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湖の女たち
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湖の女たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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たった今、読了。 後半まで盛り上がるだけ盛り上がっていたのですが、ラストで「…?」 回収できないエピソードは「怒り」の時のように削ってほしかった。 けれど、文章の中に漂う色気は、さすが吉田修一さんでした。 | ||||
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大好きというかずっと注目している吉田修一にしては、私は不満の残る作品。 そもそも何かの書評で絶賛してあったから読んだのである。 しかも話はとんでもなく面白い。 老人介護施設で亡くなった老人が事故死か殺人か その老人は731部隊に関連していたと思われる その地では何年か前に薬害で何人もの人が亡くなっている その事件を担当する警察と介護施設の女性の倒錯した性の問題 亡くなった老人の奥さんの731に関わる奇妙な体験 冤罪を作り出す警察の取調べの様子 そして本題の殺人事件の犯人と思われる子供たち… ここまでネタを広げまくって、さて吉田さんどう料理するのだろうと思ったら…。 何と!! (笑) これはずるい。「完全犯罪が成功しました。ならぜなら犯人は透明人間だったので」的な虚しさだけ残る消化不良の小説。実験的だとかレビュー書いている人もいたが、この手法はいかんと思う。ファンなくすよ。 | ||||
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エンタメのミステリー小説と思って読むと面食らってしまうかもしれません。 現役の芥川賞選考員が湖の美しさを丹念に描いた純文学作品です。そして、その美しい湖面に映し出される登場人物たちの腹の中……。 その描写力はさすがに圧倒的です。 | ||||
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介護施設で不審な死を遂げた事件の犯人を捜す前半は、刑事と犯人扱いされる介護士、週刊誌記者などの登場が先の見えない不安感をあおりながら、著者らしい物語への惹きこみ方をして期待が高まる。 しかし主人公の女性介護士の性癖はともかく、いきなり現実ばなれした行動への突飛さには読者に違和感が生じさせる。 さらに薬害問題や、戦時中の登場人物のつながりの判明など、この先の展開にワクワク感と居心地の悪さを感じさせながらも、結局この展開については何も回収されず。 話を広げるだけ広げながら、介護施設の殺人のみについては着地するが、その他が全く回収されずおいてきぼりにされた気持ちが強く、「えっ、これで終わりなの?」という虚無感。 なんだろう、著者により何か新たな実験なのかもしれないけど、読者としては今までの吉田修一への期待は裏切る。 | ||||
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出だしはいつもの吉田修一で、ワクワクさせられいっき読みの感じがした。しかし、「国宝」以降、吉田修一はより贅沢な世界を展開しようとしすぎて、今回は戦中の満州まで物語は広がるが、それにしてもこの匙を投げ出したエンディングは何だ❓失望を通り越して、唖然とした。初期の吉田修一に戻って欲しい。 | ||||
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最高傑作「国宝」を読んで以来、吉田氏の作品の大ファンとなっています。 本作も「湖」と「水」によって、不穏な音が忍び寄るような独特の世界観を描き出すその手法には唸らされてしまいました。 しかし、話の筋自体には非常に荒っぽく無理があるのは事実。それでも、楽しめない作品というわけではありません。 | ||||
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吉田修一さんの本がとにかく好きで、 『悪人』『怒り』を超える愛の衝撃! 吉田修一史上「最悪の罪」と対峙せよ。 という紹介文に、悪人と怒りこえちゃうの?!?と、とにかくワクワクして手に取りました、結局、私的に悪人と怒りを超えることは残念ながらありませんでした、、、。 面白いんですが、期待し過ぎてしまって、うーん感が強いです。 | ||||
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療養介護施設の殺人事件をきっかけに出会う男女が倒錯した関係に落ちて行く様と、殺人事件にまつわる過去の出来事を追う記者のストーリーが絡み合いながら進む。 ちょっとありえないような展開から男女がインモラルな関係へ発展していく様は、自分にはリアリティに欠けるように感じた。吉田修一の作品は、善人であれ悪人であれ、その人生や生き方になにかしら共感を感じる作品が多いのだが、この作品の主人公の男女には正直共感できる部分があまりなかった。また、途中まではミステリー仕立てになっているのだが、その部分も十分に回収されず、消化不良に終わった。 本作は作者が新しい表現方法を探そうした実験的な作品のように思う。 | ||||
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余計な描写が多すぎるとか、話広げすぎかなとかが 気になりましたが普通におもしろかった。 編集者として自社の書籍の販促に徹するのは素晴らしいことだと思います。 ただ、中瀬さんがすごくおもしろいって言うんだからと勝手にかなり期待してしまい 読み終えて少し後悔する感じが続いています。 | ||||
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ひとつひとつのガジェットは魅力的でミステリアスで充分にぞくぞく、わくわくさせてくれるのですが、それらが最後までつながらない。読み終えて、ありゃいったい何だったんだい? てことになりますよね。それと、男女の倒錯した性癖(ていうか精神構造?)にまつわる表現も唸らされるんですが、それもそれだけで完結しちゃってる。そんなこともあって、最後の湖の夜明けを微細に描写した文学的な技巧も持ち重りが過ぎてね、胸に染み込んでこないんです。中途半端で残念。 | ||||
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吉田修一の作品はこれまで数多く読んできましたが、「悪人」「怒り」「さよなら渓谷」のような読後感を期待すると、ちょっと物足らなさを感じます。 本書中盤あたりで突如現れる三つの数字が出た瞬間「おお、そう来たか!これは凄いことになりそうだ」と期待が一気に高まります。 以前「橋を渡る」の最終章で一気に小説の設定が変わり驚かされたことがありますが、本書でもまたして吉田修一、大胆な展開を見せてくれるのかと期待してしまいました。 この三つの数字に絡む事件をその後ぐいぐいと推し進めてくれるとの期待が高まるだけに、その後の展開には、よけいに多くの読者はガッカリしてしまうかもしれません。 本書は琵琶湖周辺を舞台にしていますが、本書の舞台が海辺ではなく湖としているのは、海とは違って閉ざされた湖では結局どこにもたどり着けない、ということを象徴しているのかもしれません。 それは端的に主人公豊田佳代がポツリともらす「もしここが海やったら、このままどっかに行けるんかもしれへんけど、ここ湖やもんな」との言葉に集約されているように思います。 それでもラスト2ページに希望はみられます。 | ||||
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琵琶湖のほとりに住むひとたち。 はじまりは健やかな朝だった。 そして、湖に靄がかかり、漂う湖水の匂いが伝わってくる。 芥はしんしんと湖底へと沈んでいくように、不安定な状態が続いていく。 湖面の幻想的な美しさとその奥行きある深さは表裏一体。 淫靡な倒錯。 介護療養施設で発生した事件を基軸に、過去の事件にも迫っていく。 そして、もやもやのままで、解決していない事件があることを力説している。 | ||||
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ニッポン放送朝の番組ハッピー、ブックソムリエのコーナーが大盛り上がり。新潮社中瀬ゆかりばかりか、ニッポン放送パーソナリティーも大絶賛。それならと買って読んでみたら、時間と金の無駄だった。いくら単行本が売れないからってだめだよこういうことしちゃ。731部隊もSMも施設での死亡事故もお互い何の関連もありません。 | ||||
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何も残らない作品でした。 時間とお金を無駄にしてしまいました。 | ||||
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琵琶湖の湖西地域の介護施設で起こった、100歳超の老人の死。 人工呼吸器の故障か、故意の殺人か。 同じ地域で数十年も前に起こった、大規模な薬害事件。 刑事と介護士の女の倒錯したもつれ。 終戦の年に、満州の731部隊の子どもたちが手を下した、少年と少女への殺人。 そして事件を追う週刊誌の記者。 と列挙してみると、これをどう1つにつなげ落着させるのかとワクワクしてしまう。 が、これらをつなげることにも全く成功していないし、落着もしていかない。 広げ過ぎたピースが、バラバラと散らばったまま、ごく一部だけをつなげて決着させたに過ぎない。 『悪人』や『怒り』、そして怪作『パレード』を書いた人の作品とはとても思えないのである。 しかもディテールも、説得力を欠くものばかり。 例えば、本書の初めの方で触れられる数十年前の薬害事件だが、副作用があり死者がでることが分かっている薬を使用し続け、その結果、多くの死者が出た、とする。 が、副作用を隠蔽しつつ死者が出ることが確実視される薬を使用することは、製薬会社にとっても病院にとってもデメリットしかありえない。 実際、現実に起こったほぼすべての薬害事件は、分かっていて、ではなく杜撰だったり、対応を誤ったことによる。 また、介護施設での取り調べが冤罪になりかけ、疑われた介護士が告訴すると、警察庁長官がその介護施設を視察に訪れる、という設定がある。 そんな警察の汚点となるような場所、しかも事件として決着がついていない所を警察庁長官が視察することなど、100%あり得ない。 ご都合主義の展開が生んだ「悲劇」というか「事故」としか言いようのない作品である。 | ||||
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2019/10月に読んだ「逃亡小説集」以来の吉田修一。堅気になり切れない自滅する「逃亡者」たちを描いた良き短編集でした。しかしながら、今回は「悪人」に始まり、「さよなら渓谷」、「怒り」へと連なる犯罪小説と向き合うことになりそうですので、少し構えながら(暗い気持ちになるのを恐れながら(笑))「湖の女たち」(吉田修一 新潮社)を一気に読み終えました。 琵琶湖近くの介護療養施設「もみじ園」で、百歳の男が低酸素脳症により亡くなります。彼は果たして人工呼吸器の不具合によって、それとも当直の看護師、介護士たちの業務上過失により亡くなったのか?あるいは殺害されたのか?捜査する「西湖署」の刑事たち。就中、等身大の刑事・濱中。「もみじ園」で働く介護士・佳代。そして、その事件を取材することになった雑誌記者・服部の視点から、主にその事件がパラレルに語られていきます。作者が描き続けてきた今までの犯罪小説よりもそのミステリ的興趣が増幅されているように思えますので、今回もまたストーリーを細々と書くことができませんが、この犯罪を通して「この国」の"罪"を描き尽くそうとして選択されたマテリアルとアクチュアルな視点はより鋭利に研ぎ澄まされています。 湖岸の地方都市、介護養護施設、白い軽自動車、YouTubeの映像、どこにでもいそうな男と女。<Covid-19>前であったとしてもその閉塞感は充満し、幸せの感じられないリアリティに打ちのめされ、何も変わらない、変えようとしない日本という国にひと匙ほどの<希望>も見いだせない日々を送る(私を含む)名もなき人々。 旧琵琶湖ホテルの特別展示室に飾られていた一枚の写真が死亡した男の過去を引き寄せ、旧満州のある湖の湖岸へと事件はフラッシュ・バックしていきます。中盤と終盤とでそれぞれ二つの湖を描写する作者の筆致、文章のリズム、メタファーを削ぎ落したその言葉の集合体は限りなく美しく、そのカッティングは映像魔術のようだと思います。 そして、ここで描かれている「恋愛」のようなものは、虚構のようでいて、実は我々の周辺に散らばっていて、誰もが体験していながら表立って語ることができない男と女の或る在り様をシンボライズしているように思えます。作者は(いつものことではありますが)見る勇気が持てないでいる傍らにある絶望的な<リアリティ>を今回は「架空の生き物」をそこに代入することによって救済しています。 ミステリ的興趣については具体的に書くことができませんが、間違いなく背筋を震わす瞬間があります。読後、少しの間目をつぶると、かの地を飛び立った丹頂鶴の群れが琵琶湖に降り立ち、積雪のように真っ白な<イノセンス>を告発するイメージにきっと満たされることでしょう。 <母性>を拒否した、あるいは手離した男たちだけが「湖の女たち」を真から救済することができるのかもしれません。見事な幕切れだと思います。 | ||||
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