鏡影劇場
- E.T.A.ホフマン (1)
- ビブリオミステリ (35)
- 脱出 (172)
- 袋綴じミステリ (16)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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2015年から20年にかけて「小説新潮」に連載された長編小説。偶然見つけた古文書に書かれたドイツ浪漫派の作家・音楽家であるホフマンの謎を解明する、ビブリオミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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”出口なしの謎迷宮”というアジにつられて上巻から読み始めた。「百舌」の逢坂剛の作品だし、スペインの古本屋で見つかった怪しげな古文書に記されたギターの譜面という導入から、さては「カディスの赤い星」のような作品かと期待が膨らむじゃありませんか! そのうえ謎迷宮というからには、歴史的なミステリも絡んだりするのであれば、まさに自分の思うツボ。ホフマンというドイツの作家のことなど、全く知らないけれど、どんなミステリが展開するかとワクワクしながら読み進めました。 しかし、上下巻各600ページの文庫本を読み終えて、期待した謎も迷宮も現れず、創作と思われる逢坂剛お気に入りのホフマンという作家にまつわる話と登場人物との人間関係がひたすら聞かされただけだったような・・。「鏡影劇場」というタイトルが現す物語としての仕掛けも(作者はいたく得意げだが)どこかにあったような気がするほど驚きもしないしなあ。 作家にしろ作品にしろ、自分が取り組んできた謎と興味について大胆な仮説をもって創作する、というのであればわかるけど、これは逢坂剛の好きなものについての妄想を個人的な楽しみだけで組み立てた造作の悪いアッシャーもどきのお話に過ぎない気がします。 ホフマンという作家がよっぽど好きな人ならば楽しく読めるかもしれないが、自分にとってはただただ長いお話で、なんとも無駄な時間になった気もしたりして・・ 「写楽 閉じた国の幻」とか高橋克彦の浮世絵のミステリとか、日本でもその手の面白話は数多くあると思うけど。わざわざスペインやギターやドイツの作家まで絡ませた長尺な話なのに、今まで読んだ逢坂剛作品を知っているだけに、とても残念な印象でした。 | ||||
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ホフマン、ホフマンって、説明がダラダラと続く話。そもそも何が謎なのかも分からない話の展開に、苦しい記憶しか残らなかった。ホフマンが好きか、この作者が大好きでないと、お勧めしない。 | ||||
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説明通りの良い状態です。 | ||||
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題材とか文体とかには文句はないけど、 やたらと多い改行には辟易。会話文 とかなら仕方ないけれど、地の文でも 不必要なまでに改行がなされている。 昔、筒井康隆氏が原稿用紙の埋め方 (原稿料稼ぎの為)のテクニックを 書いていたけれど、それに倣ったの ではないかかと思う位。 いっそのこと、整列をさせて、 「番号!」 「一」 「二」 「三」 …… とかを入れて欲しかったね。 途中で間違えて、やり直しを させろって書いてあった。 それとも、ゆとり世代とかだと、 長い段落は苦手なのかな。 こんなページ稼ぎをしていなけ れば、メール便で送ってもらえ たのにと思う今日この頃であった。 改行が多いのは文体だと言われれ ばそれまでだが、だったら、文中では 引用その他があるのだから、その部分 だけでも色々変えるべきだろう。何か 年寄りで息が続かないみたいな情けない 文体。 | ||||
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ギタリストの倉石学は、旅先のマドリードの古書店で奇妙なドイツ語の古文書を手にする。幾ページかの裏には楽譜が書かれていたために倉石は興味を持ち、大枚はたいて手に入れて帰国する。その文書は19世紀ドイツ浪漫派の作家E・T・A・ホフマンの行動をその妻ミーシャに告げる報告書のようだ。倉石の妻・麻里奈はドイツ文学者で学生時代からの友人・古閑沙帆にさらなる解読を相談するが、古い文書を前に沙帆は、自らのドイツ語の師匠にあたる本間鋭太に翻訳を託す……。 ------------------------- 本間栄太なる見知らぬ人物から作家・逢坂剛に送られてきた小説原稿を、逢坂氏が新潮社の編集者と相談して出版したものです。 本間栄太が古閑沙帆を介して倉石家から託された原稿の翻訳文があぶりだす、ホフマンとその周辺人物たちの知られざる行動がひとつの柱。そしてもうひとつの柱が、奇人である本間栄太を介して見えてくる倉石家の隠された過去という、二重のミステリーが展開していきます。 ホフマンという作家になじみがない読者は、陸続と登場するドイツの人物たちが繰り広げる19世紀初頭のヨーロッパ文壇・音楽界の物語を前にして、状況が呑み込めずに溺れてしまうかもしれません。この小説がそれを理由に読者を遠ざけるとしたら残念です。 しかし私は、これまでも博覧強記のイスパノフィロぶりを披露してきた逢坂剛氏ならではの、平易明快に文章に乗せて読ませる史実と虚構のないまぜとなった奇怪な物語を、大いに楽しみました。今回はスペイン関連の蘊蓄ではなく、ドイツ浪漫派の世界に遊ぶ物語ですが、独・西いずれも好物とする私にはうってつけの書です。 19世紀ドイツのホフマンと21世紀日本の倉石家の物語が交互に描かれるこの奇妙奇天烈な小説は、その結末68頁が袋綴じ仕様になっています。この袋の中はまさに迷宮。逢坂剛氏がこの小説の作者を訪ね歩く展開を見せると、摩訶不思議なまさにホフマン的な迷路へと読者は迷い込むことになります。 上下二段組みで700頁に喃々とする大部の書ですが、2週間とかからず読み終えることができました。 逢坂剛氏の、読者を惑乱させる練達の術を堪能しました。 . | ||||
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