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興奮
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興奮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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競馬シリーズの1965年の第3作。シリーズの代表作で、最高傑作と言う人も多い。確かに話はおもしろい、傑作だとは認める。しかし私は、主人公に共感できなかったため、いまいち話に乗り切れなかった。 主人公は、超人的なまでの不屈さと忍耐をもって、さまざまな苦難と屈辱に耐え抜いて、事件の捜査を遂行する。しかし、主人公はなぜ、そこまでがんばらなきゃならないのか? 男の意地? プライド? いまいち説得力が薄いような気がする。「この人、マゾじゃなかろうか」という突き放した見方になってしまい、感情移入ができなかった。 また、ラストで主人公は人生の選択をするが、何が楽しくてそんな道を選ぶのか、と思ってしまった。人の好みはさまざま、人にはいろいろな生き方がある、と頭ではわか | ||||
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さすが競馬の本山 イギリスならではの小説。 不正行為の犯人を追うすさまじい迫力。 馬主、アダムス郷の犯行を突き止め「彼は狂人だ」と断定するるのが恐ろしかった。 教育大付属小学校の殺傷事件の宅間容疑者も同類?! そんなことが頭をよぎって。 | ||||
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本書のストーリーは、オーストラリアの牧場主が、英国障害レースの理事に依頼されて渡英、馬丁に身をやつして、馬の異常興奮に絡む八百長事件を捜査するというもの。本書もコンゲーム的トリック付きなので、言わば、割とミステリーの体裁が整った代物であるし、また主人公の決意の理由は要するに「内なる血が騒ぐ」というやつだから冒険小説的味付けも効いている、というオーソドックスで堂々たる作りの小説になっているのである。まずこの本の最大の魅力は、かくもストレートなプロットを、よくぞここまで書き切ったものだ、ということ。ぼくは正直言って前半部では、主人公の動機が無茶に感じられたことなどもあって、その地道で忍耐強い行動そのものに首をひねってしまったたものだが、問題の牧場に乗り込んでからが、言わば「あしたのジョーが特等少年院に送られた」時のような雰囲気で、突如佳境に入っていくのだ。主人公は内なる誇りを隠し、悪辣でいやな男を演じねばならない状況であるのだが、こういった時の心理描写が凄まじい。このまま自分が、演じている男そのままになってしまうのではないか、と恐怖を感じたり、自分の言動や周囲の視線に、耐え難いほどの絶望を感じたりする描写は、プロの冷酷なスパイ小説では味わえない醍醐味がある。この辺の独白が素人の女々しさと言われればそうなのかもしれないが、逆に自己の魂との相克が見せ場となり、むしろそれ自体作品の魅力となっていることは否めないはずである。しかも常に逃げ出すことのできる状況で葛藤しながらも、己れの今後の生きざまにさえ賭けてゆく主人公の心積りは、既になまなかのものではない。フランシスならではのカタルシス。耐えに耐え、内なる闘志を研ぎ澄まし、最後にきっちりと落とし前をつけてくれる男の物語。これらを確かに表現してゆく、魅力的に抑制された一人称の文体。文句なしに傑作ではなかろうか。 | ||||
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