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魔の山



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【この小説が収録されている参考書籍】
魔の山

魔の山の評価: 4.25/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

やや拝読に手間取ったことを告白しておきたい

トーマス・マンのノーベル文学賞受賞作ともなった、重厚な長編である。
いわゆる story -telling で読ませる作品ではないので「途中ギブアップ」の読者も多いことであろう。
ひとりの青年の知的な回想録、としてじっくりと取り組めば 底味のある名作と評し得よう。
主人公の内的思索に影響を与える役割を担っている作中人物の、Settembrini のキャラクターに「作り物感」が感じられ、やや拝読に手間取ったことを告白しておきたい。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
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No.11:
(4pt)

舞台はなるほど魔の山ね

一作目を読み終えてからだいぶ時間が経過した後に読み始めました。この舞台設定は個人的にも興味があるものだったので、非常に楽しめました。一作目よりもディーバー節?が強まったような?前作よりも好きです。なんにでも首を突っ込みがちな主人公が、一歩引いてみるとかわいいような笑
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
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No.10:
(5pt)

安倍事件で思い出しました。カルト教団の闇を暴く

今回の「安倍事件」で、カルト教団である統一教会の闇が再びクローズアップされていますが、カルト教団が実に沢山ある米国のカルト教団のいくつかを下敷きにして書かれた本書は、入信、マインドコントロール、脱会などのプロセスが実に詳しく書かれていて、フィクション(小説)なのだけど、読んでいて、恐怖感を覚えました。新興カルト教団に仮想実体験するにはうってつけの本です。ジェフリー・ディーヴァーの新たな分野を堪能しました。お勧めの本です。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.9:
(5pt)

孤立無援の闘いが全編に渡って繰り広げられるスリリングでアクロバティックな力作

失踪人追跡。珍しい職業だが、それこそが本シリーズの主人公コルター・ショウの個性を引き立たせている。本書は三部作の第二作。前作ではゲーム業界を舞台にし、終章で本作への序章を奏でておくという趣向を凝らしていた。連作ものであるがために、三部作を終えないと明らかにならない主人公の真実。あくまで余韻を残し、作品間の連続性を重視している。

 さて本作は、カルト教団に潜入する物語なので、全巻、実にスリリングなシーンの連続となる。町で起こった不可解な事件については、前作終盤に予告編のように語られている。その事件からの不可解な若い二人の逃走者たちと、コルターの追跡。想像を絶する不可解な決着。これはコルターの中ではとても納得できることではなく、彼はこの事件の裏側にある謎のカルト教団の存在に狙いを定め、教団の研修施設への潜入を決意する。

 カルト教団の巣食う山岳の麓。警察隊も買収された敵陣の一角。極めて危険な四面楚歌の「魔の山」へと向かうコルターの、孤立無援の闘いが全編に渡って繰り広げられる本書は、実にスリリングでアクロバティックな力作であった。

 とは言え、カルト教団の内情については、意外性はあるものの、その実現可能性については少し疑わしい。しかし、昨年読んだ帚木蓬生『沙琳 偽りの王国』は、現実に起きた悪夢であり、教団の中での死者・行方不明者の数が定かではない事実、一人の教祖が権力を握っていた事実等々を踏まえると、本書の疑わしいくらいの精神的暴力性などは、決して非現実とは言い切れないところがあり、その闇は多分に深い。

 コルター・ショー。リンカーン・ライムともキャサリン・ダンスとも異なるアクティブで戦えるキャラクター。特殊なサバイバル技術も経験も備えたこの新しいプロフェッショナルなキャラクターの過去については、まだまだ謎に満ちている。前作から触れられる父親の謎の死。謎の失踪を遂げている兄ラッセルとの関係などなど、とりわけショーの家族の物語は第三作で明らかになるようである。

 一つ所にとどまらない旅する主人公として、寅さんのように長く活躍して頂いてもよいように思える。TVドラマ化も決まっているらしいし、ショー家の秘密が明らかになった暁には、続編登場の可能性も有り得るかもしれない。

 ともあれ、第三作でのショーの三たびの活躍を首を長くして待ちたいと思う。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.8:
(4pt)

三部作みたいなので全部揃ってからの方がオススメ

他の方のレビューにもありますが何かにつけてご都合主義な展開が多いですね。
それでもストーリーとそのテンポの良さはオススメ出来ます。
早く次作を発行して欲しいです
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.7:
(5pt)

多少できすぎ感はあっても、おもしろい

本書がシリーズ2弾だと知らずに読み始めたが、特に問題はなかった。一部、前作を継いでいる内容があるが、わかるように説明されている。
主人公は、人探しをして懸賞金稼ぎを生業としているコルター・ショウ。
今回彼は成し遂げた仕事に引っかかるものがあって、真相を探るために単身カルト集団の内部に潜入する。
ショウはよくできた男で、父親による独特の教育のおかげでできないことはないよう。だが驕ったところはなく、とても魅力的だ。
ストーリーは程よいスリル感。他のレビュー通り、確かにご都合主義なところはある。ピンチ!と思わせせるが、実はこう仕掛けてあって、うまくいったという話が後から付いてくる。それも数回。
だが私は「なーんだ」と思うことはなく「そうだったのか」と感心しながら次の展開にノンストップで引き付けられた。展開がとても上手だ。
随所に散りばめられている、父親から教わった“格言”も効いている。
第三部は本作のエピローグとシリーズ通しての未解決問題をうまく絡ませ、そのまま次作へと引き継がれていく。次もおもしろそうだ。さっそく順不同になったが未読の第1弾『ネヴァー・ゲーム』を読まなくては。

カルト集団については、新興宗教も同様だが、どこの国にも同じようなものがあって、永久になくなることはないだろう。「信じる者は救われる」で、その人にとってメリットがあるのなら、それはそれでいいのだろう。現世ではどうしたって解決されないことがあるのだから。なのでこんな組織でも全否定はできない―――と読みながら感じたりした。ただ、実際主催者の金儲けの手段となっていることが往々にしてあるが。私自身は雑念だらけの冷めた不純な心をもっているしケチなので、万が一にもそのような商法に引っかからないと自負しているが。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.6:
(5pt)

スピード感に満足

こちらの期待以上の作品でした。先の展開が予測をはるかに上回る!
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.5:
(3pt)

ほどほど感

手に汗握る展開とは思えないが、主役が
強くはあるが強すぎない。能力高いが高すぎない。知性が高いが高すぎない。古武士のようなストイック。に好感はもてる
…けど、何というか氏が手掛けなきゃならないタイプの話だろうか?って気がしてしまうのが正直なトコ
このシリーズは商業じゃなくて、趣味の方かなあ。みたいな
十分楽しめるんだけど
…イーライ説はヤダな。当り前だが。この説だと「当たりたくない身内や伴侶」も永遠に縁切りできず当たっちゃうやん。と突っ込みたくなった
なぜ「サバイバルは道徳よりも優先される」が太字じゃないんだろう。自分的にはこれ太字だな
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.4:
(5pt)

ラストまできっちり

新シリーズの2作目。潜入捜査のハラハラ感はもちろん、1作目で明らかにならなかった部分も描かれていて、続編が待ち遠しい。最後まできっちりの仕事ぶりにスッキリでした。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.3:
(2pt)

これは駄作なのでは。

内容は賞金稼ぎが主人公のシリーズ。前作はそれなりに楽しめたが今回のは都合のいい設定などありかなりいまいちの印象。はっきり言って雑。かつてのディーバーの緻密さはかけらもなし(ジャンルが違うけと)。

これならフォーサイスやハンターなどを読んだほうがいい。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.2:
(4pt)

これは本ではない。断じて本などではない。映画である。断然、アクション映画なのである。

家内の頼みでパズル雑誌を買いに書店に行った。
なんでも、引っ越してから近くに書店がないので、買ってきてほしいという。確かに近隣には書店はなかった。買い物には、まあまあ老人にとっては便利な土地周りであったが、書店だけは不思議になかった。
家内は大昔からパズル好きで、もう40年以上もクイズを解いてきている。それも毎月、4冊も5冊も買い入れ、すべて全問正解で、解答するのだ。つまり、全ページにあるすべての問題を解くのである。ただし、全問正解したからといって、抽選なので、数に限りがあるし、さしたるプレゼントがあるというわけでもない。以前、二万円だったかが当たったことがあった。ああ、そういえば20年以上も前には自転車も当たったし、リクライニング式のマッサージ・チェアも当たったことがあった。
しかし、彼女にはそれが目的ではない。
各誌の繰り出すクイズをすべて正解することが自慢なのだ。まあ、言ってみればここのサイトのレビュアーたちのように、それはもう本が好きで好きで、読めば読んだで、読後感を発表したくてたまらなくなるのだろう。かといって、ここのようにクイズ・マニア同士のつながりややりとりがあるわけでもない。純粋に「独りで」楽しんでいるのだ。
寂しがり屋で、面倒臭がり屋のわたしには到底できない相談だが、彼女にはそれが生きがいになっているようだ。巻末の当選者欄に自分の名前が出ているのを見てはにやにやしている。お陰さまで、当方はこうしてのんびりひとさまの書いたレビューを読んで、ああだのこうだの、いろいろぶつぶつと自分を慰めているしがない身分でいられるのではあるが……。

さて、そんなビンボー人であり、出不精のわたしがなんの魔が差したのか、彼女のクイズ本を買うついでに本を「購入」してしまったのである。それも、名前も知らなければこれまで読んだこともない作家の作品である。
題して『魔の山』というが、うっすらと老いたアタマの中に閃いたのは、それがどこかで聞いたような気がしたからで、つい手に取ってしまった。作家の名前は、ジェフリー・ディーヴァーというらしい。初めて目にする名前だ。しかも奥付(印行)を見ると、2021年9月25日とあるではないか。ところが、この日は、9月23日。つまりは、まだ発行していない本だったのである。
分厚い本の帯には「武器なし。援軍なし。流浪の名探偵、決死の潜入捜査」とある。本来、わたしはこの手の本は読まない。アクション映画は好きだが、本はやはり単純なものより、ちょっと歪んだもののほうがいい。人間が歪んでいるせいか、それとも素直すぎるせいか、読むなら、不思議さを前面に出した本のほうが楽しめるクチだ。
ページ数は、ざっと380ページ。それも二段組で、文字もすこぶる小さい。老眼かつ遅読のわたしには、もっとも苦手な長編だ。しかも、懐さみしい老人には悲しいかな、価格が2500円とくる。プラス消費税ともなると、2750円だ。
しかし、なんの因果か、わたしはそれを買ったのである。
まさに魔が差したとしか言いようがない。なぜかわたしはそれをいそいそと持ち帰り、その日から今日にかけて読んだ。わたしの予想では、1カ月くらいは要かる予定だった。ところが、買って帰って正味3日で読了してしまったのだ。
どこかのコメントで、この本のことに触れたのだが、最初はそうでもなかった。しかし、途中から、というより数十ページを超えてから俄然、面白くなってきた。まるで、ハリウッド映画をみているようにバカらしいと思いながらも、ついつい先を読んでしまうのである。
ああ、これはどうしたことか。これは詐欺ではないか。これは本ではない。断じて本などではないのだ。映画である。断然、アクション映画なのである。映画好きのレビュアーさんはどうおっしゃるかは知らないが、単純に面白いのである。
どんな困難な状況になっても、どんな苦境に対する脱却スキルや蘊蓄を垂れようとも、なぜかスルリとその危機を乗り越えられる都合の良さが現れて、主人公はそのスキルや蘊蓄を駆使する前に自然と情況が彼に味方するのである。ま、その点では、まさにご都合主義の、突っ込みどころ満載の小説なのだが、ニクめない。なにかとツイている主人公には、作者が意図的に情況をラクにしてやっているのだろうと思わざるを得ないほどの依怙贔屓ぶりなのだが、それもご愛敬。
それさえ、眼を瞑れば、あとは何ということもない。その筆致のままに読み進め、ちょっとしたおやおや感と手前味噌な蘊蓄話に鼻白みながらも楽しませてくれる。ここには、哲学はなく、ただただ読者サービスだけがある。あまりにも都合よく彼の味方をしてくれる「情況」は、スピーディに物語を進めるうえで、大いに役立っているといえるだろう。
ただ、わたしのようなへそ曲がりにはあまりにも都合よく出来た物語に思え、素直に喜べないものを感じる。なので、その性質のひとには不向きな本なのかもしれない。
最初のころは、カズオ・イシグロの『わたしたちが孤児だったころ』のような展開になるのではと思ったり、村上春樹の『1Q89』(ちょっとタイトルがあやふやで想い出せない)のような展開が待っていたりするのかと思って読んでいたら、やっぱり、当初の予想どおりの「ハラハラドキドキ」ハリウッド映画のアクション編だった。
だが、それはそれで久しぶりに映画の醍醐味を楽しめたので、★5つは上げられないけれど、4つは上げていいかという気になった。アクション好きの読者なら、きっときっと楽しく読み終えられるに違いない。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404
No.1:
(5pt)

「ネヴァー・ゲーム」のエンディングから開幕するネヴァー・エンディング

2021/3月に読んだ「オクトーバー・リスト」以来のディーヴァー。今回は、2020/9月に読んだ「ネヴァー・ゲーム」に続く懸賞金ハンター<コルター・ショウ・シリーズ>第二弾。「魔の山 コルター・ショウ "The Goodbye Man"」(ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋)を一気読みしました。「ネヴァー・ゲーム」のエンディングから開幕するネヴァー・エンディング・ストーリー。
 ロス・マクドナルドの初期作品のような「西海岸私立探偵小説」には、精神療養施設などがよく描かれていたような気がしますが、今回の主なる舞台は、ワシントン州、人里離れた美しい谷にあるカルトの研修施設。ショウは、銃撃事件を起こして逃走した二人の若者を追いながら、或る理由からその施設に潜入し、そのカルト集団の真の姿を暴露しようとします。果たして?そして、バックグラウンドには、一作目から引き続き「やまびこ山」に纏わるショウ一家が抱える秘密の物語が継承されています。それも果たしてどのような道行となるのか?
 ディーヴァー・ストーリーの詳細を明かすことはできませんが、巧みな反転と次の章へと向かうために仕掛けられたトリッキーな話術は今回も健在です。
 描かれるカルトは、幾多の自助グループの持つ精神性を垣間見せながら、KKKやアーリア民族軍のような戦闘的分離主義への多くの言及があって、過去にも多くのミステリで取り上げられているマテリアルであるにも関わらずかなり読ませます。もしその行き着く先が、「欲」へと辿り着くことがなかったら、そのプログラムの<有効性>を試してみてもいいと思ったりもしました(笑)。
 しかしながら、このシリーズの持つ醍醐味は、究極のサヴァイヴァリストとして継承されるショウ一家の精神的アプローチとそれを実践してみせるショウ本人の考え方と振る舞いにあるのでしょう。ファンダメンタルな自主独立の気迫に満ちたコルターの父・アシュトンの思想、消息を絶ったショウの兄・ラッセルの影、生み出されたさすらいのライフスタイル。その点、リー・チャイルドが生み出したもう一人のヒーローの姿と似ていなくもない。
 重罪犯や失踪者を捜し、断崖絶壁を登り、オートバイで高々とジャンプして自分の限界を試すことに活路を見いだそうとするエクストリームなコルター・ショウ。彼ほど、正しい答えに初めから焦点を合わせられる人間はいない。果たして、彼はショウ一家のアイデンティティを確立する最後の一人になるのだろうか?
 第三作、"The Final Twist"が早くも待たれます。いつもながら、何と大風呂敷を広げた、ディーヴァーらしい思わせぶりなタイトルなのでしょう(笑)。
魔の山Amazon書評・レビュー:魔の山より
4163914404

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