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暗鬼夜行



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暗鬼夜行

暗鬼夜行の評価: 3.83/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.83pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(1pt)

田中角栄を高く評価していた著者がこれを書くのはギャグに近いのでは

東京輪舞で田中角栄を高く評価していた著者が、権力の為に汚職を行う作中の浜田議員を辛辣に描くのはギャグという他ないのでは?というのが正直な感想。
田中角栄の評伝は多数読んでるが、田中角栄の方が桁違いに汚職を行い金をバラマキ(ジャーナリストにすらばら撒いている)、メディアに圧力をかけ、最後まで権力に執着して子分に裏切られて消えていった政治家だ。田中角栄が良くて浜田議員をここまで辛辣に描くのは道理が通らないだろう。
そもそも、現代人は田中角栄を美化しすぎだ。(そもそも人は昔を美化したがる)
物語としても読書感想文の盗作という些細な問題を雪だるま式に広げていくのは面白いといえば、面白いがやはり話として無理があるだろう。所詮は読書感想文である。
暗鬼夜行Amazon書評・レビュー:暗鬼夜行より
4620108499
No.11:
(3pt)

途中は読み飛ばそう

同じ著者による機龍警察シリーズは抜群に面白いし、推理作家協会賞を受賞した「土漠の花」も傑作。執筆ジャンルが幅広いなとは思っていたが、本作はなんと学園ミステリー。期待して読んだ。

 最後まで読めば、それなりに盛り上がりもあって納得はするのだけれど、途中で明らかに頁数稼ぎとも思える部分があって個人的には少なからず白けた。それがなければなあ・・・と思う。

 ありていに言えば、面白いことは面白いが、400頁を要する内容ではない、ということだろうか。大まかなストーリーとその結末が知りたいのなら、思い切って途中はすっ飛ばして読んでも良いと思う。
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4620108499
No.10:
(2pt)

出だしは面白かったが全体的には納得がいかない

読書感想文コンクールの過熱や、SNSによる疑心暗鬼など、割と出だしは面白かったが、盗作されたという元の入賞作品をだれが見ることができたのか?という点において描写が甘く、そこからいろいろな点で納得がいかなくなった。オチはあーなるほどねとは思ったし、ラストの主人公にはニヤリとさせられた。が、読書感想文&読書という趣味そのものをこういうふうにネタにされると納得がいかない。私だけかもしれないけど。
暗鬼夜行Amazon書評・レビュー:暗鬼夜行より
4620108499
No.9:
(3pt)

月村了衛の筆力の高さは素直に認めますが、中学生の描き方があまりにも大人びています

上手な作家ですね。改めて月村了衛の腕の確かさを確認した小説でした。
人間の欲が、たかが「読書感想文」をされど「読書感想文」にしていく過程の展開はお見事でした。ストーリーテラーとしての月村了衛の凄みは十二分に伝わってきたのですが、ずっと違和感を覚えながら読み進めたのも事実でした。

本作のテーマは中学校での「『読書感想文』盗作疑惑」ですので、いくら関係者が利害を持ちながら揃っているかと言っても、ここまで問題が大きくなるとは到底思えない題材でした。小説の中ですから、どんなことでも可能ですが、関係する教師があまりにも無能で、一般的な感情を持ち合わせていない描き方はどうなのでしょうか。また、その周辺の人物の性格も薄っぺらく、真っ当な大人の思考力を持ち合わせていないのではとずっと疑問視していました。

また対比的に登場する中学生(一部の主要メンバー)の頭の明晰さと冷静さには恐れ入りました。末恐ろしいという言葉がありますが、まさしくその表現がぴったりです。
現実問題としてこんな中学生がいるとは到底思えません。その違和感は読み続けている間中ずっと脳裏を占めていました。

教育現場が閉ざされた世界だと描いていますし、この閉鎖空間に蠢く人物たちは真っ当な思考力を持ち合わせていないというイメージが鮮明に伝わってきました。その描き方はどうなのでしょうか。
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4620108499
No.8:
(5pt)

疑心暗鬼がうずまいて。

学校教育の現場を題材にしている。
教師の上司と同僚、教師と生徒、教師とPTA、教育委員会、地域住民、政治家。
教師を取り巻く様々なステークホルダーが登場。
将来の夢が叶えられず、仕方がなく教職に就いたという教師たる資質が問われていく。
加え、スマホ校則、SNSによる情報伝達、学校の統廃合を話題にし一石を投じている。
教育現場には、疑心暗鬼がうずまいて、うごめいて、この物語に希望はなく。
これが教育現場の現実を物語っているのだろうか。
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4620108499
No.7:
(4pt)

教師と教育

たいへん面白かったです。教育問題なので不謹慎かもしれませんtが。小説なので許してください。
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4620108499
No.6:
(5pt)

嫉み妬み、恐ろしい

熱血教師がバッタバッタと教育現場及びその周辺の悪を退治する、痛快・喝采の物語ではない。
某中学校の読書感想文盗作メールに端を発し、主人公の感想文指導教諭の苦悩が始まる。
当該中学校教員間の確執等々が盗作騒ぎを軸に展開。数えてみたら20人近くの教師が登場。
これに加え、有力政治家の娘と主人公教諭の婚姻話や当政治家と教育委員会幹部の繋がりなど、
また、廃校是非をめぐる賛成派反対派の衝突やPTA、地域限定マスコミの動きなど。
これらが俗にありそうなこととして描かれている。
一方、登場人物会話間における心理描写などが頻繁に出てくるがこれも面白い。
会話文だけの連続だと疲れる。述べた人物の心模様が補足されているようで「一息つく」のである。
終盤、盗作否かどうかが判明してからページをめくるスピードと量が一気に増え、結末まで一直線。
結局、盗作騒動により壊れた人物多数。そして、SNSより怖いのは、人間の歪んだ心。
追伸 一般的に市町村の教育長は校長退職者が多い。
   また、教育委員会の指導主事は教頭候補者。つまり、教育現場経験者(教員)が充てられる。
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No.5:
(4pt)

学校の先生の苦悩がリアルに描かれていた

読書感想文の盗作疑惑がどんどん大きくなり、学校の統廃合問題に発展していく中で、誰が犯人か分からず、保護者やマスコミへの対応に負われていく中で、教師はどんな対応をしていくのか。

現代はSNSやLINEであっという間に情報が拡散するため、調査中の問題を伏せておくこともできない中、日々の授業やテスト、部活の顧問に加え、関係者への説明までしなければならない学校の先生の苦悩がリアルに描かれていた。

中盤からは少々くどく感じたが、誰も信じられず疑心暗鬼になっていく様子や、わが身を守るための駆け引きなどが丁寧に描かれていて最期まで楽しめた。
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No.4:
(5pt)

ラストにグッときた!

機龍警察のファンです。それとの違いを感じ、戸惑いながら読み進めましたが、最後の主人公の心の叫びにグッときました! 流石。
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No.3:
(5pt)

kindle版切望

kindle版早く出してください。待ってます。
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4620108499
No.2:
(4pt)

負のオーラが凄かった

中学校代表の読書感想文の盗作疑惑がSNSに投稿される。元作家志望で、読書感想文選考の責任者である国語教育の汐野は調査を開始する。

最初は学校内の犯人捜しという心理サスペンスの体でしたが、教育現場の過酷労働や地方の教育行政といった社会問題も巻き込み、カタストロフィに向かっていくさまは圧巻です。そして最後は人間の闇や悪意が、一気に畳みかけるように押し寄せてきて圧倒されました。
近年作風に変化のある筆者が、描きたかったテーマの一つではないかと個人的に思いました。
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4620108499
No.1:
(5pt)

凡庸なる日常の闇の奥底、藪の中で筆を「獲れ」

「古人は神の前に懺悔した。今人は社会の前に懺悔している。」ー芥川龍之介

『機龍警察』シリーズを処女作とした月村了衛のデビュー十周年作品。
2010年代前半は『土漠の花』『槐』『影の中の影』『ガンルージュ』と正統派冒険小説を手掛けてきた著者だが、同年代後半は『東京輪舞』以来、特定のテーマを軸に人間の暗部を描く同じ硬貨の表裏を魅せている。
公安警察、東京五輪、豊田商事事件、そして次なるは教育現場と地方自治。
…という事になっているのだが、作中で繰り広げられる本質はそう容易いものではない。

元作家志望の国語教師、汐野悠紀夫は自身が教鞭を取る地方都市の公立中学が最重要視している読書感想文コンクールで優勝者の女子生徒、藪門三枝子に盗作疑惑が投げかけられている事態に直面する。
事の始まりこそ単なる噂の流布、誰かの悪戯でしかなかったが、それは学校長から教職員と親族、果ては地方政治家を巻き込んだ壮大な動乱と猜疑心を生み出す事態に…

当該作に現実の問題である学校教育の労働現場や地方政治の腐敗、利権問題が含まれている事は明白である。主人公である教師汐野は上司、同僚から生徒達に棲んでいる暗鬼をまざまざと目撃する。
偽善と綺麗事、野心と出世欲、自己保身、責任転嫁…そして疑心暗鬼。
そして、それは自身の卑しい俗物性と向き合わざるを得ない運命を克明に描き出す。
舞台となるは一地方都市の公立中学という局地性でありながら、そこにあるのは濃縮還元された人間社会に暗部そのものだ。
反感を買われる事を承知で申し上げれば、日本の縮図、とやらを描くのに主人公を年端のいかない女子高生や10代の子どもにすることも、ド派手なアクションやヴァイオレンスを出す必要はない。
ある程度の人生経験を経た大人を主軸に老若男女問わず一人の人間として相対し、最後には負のカタルシスを齎す本作は紛うことなき真の娯楽小説たる所以だ。

しかし、一方で私はこの作品には著者である月村了衛自身の半生が書き映された一種のメタフィクショナルな私小説の側面があると考える。
月村氏は大学卒業後に前職の脚本家となる以前、予備校講師として現代文(現国)と古典漢文の教鞭を取っていた。脚本家としてデビューしながらも自身の作家への志望は途絶える事なく、齢40を過ぎて処女作『機龍警察』で鮮烈かつ満を期して作家人生を開幕した。
本作の主人公汐野に著者の顔が最も見え隠れする一冊として、デビュー十周年を迎えるに相応しい鬼作が上梓されたと言えよう。
暗鬼夜行Amazon書評・レビュー:暗鬼夜行より
4620108499

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