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(短編集)

影踏亭の怪談



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【この小説が収録されている参考書籍】
影踏亭の怪談
影踏亭の怪談 (創元推理文庫)

影踏亭の怪談の評価: 3.56/5点 レビュー 32件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.56pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

本書は『バカミス』ではない。まじめな『化けミス』である。

探偵役は実話怪談作家の呻木叫子(本名は梅木杏子)。彼女は怪談のルポルタージュのため現地に赴き、怪談とともに様ざまな「謎」「事件」「殺人」に遭遇することになる。

 4つの短篇が収録されている。

 マンションの一室で両目を縫われる怪異と宿の離れで二つの眼球をくりぬかれる殺人を描く表題作「影踏亭の怪談」。
肝試しのノリで首なし幽霊の出るトンネルに出向いた大学生の男女五人、一人の女性は行方不明となり、一人の男性はトンネル内で首を切断される「朧トンネルの怪談」。
 旧友から神隠しにあった息子を探してほしいという依頼を受けた呻木叫子が、得体のしれない坂の怪異を探っていると公民館で泥だらけの屍体を発見する「ドロドロ坂の怪談」。
 かつて霊能者が殺害された母屋での事件を振り出しに、死を遂げた人間のそばに必ず冷凍メロンが出現するという「冷凍メロンの怪談」。

 舞台となる事件の現場は、マンション、離れ、トンネル、公民館、母屋、全てがなんらかの形で「密室」になっており、つまりこの短編集は「不可能犯罪と怪談」双方を同時に語るという試みをしている。

 以前からぼくは「ミステリーとホラーはとても似た雰囲気をしているのに相性が悪い」と常々思っている。理由は「ホラーと思って読んでいたら怨霊や怪物が人為的なトリックとして暴かれると興ざめ」だし、逆に「ミステリーだと思って最後のどんでん返しを期待していたらお化けの仕業だった」らこれもがっかりするだろうからだ。

 しかし、この短篇集はこの点がほどよくまとまっていて「人間が施したトリックは必ず人間に見破られる」と同時に「怪異の正体はけっきょく解き明かされない」スタンスがとても心地よい。作者はきっと怪談も推理小説も大好きで、だからこそその両者に真摯に向き合っているのだろうと想像できる。登場人物が引用している著書が、作者自身が以前書いた本であることは笑った。

 しかしこの綱渡りを成立させるのはかなり難易度が高い。さすがに「冷凍メロンの怪談」のメイントリックは「ぶっ」と吹き出してしまったが、「いやいや、これは『バカミス』ではない。あくまでまじめな『化けミス』として読まなければ」と心を落ち着けた。
 ちなみに妻はオーディブルで聴いたそうだが、かなりクオリティが高くけっこう怖かったらしいので、そちらもお勧めとのことです。
影踏亭の怪談 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:影踏亭の怪談 (創元推理文庫)より
4488451217
No.1:
(3pt)

怖くはないが、楽しめます。

昨年出版された同じ著者の『赤虫村の怪談』に対し星1つでこき下ろしたので、こちらも余り期待はしなかったものの、「連作短篇集のようだし、ハズレでもまぁいいか」程度の感覚で手に取った。『赤虫村』では “主人公の名前がふざけ過ぎ(呻木叫子(うめききょうこ))” というのも減点対象にしたけれど、本作を読むとペンネームの由来をちゃんと説明していた。なんだ、そういうことだったの。こちらを初めに読んでいたらよかったんだね。失礼しました。
収録されている4篇はいずれも、一見この世の者ならざる怪異がもたらしたおぞましい惨劇を装いつつ、実はしっかり人間様の仕業でした、というストーリー。事件現場の様相も用いられるトリックも、およそ本格ホラー、本格ミステリとは呼べないが、それが “呻木叫子シリーズ” のスタイルと馴染んでしまえば、まずまず楽しめる。本格モノを期待せず、呻木叫子のキャラクターを楽しむライトノベルと割り切ってしまえばよいのだ。なので、星3つ。
影踏亭の怪談Amazon書評・レビュー:影踏亭の怪談より
448802842X

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