く読んでいたい気持ちに駆られつつも、一気に読み終えましたが、ラストシーンは、ここで終わるべきだと、しみじみ反芻させられるものでした。 | ||||
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家庭内暴力やネグレクトが 小説よりも頻繁に世の中にはびこりすぎていて、 フィクションのほうがよっぽど救いがあるような今。 リアリティを追求するなら、 より激しい虐待の描写になるんだとぼんやり思っていたけれど、 桐野夏生は違った。 彼女が描くのは、 虐待の程度の重さではなく、 そこで傷ついた人々が生きる現実の重さ。 比較的早い段階で 困難な状況から脱したかに思えた主人公は、 むしろそこから行き詰まり、堕ちていく。 後半のハラハラする展開に固唾を吞み、 こんな分厚い本なのに読み終わるまで一瞬でした。 いつもの桐野節、でも確実に現代にアップデートされている。 今作も「さすが」の一言です! | ||||
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