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あの日、君は何をした
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あの日、君は何をしたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全89件 81~89 5/5ページ
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こんなにも伏線と動機の構成が美しい小説を読むことができて本当に嬉しい。 ひとは母になった瞬間すぐに毒親になるのか? 誰のせいで毒親になるのか? 毒親のせいで子供がおかしくなるのか、それとも子供がおかしいから毒親になるのか? このあたりのテーマが個人的にはすごくぐっときました。 | ||||
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大変満足です。 | ||||
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面白いです。嫌ミス好きな人は必読。終盤泣けるとこもあったり、最後はそうきたかっていう裏切りも。とにかく読んで損なしです。 | ||||
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第一部は2004年に、深夜に自転車に乗った男子中学生が警察官に職務質問されて逃げた結果、事故死した事件。第二部は2019年に、若い女性が殺害され、重要参考人が行方不明になっている事件。 この2つの事件がどう繋がっていくのかが本書の読みどころなのだが、終盤まで真相が分からず楽しめた。その鍵を握るのが、行方不明となっている男の妻である野々子なのだが、彼女も心に傷を負っていて、母親の呪縛から逃れられずにいる。 また、いずみと智恵という息子を失くした二人の母親のつらさや虚無感、錯乱、現実逃避といった行動が事細かに描かれており、切なかった。 なぜ息子は死なないといけなかったのか、それを知った母親がどう感じるのか、そこまで描ききってほしかった。 | ||||
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二部構成の第一部。"自称"肝っ玉母さんの"いづみ"が、自転車を使った連続女性殺人事件の犯人が脱走して逃走中に、家族に黙って深夜に自転車に乗っていた中学生の息子の大樹が追跡・警戒中の警察官の職務質問を振り切って逃げた挙句に交通事故死してしまった事で、「あの日に大樹は何をしていたのか?」を追い掛ける姿を描いた作品。大樹に恋人が居た事を知った"いづみ"が(元々、素地はあったが)モンスター化する。家族小説の体裁も取ってはいるものの、社会派ミステリ作家として定評がある作者としてはアクロバティックな作品となっている。 第二部はそれから15年後。これで作者の狙いがようやく分かった。智恵という"いづみ"ソックリな"自己中心的"老婆が浮気性の息子の辰彦を溺愛していて、辰彦が不倫相手の1人の殺害容疑を掛けられて失踪しているのに、息子の無実を盲信しているのである。即ち、「モンスター」を重畳させている訳だ。しかも、第一部の舞台と辰彦の妻の野々子の実家とが前橋市と館林市との名称を併せた(安直なネーミングだが)前林市という同一性で物語に芯を持たせている上に、変人だが切れ者の名物担当刑事の三ツ矢(ソクラテスの様な造形が秀逸で、第一部の犯人も単独で逮捕したが、全く気取らない)も長年、大樹の「あの日」の行動の意味を追っているという凝った創り。更に、三ツ矢と「モンスター」との立場も重畳させている。この創意工夫には感心した。そして、野々子の数奇な運命が「あの日」の真相を暴く展開には驚愕した。 母親(毒親)と娘、母親(毒親)と息子の幾重もの"愛憎の輪廻"を驚愕の展開で描きながら、終盤にはサイコ・ホラー風味を色濃く出すというアクロバティック・ミステリーの傑作だと思った。 | ||||
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これは、母親の物語ですね。子供を産んだがゆえに、子供を大切に思い、死んでも、子供は心の中に生き続ける。幸福って何か?母親って何か?が、問いかけられる。 1部2004年 警察署から脱走した連続殺人犯の容疑者を追っていた警察。栃木県の前林市で夜中の2時に職務質問され、自転車で逃走した15歳の少年水野大樹がトラックに激突して死亡する事故が起こる。なぜ、大樹はそんな時間に自転車に乗っていたのか。「どうして少年が命を落とさなければならなかったのか?」 それにしても、この母親 いづみの崩壊の描写が実にすごい。子供を育てるというのが天職だった自覚して、子供達に肝っ玉お母さんぶりを発揮する。娘が第1志望の大学に合格し、大樹が第一志望の高校に合格した。合格祝いの食卓には、大樹の好きな手巻き寿司、娘の好きなラザニア、夫の好きなマーボ豆腐と唐揚げが並んでいた。お母さんの好きなものは並んでいない。みんなの喜ぶ笑顔がお母さんの好きだったものなのだ。食事が終わって、大樹は家を抜け出して、死んでしまった。 そこから、お母さんは崩壊していく。夫と娘に強くあたり、家族は離散する。 2部2015年 新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。辰彦の母親は、必死になって行方不明になった息子を探す。そこに三ツ矢刑事という不思議な人格を持つ刑事が、捜査を始める。三ツ矢は瞬間記憶という特技がある。そして、15年前の事件とオーバーラップして、百井辰彦の妻 野々子が、水野大樹のクラスメートだったことが明らかになる。野々子の母親も、不幸を背負っていた。三ツ矢の活躍で、事件は解決するのだった。母親の執念だね。 何と言っても、1部の母親の崩壊がすごい迫力があり、描写力に驚いた。母親は、もはや自分の信じたいことしか信じない。周りは全て敵のように見えて、母親の作った物語を演じることになる。 | ||||
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終盤の展開は面白いが 人間関係が密接と希薄が極端な感じが否めない。 家族の嘆きは強いが周りが見えなくなる人間は少ない。 本当の人間の強さや軟弱さはこれほど共依存的でもない? 大袈裟とも多感とも感じた。 | ||||
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久々に人に紹介したい本です。 | ||||
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文庫書き下ろし作品。 本作は2部構成になっており、1部では2004年、警察署から脱走した容疑者を追っていた警察に栃木県の前林市で職務質問され、自転車で逃走した15歳の少年がトラックに激突して死亡する事故が起こる。この事故によって、今まで平和な暮らしを送ってきた遺族、特に母親は人生を大きく狂わされていく。ここまでが作品全体の3分の1を占める。残りの3分の2を占める2部では、年代が2019年になっており、東京・新宿で起きた殺人事件に絡んで、1部では全く姿を見せなかった三ツ矢刑事が事件の真相を解明する、というストーリーになっている。巻末の解説にも書かれているが、2004年の事故が2019年の殺人事件にどう関わってくるのかが、本当に作品の最終盤辺りにならないと分からないので、逆に最後まで緊張感を持って読む事が出来る。 愛する息子を失って狂って殺人を犯してしまった母親の描写は本作の見どころとなっているが、純粋な被害者と思われた彼女の息子も、実は殺人衝動という心の闇を抱えており、実際に彼もまた殺人を犯してしまった、という救いようのない結末を見ると、「親の心子知らず、子の心親知らず」という言葉が思い浮かぶ。例え親子であっても、心の闇というものは見抜けないという事実に思わず背筋が寒くなる。 読後感はあまり良くはないが、読み応えのあるミステリー作品である。 | ||||
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