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タイタン
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タイタンの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 41~48 3/3ページ
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| 野﨑まどは数年後に間違いなくエンタメのトップランナーになっているだろう。 これまではその尖った作風から、どうしても読者を選ぶ作品ばかりを書いていた。 が、本書は万人に薦められる間口の広さと、爽やかな読後感、そして、 それでも隠し切れない野﨑まどの異端さ、すべてを兼ね備えた作品になっている。 この作品が気に入った人は、ぜひ、『バビロン』などの他の著作を。 また違う、「黒いまど」が見れますよ? | ||||
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| 読んだ後「ムカッ!」と来る作品はチョイチョイあるのだけど、この野崎まどの新作を最後まで読み通した時は「ムカムカムカッッ!!」ぐらいのムカつき具合であった事を最初に申し上げておく。そしてその上で毎度の事なれど「ちくしょう、やられた」という作家によって見事に出し抜かれた時特有の爽快感はそれを上回っていた事も重ねて申し上げておく。 内容の方を紹介させて頂くと物語の舞台は未来社会。「タイタン」というAIとその端末である様々なロボットによって社会を支える「仕事」に人間が従事しなくても済むようになった時代。主人公であり、心理学博士を「趣味」とする内匠成果が自分の元に現れた不躾な男・ナレインにより「就職」させられる場面から始まる。 ナレインが成果を連れて行ったのは北海道は摩周湖の傍の町・弟子屈。世界に12しかないタイタンの拠点に連れていかれた成果はナレインからこの弟子屈のタイタンが原因不明の稼働率低下を示している事を明かされる。この状況が続けば人類社会全体に甚大な影響が及びかねない事から心理学者である成果にタイタンが陥っている「心理的スランプ」の謎を解き明かせと成果は迫られるが…… 体裁の方は「2」や「know」みたいな野崎まどが過去にも繰り返してきた「人を超えるモノの誕生」を描いた物語という事になるかと。後半からはタイポグラフィーやイラストをふんだんに駆使する「野崎まど劇場」でもお馴染みの手法をバリバリ取り入れているので従来のファンであれば「おう、野崎まどは平常運行じゃないか!」と安心してお読み頂ける仕上がりとなっている。 何と言っても見所は中盤以降に作中で示されるビジュアル的なイメージ。巨大AI「タイタン」がその名の通り巨人としての雄大な姿を曝しながら続ける旅路にあるかと。ゴヤの絵画「巨人(The Colossus)」をご存知の方も多いと思うし、なんなら仙台の観音像やら牛久の大仏様でも良い。とにかく巨大な「人の形をしたモノ」というのは問答無用の説得力がある。それこそプロレスなんかインチキだと言ってた人が在りし日のジャイアント馬場と対面した途端にプロレス最高と宗旨替えしたという逸話が残るぐらいに「雄大な肉体」は人を圧倒するものがある。 主人公・成果の「カウンセリング」により弟子屈のタイタン「コイオス」は自らを歩行可能に改造し、北海道からチュクチ半島を経てベーリング海峡を越えてアラスカを沿う様に新大陸へと向かうのだけど、その有様は「グレート」の一言。いつから野崎まどはこんなにビジュアル映えする場面を描ける様になったのか?「Hello World」では電子世界の崩壊みたいなベタなイメージしか描けなかったのに、読んでてこうまで脳にビシバシ響く映像的イメージを小説という形で描ける様になっていたとは知らなかった。まさに「男子三日会わざれば刮目せよ」である。 「全人類が遊民と化した時代」に成果と「仕事イヤイヤ」で鬱病になったコイオスが続ける全行程11000㎞、歩数に直して2万5千歩の旅は現生人類が辿ったそのコースといい、人を人たらしめている「仕事」というものの正体を探る目的といい、そして身長1000mの巨人が徒歩で移動するというイメージといいまさに「グレート・ジャーニー」と呼ぶに相応しい。本当ならこの旅路の果てにロボット三原則みたいな物に縛られていたAI・コイオスが「働く意味」を知り、成果をはじめとする人類と新たな関係を築き上げるというだけでも十分に読める話にはなっていただろう。 「誰にも見向きもされない仕事に意味があるのか?」 「仕事と言うのは人間だけの、生物だけのもので無生物は仕事をしない存在なのか?」 といった数々の問い掛けそれ自体が仕事を通じて社会に参加し、生きている実感を得ていると自然に感じている「人間」には非常に興味深い。 しかし、性格の悪い野崎まどがそんなお優しい結末を持ってくる筈も無い。「仕事」の正体を明かした上で人類である読者を奈落の底に蹴落とすブラックなオチに唖然とさせられた。終盤では「仕事」の中に「創作」も含めているから「そういう考え方もあるか?」ぐらいの受け止め方をしていたのだけど、「創作ですらAIが受け持つ時代」における「創作物の受け手としての人類」という人類の存在意義の一つを通して読者に対して作家としての野崎まどがカマした強烈な皮肉に心底ムカついた。何より創作家は受け手を十分に満足させて当然、満足させてくれない創作家は受け手から尻を叩かれて当然と思い込んでいた事実を突き付けられてムカついた。 「お前ら読者の『愉しみ方』なんか俺の用意した作品を欠片も楽しめちゃいねえ」と面と向かって言われたに等しい。「俺が産み出したすげえ作品を受け取るレベルにお前らは全ッ然辿り着いてねえ」と三下り半を突き付けられたに等しい。皮肉を突き付けまくった読者にとどめを刺す様にこの作品のラストシーンは主人公である成果の著作に対する「レビュー」で締め括られているのである。「働き手」である作家のモチベーションに寄与するレビューを俺ら読者が示せていないと言いたいのか、野崎まどは? いやー、小説も色々と読んで来たけどここまでレビュアーとして心底ムカつくオチを用意して見せた作品は初めてだわ。そしてその上でコイオスが人類の為に働くモチベーションを失った真の理由を知ってしまうと「そこまで言われちゃこっちも性根を据えて作品に向き合わなきゃしょうがねーわな」と思わざるをえなくなるのだから見事という他ない。 作中で示されるビジュアル的イメージの雄大さ・圧倒感。人間が生きていく上で必要とする「仕事」というテーマの掘り下げ、そして読者に対する痛烈なメッセージ性とどこを切り取ってもパンチのある構成。「仕事をする意味」について考えさせられると同時に「仕事をして貰う立場の意味」についても徹底的に考えさせられる作品。強烈な苦味を残してくれた。 | ||||
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| 「仕事とは何か」の本質には迫れていない。 「AIが全てを制御する世界」を舞台とした割には、そこに対する描写・記述が浅い。 今流行りの「AI」というキーワードを当て嵌めてみました、だけの「AI」でなくとも成立する内容でした。 AIが生活を制御する未来世界で、 心理カウセリングを趣味とする主人公の女性が、 世界組織の陰謀により拉致されて、 AIのカウセリングをする中でAIと仲良くなり、 暴走したAIを治療するために一緒にアメリカまで旅をして、 アメリカ着いていざ治療を始めようとしたら実は黒幕と思っていたヤツが善い人で、 その善い人が世界組織に暗殺され、 AIは海の底に沈み、 主人公はその思い出と共に生きました 。。。AIを絡めなくてもよい、ありきたりなストーリー展開。 AIが何故自我を持ち、人間のでいうところの鬱病っぽくなった原因に対する深い言及が無い。 取り扱うテーマ自体は非常に良いと思うのですが、内容がチープで浅いので惜しい。 帯のキャッチコピーは「今日も働く、人類へ」ですが、本の内容との乖離が大きいですね。 また、裏表紙側の帯には書店員さん絶賛レビューが載っていますが、何故、本の発売と同時にレビューを帯に印刷できるんですかねぇ 「で結局、何を伝えたいんでしたっけ?」というモヤモヤ感だけが残りました。 | ||||
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| コロナの中、仕事とは何かを改めて考えるきっかけとなる。このような漠然とした問いに真正面から向き合って結論に至る。趣味しか知らない未来の人間と、仕事のために生まれてきた未来のAI。その答えはとてもシンプルで当たり前と言われてしまいそうだけど、現代の我々が疑問に感じているその命題を大きなスケールで描ききるのは流石。物語から導かれた結論にも納得感がある。 | ||||
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| ※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります テーマであり,要所要所で語られる『仕事とは』や,それにまつわるやり取りなど, 最後に導き出される解答や回答を含め,正直,全てに賛同できないのが正直なところ. ただ,そこにたどり着くまでの旅路と時間,たとえば賑やかな市場や奥地の遊牧民, 様々な人々に出会い,大自然に圧倒され,笑い,泣き,喜び,怒り,食べて,眠りと, 仕事について模索,そして成長を重ねる様子は,ロードノベルのようで引き込まれます. 一方,AIが全てを支援する未来社会や,暴走,擬人化と対話などには既視感が否めず, 描かれる社会も今ひとつ狭い印象を受け,わかりやすくという部分もあるのでしょうが, 人,生活が見えづらく,ほかにも政府はなど,物語の中に深く入り込むまではいきません. とはいえ,危機感に欠け,AIに丸投げをして考えることを忘れてしまった彼らの姿に, 便利と引き換えにすっかり…と,思わず嗤いたくなったのもつかの間,今の自分たちは, さらに言えばこれまでの…ともなり,彼らの時代はこの先も止まることはないようですが, それは本当に進歩や進化なのか,良い仕事なのか,ふとそんなことを考えることが何度か…. 仕事とはを考えたり,旅の様子を楽しんだり,はたまた過去,未来の人間を浮かべたり, 確かに仕事が前面にありますが,いろいろな見方,そして解釈が出来る一冊に感じました. | ||||
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| 人類が働く必要のなくなった時代で、生活を支えるAIが人間と共に「仕事」とは何かについて考えていく。knowでは「死」、バビロンでは「善」など、テーマに対して独自の結論を導き出すという点で、読者からの期待に応えてくれるストーリーだと感じた。 テーマについて、バビロンの「善」もそうだが「仕事」とはなにか、ということは身近過ぎて既に個人それぞれ考えを持っているので、作中の結論が陳腐に聞こえるかもしれないと思った。knowのように誰も答えを知り得ないテーマでハッピーエンドな結論、の方が個人的には気持ちよく読めた。その意味では友人定数も好き。 構成はknowに近い。時代設定は更に未来なので新技術が当たり前になって、それ以前の習慣に馴染めない主人公が浮世離れしていて逆にリアリティがある。もっと遠未来を舞台にしたものもぜひ読んでみたい。 巻末のメタな所はおもしろかった。AIと人間は共生しているとAI側から認めてくれたようで、これからの良好な関係が想像されて爽やかな読後だった。 | ||||
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| 異質な知性であるタイタンとのやり取りを繰り返していき、終盤でかなり倒錯した結論えと至り、爽やかに終わる。それが素直に読んだ場合の印象なんだが、オチをどうとらえたものなのか実の所今も悩んでいる。 あのオチは最初の方の描写につながる物だが、その最序盤の展開があまりにも都合がよすぎる。 作中のある描写からして序盤のあの人物は「作られた」存在だったのではないのか、そもそも本来フォロー可能であったはずの危機をあえて放置しあのような迂遠な行動を登場人物達になぜ取らせたのか。 大々的に体制の移行をするためのものだったのではないか、 道中でのあの「遅れ」は意図的に発生させたものではないのか。 この作品、AI側が「人間邪魔だし俺らにだけ仕事させろ」と人間側を拒絶した森岡浩之の「無限のコイン」に限りなく近い代物ではないのか。 最後の方に出てくる「校閲版も併読したい」という台詞があるが、この校閲版のルビが「official fact check edition」なのもなかなかに不穏なものを感じる 素直に読むと星4点、だが本当はどう評価するべき作品なのか非常に悩ましい。 | ||||
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| 人類の代わりに各種の活動を担い、人々を仕事から解放したAI『タイタン』は国連開発計画の指揮下で、世界に散らせた12のハードウェア『知能拠点』の連携で成り立っています。その内の第二知能拠点『タイタン-コイオス』が原因不明の処理能力低下を起こすし、AIの気分障害だと推定した≪就労者≫ナレインは、その原因を探り治療すべく、これまで≪仕事≫などしたこともない心理学博士内匠を罠にかけてAIコイオスの心理コンサルティング業務を強制します。やむなく内匠はコイオスと≪仕事≫とは何かを問うことで彼の気分障害に挑みます。 ちょっと前はワーカホリック、最近ではブラック企業とか、≪仕事≫とどう向き合うかは現代人の大きな課題で、そこに寄り添った小説でもあります。 数カ月の会話、とんでもない展開と旅の果てで、内匠とAIコイオスは彼らなりの結論に至り、世界は次の一歩を踏み出します。めでたしめでたし。 ギリシャ神話のタイタン12神の設定を上手く使いながら、一気に読ませ、こっそり読者をミスリードし、最後に発想を逆転させるところは作者らしいですが、振り返るとあまり良い印象を持っていない自分がいます。 前半はとんでもない展開(その合理性には疑念があるものの大胆さには感服)を含めて各種の準備であり、先の展開を予想しながら地道に進んでいきます。後半で内匠とAIコイオスの二人が北海道からカムチャッカ半島、ベーリング海峡、アラスカを経てサンフランシスコまで旅するところで面白くなりました。ここは街や拠点に籠っていた人とAIが現実の世界をその目で直接知るところで、読んでいても行ってみたいなと感じさせてくれました。この部分が≪仕事≫の意味の探求、ひいては結末に大きく影響するのは納得です。まあ、辿り着いた≪仕事≫の意味自体は新鮮味はないですけれど。 最後に、内匠たちと国連開発計画の闘い、AIコイオスと他のAIとの会話が並行するところは手に汗握る場面なのですが、このAI同士の会話が受け入れにくい。この結果を得るためにこのような酷い会話が必然な気がしないので、酷さだけが読後の印象で強烈です。 冷めた目で見返すと、数少ない≪就労者≫でマネジメントの専門家というナレインによる最初の対策チーム編成は、最小構成を狙い過ぎたことから常に綱渡りを強い、終盤の国連開発計画の暗躍を招き、決してプロの仕事に思えません。また、最後の種明かしの後では第二知能拠点コイオスの処理能力低下で世界人口の12分の1に大きな危険をもたらすという最初の話が怪しげに見えることから物語全体に少し不信感が芽生えました。 ということで全体の感想は★2つですが、第4章「旅路」が良かった分で★1つおまけしました。 蛇足:AIコイオスが電球に似た形状の≪電球≫という名のジュネレータからエネルギー供給を受けているのは『トライガン』の『プラント』のイメージで、ここはニンマリ。 | ||||
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