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(アンソロジー)
短編ミステリの二百年2
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短編ミステリの二百年2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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なし | ||||
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とてもミステリとは思えない短篇が多い。全体的に打率はせいぜい5割といったところ。あとの5割は読まなくてもよかった。 最悪なのは無駄に長い巻末解説。語り口はどうやら都筑道夫の「黄色い部屋はいかに改装されたか」を真似ているようなのだが、本家には遠く及ばず、ことさら通ぶっているところだけがイヤミな感じだ。解説は本編と切り離して別巻にしてほしかった。 ひとつ事実関係で見逃せないのは、EQMM創刊号に乱歩訳として載った「妖魔の森の家」を本書p.585で「名前だけだったという話ですが」と書いていて、別人の訳に名義を貸しただけだったことを匂わせている。しかしこの訳は講談社文庫版の乱歩全集にもちゃんと収録されていて、いわば真正乱歩訳のお墨付きが与えられているものだ。通説に異を立てるときはその理由を詳しく述べるべきだと思う。 | ||||
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ミステリの億隻を短パン小説で示した労作.必ずしも、いわゆるよくできた作品だけでなく、周囲を見て時代を語れるような作品が選んであるのがいい。最後についているあとがきも、ミステリ史として、なかなか一つの本では売りにくいだけに、いい機会に読むことができた。 | ||||
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「挑戦」は美しくも刹那的な女性像を切り取ったスケッチとして極上。続く「プライドの問題」「チャーリー」はかつてミステリマガジン誌に頻繁に紹介されたいわゆる都会小説の流れを汲む作風だが、これらの掲載に顕著なようにミステリのジャンルを意識的に広げて行こうという気運に満ちていた常盤新平〜太田博(各務三郎)時代の同誌に編者が影響されて本アンソロジーシリーズを編纂しているのが良く分かる。残念ながら今ホームズ特集の連発で糊口を凌いでいる同名の雑誌にはその面影はまるで無いが。 スラップスティック・コメディの雰囲気すら感じる狂騒の中にオプの冷静な推理が光る「クッフィニャル島の略奪」、ヘミングウェイを想起させる「ミストラル」、やはり名編としか言いようもない「待っている」、グルーバーのストーリーテリングの才気が堪能出来る「死のストライキ」、名調子と言わずにおれない「探偵が多すぎる」、英国探偵小説の典雅な魅力溢れる「真紅の文字」、短い紙数ながら余韻深い「闇の一撃」、単なる倒叙ミステリの枠を超えた不気味さをたたえた「二重像」。収録作品のクオリティの高さには心底満足させられたが、それに増して編者による長文の評論は読み応え十分。短編ミステリ史を丁寧になぞりながらも着眼点の斬新さ、意外な論旨には興奮させられる。 | ||||
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予想した通りのいい内容でした。 | ||||
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第1巻にも増して、この厚みに怯んではいけない! 読み応え十分。これは楽しい。バラエティとクオリティに圧倒される珠玉の傑作群。 加えて、小森氏の短編ミステリ論が、質・量ともに、なにしろ読ませる。唸らせる。知らず知らず、前半の短編を早く読み終わりたいと考えてしまう。第2巻も絶好調だ。 ミステリ好き、短編好き、読書好き、いや、嫌いな人にだって、薦めたい。 | ||||
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第2巻の収録範囲について、編者評論に明確な記載はないようだが、選ばれた作品と編者評論の対象範囲からは、戦前ハードボイルドと戦前及び戦後早期の英米ディテクティブストーリイと思われる。 第2巻の頁数は686頁で、第1巻の558頁に比べて120頁以上厚くなっている。短編集のほうが約46頁の増量、編者評論のほうは約80頁の増量。うれしいな。 短編の数は第1巻より1編減って11編なのに、厚くなるのは、当然、長いものが多いからである。一番長いロイ・ヴィカーズ『二重像』は約62頁でほぼ中編。ハメット、グルーバーも50頁前後で長い。編者評論が長いのは佳境に入ったということかな。 第2巻に収録された11編を年代順に並べると、1925年ハメット『クッフィニャル島の略奪』、1931年ホイットフィールド『ミストラル』、1936年マロニー『チャーリー』、1938年グルーバー『死のストライキ』、1938年アリンガム『深紅の文字』、1939年チャンドラー『待っている』、1940年ラ・ファージ『プライドの問題』、1949年シュールバーグ『挑戦』、1952年クリスピン『闇の一撃』、1954年ヴィカーズ『二重像』、1956年スタウト『探偵が多すぎる』となる。 全部新訳とのこと。『待っている』は深町眞理子訳、『クッフィニャル島の略奪』は門野集訳、『二重像』は藤村裕美訳、『死のストライキ』は白須清美訳等等。 『世界推理短編傑作集』との重複作品はない。『世界推理短編傑作集』に別作品が選ばれているのは、ハメット『スペードという男』、スタウト『証拠のかわりに』。アリンガム『ボーダーライン事件』である。 短編集私的感想 〇第1巻では編者は「ディテクションの小説の影の内閣」を強調し、ディテクション(謎解き)の小説以外の小説から選んでいた。今回その方針がどうなったかはっきりしないが、収録されたスタウト、アリンガム、クリスピン、ヴィカーズの作品は、謎解きの面白さを褒めているので、今回は第1巻と異なり、ディテクションの小説を積極的に選ぶ方針と推測する。 〇著名な作家や作品が多いので、読者の関心は作品の読後感よりも、小森氏がその作品を選んだセンス(読後感と無関係ではないが)の方に向きがちになる。そこで、実に、大変に失礼とは思うが、小森氏の短編選択への私的共感度を5点評価でつけてみる。 5点・・チャンドラー『待っている』(ほかの選択でもよいが、最大公約数的にはこれか)、ハメット『クッフィニャル島の略奪』(これぞアクション&ディテクション)、シュールバーグ『挑戦』(ハードボイルドでなく、ディテクションでもないが、巻頭に置くにふさわしい傑作)、グルーバー『死のストライキ』(厳密に言わなければ、ディテクション)。 4点・・ヴィカーズ『二重像』(難しいテーマに挑戦。この作品の選択は無難)、クリスピン『闇の一撃』(最初に出てくるプロフィールが最後にぴたりとはまる)。 3点・・アリンガム『深紅の文字』(ほかにありそうだが)、スタウト『探偵が多すぎる』(ほかにないのかな)、ラ・ファージ『プライドの問題』(傑作『挑戦』を読んだあとなので、この話はウーン)、マロニー『チャーリー』(いたずらがそれなりの罰を受けたということか)、ホイットフィールド『ミストラル』(選択はよい。話の展開が好みでないだけで) 評論私的感想 〇今回は快調。たいへん面白く、読みやすく、一気に読まされてしまう。 〇むろん、賛成できない所はいろいろあるが、重大ではないし、書くと長くなってしまうので略 〇ハメット、チャンドラーの長中短編評価面白い。ハメットでは長編のみ絶賛の通説(?)に抗して、短編の積極的評価に取り組んでいる。チャンドラーについては、長編より中編のほうができがよいとする稲葉明雄の見解に意地悪な反論(これはよくない)をした上で、中編は長編にかなわないとする。そして、もしも、チャンドラーが『待っている』のような傑作短編を次々書くことに力を注いでいたら、『ロング・グッドバイ』は書かれなかったかもしれない、と読者を脅すのである。 〇第1巻で『クィン氏の事件簿』(1930)の読み返しの予告が出ていて、今回その結果報告がある。編者は第1巻で1920年代のクリスティの短編集を酷評した上で、クィン氏は別としていたが、今回も褒めているような、褒めていないような・・個人的には的外れと思う。 〇収録作品の私的ベスト5を選ぶと、第1位『クッフィニャル島の略奪』、第2位『挑戦』、第3位『待っている』、第4位『死のストライキ』、第5位『二重像』、次点『闇の一撃』。 私的結論 〇第3巻熱烈期待。 蛇足 〇ハメット短編全集は完結するのだろうか? | ||||
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