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TUGUMI
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TUGUMIの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全106件 61~80 4/6ページ
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私は男性の書いたものを読むことが多いのですが、 この作品は女性らしさがでていて大変良かったです。 海と山に囲まれた港町の情景描写が作中のあらゆる場面に散りばめられており、 読者はどんな所で読んでいても、その世界へ誘われていきます。 そんな情景描写と夏が終わるという虚しさ、そして郷愁とか織り交ざっていて そのなかに登場する細く白い肌のつぐみをより強調させています。 ただ文章を読んでいるだけでもつぐみがいかに魅力的な女性なのかが手に取ってわかります。 | ||||
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この話は「傑作」である、と思います。ヒロインのやったことは、誰でも一度は考えるものでしょう。 この人の住居に侵入して飼い犬を殺してしまうという手合いは。やはり、この手のことを繰り返すものです。人様の住居に繰り返し侵入する。預金の明細を探しまわる。それをネタに脅す。付け回す。危害を加えようとする。合鍵まで作ってしまう。当たり屋になる。 (JR桶川駅女子大生刺殺事件の折り、加害者が被害者宅に侵入したそうで。そこまでやるのかな?と思いましたが。やくざは、普通に鍵屋を呼んで出入りしてしまう。) 当然いつかは捕まるわけで、その時は更生協力の優良上場会社に、補助金(90万/一人?)つきで受け入れられるわけです。企業側もよくしたもので、「仮出獄中に、会社の製品をーー」と言わせれば。国が買い取るでしょう。逆に買い取らなくば、そういう者はどこも一人さえ使えないという論法となるわけです。だから入所を繰り返しても、何度も呼び戻される。逆に、その故に入所を繰り返すとも言えるわけです。 権力は腐敗する。極限まで行使する。となれば、普通であれ仮出獄者であれ、際限なく回すという手もあるでしょう。し、そういう会社もあるでしょう。 しかし、おそらく。作業中の不可避の破損品を引き受けることなしには、会社に戻れません。し、実際、堅気を泣かすことなく生きられず、ほっとけば、強殺でも繰り返すことでしょう。その意味では、受け入れ先は、真に更生を願っているわけです。 しかし、その手の手合いでは、と気付いた第三者は、どういう行動にでるか?どうするか?この話は、その時を非常に希釈化しユーモラスに描いてるのかもしれません。 実際、一クラスに8名はでる、と言われる、在監者。詰まる所、物心つく前からその手のマナーを身につけるわけです。その意味でも、単なるフィクションではないと思います。 是非、「つぐみ」を読み、読者一人一人がその言動の是非を検討していただきたいものです。 つぐみとしても、不良との対決でもはや今までの自分ではいられなくなるのです。だからこそ、まぶしすぎる物語は一旦ここで終わるわけです。 (〜そういえば、まぶしすぎるという意味では。つぐみと恭一の出会いのワン・シーンが、センター試験に出題されてもいますね) ちなみに、「盗犯等の防止・処分法」により窃盗・強盗の類を返り討ちにしても無罪だったりするわけで。考えることは、誰でも、という所でしょうか。 | ||||
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吉本ばなな、初期の作品。 ヒロインのつぐみの性格がとても好きです。 口が悪く、いつも人に憎まれるような言動の彼女。 しかし、同時にいつも自分の心に素直で、その姿は凛としています。 そんな彼女のことをよく理解している「私」まりあも好きです。 タイトルには、つぐみを指して最も好きな主人公と書きましたが(巻末の解説に合わせて)、本当はこの本の主人公は、まりあであると私は思っています。 登場人物と魅力と、読んでいて潮の香りがしてきそうな作品の世界、ぜひ読んで頂きたいです。 また、個人的には巻末の解説に載っている対談が、著者吉本ばななの心の内を垣間見た気がいて、印象強かったです。 | ||||
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童話のような透明感があります。 遠い昔どこかに置き忘れた心の何かを取り戻してくれる、 場所は違えど、確かにあった目の前の風景を心に呼び戻してくれる、 そんな本です。 TUGUMIという人物を通して読者がそれぞれなりの解釈ができる、 自由度の高さもいいと思います。 TUGUMIのストーリー全体に流れる暖かさもとてもいい。 作者はそうではないとのことですが、とてもとても暖かい と感じるのは僕だけだろうか? 語り手の「まりあ」の父の語録 「恋っていうのは、気がついた時にはしちゃっているののなんだよ、 いくつになってもね。 しかし、終わりが見えるものと、見えないものにきっぱりとわかれている、 それは自分がいちばんよくわかっているはずのことだ。 見えない場合は、大掛かりになるしるしだね。 うちの今の妻と知り合ったとき、突如未来が無限に感じられるようになった。」 こんなことを真顔で娘に話せる父親になりたい。 | ||||
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主人公のつぐみは我が儘放題で嫌な奴なんだけど、 何故か彼女に魅かれてしまう。 それは、彼女が普通の人より「死」に近い存在で、 僕たちが目を背けてしまうものをしっかりと見つめて生きていて、 その強さに憧れとか尊敬を感じるからだと思う。 賛否両論があるみたいですが、私はこの本の流れるような切ない描写が 心に響いてきました。 | ||||
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いや〜つぐみちゃん可愛いね〜(笑)何が良いってつぐみちゃんの性格と容姿のギャップがグレイト!!!性格は可愛く言えば、おてんば?容姿は町一番の美女!さらに成績優秀! 美女なんてどこにでもいるもんだけど、こんなにスカッとした美少女いないんじゃないかな?あとやることなすことめちゃめちゃなとこが、なんだか反抗期のときの自分を思い出して親近感が湧きました^^; そんなつぐみですが実は病気で身体が超超弱い(爆)そんなたくさんの魅力が詰まったTUGUMIをどうかご覧あれ〜絶対面白いと感じるはずです! | ||||
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描写はとても美しいです。海に行きたくなりました。 けれど主人公がひたすらつぐみを美しく描写するばかりで、当のつぐみから一体何を感じ取れば良いのか「?」でした。 今となっては病弱なつぐみが落とし穴掘って熱だした話としてしか認識できていません。 最後のつぐみの手紙も読者への意図がよくわかりません。 吉本ばななさんのハードラックやキッチンは好きですが、この作品は読者を置いてきぼりにしているよなあと思いました。 | ||||
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吉本氏の本には肯定的な評価のほうが多いようなので、 あえてあまり評価できなかった自分の意見を投稿してみます。 つぐみというワガママなお姫さまの奏でるノイズが凄まじかったのは印象的でしたが、 あとは正直よく分かりませんでした。描写が淡々とし過ぎていて、怖かったです。 どうして吉本氏はこんなに冷淡でうるさい文が書けるのでしょうか。 読むとストレスが溜まる文章です。 | ||||
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「ツンデレ」という概念が定着しきった感があるが、 「あなたにとって初めてのツンデレ」は誰かと聞かれたら間違いなく「つぐみ」 と答えるだろうね。(実際つぐみにデレの部分なんて1割ぐらいだが) そのぐらい印象が強かったということ。 文章の読みやすさ、特に風景描写は簡潔でイメージしやすい。 青春もの・ひと夏の・恋愛・成長 というキーワードが入った文章が好きな人は ストレスなく読めるでしょう。 読んでも損はしないと思う。 | ||||
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文章も読みやすく、 グイグイ引き込まれていく内容でした。 「つぐみという性格の悪い病気がちな女の子がいて…」 という断片的な内容を聞いた上で読み始めたのですが、 想像していたほど性格も悪くなかったですし、 そこまで切なくなるようなものでもありませんでした。 評判がかなり良かったので期待していましたが、 残念ながら期待していたほどではありませんでした。 少し短く感じたので、 エピソードの数を何個か増やしてもらいたかったです。 とはいえ、 評価としては、 ギリギリで星5つくらいです。 | ||||
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吉本氏の本には肯定的な評価のほうが多いようなので、 あえてあまり評価できなかった自分の意見を投稿してみます。 つぐみというワガママなお姫さまの奏でるノイズが凄まじかったのは印象的でしたが、 あとは正直よく分かりませんでした。描写が淡々とし過ぎていて、怖かったです。 どうして吉本氏はこんなに冷淡でうるさい文が書けるのでしょうか。 読むとストレスが溜まる文章です。 | ||||
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吉本ばななの出世作 すでに20年近く前になる本なのですね。 この小説は1989年にマリクレールという雑誌で連載されたものを 単行本化、文庫本化したものです。単行本化した際に 山本容子の素敵な装画がとてもすばらしい本です。 ぜひ単行本を探して手に取ってください。 内容は他のレビューと同様なので割愛させてもらいますが 女性の輝いている一瞬をとらえた小説として、貸したら そのままはまってしまい帰ってこない本の一冊です。 携帯電話の出ない少し古めの内容ですが、今でも 楽しく読める小説です。とてもお勧めです | ||||
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この小説は、何をとってもきれいだな、と読み終えて感じています。 3人の女性の生き方や、本当に日常的で、でもちょっと貴重な思い出、 夜や、町の香りの描写、一つ一つがキラキラと輝いて心に残りました。 主人公の大学生まりあは、母親とともに居候し、子ども時代、青春時代を 過ごした従姉妹の陽子・つぐみが暮らす伊豆の旅館に帰省します。 大学生になったまりあの物語と、一つ一つ思い出すように語られる小さい ころの話が、絶妙にブレンドされていて、きれいです。 特に、好きなテレビの最終回が終わってしまった夜、眠れなくて 3人が同じように外に出て、散歩する描写は、 その思い出も、その描写も本当にきれいで、このシーンは大好きです。 読むたび読むたび、自分のことも思い出されて、 本当にささいなエピソードが散りばめられていて、ステキです。 3人の主人公が三様に美しく生きる女性として描かれ、 その背景の、まさに情景と呼ぶにふさわしい、 想像力をかきたてられる精緻な描写がそれを引き立てています。 最後のくだりもすばらしかったです。ぜひ、手許において、 何度も読み直したい、小説です。 完成度の高さ、という点では群を抜いていますし、 天才的な描写の美しさでありながら身近さな視点でもあって、 読者と同じ視点で書いている、という感じにも魅かれました。 | ||||
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病弱な美少女つぐみと、従姉妹のまりあの、ふるさとでの最後のひと夏を描いた物語。 つぐみは、乱暴な言葉遣いで、これでもかという位、性格が悪い。つぐみがまりあを怒らせた「おばけのポスト事件」、街に引っ越してきた青年との初恋、不良への復讐など、ぞっとするような行動をとるつぐみだが、そこにはいつも、彼女なりの優しさや、純粋さが表れている。物語の一番の魅力は、この「つぐみ」自身だろう。 また、つぐみとまりあが育った場所は、この夏を最後になくなってしまう。(つぐみも、まりあもこの場所を去るため) この物語に出てくる誰もが、「もう二度とこの場所には戻れない」と分かっている。 子供から大人への移り変わり、このどこか物寂しい雰囲気が、物語をさらに彩る。 | ||||
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吉本ばななさんの小説を、初めて読みました。 エッセイの、ぶっ飛んだ感じとは違って、 キレイな読後感に、少し驚いてます。 病弱で、わがまま放題の美少女’つぐみ’との旅館での出来事が まるで自分が経験しているかのように、身近に感じられます。 そして、人と人との繋がりって、あったかいなーとか、 人間って、残酷だ。。。と思ったりしました。 おもしろい本だった。 | ||||
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友達にすすめられてこの本を手にとりました。吉本ばななさんをはじめて読んだのは『白河夜船』だったので、大人しめの純文学ではなく、こんなにいたずらで、清清しい、物語主導のものも書いているんだと少しびっくり。知らなかった自分が悔やまれます。 読んでいる最中に、無性に、ありもしない自分の海で過ごした郷愁みたいなものを掻きたてられます。私は、幼少時代を海で過ごしたわけじゃないけど、この作品を読むと、学校や親や未熟な恋なんかに支えられ、保護されていた時代の、自分の透き通るようなあの、何といえばいいかわからない寂しさやワクワクや友情や愛情が、よみがえってくるような気がします。 例えば放課後の学校の校庭でブランコをこいで友達と語り合ったことや、はじめて男の子と手をつないだり、夏祭りに出かけた時のことが、つぐみとまりあ、恭一、陽子という登場人物を追うことで、なんだか切実に思い出されてくるのです。 そしてその頃に対する気持ちは、まりあが語る静かな口調に、実に絶妙に表現されていて、ぞくっとしてしまう。 かけがえのない、二度と取り戻せない、本当にはかない煌く瞬間を、吉本ばななさんという人は、それはそれは丁寧に書く人だ、と思いました。 読んだ直後、本当に涼やかな気持ちになって、青春の思い出がひとつ増えたような感覚がしました。そして同時に、海が見たい、海に潜りたい、そう強く思わせる傑作でした。 | ||||
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病弱でわがままで横暴なつぐみが巻き起こすぶっ飛んだ事件の数々、そしてその彼女を取り巻く素敵なひとびと。 爽やかに語られるつぐみとの思い出、なんだかハッピーな展開、でもってまた最後はつぐみにやられちゃう。 なかなかいいですね、この世界観。 すごく懐かしく、甘酸っぱい、でも人生について考えさせられるような、そんな不思議な物語です。 ちなみに、かなり泣けます。というか泣きました。 すごく気持ちのいい小説なんですが、あまりにもつぐみが素敵すぎて、涙がぽろぽろこぼれてくるんです。 油断してると泣かされます。 最後の数章は確実に泣かされます。 ということで、気持ちよく泣きたい人にオススメの小説です。 もともと連載小説だったらしく細切れに読んでも楽しめるので、電車の中で1章ずつ読んでいくという読み方もありかもしれませんね。(電車の中で泣いちゃっても知りませんけど (^^) | ||||
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最初読んだ時は、つぐみのイタズラに 私までイラついてしまいました(笑 つぐみは病弱だけど、 内面から湧き出る力強いエネルギーにはすごいものがあり、 それがつぐみの魅力なのです。 私が思うこの本の魅力は、”初夏のキラキラした輝き”と 情景描写ですね♪♪読んでるだけで情景が伝わってくる。 読後はさわやかな気持ちが残ります。 | ||||
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確か初めて読んだ吉本ばななの本がこれだったと記憶している。 吉本隆明の娘にして ばなな 等とふざけたペンネームの作家だと思った事が本書を手に取ったきっかけである。一読して驚嘆した。 主人公のつぐみが「病弱の美少女にして暴君」という設定はありがちな気がするが とにかく 物語の流れが実に流暢であり 本当に読みやすい。「読みやすい」という事は 「簡単に書いてある」という意味では全く無い。「読みにくい」本が その「読みにくさ」で妙に評判が良い点は いくつかの哲学書などに見られるが 本当は本末転倒なのだ。作者は伝えたい何かがあるから 著作するわけであり その「伝える」という作業には大変な才能が必要なのだと思う。 その意味では 吉本ばななは その才能に恵まれた点が はっきりと読み取れる。 綺麗な話だ。一種の童話と言っても良い。そう 童話も読みやすさが最も大事なのだ。 | ||||
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吉本ばななの仲でいちばん人気のある作品? 病弱の美少女、という設定で最初引くのだが、ありきたりにならず、性格設定がうまい。わがまま、いたずらしほうだい。 そのつぐみの性格が引き立つのは、やはりからだが弱いから。つぐみの魂は生命力ときらめきで溢れているのだけれど、肉体はその生命力を存分に発揮できない。しかし、だからこそつぐみのきらめきが、美しく読みやすい文で伝わってくる。 吉本ばななは人生を否定的にとらえていて、だからこそ肯定的な小説を書きたいと思っていたらしい。この小説には優しさがあふれている。つぐみの持つ悪意は、決して他人に同情されるだけの存在でありたくない、人間として強くありたい、という表れであるし、それは「ポチを食いたい云々」の話にすべて集約されている。 一夏の情景を見事に切り取った、真にきれいな小説。傑作。 | ||||
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