百年の轍
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最近、書店に行く機会がなかった私が、とある機会で手にすることが出来た奇跡的な小説。 登場人物のキャラクターにも親しみ・愛着をとても感じ、作品の時代背景、舞台、テーマも新鮮で著者が書きたかったことが 読み進めていくうちにひしひしと伝わってくる。 いつしか物語に溶け込んでいく自分がいた。 作品の中の登場人物、矢島泰介を見ると今から10年以上前に亡くなった祖父を思い出す。そしてその子孫が私自身と重なり物語がメタファーのように『林業』という題材を通して作品の醍醐味を私に語りかけてくる。 戦後に生まれ比較的裕福な時代・環境で育った私は、作中の過酷な戦争を生き逃れた矢島泰介と岩城智也が作り出した『物語』に魅了される。 読後も『記憶』として読者の私の頭に鮮明に残り続け、受け継がれていく。 そして『百年の轍』はぜひ私が現在、最も老若男女にレコメンドしたい作品である。 辞書・予備知識がなくても楽しめる読みやすさと登場人物の豊かでバラエティーに富んだ愛着感、そして各チャプターごとに舞台や時代・世代が 見事に移り変わる技巧・趣向が凝らされていて、読んでいて飽くことがない。 そして本を購入した時に疑問にあったタイトルの『百年の轍』の意味を理解した時鳥肌が立ち感動を覚えた。 ノンフィクション小説であるこの『百年の轍』の世界もリアリティがある。 九州に行った際にはぜひ『日田』に立ち寄りたいと思う。 私は開放隅角緑内障という不治で末期の眼病患者です。 世の中には私のような目の病気や障害を持った人だけではなく例え本を手にしても読むことが出来ない方も多くいる。 失明する前にこの本を読むことが出来たことが幸いだったことを最後に訴えたかった。 再度『百年の轍』を読み返すことが出来るよう願ってやまない。 | ||||
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ネタバレになるので詳しくは書けませんが、後半になればなるほど驚きの展開になります。小説を読む機会が少ないのですが本当に面白い。 | ||||
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百年の轍を読んで。 怖いからと毛嫌いしていた推理小説を生まれて初めて読んでみた。 織江耕太郎著「百年の轍」夢中になって時を忘れた。 大正末期に生まれた三人の男、二人は生涯の親友となる。 日中戦争、太平洋戦争の、苦難の日々から敗戦。占領軍が駐留軍となって残り、経済成長期。大分の杉林に危機が迫る。 かつて政府は、杉檜の植林を奨励して、雑木林をどんどん切り拓いて杉林に変えさせておきながら、海外の安い材木を輸入する法案を作って、自国の林業を疲弊させた。それを阻止しようと、あがく林業の人たち。政治家は彼らの窮状に見向きもしない。その混乱の中で一人の大正生まれが突然消息を断つ。 その真相を、幼馴染の男の、息子は知る由もなかったが、その妻は後に知ることとなり・・・孫とその妻が謎解きに奔走して解明する。 ひ孫もまた謎にぶつかるが・・・ 善人ばかりのような中に、時代の波を狡賢く乱暴に泳いだ男が消えた謎。 時代に振り回されながら誠実に生き抜いた二人の男の固い友情。子、孫、曽孫それぞれの生き様。 冷静で賢い妻たちの物語でもある。 読み応えのある本でした。 以上百年のうちの90年を生きてきた婆の感想です。 [追記] 百年の轍を読んで甦る思い。 あの頃、赤みを帯びたラワンの材木をよく目にした。こんな目の粗い板、何に使うのかなと思ったら、全く見かけなくなった。今は合板の材料になっているらしい。 国策と言うものの陰には振り回されて衰退してしまう業界がある。 炭鉱は閉山して、失業者が溢れた。 林業も採算が取れなくなって山は荒れ、台風毎に倒木が電線を切り、道を塞ぐ。 新型コロナの国難では、飲食業界や、音楽演劇の世界など広範囲にわたって、パートアルバイトにも失業が及び、ホームレスが増え、自殺者が増えている。 政府は国民を守れないらしい。 戦争中、国は国民を守らないものだと肝に銘じたけれど、未だに庶民の悲鳴は、政治家の耳には半分も届いていない気がする.政治家はコロナに罹ってもすぐ入院できるが、庶民は自宅療養中に孤独死している。 自助、共助、公序の順だと言うから恐ろしい。自助ができなくなったら・・・・・悲惨だ。 国とは所詮そんなものだと、思いたくなることが恐ろしい。 熱かった60年70年安保の頃の熱気は今はない。大丈夫かな?日本。 | ||||
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今年の初読書 杉林に浮かぶ中秋の名月が美しい 以下本文より抜粋 ……………………………… 先人は『文明の前には森林があり、文明の後には砂漠が残る』という 言葉を残している。我々日本人も長い歴史の中で森や木のおかげで 豊かな生活や産業文化を築いてきた。 化石燃料と違って、木は切っては植え、と繰り返すことができる、 枯渇しない資源である。 植林の歴史が昔からあるのは中欧と日本ぐらいだと言われている。 さらに著者は、4月に施行される「森林経営管理法」が、 百年単位の産業と言われる林業を、行政が長期的ビジョンで練った法律か 否かを問う場面をさらりと描いている。 私の居住地岐阜もまた、山の国である 他人事と読まずして過ごすことが憚られ、読み進める時は コロナ禍に身を置いていることもすっかり忘れ、 ありがたき時間を過ごした。 | ||||
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これから読むところです。 | ||||
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